【本編完結】マチュを拾った転生者のお話   作:アスラ

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今回はちょっと短めです。
あと機械弄りに関して作者は素人です(予防線)
大目に見てくれると幸いです。


アマテ・ユズリハ8歳の趣味

 8歳女子が夢中になるものは何か?

 以前とあるアンケート会社が集計した結果によると、1位がアクセサリーや小物を自由に作れるいわゆる『メイキングトイ』で、2位以降は腕時計、クッキングトイ、トイカメラと続いた。

 この結果から読み取れるのは『背伸びをしたいお年頃』という大変微笑ましいものである。親やテレビなどで見る大人がやっていることを、自らもやってみたいという欲求が生まれる。

 女子は男子より早い8~9歳ごろに思春期を迎える関係上、大人に憧れるのは至極当然のことだ。

 だからこそ上述した通り、自らの感性に沿った『大人らしい趣味』を好むようになる。

 そして、アマテもこの例に洩れず『大人らしい趣味』を持つようになった。

 

「おとーさーん。そこにあるドライバーちょーだい」

「……………」

「ん。ありがと」

 

 その趣味が『機械弄り』なのは……女子らしいとは言えないが。

 

 

 

 

 

 

 アマテが本格的に機械弄りを趣味にした。

 正直に言うと、ついに来たかぁ……って感じだ。

 女児向け雑誌より機械関連の本に興味を持つなど兆候はあったのでうすうす覚悟はしていたことではある。 

 こう言うとネガティブに受け取られかねないのであらかじめ言っておくが、これを俺は悪いことだとは思っていない。むしろ嬉しく思っている。『ああ、父親の仕事を好意的に見てくれたんだな』って。

 ただ、同時に『本当にこれでよかったのか?』と後悔のような気持ちもある。

 もっとアマテに合った趣味があるのでは?趣味の違いが原因で学校で浮いていないだろうか?機械弄り以外にもっといろんな体験をさせた方がよかったのでは?

 喜びと後悔。同時に心に積もっていく感情。

 その吐き出し先を求めて、俺はある人物とバーに来ていた。

 

「そいつは親のエゴってもんじゃないか?」

「……………」

 

 苦笑しながら、元締めが俺を窘める。

 そう。その人物とは、俺の元上司であり現友人。

 サイド6におけるほぼ全てのジャンク屋を取り纏めているボス的存在だ。

 

「お前は娘に機械弄りだけさせていた訳じゃないだろ?あらゆる選択肢を与えた結果なら素直に尊重してやるべきだとオレは思うぜ」

 

 彼の言う通り、俺はあらゆる選択肢を用意した。

 釣り、ゲーム、読書、スポーツ……思いつく限りのことは体験させた。

 

「それにたかが趣味じゃねえか。麻薬(ヤク)みたいな非合法なモンでもないし、好きにさせるべきだろう」

 

 確かにたかが趣味だ。人様に迷惑かける類いのものではないし、親の勝手でやめさせるなんてもってのほかだ。

 

「つーかお前、3年前と別のこと言ってんじゃねえか。趣味にするのは問題ないって話だったろ?」

 

 いやそうだけどさぁ。いざほんとに趣味にされるとこう……いろいろ思うとこがあるんだよ!

 お前も人の親だったから分かるだろこの気持ち!?

 

「…………」

 

 ん、どうした?急に黙り込んじまって。

 ……あ!いけねぇいけねぇすっかり忘れてた。

 こいつ親権ごと嫁さんに出てかれた時、娘はまだ3歳だったんだよな。

 未だに連絡もないし所在不明だから会いたくても会えないって以前愚痴ってた。

 こいつは悪いことしたな……。

 俺はマスターに酒のおかわりを注文し、元締めに差し出した。

 

「……スマン」

「……気にすんな」

 

 

 

 

 

 

 γ月α日

 

 アマテが機械弄りを趣味にした。

 修理屋としては嬉しいけど、親としては少し複雑だ。

 心が二つある〜。

 

 追記

 ついに俺のことを『パパ』ではなく『お父さん』と呼ぶようになった。

 思春期に入っていろいろ心境の変化もあったんだろう。

 ……でもまぁパパ呼びされなくなるのはちょっと寂しい。

 けど成長の証だと思って受け入れよう。

 

 γ月□日

 

 あいつにいろいろ吐き出してすっきりできた。

 アマテの機械弄りを全力で応援することに迷いはなくなった。

 とりあえずアマテ専用の工具類を買い与えないとな。

 いつまでも共用にしていたらいろいろ面倒だしな。

 

 α月Ω日

 

 子の成長は早いと言うが、マジで早い。

 最初こそ機械の分解ばかりだったけどもう組み立てができるようになった。しかも完璧に復元してる。

 うちの娘凄すぎだろ……。

 

 □月×日

 

 機械の分解組み立てではもう満足できないようだ。

 急にはんだごてを使いたいと言い出した。

 ……まぁ、少し早いと思うけど許可するか。

 もちろん、俺の付き添い限定だけどな。

 親バカだろうけど可愛い娘がやけどするところなんて見たくないからな。

 しっかし、なんで急にそんなこと言ったんだろう?

 

 □月γ日

 

 急にはんだごてを使いたがってる理由が分かった。

 ユズリハ工房では格安でジャンクを引き取ってパーツ取りなどに活用しているのだが、ある日アマテはその中から壊れた猫型ペットロボットを見つけたようだ。

 自室にこっそり持ち帰って修理しようとしたものの、基板の故障だけはどうにもならなかったらしい。

 まぁそこらへんははんだごて使わないと無理だからなぁ。

 

 △月α日

 

 なんかプログラミングの勉強したいって言いだした。

 猫型ペットロボットを修理した際、俺が最終チェックでPCと繋げていろいろやってたのを見て興味持ったらしい。

 まぁ覚えてて損はないし教えるか。

 

 △月β日

 

 うちの子凄すぎんだけど……(二回目)

 なんか1、2時間教えただけで簡単なプログラミング言語覚えた。

 子供の脳って乾いたスポンジ並みに吸収早いぜ。

 いや、アマテに才能がありすぎるのかも?

 とにかく凄い!天才!!

 

 

 




調べてみたら最近は年中くらいからでもロボット組み立て教室やってるんですね。びっくりしました。


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