灯火、使徒より賜りて 作:今津
後日、ウィリアムの自宅。
サイタマとキングが集まり、ジェノスがついてくるまではいつも通りだったが、後からアマイマスクまでもがやってきて混沌としていた。
ジェノスとアマイマスクはなんか遠くで揉めているが関わる気にもなれないので放置だ。「貴様はサイタマ先生への態度がでかい」「キミはウィリアムに対する態度がなってない」とか同レベルで勝手に言い争っているのが聞こえる。引き合いに出されてる方は特に気にしてはいないのに。
キングとモンスター対戦をしたウィリアムは、案の定負けて「6タテじゃねーか!」と悶えていた。
負けっぱなしではいられないと、今度はサイタマと対戦を始める。
小さなゲーム機から軽快なBGMが流れ、ドット絵のモンスターがピコピコと動く。
次にモンスターに指示する技を考えながら、サイタマはふと、以前アマイマスクと交わした会話を思い出した。
「……そういや、ウィルはなんでヒーローやってんだ?」
「んー?」
生返事が返ってきた。
画面の中で、サイタマが育てたモンスターが技を繰り出し、ウィリアムのモンスターにダメージを与える。
「趣味だよ」
「……へぇ」
「なんだよ急に」
「いや……趣味以外で答えろって言われたらどうする?」
「えぇえお前がそれ言う? それ以外に答えようがねーんだけど」
ウィリアムの手元から、ピッピッとカーソルが動く音がする。
「あーでも、憧れたってのはあるかも」
「……ヒーローに?」
「ヒーローにっていうか、まあお前に」
「……」
画面の中で、相手のモンスターが繰り出した攻撃は、当たらなかった。
「……おい、なんで外れるんだよ!? クソッ!」という魂の叫びを聞いたキングが、ウィリアムの背後から画面を覗く。
「あー命中90じゃしょうがないね。体感だと30の方がまだ当たるよ」
「ありえん」
「それは俺もそう思う」
「もう今度から必中技しか採用しねーわ……」
「……ウィル氏ってわりとオタクだよね」
「わりとってかオタクだろー。勝手が違うから知識がズレてるのは認めるけど、ポ【規制音】なら昔結構やりこんでて……」
「え、何? よく聞こえなかった」
「だからポ……あ、うん、いいわ、忘れて」
ウィリアムは苦笑いしながら顔を上げた。
「なあ、お前のターンなんだけど。……」
「…………」
「何照れてんだよ」
「……ほっとけ……!!!」
頭が痛くなってくる。
サイタマはヤケクソでボタンを押した。
「……は?」
「そう、これが────命中率30%の世界だ。残念だったな……ウィル氏」
「おま……このッ……ワンパンマンがよぉっ……!!」
「………………」
「いつまで照れてんだよ!!!もう一戦やんぞ!!!」
「も、もういい……もう……いい……!!」
てってれーと勝利BGMが鳴る。
試合には勝てたが、勝負に勝てた気はしなかった。
「あいにく精密データを取る機械が一基しかなくてのう……順番待ちになってしまう。こちらから頼んでおいて申し訳ない」
「気にすんな。俺はジッとしとくのも別に苦じゃないし」
「そうか……。して……ジェノスからは、ウィリアム君は何か別の目的があってここに来たのだと聞いておる。もし内密にしたいことであれば、今ならジェノスも席を外しているし……」
「え? あー、違うよ。ジェノスとは事前に約束しておいたんだ。それで、ちゃんと思い出してくれたからな。俺は俺の責任において
「? それは……」
「ま、借りを返すとでも思ってくれ」
ズズンッ……
「焼肉のな」
閲覧ありがとうございました。
今後は村田版/ONE版原作の更新如何によって、内容を差し替えたり書き足したりしたいと思います。
そうでなくとも、何か思いつけば番外編として更新したいです。アニメ3期が楽しみですね。
そのときにはまた、よろしくお願いします。