除霊戦士~絆の英雄(ヒーロー)達~   作:小森信

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思ったより早く投稿できました。




第二話 除霊師との出会い

私は気が動転しつつも、その降ってきた人物に目をやった。

 

その人物は若い男性で、私よりも年齢は高いだろうと思われた。

 

またその男の姿を見てみると、背はとても高く、黒髪で容姿端麗、衣服は巫覡のような装束を纏い、右手にはお祓い棒を持っていた。

 

「え…あの、あなたは…?」

 

「下がってろ。怪我したくなきゃな。」

 

「えっ?はい…分かりました!」

 

彼にぶっきらぼうな口調で指示され、私は急いで校門側へと駆け出した。

 

/////

 

謎の青年視点

 

近くに居た女子生徒を避難させた俺は臨戦態勢に入った。

 

今回現れたグルーマーは自転車の形をしているようだ。

 

「はぁ、また来たか除霊師め!いつもいつも僕らの邪魔をして!

グルーマー、やれ!」

 

「グルルルルォォォォォン!!!」

 

風見が命令すると、グルーマーが雄叫びを上げた。

 

相手は鋭い眼光で、こちらを見下ろしながら、ゆっくりと後ろへと下がっていった。

 

「グルオォォォォォォォン!!!」 

 

思っていたとおり、相手は後ろへ移動すると、急加速して俺に向かって突進してきた。

 

俺はその突進を咄嗟に飛んで回避し、風の霊力のこもった弾を数発放ち、攻撃をする。

 

「避けろ!グルーマー!」

 

風見がグルーマーに命令した。

 

「グルグルグルグルグルー!!!」

 

そして、グルーマーは風見の命令を聞き、それらを全て素早い動きで避けた。

 

『チッ。やっぱ、そう簡単には当たらないか…。』

 

落下する間に、風の霊力を使い、俺は俊敏に空中を移動する。

 

「ならば…はぁぁぁ!!『辻斬り』!」

 

俺は攻撃対象を奴のタイヤに定め、お祓い棒に風の霊力を纏わせ刃物状にすると、相手に急接近をして攻撃を仕掛けた。

 

「まずいぞグルーマー!何とかしろ!」

 

風見がグルーマーに言った。

 

『グルオォォォォォン!!』

 

すると、グルーマーはこちらに抵抗するために協力な光を用いた目眩し攻撃を仕掛けた。

 

『悪いが、そんな小手先の攻撃は俺には通用しないぞ。』

 

俺は自分の服の袖を使い、顔を覆うことでそれを回避した。

 

『さぁ、これでも喰らいやがれ!』

 

俺はタイヤに向かって一直線に直進し、切り裂こうとした。

 

『グルオォォォォォォォン!!!』

 

しかし俺は、相手の自転車のベルによる音波攻撃を受けて攻撃を止めてしまった。

 

『うぅ…!み…耳が…』

 

『グルオォォォォォン!!』

 

直後、相手は俺の背後から追突を仕掛けてきた。

 

俺は即座に防御するも突き飛ばされ、校門側の壁に叩きつけられた。

 

「ぐっ…」

 

「大丈夫!?怪我はありませんか?」

 

先ほどの女子生徒が俺の元に駆け寄ってきた。

 

「馬鹿!飛び出すな!」

 

そんな彼女を狙って、相手が接近し、腕を伸ばそうとしてくる。

 

『燕返し!』

 

俺は相手の腕を切断した。

 

相手は後ろへ逃げると腕を再生し、こちらの様子を伺い始めた。

 

「はぁ…まったく…隠れてろつったろ。」

 

「ごめんなさい、でも心配になって…。」

 

『…目眩しは平気だが、あの音波攻撃が厄介すぎる。何か奴の攻撃を防げる物はないのか…?』

 

「……あの、もしかしたら、これが使えるんじゃないですか?」

 

そう言うと、彼女は俺にある物を手渡した。

 

「これは…!」

 

それは耳栓だった。

 

「ありがとな、少し借りる。」

 

俺はそう言って彼女から耳栓をもらうと、奴の方へと向かっていった。

 

「何度やっても同じだ!グルーマー!」

 

風見の声掛けと共にグルーマーが叫び、攻撃を再開する。

 

俺は相手を翻弄し、再びタイヤへと接近する。

 

そして、先程と同じように相手は叫ぶと同時にベルを鳴らそうとする。

 

「二度も同じ手はくらうかよ!」

 

俺は耳栓を装着して、音波を遮断、そのまま加速して奴のタイヤに穴を開けた。

 

タイヤから空気が抜けた相手は動くことができなくなった。

 

それを見て風見は「何!?」と言ってうろたえていた。

 

「グオッ!?グルオォォ!!!」

 

「さぁ、ここで終わらせてやる。」

 

俺はお祓い棒に霊力を込めると、巨大な風のエネルギーの球体を生成し、それを撃ち飛ばした。

 

『神風真球(かみかぜしんきゅう)!!!』

 

『グルオォォォォォン………』

 

俺の攻撃を喰らい、奴は浄化され消滅した。

 

『す…すごい…』

 

先ほどの女子生徒が後方で感嘆の声を漏らす。

 

「くそっまたやられた!まあいっか、二つは手に入ったし…」

 

彼は二つの手に持ったハートを見てやや不満そうに言うと、一瞬で姿を消した。

 

「あの……」

 

彼が消えると、後ろの方から助けた女子生徒が後ろからおもむろに俺に近づいてきた。

 

「……あの!助けてくれてありがとうございました!」

 

彼女はそう言った。

 

彼女のサイドツインテールが垂れ下がる程に深々とお辞儀をして。

 

「別に…」

 

面と向かってお礼を言われたので、俺はつい目を逸らしてしまった。

 

「えっと…あなたは一体…?」

 

「俺は淡島雄海(あわしまかつみ)。除霊師をしている。」

 

「除霊師……?」

 

彼女は茶色い瞳で俺をまじまじと見つめて来た。

 

綺麗な顔立ちをしている少女に見つめられて、俺はかなりドギマギしていた。

 

「そ…その…あ…あぁ…近い…近いから…離れて…」

 

俺は彼女に「近いから離れてくれ。」と言おうとしたが、緊張してして顔を赤らめて、動揺のあまり、声が小さくなった。

 

「わっごめんなさい!除霊師なんて見たことないからつい……さっきの怪物や人形は何だったんですか?」

 

しかし、彼女は俺の様子を見て、慌てて離れ、軽く指を組みながら謝った。

 

俺は彼女に「気にしないで。」と言おうとしたがもじもじと言い淀んでしまった。

 

「大丈夫…ですか?」

 

彼女が心配そうな目つきで首を傾げながらこちらを見つめて来る。

 

「…あぁ…大丈夫だ。」

 

俺は軽く咳払いをして、彼女の質問に答え始めた。

 

「あいつは風見仁郎っていう人形に取り憑いている悪霊だ。そして、あいつみたいな奴らが他にも十一人居て、そいつらは全員、『丞相』っていう奴に命じられて人間の感情を集めているんだ。」

 

「悪霊!?あの男?って幽霊だったんですか!?」

 

「そうだ。」

 

「そうなんですね………でも一体何のために?」

 

「それは俺にも分からない…。ただ一つ言えるのは明らかに良くないことをしようとしているっていうことだけだ。だから、除霊師である俺が彼らを除霊して、人間を助けようとしているんだ。」

 

「そうなんですか…」

 

俺の話を聞いて、彼女はとても不安に感じているようだった。

 

先ほど自分を襲ってきたような存在が他に十人以上もいるということが伝えられたのだ、不安にならないはずがない。

 

俺は彼女に不安を紛らわすために何か言おうと思ったものの、結局、何もいいアイデアが浮かばなかったので、そのまま話を続けた。

 

「それで、あの怪物、グルーマーのことだが、あいつは人間の負の感情のエネルギーを使って生み出された化け物だ。そして、全ての人形達はあいつを生み出す力を持っている。それで、奴らが人間の感情を奪い、それを使ってグルーマーを生み出してさらに感情を奪う。そういうサイクルになっているのさ。」

 

「すごい恐ろしいサイクルですね…。あの、すみません。」

 

ふと、彼女が俺に尋ねてきた。

 

「どうした?」

 

「さっき、風見も言ってたのを聞いたんですけど…感情を奪われた人間はあんな風になっちゃうんですよね…」

 

彼女は暗い面持ちで、横たわっている二人の男子生徒を指さした。

 

「……あぁ。」

 

「もう元には戻せないんですよね……?!」

 

彼女は涙ぐみながらそう言って、唇を噛んだ。

 

「いや…取り戻す方法が一つだけある。」

 

「本当ですか!?」

 

彼女の目に再び光が灯った。

 

「奴が感情を人間から奪った時にハートが出てきただろ?あれを奪って元の体に戻すことができれば、再び二人を復活させることができる。」

 

「そうなんですね!戻す方法があって良かった…」

 

彼女は胸に手を当てて心から安堵している様子だった。

 

「そこの二人はお前の友達か?」

 

「はい。大切な友達と、ちっちゃい頃からの幼馴染です…」

 

「そうか…。なぁ、良ければ家まで送らせてくれないか?」

 

「え?」

 

「いや…えっと…別に…そんなやましい気持ちとかじゃないんだけどな…。ほら…さっき襲われたばっかだろ…?だから…」

 

「あぁ、そういうこと…でも…本当に家まで送っていってくれるんですか?そんなこと言って本当は私を誘拐したりしようとしてるんじゃないんですか?」

 

「いや…えっと…ち…違う…」

 

「さっき『やましい気持ちとかじゃなくて…』ってこっちがまだ疑ってもないのにそういうことを言うなんて怪しいですよ!」

 

「いやいやいや!怪しくない!というかあのそれは…えっと…」

 

そして、この後上記のようなやり取りがしばらく続いた後、俺はなんだかんだで彼女を家の近くまで送ることになった。

 

家に着く頃には既に空が夕焼けで赤く染まっていた。

 

「じゃあ…気をつけてな…。」

 

「はい!今日は助けてくれて本当にありがとうございました!それでは!」

 

俺は元気にお礼を言う彼女を一瞥して去っていった。

 

彼女の茶髪が夕日の光に照らされて鮮やかに映えていた。




今回から、視点変更のときは誰の視点だと書くようにしてみました。
読みやすくなれば幸いです。
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