ゆい「拓海にしか、こんな事しないよ」   作:ゴールド@モーさん好き

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第1話

「拓海、膝枕とかしない? 」

「は? 」

 

 それは、突然の事だった。俺の高校受験が終わり落ち着いた時、ゆいの方から久しぶりに2人でゆっくり話がしたいという申し出が来た。

 俺も受験の為に詰め込み期間は中々ゆっくり出来てなかったので、ソレに了承し俺の部屋に招き入れたが……

 

「お前、何言ってるか分かってんのか? 」

「えっうん、それよりほら! 」

 

 ゆいは自分の太ももをポンポンッと叩き、俺に寝る事を促してくる。

 

「ついこないだまで受験の為に頑張って、まだ色々と疲れ溜まってるでしょ? そういう時は素直に誰かに甘えても良いと思うんだ」

「いや、でもお前……」

 

 流石に部屋で男女2人っきりの時に、膝枕は如何なものかと断ろうとしたが、ゆいの顔を見て引きそうに無い事を察して諦めた。

 

「……分かったよ、お前の善意に甘えるとする」

「……うん! 」

「全く、こっちの気も知らんで」

「なんか言った? 」

「いっいや、なんでもない。それじゃあ……失礼します」

「どうぞ〜」

 

 俺はゆいの太ももに頭を預け、横を向きながら寝る。だが、どうしても体に力が入ってしまう。

 

「拓海、リラックスして体重乗せても平気だよ? ほら、体の力抜いてさ」

「お前なぁ、こんな状態でリラックスなんて出来るわけないだろ……」

 

 ベッドから掛け布団を手に取り、俺に掛けながら言うゆいに思わずツッコんでしまう。

 

「リラックス出来ないって、なんで? 」

「なんでって、逆に聞くがお前は出来んのかよ」

 

 俺の頭を撫でながら、無茶を言うこの幼なじみについ聞き返してしまった。

 

「う〜ん、そうだねぇ……体の力を抜いて拓海に甘えるって事は出来ると思うよ」

「ははっ確かにそうかもな」

「けど、リラックスするってのは難しいかも」

「え? 」

 

 ゆいの思わぬ言葉に振り向き、顔を見上げる。そこには、俺のよく知るゆいは居なかった。

 

「ねぇ拓海、私がこんな事誰にもすると思ってる? 」

「っ! 」

「拓海にしか、こんな事しないよ」

 

 こちらを見下ろすゆいは頬を赤く染め、優しいような険しいような表情をしていた。

 

「男の子に膝枕なんて、ドキドキするに決まってるじゃん。今だって本当は、はちきれちゃうんじゃって位ドキドキしてる」

「ゆ、い? 」

「けどね、それでもしてあげたいなって思うし、されたいなって思うの。拓海だからなの、拓海だけなの」

 

 気づけば先程まで俺の頭を撫でていたゆいの手は、俺の頬に添えられ視線を合わせるようにしていた。ゆいの瞳は気持ちが高ぶってるのか、僅かにうるうるとし始めていた。

 

「ゆい、お前……」

「私、確かに花より団子っていう感じなのは自覚してるよ。けど、知らない訳じゃないよ」

 

 俺は体を起こし、ゆいの手を握りながら向かい合う。

 

「ありがとう、ゆい。そこまで想ってくれて、だからコレはちゃんと俺から言うよ」

「……うん」

「ゆい、好きだ。俺とずっと一緒に居てくれ」

「私も……拓海が大好き」

 

 初めてのキスはレモンの味だと言うが、そんな事はなく少しだけ、しょっぱかった。

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