空条承太郎の友人~原作介入~   作:herz

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・原作開始前、まだ春休み中。ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり。男主視点




再会と、命名

 

 

 

 

 ――4月に入った。今世の俺は、今年からぶどうヶ丘高校の2年になる。つまり、仗助達の先輩だな。

 今年高校に入学する仗助とは、いつ鉢合わせてもおかしく無い。しかし、校内で一目俺を見ただけでは分からないだろう。

 

 何故なら、今の俺は仗助と出会った時とは違い、前髪を下ろして眼鏡を掛け、素顔を隠して口調まで変えているからだ。

 この壊滅的に悪い目付きと、乱暴な口調を引っ込めて、真面目な生徒を装っている。

 

 中学の時は、この目付きのせいで周囲の人間からいろんな意味で誤解されたからな。高校入学後は、そういった面倒事を回避するために、学校やバイト先では擬態する事にした。

 今では稀に、息抜きのために素顔で外に出るぐらいで、その時以外は素顔を隠すようにしている。

 

 仗助と出会ったのは、たまたまその息抜きで出歩いているところだった、という訳だ。

 

 

 そんな状況で、仗助と不自然にならない形での再会、そして味方側に上手く仲間入りするにはどうすれば良いのか。

 それを考えていた矢先――再会の時は、勝手に訪れた。

 

 原作開始となる仗助達の入学式当日の、一週間前。その日のバイトが終わった夕方、夕飯の食材を買おうとスーパーに向かっている途中。

 路地裏で、不良数人に囲まれている気弱そうな学生を発見した。カツアゲか何かか?

 

 そして、不良達の中の1人が学生に向かって拳を振り上げたのを見た瞬間。咄嗟にそちらに向かって走り出す。

 ……彼らの間に割って入り、学生を庇って不良に殴られた時。そういえば俺にはスタンドがあったなと、間抜けにも思い出した。

 

 

「本当に間抜けにも程があるよね!!」

 

(ごめん、イージス)

 

 

 勝手に出て来たイージスが俺にそう言ったので、心の中で謝罪する。

 相手はスタンドが見えていないようなので、声は出さないようにした。イージスとの会話は、心の中でもできるからな。

 

 気弱そうな学生を逃がし、殴られた頬を擦りながらも不良達と向き合う。奴らは俺と目が合うと、一瞬ビクリと震えて後退りした。おや?

 

 

「なっ、何だその目は!?」

 

「やんのかコラァッ!!」

 

 

 そういえば、殴られた時に伊達眼鏡がすっ飛んで行ったな。そのせいか。

 今の俺は、殺人犯のような怖い目で相手を睨んでいる……ように見えているのだろう。こっちはちょっと目を合わせただけで、睨んでいるつもりなんて無いのに。

 

 

「別に何もしないんで、そこ通してくれません?俺、買い物に行く途中なんすよ」

 

「あ"あ?嘗めんじゃねえぞ!?」

 

 

 あぁ、まずい。殴られてイライラした気分を隠せず、対応を間違えてしまった。無理に割って入った俺の、自業自得だな。

 仕方なく、不良共の次の動きに備え、喧嘩を始める覚悟を決めた……その時。

 

 

「――――シドさん……?」

 

 

 前世から聞き覚えのある声と、今のところたった1人しか知らない、俺のあだ名。……まさかと思ってそちらを見ると、案の定。そこにいたのは、4部主人公――東方仗助。

 

 

「やっぱりシドさんだ!!前髪下ろしてるけど、その目付きは間違いねえ!」

 

「じょう、っ、……ジョー?」

 

「そうっスよ!やっと会えた!」

 

 

 仗助と呼びそうになったが、頑張って耐えて"ジョー"と呼び直す。危ない、気をつけよう。

 それから、まるで犬のように笑って駆け寄って来た仗助は、俺の片手を両手で握ってブンブンと上下に振る。力が強い。

 

 

「……って、その顔!怪我してんじゃないスか!?」

 

「あ、あぁ、いや。これぐらい、別に気にする程の事じゃ、」

 

「気にしますよ!?大事な恩人が怪我してるんスから!ちょっと待っててください、今すぐに治します!」

 

 

 続いて。仗助が俺の怪我に気づき、お得意のスタンド能力で治そうとしたんだろうが……クレイジー・ダイヤモンドが出る前に、不良共がやらかしてしまった。

 

 

「おい、てめー!邪魔すんな!!」

 

「次から次へと何なんだよ!?」

 

「あー、もういい!――このふざけた髪型した野郎も、そいつと一緒にボコボコにすればいいだろ!?」

 

 

 はい、アウトォッ!!……髪型を馬鹿にするセリフを聞いた瞬間、仗助は一気に殺気立つ。

 

 

「この髪型を、馬鹿にしやがったな……?それにシドさんを殴ったのもてめェらだな!?」

 

 

 仗助の背後に現れたスタンドが、不良の1人の顔面をぶん殴る。うわ、本当に変な整形みたいな治され方になるんだ、って、そうじゃない!!

 

 

「じょっ、ジョー!待て、落ち着け!」

 

 

 そう言っても、仗助は聞かなかった。他の奴らも殴ろうとしている。しょうがないな!

 

 

「――バリア展開」

 

「なっ、これは……!?」

 

 

 クレイジー・Dの拳から、不良達を守るバリアを張った。それで防がれた事に驚いた仗助が、こちらに振り向く。

 

 

「……やっぱり、あんたにもこれが見えてるんスね?で、その後ろにいる天使みたいな奴も、俺と同じ?」

 

「あぁ、そうだ。……これについても話したいから、そいつらの事はもう良いだろ?ほら、あんた達も今のうちに逃げとけ!」

 

 

 情けない悲鳴を上げながら逃げて行った不良達は、さて置き。前世の事がバレないように、仗助と話を進めた。

 互いのスタンド能力についても、簡単に説明する。そのついでに怪我をした顔や、壊れた伊達眼鏡も彼のスタンドで直してもらった。便利な能力だよ、本当に。

 

 

「……じゃあ、シドさんにもこれの正体は分からないんスね?」

 

「うん。ある日突然……あー、まぁ、いろいろあって。急に現れたって感じだな」

 

 

 例の弓矢の事は、念のために隠しておく。原作前だから、という理由もあるが……

 さっきの不良達へのぶちギレ具合を見たら、俺が矢で射抜かれたと知った仗助が、どんな反応をするのかが怖くなって言えなかった。

 

 

「そうスか……でも俺のとは違って、その天使は喋る事ができる」

 

「そうだね。ちなみに、本体と記憶も共有してるよ。君と初めて出会った時の事も知ってる。……また会えた時は、互いに本名を名乗ると約束していた事もね」

 

「あ、そうだ名前!」

 

 

 おっと。そういや、互いにまだ名乗ってなかったな。

 

 

「俺、東方仗助っス!」

 

「園原志人だ。改めてよろしく。……仗助と呼んでいいか?」

 

「もちろん!俺も志人さんって呼んでいいスか?」

 

「おう、いいぜ」

 

「俺はイージスホワイトだよ。よろしく、仗助」

 

「イージスホワイト……志人さんは、そいつに名前付けたんスね」

 

「あぁ。名前を付けて欲しいと頼まれたんだ」

 

「……あの、良かったらこいつにも名前を付けてもらえないスか?」

 

「えっ」

 

「お願いします!」

 

 

 これは予想外。仗助からスタンドの名付けを頼まれてしまった。どうしよう。確か、本来の名付け親は承太郎だよな!?

 え、本当にどうする?この場は誤魔化した方がいいか?ゆっくり考えさせて欲しい、とか言って。でもなぁ……!

 

 

(そんな期待の眼差しで見られても困るんだが!?)

 

 

 仗助の目がキラキラしている。これはワンコだな。柴犬、黒柴だ。……ここで誤魔化したら、絶対にがっかりするよなぁ。

 

 

 …………名前は、既に決まっている。もちろん、クレイジー・ダイヤモンドだ。あとは、それらしい由来を考えるだけ。

 承太郎さん、ごめんなさい。俺なんかが名付け親に成り代わってしまってごめんなさい!このキラキラした目には勝てません!

 

 

「……日本でのクレイジーという言葉は、あまり良い印象が無さそうだが、英会話では違う。最高とか素晴らしいとか、前向きな意味で使われる。

 ダイヤモンドという言葉は、ギリシア語で"征服されない"を意味するadamas(アダマス)が由来だ。それが転じて、"不屈"という宝石言葉も生まれた。

 仗助は良い意味で"クレイジー"だ。その髪型へのこだわりとか、頭の回転が早くて機転が利くところとか、そいつの能力自体もな。

 

 そんなお前には、不屈という言葉がよく似合う。という事で、命名――クレイジー・ダイヤモンド」

 

 

 ……と、なんとかそれらしい理由を作ってみたが、どうかな?

 

 

「っ――グレートッ!!良い名前っスね!ありがとうございます!!」

 

「お、おう?……そんなに気に入ったのか?」

 

「はい!!」

 

 

 黒柴の耳とブンブンと振られる尻尾が見える。もちろん、幻覚だ。……思わず、その頭を軽くポンポンと撫でてしまった。

 やっちまった、怒られる!と思ったが、むしろ嬉しそうにしている。あれぇ??

 

 首を傾げていた、その時。イージスが口を開いた。

 

 

「志人。夕飯の買い物は?」

 

「あっ!?忘れてた!……あー、タイムセールの時間も過ぎてる……」

 

「タイムセール?」

 

「俺は1人暮らしで、バイトしながら生活してるんでな。いろいろ節約しないといけないんだ」

 

「なるほど、そういう事っスか。すんません、俺が引き留めちゃって……」

 

「気にするな。お前とまた会えただけで、充分お釣が来る」

 

 

 そう。原作前に仗助と再会できた事は、この先の未来を知っている俺にとっては大きな収穫である。

 

 実は、原作開始当日に承太郎と出会う、あの場面に遭遇する口実だけは既にあったんだが。そこからどうするのかは、まだ考えている途中だったからな。本当に助かった。

 

 

「そう言ってもらえるのは嬉しいっスけど、やっぱり申し訳ないなあ…………あ、そうだ!うちで一緒に夕飯食べるのはどうスか?そしたら一食分の金が浮きますよね?」

 

「は?いやいや、それこそお前のご家族に申し訳ない、」

 

「大丈夫っスよ!うちは母親とじいちゃんと俺しかいないんで!」

 

「ご家族にとって俺は見知らぬ人間で、余所者だろ?」

 

「志人さんの事は何度も話題に出してるんで、もしも再会したらうちに連れて来いって、2人に言われてるんスよ」

 

「何だって??」

 

 

 ……その後。仗助の押しに負けた俺は、彼の自宅にお邪魔して夕食を共にする事になる。間近に見た朋子さんは本当に美人で、後に帰宅した東方良平も気さくで良い人だった。

 この人達が、近いうちにあのクズ殺人鬼に襲われ、良平さんは亡くなり、仗助と朋子さんは大事な家族を失う事になる――

 

 

(――やらせねぇよ、そんな事!)

 

 

 原作改変。最初の目標は、東方良平の救済だ。

 

 

 

 

 

 






・最初の目標が決まった男主

 別世界では結果的にお人好しが鳴りを潜めたが、こちらの世界ではお人好しフルスロットル。
 見知らぬ学生を咄嗟に助けちゃうし、初対面で好感を持った警官の救済をあっさり決意しちゃう。

 黒柴、もとい仗助に犬のように懐かれ、困惑中。何でこんなに懐かれてんの?俺、お前に何かしたっけ??(無自覚)


・全力で懐いている、黒柴リーゼント君

 初対面で髪型を馬鹿にしなかった上に、的確なアドバイスをくれた、今まで出会った事が無い頼れる先輩。
 しかも、自分のスタンドにカッコいい由来と名前を付けてくれた……園原に対してそんな印象を抱き、全力で懐いている。

 園原と出会った日から、母親と祖父には恩人について何度も語り、再会する日を今か今かと待ち侘びていた。
 それに影響された母親と祖父も、園原に会いたがっていた。園原と出会ってから、彼が1人暮らしをしていると知り、何かと世話を焼くようになる。




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