【本編完結】マチュを拾った転生者のお話   作:アスラ

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4DX観てきました。追加の特別映像も観ました。
いろいろ衝撃的すぎるのと今後のプロットをどうするか悩みましたが、当初の予定通り駆け抜けていこうと思います。
テレビ放送の日時も発表されましたしね!
本作品はテレビ放送までの鮮度だと自覚しているのでスピードアップを図りたいと思います。
皆様、あと1か月弱のお付き合い、よろしくお願いします<(_ _)>


アマテ・ユズリハ7歳の作文

 自室にて、アマテが真剣な表情で机に向かっている。その手には鉛筆が握られ、眼前には文章用の方眼紙ーーーいわゆる作文用紙が鎮座していた。

 

 傍目から見れば、何を書こうか迷い手を止めているようにしか見えないだろう。うんうん唸って悩んでる様子は、大変に微笑ましい光景だ。

 確かにアマテは迷っている。何を書けばいいか延々と思い悩んでいる。

 しかし、その悩みというのは普通とは少し違ったものであった。

 

「どうやって1枚にかこうかな……」

 

 そう。どうやって作文用紙1枚に収めようか悩んでいるのだ!

 

 こうなった原因は単純である。

 発端は先日の国語の授業だ。

 『自分の大好きな人』というテーマで作文を書くことになったアマテは、何を書こうか、どうやって書こうか悩んでるクラスメイト達をよそに物凄い勢いで作文用紙を埋めていった。

 それはもう物凄い早さであった。通常の3倍くらい早かった。

 そしてあっという間に作文用紙を埋め切ったアマテは先生の下に向かいーーー

 

「おかわり」

 

 なんと2枚目を要求したのだ。

 これに困ったのは担任の先生だ。この作文は来週に開催される授業参観にて発表してもらう予定のものだ。クラス全員に発表してもらう予定である以上、1人1枚を想定していた。

 だがここに例外が存在する。というかしてしまった。

 聞けば「あと3まいはほしい!」とのこと。

 さすがにそこまで許す訳にはいかないと、なんとか1枚に収めるよう説得した。

 これで問題解決と先生が胸をなでおろした。賢いアマテさんのことだから、1枚でも上手くやってくれるだろうと。

 しかしここで想定外の問題がまたもや発生してしまう。

 クラスの子供たちが次々と書き上げる中、今度は逆にアマテの手が止まってしまったのだ。

 何事かと聞けば「なにをかけばいいかわからない」とのこと。

 正確には、『書きたいことが多すぎて取捨選択できない』ということだ。

 結局アマテはその後も書けず、ちょうど金曜日ということも来週までの宿題になり、こうして自宅でうんうん唸っている、という訳だ。

 

「2まいあったら……」

 

 四苦八苦して内容を削っても、まだ文字数がオーバーしてしまう。

 大好きなパパのことならなんでも書ける!大好きなパパの魅力をみんなに伝えられる!と意気込んだはいいものの、発表できなければ元も子もない。

 どうしよう……と机に突っ伏していると、コンコンと扉がノックされる。

 いいよー、と気の抜けた返事をすると、エプロン姿のイザナが顔を覗かせてくる。

 あれまさか……とアマテが時計を確認すると、18時16分。とっくに夕食の時間を過ぎていた。

 

 ごめんなさい!と急いで筆記用具を片付け、イザナの後を付いていく形で食卓に向かう。

 未だに作文の悩みが頭に付き纏うが、ずっと囚われても仕方ない。

 幸いまだ時間はあるからゆっくり時間をかけて問題解決しよう、とアマテは未来の自分に問題をぶん投げ席に着く。

 今日の晩御飯は朝にリクエストしたオムライスだ。大好物のひとつであり、過去には専門店巡りしたこともある。

 しかし、アマテは大好きなパパが作ってくれるオムライスが一番好きだった。お店でしか食べられない手の込んだオムライスが美味しいことは否定しないし、仮にどっちが美味しいかアンケートを取れば専門店のオムライスに軍配が上がるだろう。アマテには言っていないが、日々研鑽を積んでいるとはいえイザナ自身も専門店には劣ると自覚している。

 それでもアマテはイザナお手製のオムライスが一番好きだった。仮にこれから一生一種類のオムライスしか食べられないと選択を迫られれば、一瞬の躊躇いもなくイザナ製を選ぶくらいには。

 

 手を合わせ、いただきますの挨拶をしスプーンを握る。

 そして躊躇いなくオムライスにスプーンを差し込み、口へと運んだ。

 アマテの期待通り、味は素晴らしいものだった。いやむしろ以前より上がっているかもしれない。

 やっぱりパパはすごい!とn回目の再認識をして二口目を運ぼうとしーーーアマテに電流走る。

 

 閃いた!これは作文に使えるかもしれない!

 

 

 

 

 

 

 いつも着ている作業服から余所行き用のジャケットとチノパンに着替える。

 今日はアマテの学校の授業参観日だからだ。服装についてお知らせの紙に書いていなかったが、さすがに普段着で行くのは憚られるし、作業服なんてもってのほかだ。

 自分だけは良くても世間体というのはあるし、なによりアマテがからかわれたり最悪いじめられる原因になりたくない。

 という訳で普段はつけないヘアワックスで髪型を整え、自宅を後にし駅へと向かう。

 

 普段は見れない娘の姿を見れるということで柄にもなくワクワクしながら電車に乗りながら、ここ最近のアマテを思い返す。

 金曜日に学校から帰ってきてから、あの子は机の前でうんうん唸っていることが多くなった。

 なにか悩み事でもあるのかと問いかければ、作文に何を書くか悩んでいるとのことだった。

 その気持ちわかるぞ~。俺も作文や読書感想文の類いは苦手だったからな。いっつも何を書こうか悩んで、結局は当たり障りのない無難な文章に落ち着いていた。

 手伝おうか?と提案することも考えたが……やめておいた。

 なんでも親がしゃしゃり出ると悪影響しか及ぼさないだろうし、なにより逃げ癖頼り癖を付けたくない。

 それにアマテは賢い子だ。親の贔屓目かもしれないが作文程度なら問題なくやり遂げられるだろうし、どうしても無理な時には頼ってくれる子だと知っている。

 という訳で俺は作文のテーマも内容も知らない。授業参観に参加するまでのお楽しみだ。

 

 

 

 学校の正門を潜り、受付を済ませ親御さんたちと挨拶を交わしながらアマテの教室へと入る。

 アマテは……いたいた。聞いていた通り、教室のど真ん中に席があり、友達らしき女児生徒と談笑している。

 友達と楽しそうに会話してるアマテも可愛いな……と娘の可愛さの再確認(n回目)をしていると、こちらへと振り返ったアマテと目が合った。

 そして、ブンブンとこちらに手を振ってきた。

 ああ……やっぱうちの娘サイッコーに可愛いな!俺も手振っちゃう!

 

 キーンコーンカーンコーン……

 

 微笑ましい(強弁)親子のコミュニケーションを取っていると、授業開始のチャイムがなった。

 名残惜しいが授業に集中しなければならない。アマテも分かっているのか、正面へと向き直る。

 

 そして国語の授業が始まった。事前に聞いた通り作文の発表でテーマは……『自分の大好きな人』か。

 『家族』と限定していないあたり自由度が結構高いテーマだな。事実、作文を発表している生徒の中には今流行りのアイドルを題材にしている子もいる。

 親としては複雑な心境になるだろうが……まぁ子供のやることにいちいち目くじら立ててもしょうがあるまい。

 ……まぁ、アマテが俺以外を題材にしていたら内心めっちゃ泣くけどな!

 いやだー!!アマテの一番取られたくないー!!

 

 

 

 

 

 

 〇月×日

 

 アマテが授業参観のお知らせのプリント持ってきた。

 この日が今年もやってきたかぁ……。去年は算数の授業だったけど今年は国語らしい。

 なんでも事前に書いた作文を発表するとか。

 なにを書くか気になるけど……まぁ当日までのお楽しみにしておくか。

 

 〇月△日

 

 授業参観が明日に迫った。

 とりあえず寝る前にクローゼットにしまった正装を取り出しておこう。

 めったに着てないけど虫食いとか大丈夫なはず……。

 

 〇月□日

 

 やっぱうちの子最高だわ。

 気分いいから今日はごちそう!オムライス作っちゃう!!

 あと虫食いは大丈夫だった。

 

 

 

 

 

 

 わたしのだいすきなパパ

 

     アマテ・ユズリハ

 

 

 わたしが一番すきな人は、パパです。

 パパはとってもカッコイイです。いえにいるときも、しごとをしているときも。

 カッコよくなかったときなんて一回もなかったです。

 ほんとうはいっぱいいっぱい、パパのいいところをかきたいけど、がまんしていっこだけかきます。

 パパはおりょうりがじょうずで、いつもおいしいごはんを作ってくれます。

 なかでも一番すきなりょうりはオムライスです。

 友だちはおみせでたべるオムライスがいちばんっていいますが、わたしはパパがつくってくれたやつが一番すきです。

 チキンライスをたまごでつつんでケチャップをかけたとってもシンプルなオムライスだけど、それが一番です。

 わたしもいつか、いつもじぶんをあいでつつみこんでくれるパパに、オムライスを作ってあげたいです。

 

 

 




小学二年生の作文ってこれでいいのかな?と悩みました。
違和感あっても多めに見ていただけると幸いです。


面白いと感じていただけたら、ぜひ感想と高評価をお願いします<(_ _)>
『面白かった』の一言だけでも作者は泣いて喜びます。
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