空条承太郎の友人~原作介入~   作:herz

16 / 63


・一気に飛ばしてスーパーフライ戦、エニグマ戦の辺り。戦闘描写も飛ばします

・メインはジョセフと承太郎の会話。オリジナル話。ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり

・ジョセフ視点。最後だけ男主視点




着々と進む"計画"

 

 

 

 

「……承太郎」

 

「ん?」

 

「お前さん、志人君をどうするつもりなんじゃ?」

 

 

 最近。今も腕の中にいる赤ん坊の世話をしたり、志人君という賢い子とまめに会話をしたりするうちに、歳によるボケがかなり治って来たと、自覚している。

 すると、今まで気づかなかった事にも気づくようになった。……志人君に対する、承太郎の行動の変化だ。

 

 

「……何の事だ?」

 

「全く、惚けおって……じわじわと志人君と距離を縮めておるじゃろ。それも、本人にはバレないように」

 

 

 志人君が承太郎の助手として仕事をしている時、承太郎は彼のパーソナルスペースの中に徐々に入り込んでいる。

 志人君は、それに気づいていない。違和感すら抱いていないようだ。それ程に、承太郎の距離の縮め方は巧妙だった。

 

 それと、例の殺人鬼が死んだ後からだったか?周囲に仗助達がいない時に限り、志人君とは英語で話すようになった。

 一体何処で学んだのやら、彼は英会話も堪能だ。それを知った承太郎が、英語の方が話し慣れているからと、日本語を使うのを止めたらしいが……どちらも話し慣れている男が何を言っているんだか。

 

 

「志人君と距離を縮めるにしても、それを本人にバレないようにする必要は無いはずじゃ。彼は承太郎に対してかなり好意的に接しているからのォ。

 それに英語で話すようになった事も……わざわざそうする必要は無い。お前は日本語も問題なく話せるというのに。

 

 今、承太郎が志人君にやっている事は、まるで――お前自身と、英語に慣れさせようとしているかのようじゃ。……違うか?」

 

 

 そう問い掛けると、我が孫はわしから目を逸らし、帽子の鍔で目元を隠した。……それは、孫が気まずい気持ちを抱いた時の、昔からの癖だった。やれやれじゃな。

 

 

「……承太郎。わしは別に、それを咎めるつもりは無いんじゃよ。ただ、未来ある若者の逃げ道を徹底的に塞ぐような真似はしないようにと、忠告したかっただけじゃ」

 

「…………分かっている。志人には、最終的に自分の意思で選ばせようと……そう考えているからな」

 

「分かっているなら、それで良いが……いや、待て」

 

 

 自分の意思で(・・・・・・)、選ばせる。そこに何か、別の意味が含まれているような気がした。

 

 

「……自分の意思で選んだのだと、そういう思考に誘導しようとしているんじゃなかろうな?」

 

「…………ちっ。予想以上にボケが治って来たようだな、ジジイ」

 

「やはりそうか!」

 

 

 結局は志人君を逃がすつもりは無いという事だろう。困った孫じゃな!

 

 

「そういえば……思い出したぞ。お前さん、自分の嫁を捕まえた時も今回と似たような事をしておったじゃろ」

 

「さて?何の事やらさっぱり分からん」

 

「惚け方も雑になっておるぞ」

 

「ジジイにバレても止めるつもりが無いからな」

 

「開き直るな」

 

 

 本当に困った孫じゃな……

 

 

「まさか、わしの孫が現地妻を作るような真似をするとはなァ」

 

「現地、っ!?寝言は寝てから言いやがれ、色惚けジジイ……!俺にそんな趣味はねえし、志人をそういう目で見た事も無い!

 そもそも、不倫をするような野郎にそんな事を言われる筋合いはねえぞ!」

 

「うぐ……痛い所を突かれたのォ。すまん、言い方が悪過ぎた」

 

「志人には言うなよ?教育に悪い」

 

「もちろんじゃよ。今のは子供の前では言えない冗談じゃからな」

 

「……あんたの腕の中に赤ん坊がいるんだが?」

 

「…………すまなかった」

 

 

 ちょっとからかうつもりで使った言葉だったが、思っていた以上に怒らせてしまったようだ。確かに、これはわしが悪かった。

 

 

「……それで?」

 

「あ?」

 

「最初の質問に、まだ答えてもらってないぞ。……お前さん、志人君をどうするつもりなんじゃ?」

 

「…………」

 

「距離を縮めている上に、日本語よりも英語に慣れさせようとしている……という事は、承太郎。お前、まさか――」

 

 

 ――核心に迫ろうとした、その時。部屋のドアチャイムの音が聞こえた。どうやら、誰かが訪ねて来たらしい。

 承太郎がドアの方へ足を向ける。……わしの勘だが、今問い掛けた事はこのまま有耶無耶にされそうだ。

 

 あの子が一度決めた事を曲げた事は、滅多に無い。何がなんでも志人君を囲い込むつもりなのだろう。

 困った孫じゃなァ、全く……そんな孫に気に入られて、これから外堀を尽く埋められるであろう彼には、同情するしか無いわ。

 

 そんな事を考えていると、噂をすれば何とやら……承太郎と共に部屋に入って来たのは、志人君だった。

 

 

「あ。こんにちは、ジョセフさん。お邪魔します」

 

「やあ、志人君。……どうしたんじゃ?学校には行かないのかの?」

 

 

 相変わらず流暢な英語を話す彼の背後には、美しい天使……イージスホワイトの姿があった。それに何故か、彼の学校の通学鞄がバリアで囲まれている。

 

 

「学校に行くどころじゃなくなったんですよ。……承太郎さんに渡したい物が2つあって、それを持って来たんです」

 

「俺に渡したい物?……それが、そのバリアの中、というか通学鞄の中にある訳か」

 

「はい。……まず、1つ目がこれです」

 

 

 そう言って、志人君はバリアを張ったまま、鞄の中から何かを取り出す。……あれは、何じゃ?四角い何かが、白いテープでグルグル巻きにされている。

 

 

「おい、志人。それは、まさか……!」

 

「その、まさかです。今からその証拠に、バリアの防音効果を解除します。

 多分かなりうるさくなると思うので、ジョセフさん。その子が泣き出してしまったら、ごめんなさい」

 

「うん……?」

 

 

 どういう事かと思ったら、次の瞬間。四角い何かから男の声が聞こえて来た!驚いたわい。何やらギャーギャーと騒いでおるのォ。

 腕の中の赤ん坊がぐずり始めたので、慌ててあやしてやる。……すると、うるさい声が聞こえなくなった。おそらく、志人君がまた防音効果を付与したのだろう。

 

 

「……そうか。それが、例の殺人鬼の父親じゃな?」

 

「はい。運良く、捕まえる事に成功しました」

 

 

 確か、自分が写っている写真の中に干渉する事ができる能力を持ったスタンド使いで、既に死んでいる男、だったな?

 あのように、写真の中に閉じ込めてしまえば無力化する事ができる、とも聞いている。ようやく捕まったのか……

 

 

「……よくやったな、志人。そいつは後程、財団の職員立ち会いの下で尋問し、いろいろ聞き出した後にどう処分するかを決めるとしよう」

 

「はい。後の事は、承太郎さん達にお任せします。……それから、渡したい物の2つ目ですが」

 

 

 ああ、そういえばもう1つあるんじゃったな。……そして。さすがにこれ以上驚く事は無いだろうと油断していたら、写真の親父を捕まえた事以上に驚く羽目になった。

 

 

 彼が通学鞄から取り出したのは、金色の弓と矢。

 

 

「なっ……何いィッ!?」

 

「吉良吉廣が所持していた、弓と矢……!それまで回収していたのか!?」

 

「いやぁ、こいつを捕まえた時に写真の中から落としてくれたので、ラッキーでした!」

 

 

 ニコニコと報告する志人君に対し、わしと承太郎は唖然とするしかない。

 これでわしらの、そして財団の目的は達成された。杜王町に滞在し続ける理由も、ほとんど無くなったという訳じゃな……

 

 

「って、そうだ!写真の親父と弓と矢を回収した話なんてどうでもいいんですよ!!」

 

「「どうでもいい!?」」

 

 

 待ちなさい、志人君。わしらにとっては吉良吉廣を確保した事も、弓と矢を回収した事も、これ以上ない快挙なのだが!?

 

 

「それよりも康一くんの事です!写真の親父を捕まえた時の状況説明は後にさせてもらいますが、実は今――」

 

 

 ……志人君の話では、康一君は敵スタンド使いによって始末された、と。吉良吉廣からそう聞いたらしい。今は仗助達が、康一君を探している最中だという。

 

 

「そういう訳なので、財団の人にこれらを回収してもらったら、俺も康一くんの捜索に加わりたいんですが……」

 

「……いや、志人。お前はジジイ達と一緒にここにいてくれ。俺が行く」

 

「えっ!?」

 

「今から、財団職員をここに呼ぶ。お前には彼らに事情を説明する事と、ジジイ達の護衛。それから、イージスのバリアで吉良吉廣の逃亡を防ぐ事を頼みたい。

 これら3つの任務を確実に遂行出来るのは、この中では志人だけだ」

 

 

 なるほど……道理じゃな。万が一、吉良吉廣が逃亡したり、敵スタンド使いに襲撃されたりした場合。

 他に味方が誰もいなければ、わし1人で赤ん坊を守りながら戦わなくてはならなくなる。それは厳しい。

 

 かといって。志人君が康一君を探しに向かい、承太郎が護衛として残っても……

 スタンド能力が攻撃に特化しているこの子は、吉良吉廣の逃亡を防ぎつつわしらを護衛する事も出来なくは無いが、防御特化のスタンド能力を持つ志人君と比べたら、確実性に欠ける。

 

 よって。志人君がこの場に残り、承太郎が康一君の捜索に加わるのが最善……うむ、適材適所じゃな。

 おそらく志人君も、同じような事を考えて渋々納得したのだろう。眉間に皺を寄せながらも頷いた。

 

 

「分かりました。ジョセフさん達の事は、俺とイージスが護ります。ですが、承太郎さんも気をつけてください。

 

 康一くんは、3つの異なる能力を自由自在に操るスタンド使いです。そんな彼が倒された事が本当なら、相手のスタンド使いは余程特殊な能力を持っているのでは?

 それなら、戦闘中は何が起こってもおかしくないと思います。……自分なら大丈夫だとか、過信はしないように。本当に、気をつけてくださいね?」

 

 

 志人君が不安そうな表情で承太郎の身を案じているが、わしの孫は如何なる時も冷静さを忘れないし、最強のスタンド使いと呼ばれる事もある程に頼りになる男だ。決して心配はいらない。

 そう彼に言おうとした時……ふと、承太郎の顔を見る。その表情を目撃したわしは、目を見張った。

 

 あの子は、心底嬉しそうに……それでいて泣きそうな目で、志人君に向かって微笑んでいたのだ。

 ……しかし。瞬きするといつもの無表情にしか見えなかったため、見間違いだったのだろうと、頭を振る。

 

 

「……よし。少し待っていれば、六車と他数名の財団職員達が来るはずだ。それまでの間、ジジイ達の事を頼んだぜ。志人」

 

「任されました」

 

「悪いな。学校に遅刻させる羽目になっちまった……」

 

「大丈夫ですよ。今は緊急事態ですし、気にしないでください。それよりも、康一くんの事をお願いします」

 

「分かった。……行ってくる」

 

「はい、いってらっしゃい。無事に帰って来てくださいよ?」

 

「無論だ」

 

 

 その後。財団への連絡を終えた承太郎は、志人君に見送られ、ついでとばかりに彼の頭を撫でてから部屋を出た。

 …………2人のやり取りがまさしく夫婦のように見えたとは、言わないでおこう。先程の現地妻なんて言葉を志人君に聞かせたら、承太郎に殴られてしまうわい。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 今日がスーパーフライ戦だという事は分かっていたため、朝のうちに仗助、億泰、ミキタカと合流し、その流れでスーパーフライ戦にも参戦した。

 確かここで写真の親父が登場してたよなぁ、あわよくば捕獲出来ないかなぁ、と考えた上での参戦だったが、まさかこんなにも上手くいくとは思わなかった。

 

 仗助を罠に嵌めて鉄塔に閉じ込めた後、逃げようとしていた写真の親父をイージスのバリアで囲む。

 その際、こいつが弓と矢を落としたので即座に回収した。それからは承太郎がやったように写真を畳んで、テープでグルグル巻きにして、はい捕獲。

 

 3分クッキングかよ。いや、3分どころか1分も掛かってなかったかもしれない。

 

 ……とにかく、これで原作以上に敵スタンド使いが増えるような展開にはならないはずだ。

 俺が捕まえる前に余計なスタンド使いを産み出していなければ、残っている敵は宮本輝之輔と乙雅三のみ。

 

 

 写真の親父と弓と矢を渡したら、すぐにでもエニグマ戦に参戦しようと思っていたが、承太郎に止められてしまった。

 その理由は"ごもっとも"だったし、仕方なくホテルに留まる事にした。万が一、宮本輝之輔がここまでやって来たら厄介だしな。

 

 念のため承太郎には忠告しておいたし、もしもあの人がエニグマ戦に遭遇しても、何とかなるはず……と、思いたい。

 あの人の行動は本当に読めないから、出来ればホテルに残って欲しかったんだけどな……なんて、今さら考えても仕方ないか。

 

 しかしその後。俺の心配とは裏腹に、承太郎は無事に帰って来た。

 彼が言うには、ちょうどエニグマ戦が終わった頃に仗助、康一、噴上と合流し、康一の無事を確認して戻って来たそうだ。

 

 承太郎からは護衛についてお礼を言われ、放課後の助手の仕事は休みだと言い渡された。

 今日は、彼が外出した後にやって来た財団職員達と共に写真の親父の尋問をするから、俺はいない方がいい……との事だ。

 

 これにて、俺はお役御免。今からだと午後の授業しか受けられないが、学校に行こうとしている俺を、六車さんが車で送ってくれるという。ありがとうございます!

 

 

 さて……助手の仕事が休みになり、チープ・トリック戦に参戦しやすくなった。それなら、学校が終わったら康一と合流して――

 

 

「……園原さん」

 

「はい?」

 

「今日の放課後に、もう一度会えませんか?吉良吉廣を確保したので、我々はいずれ杜王町から撤収する事になりますが……その前に、あなたには重要なお話をしておきたいのです」

 

 

 …………あー。これは、チープ・トリック戦にも参戦できないやつだな。

 

 六車さんは当然、助手の仕事が休みになって俺がフリーになった事を知っている。

 用事があるからと嘘をついても、財団職員には後々それがバレてしまうだろう。不信を抱かせないためにも、これは断れない。

 

 

「……分かりました。では、放課後に俺の家で会うのはどうですか?シエルもいますけど……」

 

「構いませんよ。むしろ財団職員としては、撤収する前に一度はシエルの様子を見に行きたいと考えていたので、ありがたいです」

 

 

 という訳で、今日の放課後の予定は決まった。……財団職員が、俺なんかに重要な話?一体何だろうか?

 

 

 

 

 

 

 






・ボケが治って来たおじいちゃん

 ボケが治って来たおかげで、承太郎が園原を囲い込もうとしている事に気づく。その上、忠告しても加減するつもりが無いのを知って呆れた。困った孫じゃなァ……

 そんな囲い込みを"現地妻"呼ばわりした事で、お孫さんに叱られる。(不倫していた)お前が言うなby承太郎
 承太郎が園原をどうしようとしているのか、何となく察しがついて園原に同情。

 しかし、承太郎を積極的に止めるつもりは無い。何だかんだ、おじいちゃんにとっては孫の方が可愛いので。
 志人君と一緒にいたがるであろう仗助の事を思うと、ちょっと可哀想だがのォ……


・囲い込み計画実行中の海洋学者

 計画の進行状況は順調。着々と、園原本人にバレる事なく囲い込んでいる。
 財団への根回しは完了しているし、園原との距離もじわじわと縮めているし、英語にも慣れさせているし……園原の逃げ場は、もはや無いに等しい。

 ジョセフ曰く、実は自身の妻を捕まえる時も、似たような囲い込み計画を実行していたらしい。だからと言って志人を"現地妻"呼ばわりするな、色惚けジジイ。


・写真の親父をあっさり捕獲した助手君

 まさかこんな簡単に、しかも弓と矢まで回収できたなんて想定外にも程があるわ……

 スーパーフライ戦には参戦したが、エニグマ戦に参戦出来なかったし、チープ・トリック戦にも参戦出来そうに無い。……あれ?俺ってあまり役に立ってねぇな??※そう思っているのは本人だけ。

 六車から重要な話があると言われ、仕方なくチープ・トリック戦よりもそちらを優先する事にした。






  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。