Rebirth Of Gashly   作:KUNIEDAの植木鉢

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因縁、決着

「・・・オール・フォー・ワン、ギャシュリー両名が死柄木弔に接近しています!!」

 

「残存戦力を結集させるんだ!何としても食い止めろっ!!」

 

絶望的な状況の中、塚内は必死に指揮を続けていた。

 

疲労したヒーローを何人送ったところで、あの2人を止められるとは思えない。

それでも、彼らは諦めるわけにはいかなかった。

彼らが負ければ、(ヴィラン)の支配が訪れる。

今度こそ、永遠の暗黒の時代が到来してしまう。

 

「絶対に、今日ここで奴らを倒すんだ!!」

 


 

「ふむふむ・・・」

 

個性『レーダー』を発動し、周辺の無線通信状況を探る。

なるほど、そこに司令部があるのか。

 

「勝機なんかもうないって分かってるだろうに、健気だねぇ・・・」

 

もはやヒーロー側に残された戦力はほとんどなく、そんな残りカスでは私達を倒すなど到底不可能。

オール・フォー・ワンと私がいれば、全世界の戦力とやり合っても多分勝てる。

 

「はい、おしまい」

 

適当な放出系の個性を纏めて放ち、司令部を区画ごと消し飛ばす。

 

「オール・フォー・ワン、脳無の強制停止信号などはありますか?黒霧を停止させた方がいいと思いますが・・・」

 

アレを放置しておくのは不味い。

白雲朧としての意識が混ざっている感じだし、さっさと破壊したほうがいいだろう。

 

「そうだね・・・電磁波系の個性は持っているかい?」

 

「はい、どうぞ」

 

オール・フォー・ワンに電波操作系の個性を渡すと、彼は何やら信号を送信した。

やはり停止信号みたいなものも用意してあったか。

 

これにてヒーロー側の指揮系統も崩壊、戦力もない。

残るは──

 


 

「残ってんのはお前だけだぜ?緑谷出久」

 

地上に迸る閃光を眺め、死柄木弔は緑谷出久を嘲笑う。

 

「にしても先生、暴れ過ぎだろ。俺が壊す分がなくなっちまう」

 

「いいや、アレは僕じゃないぜ?」

 

突然聞こえてきた声。

緑谷と死柄木弔は、同時にその声が聞こえた方向に目を遣る。

 

「オール・フォー・ワン・・・!!」

 

「えらく若返ったな、先生」

 

緑谷は彼を睨みつけ、死柄木は面白い物を見たという顔をしている。

 

「ちょっと体を新調してね・・・。僕の個性を返してもらおうか、弔」

 

「ヤダね・・・言ったろ?先生の思い通りにはならないって・・・」

 

オール・フォー・ワンの言葉に、死柄木は拒絶の意を示す。

 

「そうか・・・残念だ」

 

オール・フォー・ワンは死柄木に掌を向ける。

緑谷出久を置き去りにして、悪対悪の頂上決戦が幕を開ける──かと思われた。

 

 

 

オール・フォー・ワンの掌を見た緑谷は、小さな違和感を覚えていた。

奴の掌に、穴がない(・・・・)

死柄木もオール・フォー・ワンも、『AFO』を所持している時は掌に穴があった。

 

(まさか──)

 

それが意味することを、緑谷が理解した直後。

 

「今だ、ギャシュリー」

 

「了解♪」

 

ギャシュリーの穴の空いた掌(・・・・・・)が、緑谷と死柄木に触れた。

 

 

 

 

「やぁやぁ、はじめまして死柄木弔。緑谷出久とは一度会ったかな」

 

緑谷出久の前に、ギャシュリーが姿を現す。

 

『・・・アレは、何だ?』

 

『おいおい・・・アイツはヤバいぞ9代目!!』

 

緑谷の中から現れた歴代継承者達が、緑谷へ警告する。

 

「『OFA(ワン・フォー・オール)』を奪う為には、精神世界で引っ張り合いをする必要がある・・・そういうのは私の得意分野だからねぇ」

 

醜悪な笑みを浮かべるギャシュリーの中から、無数の『赤子』が姿を現す。

 

「死柄木はもう貰っちゃった*1・・・オール・フォー・ワンに目を付けられたのが運の尽きだったね。出生にまで干渉されていたとは、同情するよ」

 

百や千ではきかない、精神世界を覆い尽くす異形。

それは、ギャシュリーによって『赤子』として取り込まれた人々の成れの果てである。

 

「そっちは9人・・・いや、死柄木に1人取られて8人だっけ?」

 

「こっちは3万4千人(・・・・・)で行くから、せいぜい頑張ってね?」

 

ギャシュリーによる犠牲者の数は、即ち彼女の持つ戦力の数。

学校を、老人ホームを、避難所を、ありとあらゆる人の集まる場所を襲撃した彼女は、夥しい数の犠牲者を出していた。

 

「ふぅ・・・『OFA』と『AFO』、確保完了だね」

 

『守れなかった人々』の手によって、ヒーロー側最後の希望は潰えた。

 


 

いや〜、流石に原作主人公は強敵だったね()。

数の暴力ってやっぱり素晴らしい。

『OFA』に体が耐えられるか少し不安だったけど、『赤子』と融合しまくったこの体は伊達じゃない。

 

「オール・フォー・ワン。2つとも回収しましたよ」

 

オール・フォー・ワンへ、2人から回収した個性を返還する。

『赤子』を大量に束ねて作った肉体だ、『AFO』と『OFA』の両方を入れても耐えられるだろう。

 

「ふふふ・・・おかえり、与一」

 

うわぁ・・・(ドン引き)

キモッ。

 

「コピーの方のオール・フォー・ワンは・・・」

 

「もう必要ないからね・・・君にあげるよ」

 

やったぁ、ラッキー!

使える手は多いに越したことはないからね。

 

「『OFA(おとうと)』は手に入れた・・・想定とは違うが、新たな器も。ならば残すは最終目標・・・」

 

「即ち世界へ」

*1
人生の全てがオール・フォー・ワンの仕込みだったことを暴露。死柄木の精神を破壊した




次回で最終回です。
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