青春を失った囚人達に一時のユメを   作:朝乃 依時

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今回の話と矛盾しないように1-5を修正したので大丈夫なはずです。一応矛盾がないか確かめてもらえれば助かります。後6.5章ワープ列車殺人事件のネタバレ注意です。


1-7 ブラックマーケットへ

私達がアビドスに来て4日目

 

シロコの提案であるシャーレの権限を使って銀行から集金記録の書類、いわゆる決定的証拠を掴む計画【銀行を襲う】を進めた結果。アビドス校舎の近くから撤退し、ブラックマーケットとか言う裏路地の様なシャーレの権限が全く通じない無法地帯に事業を移した事が判明した。

 

「はぁ~結局私がこんなに調べたのにおチビちゃん達の役にそこまで立てないなんてね。せめてブラックマーケットでの銀行の位置が分かればいいのに…。」

 

「そんな事ないですよ!個人的には銀行がブラックマーケットに在るって分かっただけでも十分です!」

 

「はぁ…そもそも真剣に仕事に取り組むのが普通なのですが依頼先に慰められるとか相当ですよ?私たちの目的はあの女狐に言われた通り銭ゲバですし……。」

 

「もぉ〜イシュ〜あの子に散々やられたからって、拗ねてるんだね?」

 

「私は拗ねてなんかいませんし、さりげなく子供をあやすように頭を撫でないでください。私たちはホシノさんと違ってかなり年行ってるんですよ……。」

 

「そんな事ばっかり言ってたら人生損だよ?おチビちゃんは200歳以上だったしあの子と比べたら私達なんて赤子なんじゃないかなって、楽な気分になれたんだよね。」

 

「まぁ、ドンキホーテさんがイレギュラーなだけな気がしますが……。」

 


 

「憎たらしい提案を吐き出す悪人の顔にスゥーパァーパンチをお見舞いしながら…!」

 

「えっ、あの1時間分編集された映像ですか?あれ、どう見ても仕込みありの台本─」

 

「こうおっしゃったのである!」

 

「『よくもこのジークフリートを、たかがこれしきの汚い金で引き込めると思ったな!』」

 

「そう言いながらスゥーパァーレィザーをその者に!ジジジジジジジジジ…。」

 


 

「…確かにそうですね。おかげで気が楽になりました、ロージャさん。」

 

「でしょでしょー?気が晴れるって」

 

外にいるシロコと一緒に修理した戦車を洗車しているドンキホーテを見ながらイシュメールとロージャは成果の少なさから気を和まそうとする。だけどその話題ってアヤネの前で出して良かったのだろうか…。

 

「えっと……ど、ドンキホーテ先輩って、200歳以上なんですか…?!」

 

「あ」

「あ…。」

<あ。>

 

<いや~ただの聞き間違えじゃないかな?>

 

「そんな事ありません!しっかり聞こえました!」

 

「いや~知らなくても良いことって沢山あると思うんだよね。そうじゃない?イシュ〜」

 

「困ってるからって、私に聞かないでくださいよ。」

 

ガララ…

 

ちょうど良くドアが開く、私達がボロを出してはぐらかそうとするたびに後から質問が雪だるま式に襲ってきそうだけど今は気にしたくないのでとりあえず全力で話を移す体制に入った。

 

「校舎の清掃ひとしきり終わったぞ〜って、まだそっちは終わってない感じか?」

 

「ありがとうグレッグ〜早速で悪いんだけど作業済んで後は方針を決めるだけだから皆呼ぶの手伝ってくれない?」

 

「えっ?ああ…分かった。」

 

アヤネは話をはぐらかされたことで少しムズムズしていたがそこから少し話し合いをした結果、最悪のプランであるブラックマーケットに行って手探りで銀行を探して襲うことになった。

 

銀行襲撃メンバー

アビドス生徒:ホシノ ノノミ シロコ セリカ

LCB:ダンテ ファウスト ドンキホーテ ヒースクリフ ホンル

シャーレの先生

通信サポーター:アヤネ

 


 

 

ブラックマーケット

 

 

「ここがブラックマーケット……。」

 

「わあ☆すっごい賑わってますね?」

 

調べた時にはやっぱりこの世界にもあるのかと思ったけど。辺りには店が並び立ち、人はいるけどどこか閑散としたような雰囲気がある裏路地とは全くの別物だった。

 

「なんだ?てっきりもっと治安が悪りぃのかと思ったけど、結構しっかりしてんじゃねえか」

 

「変わった生き物もいませんもんね〜」

 

<U社の路地裏はヘドロまみれのゴミ山だったからね…。>

 

「そもそも環境自体が裏路地よりも断然衛生的で浮浪者も居ないので相対的によく見えるだけでしょう。」

 

「ん、またバスの人たち変な話してる。」

 

さすがに都市の話をしすぎたせいでシロコが突っかかってきたし、先生からも合図があったためここで話を止める。

 

「当人たちはこの光景はあまり見たことがないゆえ、見たことのあるもので例えようとしたしてるだけなので少しばかり許して欲しいでありまする。」

 

「わかった。私は小さな市場を想像してたけど連邦生徒会の手が及ばないエリアが、ここまで巨大化してるとは思わなかったかな。」

 

「うへ〜普段私たちはアビトスにばっかりいるからねー。学区外は結構変な場所が多いけどバスの皆が言ってる様な場所は想像できないなー。」

 

「ホシノ先輩、ここに来たことあるの?」

 

「いんやー、私も初めてだねー。でも他の学区には、へんちくりんのものがたくさんあるんだってさー。」

 

「ちょーデカい水族館もあるし!アクアリウムっていうの!」

 

「今度行ってみたいな〜!」

 

「ふっ…いいじゃねぇか…それじゃあオレたちが行けるようにしてやらねえとな。」

 

普段自分のことをおじさん扱いしているホシノが珍しく年相応の少女のような振る舞いをしたことに私と先生はほっこりする。そこで私はホシノと言う少女は普段はドンキホーテの様に何かを演じてるんじゃないのか?と不確定な推測が時計の中から浮かんできた。

 

《皆さん、油断しないでください。これでも何が起きるか分からないで有名ですから十分気をつけてください。》

 

その忠告の後、まるで運命のいたずらのように銃声が前から鳴り響いた。

 

「うわぁ〜!!へ〜へへ〜ん!!!」

 

「待てつってんだろ!!」

 

「つ、ついてこないでくださ〜い!!!」

 

珍しいことにトリニティの生徒が町のチンピラに追いかけ回されてるようでアヤネも少し驚いている。

 

「あぅうぅう〜!!」

 

本当に運命のいたずらがあるんだとしても、助けて欲しそうにしてる生徒を見て私はいつも通りの方法を試すことにしたんだ。

 

<助けるよ>

 

「分かりましたダンテさん、情報が欲しいんですよね?」

 

“助けるからと言ってあんまりやりすぎないようにね”

 

「おい!ふさぐんじゃねえよ!なんだお前─」

 

「グフォ!」

「ブエ!」

「バァ!」

 

丁寧に用件を聞いてきてくれたので、簡単に不意打ちを決めて倒すことができた。

 

「大丈夫ですか〜?」

 

「助けてくれたお陰で大丈夫です!助けてくれてありがとうございました!」

 

「私、阿慈谷ヒフミです!」

 

「ヒフミちゃんかぁ~!よろしくね〜!それにしてもトリニティのお嬢様が何でこんな場所に?」

 

「うぅ…あはは…それはですねー実は探し物がありまして、もう販売されていないものなんですがここでは密かに取引されているらしくて」

 

「もしかして戦車…。」

 

「違法な火器とか!」

 

「生物化学兵器ですか?!」

 

「やっぱり人で作られたおもちゃだったりします?」

 

 

「「「<”…………。“>」」」

 

 

「え、えっと……その起き上がりこぼしが…人で作られてるんですか?」

 

「だいぶ前にドンキホーテさんがやらかした時に手に入れたんです。人ってこんな形になれるなんて興味深いですよね〜」

 

そういえば寝る前におばあ様がなぜ変な生き物を集めるのか疑問に思ったホンルが理解するために持ってた記憶があるしブラックマーケットのことを裏路地と同じだと考えていた私たちにとっては分からなくもないけど、この場で出してくるのはさすがに気まずいという言葉すら出なかった。

 

「うぉっほん…。」

 

「お、おへぇ……。」

 

「あ…また僕のせいで雰囲気が気まずくなってしまったみたいですね?」

 

「お前バカじゃねえのか?オレですらそんなことわかるぞ?」

 

「うぅ、僕はおもちゃが何でできてるか気にするのは珍しい方だと思ってました。」

 

気まずい空気の中でホンルは例の起き上がりこぼしをポケットにしまって本題に戻る。

 

「え、えっとですね…私の探し物はそんな禍々しいものじゃなくて…ペロロ様の限定グッズが欲しくて来たんです…。」

 

「ペロロ…?」 

 

「はい!これです!限定生産で100体しか作られなかったペロロ様のぬいぐるみです!!」

 

スマホに表示されたのはペロロと言うマスコットキャラクターの口にアイスクリームがぶち込まれたぬいぐるみだった。

 

「わあ☆モモフレンズですね!私も大好きです!ペロロちゃん可愛いですよね〜!私はミスター・ニコライが好きなんです。」

 

「分かります!ニコライさんも哲学的なところがカッコ良くって。最近出たニコライさんの本『楽園は何故潰えたか?』も買いましたよ!それも初版で!」

 

「……いやぁ〜何の話だか、おじさんにはさっぱりだなー。」

 

「わ、私もよくわかりませぬ…。」

 

「ホシノ先輩はともかくドンキホーテ先輩がこういうの分からないのはちょっと意外かも。」

 

「ふむ。最近の若い奴にはついていけん。」

 

「ホシノ先輩は歳の差、ほぼないじゃん……。」

 

「そんなことありませぬぞぉ!熱意と興味を持てば!何事にもついていけるのであります!」

 

「まぁおじさんにはその熱意と興味がないやぁ…」

 

話が脱線したところでヒフミは私達に至極当然の質問をする。

 

「…ところで、皆さんはなぜこちらへ?」

 

<話せば長くなるけど行きたい場所があるんだ。>

 

「銀行なんだけど、事業を移転してこっちにあるって聞いて」

 

「そうなんですか…なんだか少し似てますね。」

 

“それにしても、グッズを買うのに災難だったね。”

 

「その…色々 危ないところだとは知っていたのですが。連邦生徒会の手が及ばないことをいいことに、企業が好き勝手してる場所だとも聞ききましたし、ここ専用の金融機関や治安機関があるほどだとか。」

 

「そ、それって勿論、認可されていない違法な団体なのよね!」

 

「特に、治安機関は避けるのが一番!だそうです。」

 

「ほ〜ん、ヒフミちゃん本当に色々知ってるんだね。」

 

「いえ…それほどでも〜」

 

 

「よぉ〜し決めた!助けてあげたお礼に、私達の銀行強盗に手伝ってもらおうかな〜!」

 

「え?えぇえ〜?!?!」

 

ホシノの行った行動は思った以上に強引だったのでダメ押しでファウストに事情説明を任せ、使い道のないお金で食べ物を奢って逃げられないようにする。それにしてもこれは少し彼女にとって酷なような気がするけど今回の作戦は生徒が多いほどいいので参加させることにしたんだ。

 

ちなみにドンキホーテとヒースクリフによれば、案外たい焼きとベイクドモチョチョの中に入っているあんことクリームが美味しかったらしい。

 

 

次回 【私たちの銀行戦争】

 

 




やっぱり先駆者が通ったルートとはちょっと違った感じにしたいので時間がかかりますね。次の話はなぜかよく想像してた話なので早いと思います。

先駆者さんが見てくれるのほんとに嬉しい

対策委員会編手書き動画の隣の残花と合わせた動画がすごかった。
https://youtu.be/yVcxOltJfOg?si=qV7Se7Ya1CuVWZN5

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