空条承太郎の友人~原作介入~   作:herz

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・原作5部介入前の、オリジナル話。4部介入編の最後で、男主と承太郎が再会した後

・ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり。特に、承太郎の妻やようじょりーんについての捏造が激しい。男主視点

・日本語で書いてありますが、会話自体は全て英語で話しているという設定です




5部開始前
空条家にお邪魔します


 

 

 

 

 承太郎と再会した俺は今、彼が運転する車に乗り、帰宅している。なお、シエルはこの場にいない。今日だけは、財団本部に留まる事になったからだ。

 

 なんでも、予防接種などを含めた健康診断も財団側がやってくれるらしい。そのため、今日1日シエルだけは本部でお泊まりだ。

 俺と離れる事に対し、かなり不満を訴えていたが、そこは今後の健康のためだからと説得し、我慢してもらった。……ごめん、シエル。明日は早めに迎えに行くからな!

 

 

「……ひとまず、一度お前の家に寄って、準備が出来たら俺の家に向かうぞ」

 

「…………本当に良いんですか?俺なんかが夕飯をご馳走になるだけでなく、承太郎さんの家に泊まるなんて……ご迷惑では?」

 

「妻と娘には、既に事情を話してある。2人共、大歓迎だそうだ」

 

 

 で、俺の方はというと。何故か承太郎の家で夕食を共にし、さらには一泊する事になった。

 最初は遠慮したんだが、妻と娘が俺に会いたがっているからと、押し切られてしまったのだ。

 

 そりゃあ俺だって、承太郎の奥さんとようじょりーんは気になるよ?

 だが、それはちょっと会えればいいだけで、夕飯や泊まりなんてご迷惑を掛けるつもりは全く無かったのに……

 

 

 ……やがて、俺の自宅に到着した。あまり承太郎を待たせないようにしようと、急いでスーツから私服に着替え、簡単に準備を済ませてから再び承太郎の車の中へ。

 なお。髪型は承太郎の奥さんと徐倫を俺の目で怖がらせないために、前髪と眼鏡を付けたままにしておく。

 

 

「俺の妻と娘は、お前の目を怖がるほど柔じゃねーぞ」

 

「それを疑うつもりはありませんが、念のためです」

 

「……まあ、今はそれでも良いか」

 

 

 その後、車は走り出し……数分経った辺りで、とある家の前に到着した。あれ!?

 

 

「まさか、ここですか?」

 

「ああ」

 

「…………結構近いですね?」

 

「六車に頼んで、お前の家は俺達の家の近くにしてもらったからな」

 

「えぇー……?」

 

「何だ、不満か?」

 

「いやいやいや滅相もない」

 

 

 わざわざ助手を自宅の近くに住まわせるとか、どういう事??確かに、これなら呼び出しやすいだろうとは思うが……あ、いや。待てよ?

 

 

「そうか。防御特化のスタンド使いが、奥さん達がいる家の近くに住んでいれば、万が一何かがあった時にすぐに駆け付ける事ができますね!了解です、護衛は任せてください」

 

「…………まあ、今は、それでも良いか……」

 

 

 ん?……何故だろう。さっきも同じセリフを聞いたはずなのに、今の方がめちゃくちゃ呆れられている気がするぞ?

 

 

 そして車から降り、承太郎と共に家の中へ。……いよいよ、承太郎の妻と徐倫との対面だ。ちょっと緊張する。

 

 

「おかえりなさい、あなた」

 

「パパ、おかえり!」

 

「ただいま。……いい子にしてたか?徐倫」

 

「うん!」

 

 

 ――眩しい……!眩し過ぎる。なんだこの美男美女家族は!!

 彫刻のような美形の夫と、その妻であるモデルのような美女、そしてちょっと見ただけで将来有望だと分かる美少女な娘。……なんという絵になる光景。

 

 その光景に見惚れていたら、美少女……徐倫と目が合った。彼女は俺を見た途端、ぱあっと笑顔になる。な、何だ?

 

 

「パパ!その人が手紙のおにいさん!?」

 

「ああ、そうだ」

 

「ほんとにつれて来てくれたんだ!」

 

 

 "手紙のお兄さん"とは何ぞや?と、そう疑問に思っていると、承太郎の妻に声を掛けられた。

 

 

「あなたが、志人君ね?はじめまして、妻のエリンです」

 

「あ、すみません!ご挨拶が遅れてしまいましたが、はじめまして。園原志人です。今日はお世話になります、Mrs. 空条」

 

「あら、そんなに畏まらないでちょうだい!自分の家だと思って寛いでくれて良いのよ?それから、呼ぶならエリンと呼んで欲しいわ」

 

「は、はぁ……?えっと、わ、分かりました。エリンさん」

 

 

 承太郎の妻……空条エリンという女性は、なんというか、俺のイメージとはかなり異なっている人だった。

 

 もっと大人しい感じを想像していたんだが、これは……そう、承太郎の母親であるホリィさんの雰囲気にちょっと近いかもしれない。

 もちろん今世では本人と出会ってないから、はっきりとそうだとは言えないが。

 

 

「ほら、徐倫!あなたも、お兄さんに自己紹介して」

 

「うん!クージョー・ジョリーンです、8さいです!」

 

「はじめまして、徐倫ちゃん。園原志人です。……あ、19歳です」

 

「19……えっと、11個はなれてる?」

 

「おぉ、そうそう。ちゃんと計算出来て偉いね」

 

「えへへ」

 

 

 膝を突いて目を合わせると、承太郎譲りの緑の瞳がキラキラしていた。俺に褒められて嬉しそうに笑う姿は、非常に可愛い。

 思わず、彼女の頭を軽く撫でる。……すると。一瞬きょとんとした徐倫は、急に承太郎の下へ駆け寄り、その後ろに隠れてしまった。

 

 

「ご、ごめんね徐倫ちゃん!さすがに嫌だっ、」

 

「嫌じゃないもん!!」

 

「え?」

 

「……心配するな、志人。この子はおそらく照れただけ、」

 

「パパのバカ!!」

 

 

 徐倫は承太郎の長い足の後ろに隠れながら、ポコポコとその足を殴っていた。空条夫妻はそれを見て微笑んでいる。

 ……嫌われてないならいいんだが、それはそれとしてようじょりーんが可愛過ぎるなぁ。あと、空条夫妻の様子を見るに、離婚とは無縁そうで安心した。

 

 

 その後。家の中に通してもらい、リビングで夕食を共にする。そこで、エリンさんが日本食を作れるという衝撃的事実を知った。

 元々料理が好きだった事もあるが、承太郎のために彼の故郷の料理を作れるようになりたいと、頑張って勉強したそうだ。

 

 承太郎、本当に愛されてるな……今後も奥さんを大事にしてくれ。つーか、俺が離婚させないように頑張るわ!

 

 

「エリンさん。もし良かったら、俺が他の日本食の作り方を教えましょうか?

 それに、承太郎さんが杜王町にいた時に俺が軽食を作ったりしてたんですけど、その時にこの人が気に入っていた料理のレシピも教えますよ」

 

「本当に!?それは助かるわ!ジョジョ……あ、夫は私がどんな料理を作っても、一言"うまい"としか言わないから、好みの判断がつかなくて困ってたのよ……」

 

「あー、分かります!承太郎さんはいつも言葉が足りないんですよね!まぁ、最近はこの人が食べてる所を観察する事で、大体の好みが分かってきたところなんですが……」

 

「観察って、え、待って?どうやって好みを見抜いたの!?この人、普段からあまり表情が動かないでしょう?」

 

「表情ではなく、目と雰囲気を感じ取るんです。それが分かるようになれば、好みを見抜くのは意外と簡単ですよ?」

 

「ええ……?本当に?」

 

「本当です。時間は掛かるかもしれませんが、次から是非とも試してみてください。観察を継続すれば、いずれ大体の感情も読み取れるようになるはずです」

 

 

 話の流れで、エリンさんに"空条承太郎取り扱い講座"を開いてみた。俺が知っている範囲で、承太郎を相手にどんな行動を取ればいいのかを教え込む。

 そうすれば、エリンさんも承太郎に対する理解が進み、例え離婚という危機が訪れたとしても、彼の本心……妻と娘への深い愛情に気づいて、踏み留まってくれるかもしれない。

 

 気休め程度だが、何もやらないよりはマシだろう。……しかし。話が進むにつれて、承太郎が気まずそうな様子を見せるようになった。しょうがない、話題を変えてやろう。

 

 

「……ところで、徐倫ちゃん?」

 

「なぁに?」

 

「さっき、俺の事を"手紙のお兄さん"って読んでたけど……どうしてそう呼んだのかな?」

 

 

 と、先程から気になっていた事を徐倫に聞いてみる。すると、彼女は笑顔でこう言った。

 

 

「パパからの手紙にね、いつもユキトお兄ちゃんのことが書いてあるの!」

 

「そうそう、あの手紙!志人君が私達に送るようにって、この人に言ってくれたんでしょう?」

 

 

 徐倫とエリンさんは、去年杜王町にいた承太郎からの手紙で、2人に手紙を送るように進言したのが俺である事を知ったらしい。

 それ以降も、承太郎から送られてくる手紙には、俺の事がよく書かれていたそうだ。だから俺の事を"手紙のお兄さん"と呼んだ訳だな。

 

 

「……ちょっと、承太郎さん。手紙では俺の話ではなく、自分の事を書いてくださいよ。

 エリンさんと徐倫ちゃんだって、家族ではない俺の事よりも、承太郎さんの話の方が気になるのでは?」

 

「…………善処する」

 

「あ、その顔はそう言っておきながら先延ばしにするつもりでしょう?

 あなたが自分の話をするのが苦手なのは知ってますけど、奥さんと娘さんのためにも、これからは慣れてくださいね」

 

「それは……また、手紙を送る機会があった時に考える」

 

「…………へたれ」

 

「あ"?」

 

 

 おっと。つい本音が漏れちゃった☆って、やばいやばい承太郎の目が怖い!さらに、こちらに手が伸びて来て両頬を摘ままれた。

 

 

「ほーう?そんな事を言うのはこの口か?」

 

「ちょっ、ひゃめてくりゃしゃい」

 

「……意外と伸びるな」

 

「ひゃめて!」

 

「止めて欲しいならさっきの発言を訂正しろ」

 

「ひょめんにゃしゃい、ていしぇいしまふ」

 

「よし」

 

 

 ぱっと解放された両頬を擦りながら、承太郎と距離を取る。

 手加減してくれたのかそんなに痛く無かったが、やる事がまるで子供のようだ。へたれと言われたのが余程気に入らなかったのか?

 

 その時、クスクスと笑う声が聞こえた。……エリンさんだ。その隣に座っている徐倫は、大きな目をぱちくりさせて俺達を見つめている。

 

 

「あなた達って……先生と助手というよりも、まるで父親と息子みたいね。今の、仲が良い親子のやり取りに見えたわよ?」

 

「…………父親?」

 

「……息子?」

 

 

 エリンさんの発言に対し、俺と承太郎は思わず顔を見合わせる。…………あぁ、そうだな、

 

 

「――承太郎さんが俺の本当の父親だったら、どんなに良かったか……」

 

「っ、志人、」

 

「あーっと、そうだ!エリンさん。先に夕飯を頂いておいて、今さらこう言うのは申し訳ないんですけど、俺の荷物って何処に置けばいいんですか?あと、今日は何処で眠れば……?」

 

「えっ?あぁ、そうだったわね!客室が空いてるから、そこを使ってちょうだい。徐倫、お兄さんを案内してあげて」

 

「はーい!ユキトお兄ちゃん、こっちだよ!」

 

「うん。案内お願いします」

 

 

 慌てて話を逸らし、徐倫の案内で今日俺が使う部屋に向かう。……承太郎にはちょっと悪い事しちゃったな。

 

 

 

 

 

 

「…………ジョジョ。彼の父親は……」

 

「……志人本人から話して良いと言われていない今は、あまり詳しくは話せないが……志人の父親は、彼曰く"クソ野郎"だ。

 その代わりに母親の方はまともだったようだが、志人の両親はどちらも、彼が幼い頃に起こったとある事故のせいで亡くなっている。

 その後。母方の祖母に引き取られたが、その祖母も志人が中学生の時に病気で亡くなり……今は、彼1人だ」

 

「他に、ご親族は?」

 

「……父方の親族の話しか聞いてないが、そいつらも酷い奴らだった」

 

「そう……ねぇ、ジョジョ」

 

「ん?」

 

「出来れば、志人君を定期的に連れて来てくれないかしら?何だか放っておけないのよね、あの子……」

 

「……安心しろ。俺も最初からそうするつもりで、彼を連れて来たんだ」

 

「あら、そうなの?それなら良かったわ」

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 翌朝。俺は空条家の客室のベッドの上で、目を覚ました。

 

 昨夜は夕食を食べてシャワーもお借りした後、寝る時間ギリギリまで徐倫に付きっきりだった。

 いったい俺の何が気に入ったのか、彼女は自分が寝る時間が来るまで、俺から離れようとしなかったのだ。

 

 その寝る時間さえも、徐倫から絵本の読み聞かせを頼まれ、彼女が眠気に負けるまでずっと側に付いている事になった。

 本当は徐倫だけでなく、エリンさんとももう少し話してみたかったんだけど……まぁ、ようじょりーんが可愛いから良しとする。

 

 ……あ、これは余談なんだが。

 

 徐倫の部屋で読み聞かせを終えてふとドアの方を見たら、その隙間から空条夫妻が微笑みながら覗いていたので思わずびびった。いたなら声掛けてくださいよ……

 

 

 それはさておき。……ベッドから降りて着替えをしながら、頭の中で本日の予定を再確認。

 

 今日はシエルを引き取りに本部に行かなきゃいけないし、六車さんから他の財団職員達を紹介してもらう約束もした。

 それが終わったら……昨日六車さんから聞いた"厄介な任務"について話し合いをして……うん。大事な予定はこれぐらいだな。

 

 さて。あとは前髪を下ろして、それから眼鏡も掛けなくては――

 

 

「――ユキトお兄ちゃん!」

 

「アッ」

 

「おは、よう……?」

 

 

 その時、客室のドアが開いて徐倫が入って来る。……素顔の俺と、彼女の目が合ってしまった。

 そういや昨日は部屋の鍵を閉め忘れていたな、と。今思い出した俺の大馬鹿!!

 

 徐倫は俺の顔をガン見して固まっている。その隙に、前髪をさっと下ろして眼鏡を掛けた。

 

 

「お、おはよう徐倫ちゃん。どうしたの?」

 

「…………お兄ちゃん、しゃがんで」

 

「え?」

 

「しゃがんで!」

 

「は、はい」

 

 

 言われた通りにしゃがむと、徐倫が俺の目の前に来て眼鏡を奪い、前髪を上げた。……承太郎に初めて素顔を見られた時を思い出す。親子揃ってやる事が同じだ。

 さーて、どうする?この状況……徐倫に嫌われなきゃいいんだが。

 

 

 すると、俺の顔をじっと見つめていた彼女の顔が……赤くなった。おや?

 

 

「かっこいい……」

 

「…………はい?」

 

「――――ッ、かっこいい!!」

 

「うおぉっ!?」

 

 

 唐突に首元に抱き着かれて、尻餅を付いた。徐倫はそのまま"Cool"だの"Handsome"だの"Good looking"だの、いろいろ言って興奮している。

 そんな騒ぎを聞き付けたのか、空条夫妻がやって来た。

 

 

「承太郎さん、エリンさん……ちょっと、助けてください……」

 

「…………あらまぁ」

 

「……何がどうしてそうなった?」

 

「俺にもよう分からん、です……」

 

 

 こわーいお父様に、問答無用でオラオラされなかった事は幸いだったな。それに、エリンさんが俺のこの目を見て怯えなかった事も良かった。一安心。

 

 しばらくして徐倫は落ち着いたのだが、困った事に伊達眼鏡を返してくれない。彼女曰く、せっかくこんなにカッコいいのに隠すなんて勿体ない!との事だ。

 こんな目付きの悪い男を、純粋にカッコいいと言ってくれるとは……承太郎という強面系イケメンを見慣れているおかげだろうか?

 

 

 それはそれとして、お嬢さん。俺の眼鏡を返してください。

 

 

「……徐倫、志人に眼鏡を返してあげなさい」

 

「やだ!」

 

「徐倫ちゃん……」

 

「困ったわねぇ……あ、そうだ!」

 

 

 おっと?エリンさんが、何かを思い付いたようだ。

 

 

「徐倫、志人君の眼鏡をちょっとだけ貸してくれない?お母さんが、志人君に魔法を掛けてあげるから!」

 

「……魔法?」

 

「そう、魔法よ。志人君がもっと素敵な男の子になる魔法!」

 

 

 そんな言葉に興味が出たのか、徐倫は素直に眼鏡を手渡す。それを受け取ったエリンさんは、俺の手を引いて洗面所へ。

 

 そこで、スキンケアや眉毛を整えるなどの軽いメイクを施され、髪型は前髪を下ろし、片側を耳に掛けて、ピンでそれを止める。

 それとは逆側の前髪は、横に軽く流す。仕上げに、俺の眼鏡を装着すると……鏡に映ったのは、別人だった。

 

 

「はい、お待たせ!どう?」

 

「……ほう。見違えたな」

 

「ママ、すごーい!本当に魔法だ!!」

 

 

 いやー、驚いた。これは確かに魔法だな。なんせ目付きの悪い男が、短い時間で涼しげな美形()に生まれ変わったし。

 これなら目付きの悪さがかなり緩和されるので、非常に助かる。徐倫も"Beautiful"やら"Cute"やら"Amazing"やら、またいろいろ言って大興奮だ。

 

 すると。再び落ち着いた徐倫が、もう一度しゃがんで欲しいと俺にお願いしてくる。

 

 

「……もう眼鏡取らないって約束してくれるか?」

 

「うん、約束する!」

 

「分かった」

 

 

 その約束を信じてしゃがむと……美少女の顔が近づいて、片頬に柔らかい感触が、って、んん!?

 

 

「――わたしね、大きくなったらユキトお兄ちゃんのお嫁さんになる!」

 

「は、」

 

 

 一瞬、思考停止。……それから、血の気が引いた。娘を溺愛しているであろう承り様が、この状況を良しとするだろうか?いや、しないだろ!?

 

 

(やばいやばいやばいやばいもしかしてオラオラですかあぁっ!?)

 

 

 頭の中で某ゲーマー並みのパニックを起こしながら、恐る恐る、承太郎の様子を窺うと……彼は、口元を押さえてそっぽを向き、体を震わせていた。あれ??

 

 

「く、っ、……ふふ、はははははッ!!」

 

「ファッ!?」

 

「……パ、パパ?」

 

「あらあら、ジョジョ!珍しい、この人がこんなに笑うなんて……!!」

 

 

 何故か、承太郎は腹を抱えて大笑いしている。それを見て、俺だけでなく徐倫とエリンさんもぎょっとしていた。

 

 

「ふはっ、ふふふ……っ、そうか、嗚呼、その手があったな……お手柄だ、徐倫」

 

「パパ、おてがらって?」

 

「よく言ったなと、褒めてるんだ。……確かに志人なら、徐倫を任せても全く問題はない」

 

「はぁっ!?」

 

 

 な ん だ っ て !?

 

 

「そもそも大事な娘の結婚相手として、志人以上の男は見つからないだろう……さすが俺の娘だ。見る目がある」

 

「いや、あの、」

 

「そうね、良いわね!志人君はとっても良い子だし、徐倫の事も大事にしてくれそうだし、それにこの子が徐倫と結婚すれば、私達の義理の息子になるのよね!?素敵だわ!」

 

「ちょっと、」

 

「ほんとに!?ユキトお兄ちゃんとけっこんしていいの!?」

 

「待って、」

 

「ええ良いわよ、徐倫!大きくなったら志人君と結婚しましょうね!」

 

「おい――」

 

「その前に、志人を捕まえられる程の良い女になれよ、徐倫」

 

「――だあっ!!人の話を聞けぇぇっ!!」

 

 

 ……その後。空条夫妻が、割と本気で大事な娘と俺を結婚させようとしていたのを、必死に止めた。

 こんな幼い頃から両親が勝手に将来を決めてしまうなんて、子供のためにならない!そう言って説得すると、渋々といった様子だったが諦めてくれたようだ。

 

 徐倫にも懇切丁寧に、子供にも分かりやすいように、そう簡単に結婚の約束は出来ないと説明した。

 要は、将来の事はもっといろんな人に出会って、いろんな経験をしてから決めなさいと、そう諭したのである。

 

 空条夫妻とは違い、徐倫は最後まで不満そうにしていたが……そこは納得してもらうしかない。

 

 

 

 

 

 

「……念のために聞いておくが、志人。お前、俺の娘に何か不満がある訳じゃねえんだな?」

 

「まさか!不満なんてありませんよ。さっき俺が承太郎さん達を説得したのは、徐倫ちゃんの将来のためです」

 

 

 車内にて。承太郎と2人きりになった際、そんな話題になった。ありがたい事に、財団本部まで送ってくれるという。

 空条家からお暇する時は、"もっと一緒にいたい"と徐倫から駄々をこねられてしまったが……また会いに行くと約束して宥めて、先程ようやく外に出られたところだ。

 

 

「…………ただ、」

 

「ただ?」

 

「俺自身が、問題なんです……幼少期の家庭事情を思い出すと、不安しか無くて……」

 

「…………そう、か……そうだな。すまない、あまりにも無神経だった」

 

「そんな、謝らないでください!あなたは何も悪くありませんから。もちろん、エリンさんと徐倫ちゃんも何も悪くありません」

 

 

 そう。承太郎達は関係ない。これは、俺個人の問題だ。今世で"園原志人"として生きていくと決めたのであれば、いつかは必ず向き合わなければならない問題……なのだが。

 亡くなった母とあのクソ野郎の関係を考えると、どうしても"結婚"に対して良いイメージが持てない……時間が解決してくれるのを待つしか無いのだろうか?

 

 

「……今後はお前の気持ちを考えて、無理に娘との結婚を迫るような真似はしないと、約束する。……だがな、志人。これだけは覚えておけ」

 

「?」

 

「あの子……徐倫はどちらかというと、エリンよりも俺に似ている」

 

 

 うん、それは分かる。10年後の未来で、彼女は承太郎並みの男前女子になるだろうし。

 

 

「そして、俺に似ているからこそ――一度欲しいと思ったものを、簡単に諦めるような子じゃねえはずだ」

 

「……んん?」

 

「という訳だから、精々頑張れよ」

 

「えっ、何が"という訳"なんですか?何を頑張ればいいんですか??」

 

 

 今の会話はどういう事?結局、何が言いたかったんだ?

 

 

 

 

 

 

 






・ようじょりーんの初恋を奪った助手君

 自宅が空条家に近いのは護衛のためだ誤解しているが、実際は獲物(園原)をじわじわと囲い込むための策の一環である。

 承太郎の妻に対し、"空条承太郎取り扱い講座"を開いた。そのうち妻だけでなく、娘の方も受講者として加わるかもしれない。
 その妻から、承太郎とのやり取りが"まるで父親と息子"と称されてびっくり。でも実の父親を思い出してちょっと沈む。承太郎が俺の本当の父親だったら良かったなぁ(´・ω・`)

 幼女の初恋泥棒。さらに、定番の"大きくなったらお嫁さんになる"宣言をされてしまった。オラオラされなくて良かったけど本気で俺と大事な娘をくっつけようとしないでください!!
 ちなみに。原作時空の園原は、混部時空よりも結婚に対して多少は前向き。(実の父親が幼い頃に早々に亡くなった事で、混部時空よりも憎しみの感情が弱くなったため)


・助手君になら娘を任せられる海洋学者

 大きくなったら志人と結婚したい?なるほど、(囲い込む手段として)その手があったか!許す。

 実は。杜王町から妻と娘に送る手紙の内容は、そのほとんどが園原の話題だった。自分の話をするのは苦手だ。……あ"?俺はへたれじゃねーよ!
 園原とのやり取りがまるで親子と言われた事は、満更でもなかった。出会った時と比べれば、かなり気安い仲になっている。

 徐倫の"お兄ちゃんと結婚する"宣言を聞き、思わず大笑い。その手があったか!確かにどっかの馬の骨に任せるよりも志人に任せた方が安心だ!アナスイは泣いて良いby作者
 その後。志人の家庭事情と気持ちを考えて、無理に結婚を迫る事はしないと約束したが――

 ――この俺の娘、しかもジョースターの血を引く女が、そう簡単に諦めると思うか?


・初恋を奪われたようじょりーん

 元々、承太郎が手紙を書くようになったきっかけの人物として、園原に対する好感度は高かった。
 実際に顔を合わせた後も、一人っ子にとっては年上のお兄さんの存在は貴重で、しかも優しいのでさらに好感度up。

 そして。前髪と眼鏡の下の素顔が、徐倫の好みドストライクだった事で好感度Max。その上、母親によって涼しげな美形に変身したため、歯止めが利かなくなった。
 ……という流れで、結婚宣言。園原から説得されてその場では結婚出来ない理由を"理解"したものの、"納得"はしていない。

 うーん――どうすればお兄ちゃんと結婚できるかなあ?


・助手君曰くモデルのような美女奥さん

 原作介入編限定のオリジナル設定。名前はエリン。性格や雰囲気はホリィさん寄りで、彼女よりも少し大人しいイメージ。

 園原の提案によって始まった夫との手紙のやり取りのおかげで、その仲は娘共々原作よりも良好。離婚の可能性はかなり低くなってきた。
 今後は、園原がたまに開く"空条承太郎取り扱い講座"を受講し、承太郎に対する理解を深めていく予定。

 複雑な家庭環境に置かれていた園原の事を、放って置けない様子。そんな心配もあるため、彼が徐倫と結婚して義理の息子になるのは大歓迎。






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