ハイスクールD×Dの女性キャラがヤンデレたら 作:ヒロアキ141
僕はこの神社の境内で軽いトレーニングを日課として行っている。
「あらあら、いらっしゃい。今日もトレーニング?頑張るわね」
「こんにちは、姫島先輩。今日も境内少し借りますね」
出迎えてくれた彼女は姫島朱乃。この神社の巫女をしている女性で、僕の通っている駒王学園の先輩に当たる人である。
そして時間が過ぎ、僕がトレーニングを終わらせると同時に、姫島先輩がお茶を持ってきてくれた。
「トレーニングお疲れ様でした。お茶でも飲んでゆっくり休んで下さいね」
「ありがとう姫島先輩。いただきます」
僕は姫島先輩から出されたお茶を一口飲んだ。
「凄く美味しい」
「それは、淹れた甲斐がありましたわ」
そういいながら姫島先輩は僕の横に座った。
「貴方って、本当かっこいいわね。さぞかしモテるんでしょう?」
「姫島先輩………あまり後輩をからかわないでくださいよぉ……」
「あらあら、御免なさいね」
「それよりも姫島先輩の方こそ、モテるんじゃありませんか?」
姫島先輩の冗談めいた発言に苦笑しながらそう答えた。
「私はそういった事は興味無いのよ」
姫島先輩はにこやかな笑みを浮かべながらこう告げた。
「ごめんなさい。無神経な事を聞いて」
「良いのよ、別に。それと、お茶のおかわりいります?」
「もう時間だから帰らなきゃ。また明日来るから」
「では、また明日。お待ちしてますね」
僕が先程使っていた湯飲みをお盆に乗せ姫島先輩は台所へ向かっていった。
「(今は良いが、彼女は僕に依存し過ぎている。何れはこんな関係を改めていかなきゃな………)」
僕はそんな事を考えながら神社を後にした。
「君の事が好きです!付き合ってください」
あくる日、僕は屋上で告白をされた。
相手はクラスメートの男子が「クラス一、否学年一の可愛さ」と口を揃えて言う程の美少女だった。
「何で僕なんだい?君の美貌なら引く手あまたじゃないか?」
自分とは縁のない彼女からの告白に、僕はそう質問し、
「実は私、貴方の部活の大会を見て貴方に惚れたんです」
彼女はこう答えた。
彼女の答えが想定外の事だったので、即座に返事ができなかった。
数分経って、僕は彼女にこう告げた。
「僕は君の事あまり知らないけど、それでも良いなら付き合うよ」
「良いんですか?………良かったぁ、これから宜しくお願いしますね」
こうして、僕と彼女は恋人の関係になった。
しかし、この光景を見ていた人物がいたのをこの時、知る術はなかった。
その日の放課後、学年一の美少女に告白された僕は目の前に立っていた人物に気がつき、声をかけた。
「姫島先輩……どうしたんですか?」
「大丈夫よ、気にしないで」
「分かりました。ですが相談にはのりますから、何時でも声をかけてきてくださいね」
「やっぱり君はやさしいのね
アナタハアンナゴミナンカニアワナイ。ゴミカラトリカエサナキャ」
と僕に聞こえないほどの小声で呟いた。
「姫島先輩?早く行きましょうよ」
「待ってて、すぐ行きますわよ」
姫島先輩は僕の一言に我に返り、僕の横に走ってきたので僕は姫島先輩と一緒に家路に向かった。
告白をされた日から暫く経った日
僕はその日用事があって遅くなり、暗い道を歩いていた。
自宅に向かおうと角を曲がった瞬間、衝撃的な光景を目の当りにした。
それは
「貴女のような屑が彼に近寄るな!貴方は彼に相応しくない!アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
それは雷光の魔力で作った槍で滅多刺しにされている女子生徒と、普段からは想像の付かない表情で、彼女を魔力の槍で滅多刺しにしている姫島先輩の光景だった。
「先輩、一体何を…………!」
恐る恐る姫島先輩に声をかけると
「貴方にまとわりつく屑を排除しているのよ?」
と姫島先輩はハイライトの無い瞳で此方を見ていた。
僕は彼女の狂気に恐怖してその場から逃げ出そうとした。
しかし
「フフフッ、逃がしはしないわ」
姫島先輩の放った一撃が命中し、僕は気を失った。
「うっ………此処は………何処?」
暫くして、僕は見知らぬ部屋で目を覚ました。
起きようと体を動かそうとした。
しかし、
「なっ、何だよコレは!」
鎖が両手に括り付けられており、左足首には特大サイズの足枷が付けられていた。
「あらあら、目覚めましたか?」
聞き覚えのある声が聞こえてきたので振り返ってみるとそこには姫島先輩がハイライトの無い瞳で此方を見ていた。
「姫島「朱乃」朱乃先輩此処は一体何処なんですか?そしてあの場所で何をしていたんですか?」
「此処は私しか知らない貴方を監禁するための座敷牢よ?」
僕の最初の質問に対し姫島先輩はそう答えた。
そして次の質問にこう答えた。
「貴方にはいよるゴミを駆除しただけなのよ?」
其の答えを聞いた時、僕は唖然とした。
一連の行動は、彼女のイメージと大幅に異なっていたからだ。
「貴方は何時もそう。お人好しで、格好良くて、優しくて。でも私以外の女の子が貴方に群がっているのを見るのはイヤ。リアスや小猫ちゃんにも取られたくないの。それに、リアス達以外にも貴方を狙っている女生徒は多いのよ?知らなかった?」
此方の状況など完全に無視し、まるで此方の犯した罪を弾劾するかの如く、淡々と告げる姫島先輩。
「朱乃先輩……どうして?いつもの貴女らしくないですよ」
「お淑やかなのは所詮偽りでしかない。私がありのままを曝け出せるのは貴方の前だけなのよ!それなのに………それなのに!あんなゴミなんかと付き合って!」
般若のごとくこちらを責める姫島先輩。
僕はその気迫に押され、後ろへと体をずらしてしまった。
「あらあら、聞き分けの無い子には、お仕置きですね」
姫島先輩は僕のその行動を見て両手を掲げ、雷と光の魔力を球状にして此方に投げ付けてきた。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
「フフフッ、私の雷光の魔力を受けた感じはどう?痛かった?でもね、私の心はもっと痛かったのよ?ゴミが貴方に告白したのを見ていた時、何度消し飛ばそうとしたか分からないでしょう?」
ハイライトの無い瞳で此方に迫ってくる姫島先輩を僕は再度恐怖してしまい後ずさってしまった。
「ど…………て?…………うし…………?ど…………し………?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?何で逃げるの?ねぇ?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?
ああ、そっか。まだ、あの女に汚染されていたのね………でも安心して、私が綺麗にしてあげるわ」
姫島先輩は手元に持っていた布包みの紐を外して、中に入っていた抜き身の脇差を出した。
「フフフッ、どうして気が付かなかったのかしらね。逃げる気を無くしてしまえば良かったのよ」
姫島先輩はその脇差を持ち僕目がけて斬り付けてきた。
「朱乃先輩!止めてください!こんな事して一体なんにな………!」
咄嗟に回避した僕は姫島先輩に制止を促そうとした瞬間、体から力が抜ける感覚を感じた。
「あらあら、漸く回ってきたようですわね。この刃には斬り付けた相手の力を奪う魔獣の能力があるのよ。普通の人間の貴方には耐えられるレベルではないのよ」
段々立っていられなくなり、その場に倒れてしまった。
倒れる瞬間、姫島先輩は僕のことを抱き抱え、耳元で囁いた。
「フフフッ、コレで貴方は私のモノ
コレカラ、ズットズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥットイッショダヨ。アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
僕はそれを聞き終わると同時に意識を失った。