空条承太郎の友人~原作介入~   作:herz

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・アバッキオ救済編。リゾットVSディアボロは起こらなかったが、いろいろあってアバッキオが1人になり、スタンド能力を使用中……という設定で進行します

・ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり。アバッキオ視点




強制連行

 

 

 

 

 エアロスミスが何やら妙な反応を捉えたらしく、ナランチャとブチャラティは念のためにその正体を確かめておこうと、俺を置いてそちらの確認に向かった。

 ジョルノ達3人にも、集合の合図が出された。そのうち、あいつらも来るだろう。

 

 ブチャラティ達が戻って来る前に、リプレイを済ませなくてはならない。

 15年も前の出来事だから、本来なら10分近く時間を掛けるところを"5分でやれ"、なんてよ……無茶振りが過ぎるぜ。

 

 だが、やるしかない。いつ何処から敵が襲って来るかも分からねえし、長居は無用だ。

 

 

「もう25日だ、6月も終わっちまうぞ。まだか?……本当に6月なんだろうな?」

 

 

 しばらく待ってみたが、まだ終わらない。……やがて、向こうで騒いでいるガキ共の様子が気になってきた。

 喧しいのもそうだが……万が一、敵が来てしまった場合。戦闘に巻き込まれてしまう可能性がある事を考えると、さっさと立ち去って欲しいところだ。

 

 

「……しょうがねえな、ほら、どきな!」

 

 

 木の枝にボールが引っ掛かっていたのを取ってやり、向こうへ放った。ガキ共は一人ひとり、俺に礼を言って去って行く。

 

 そして、最後の1人が礼を言いながら俺の横をすり抜けた瞬間――俺の胸元に、見慣れた緑のドームが現れた。

 さらにそのドーム……否、バリアによって防がれた、誰かの手刀。これは、スタンドの手か!?

 

 

「そんな馬鹿なッ!?防がれた……だと!?何だ、あの緑のドームは!?」

 

 

 おそらく、そのスタンド使いの声だろう。かなり動揺している。その正体を確かめようとした瞬間、誰かに腕を引っ張られて体が傾く。

 

 

「……やっぱり、てめえだったのか」

 

 

 引っ張られた先には、予想通りシドがいた。不可視と防音バリアを張り、近くで待機していたんだろうな。

 で、俺もその中に入れられた今。俺に攻撃しようとしていた奴の目の前から突然姿を消した事で、向こうも混乱しているらしい。周りをキョロキョロと見渡している。

 

 

「……って、おい。なんか顔色悪くねえか?息も荒くなってるぞ?」

 

「――ごめんね、アバッキオ。俺の本体には会話する余裕が無いから、代わりに俺が話すよ」

 

「っ!?」

 

 

 そこでようやく、その存在に気づいた。……まるで、天使のような姿。これがシドのスタンドなのか!?しかも、自我のあるタイプか!

 

 

「とりあえず、説明するけど。ゆき、あ、違う。シドは今、俺達の身を隠すバリアと、君のスタンドの姿を隠すバリア……その2つのバリアを同時に発動している」

 

「2つ、同時に?」

 

 

 そう言われてムーディー・ブルースがいる方向を見ると、いつの間にかその姿は見えなくなっていた。

 

 

「見つからない本体の代わりに、能力を発動中で無防備になってるスタンドを攻撃されても困るだろう?だから、あっちにもバリアを使った。

 

 でもね。これは本体にとって、かなりの負担になっているんだ。

 なんせ不可視と防音バリアを2つずつ発動しているから、一気に4つのバリアを張っているのと同じ状態……

 

 バリアの数が増えれば増える程、シドの体力と精神力の消耗も早くなる。

 それに加え、念のためにバリア自体の強度もかなり強くしているから、さらに負荷が掛かっていて……そういう訳で今、俺の本体には全然余裕が無いんだ」

 

「……だったら、あっちのバリアに合流して数を1つ減らせば、」

 

「ごめん、それも無理。シドには歩く余裕すら無いし、もし動けたとしても、今の位置では目の前にいるその男を避けて通るのは難しいと思う」

 

「ちっ……!」

 

 

 確かに、それもそうか。敵は俺を見失った後も、この場に留まって探し回っている。

 今の俺達は出来る限り壁側に寄っているおかげでバレていないが、下手に動いたら奴が見えない壁……不可視のバリアにぶつかって、面倒な事になるかもしれない。

 

 こうしている間にもシドは脂汗を流し、明らかに辛そうな表情をしていた。

 ……常に余裕の微笑を絶やさなかったこの男が、こんなにも必死になって1人の人間を……俺の事を守ろうとしている。

 

 

「…………何故だ……?何故そこまで必死になる必要がある!?俺を守ったところで、てめえに何のメリットがあるんだ!?何を企んでやがる!?」

 

「本気で人を助けようとしている時に損得勘定なんて邪魔になるだけだろ」

 

「は、」

 

「……って、本体が今そう考えてる。紛れもない本心だよ」

 

「――――」

 

 

 あまりの言葉に絶句したその時、遠くから聞き覚えのある声が聞こえて来る。……ブチャラティ達の声だ!ジョルノ達の声も聞こえる!

 

 

「……良かった。どうやら、シエルが上手くやってくれたようだね」

 

「シエル?」

 

「シドの飼い猫の名前だよ。……シドから彼らを連れて来て欲しいと頼まれて、その通りに行動してくれたんだと思う。本当に賢い子だ。

 奴はアバッキオが1人のところを狙って来たようだし、人数が増えたら逃げてくれるんじゃないかな?」

 

 

 シドのスタンドの言う通り、ちょうど目の前にいた奴はブチャラティ達が来る事に気づいたのか、悔しそうに舌打ちして逃げて行った。

 

 

「……あれ?アバッキオがいない!?」

 

「あいつ、何処行った!?」

 

 

 

 

「――バリア、解除……」

 

「っ、おい!?」

 

 

 ブチャラティ達が目の前にやって来たところで、バリアが解除された。

 それと同時に崩れ落ちるシドの体を、咄嗟に支える。……さっきよりも息が荒い。かなり消耗しているようだ。

 

 

「アバッキオと、シド!?」

 

「ああ、そうか。不可視のバリアを使っていたんですね!」

 

「どうしたんだ?そいつ……随分と、疲れているようだが」

 

「ウニャーッ!?」

 

 

 驚くブチャラティ達の足元を縫って、1匹の猫がすっ飛ぶように駆け寄って来た。壁に寄りかかって座り込むシドに縋り付き、頻りに鳴いている。……相当懐かれてるんだな。

 

 

「……お手柄だな、シエル……よく、やった……」

 

「ニャー!ウニャア!」

 

「ん、俺は大丈夫……」

 

「それのどこが大丈夫なんだ!?もはや自力で立ち上がれない程に消耗してるくせに!!」

 

「うわ、びっくりしたァ!?シドのスタンドにも自我があるのかよ!?」

 

「……でも、今の何語?オレ、全然聞き取れなかったんだけど」

 

「日本語ですよ。今のはスタンドが、"それのどこが大丈夫なんだ、もはや自力で立ち上がれない程に消耗してるくせに"……と、本体を責めていたんです」

 

「へえ……って、ジョルノ!?君、日本語が分かるんですか!?」

 

「ええ、フーゴ。分かりますよ。僕はこれでも、片親が日本人なもので」

 

「はあッ!?」

 

 

 ナランチャやミスタ、フーゴやジョルノが騒いでいるのを聞き流していたら、意外な言葉が飛び出した。

 ジョルノてめえ、その見た目で片親が日本人ってマジか。

 

 

「おい、お前ら!いつまで騒いでるんだ!?」

 

「ブチャラティ」

 

「アバッキオ!リプレイは終わったのか?」

 

「あ、ああ。終わってる」

 

「早く再生して、ボスの姿を確認したらすぐに離れるぞ。敵が襲って来る前に!」

 

「……ちょうどついさっき、敵に襲われて……そいつに、助けられたところだ」

 

「っ、何だと!?」

 

 

 時間が無いため簡潔に、何者かのスタンドで危うく胸を貫かれそうだったところを、シドのスタンドによって守られ、今まで不可視と防音バリアの中に隠れていたと話す。

 さらに。シドが疲れているのは、俺と俺のスタンドを守るために無茶をしたのが原因である事、敵はブチャラティ達が来る前に逃げて行った事も説明する。

 

 

「そうか……俺だけでなく、アバッキオの事も……いや、今はそれよりも急がなければならない!もしかしたら、敵が応援を呼んで来るかもしれないぞ!」

 

「確かにそうだな。すぐに再生する」

 

 

 ボスの姿を再生し、ブチャラティ達にもその顔を覚えてもらった。それから念のため、その場にあった石碑に無理やり顔と指を叩き付けて、デスマスクと指紋を取る。

 次に、その写真を撮ったら石碑を砕いて、証拠隠滅。……これは後程、いろいろ調べるために使う予定だ。

 

 実はスタンドから本体にダメージが通って、顔と指が地味に痛いんだが……そこは我慢するしかない。

 

 

 これで、ここでやるべき事は終わったが……シドはまだ動けないようだ。

 スタンドを出してはいるが、不可視のバリアは使ってねえし、スタンド能力も満足に使えない状態なのか?……しょうがねーな。

 

 

「おい、ブチャラティ」

 

「ん?」

 

「……あんたがこの前、あいつの事なら信用しても大丈夫だと……あいつのスタンドの姿を見れば納得するはずだと言ってた意味が、俺にも分かった気がするぜ」

 

「!」

 

 

 瞠目したブチャラティと、目を合わせる。……微笑みと共に、頷きが返って来た。

 

 

「いいか?」

 

「ああ。お前に任せる」

 

「よし」

 

 

 リーダーから許可が出たので、シドの下に駆け寄る。ぐったりとしたその体を抱き上げた――

 ――瞬間。すぐ近くから薄ら寒い何かを感じ取り、思わずそちらを見る。

 

 ……そこには、誰もいない。気のせいか?……まあ、いい。とりあえず、こいつを運ぶとしよう。

 

 

「え、……っ!?」

 

「ンニャッ!?」

 

「おや、本体を運んでくれるの?ありがとう」

 

「んな事、言ってる、場合か……!」

 

「あ?日本語か?何言ってるか分かんねーぞ」

 

「あ、……あ、あの、アバッキオ、さん?下ろして、ください」

 

「っは、聞こえねえな」

 

「イタリア語で言った、のに……!」

 

「ウヴゥゥッ!フシャーッ!!」

 

「おら、そこの猫。威嚇してる暇があるなら、さっさとついて来い」

 

 

 やれやれ、まだ本調子じゃ無さそうだな。今のところ、弱々しい抵抗しかされてねえし。

 ……こいつをここに置いていったとして、もしもさっきの野郎が戻って来たら、あっさり殺されちまうかもしれない。それは少し……いや、かなり寝覚めが悪くなるからな。

 

 

「おいおい、そいつまで連れて行くのかァ!?」

 

「別にいいんじゃね?シドはアバッキオの事も、ブチャラティの事も助けてくれたんだろ?それに、そんな悪い奴でも無さそうだしさ」

 

「……それは、そうだけどよォ」

 

「甘いぞ、ナランチャ!それに、ミスタも騙されるな!この男はきっと、何か目的があったから2人を助けたに違いない!

 わざわざ連れて行かなくても、ここに置いていけばいいじゃないか!」

 

 

 フーゴの言葉はもっともだ。今までの俺なら、こいつに同意していただろう。

 しかし……シドのスタンドの姿を見て、こいつの本心を聞いてしまった以上、見捨てる気にはなれない。

 

 

「"本気で人を助けようとしている時に損得勘定なんて邪魔になるだけだろ"」

 

「え?」

 

「……俺を守ろうと無理をしていた時に、シドはそう考えていた。こいつのスタンド曰く、紛れもない本心だとよ。

 そのスタンドの姿もこんなだし、俺はブチャラティの言う通り信用しても大丈夫そうだと判断した」

 

 

 シドとそのスタンドに対し、フーゴ達の視線が集まる。……そのうちの本体の方は不思議そうに首を傾げ、"それが何か?"と平然と口にした。

 

 

「私は、別に……おかしい事を、言ったつもりは……無かったの、ですが」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……誰も反対できなくなってしまったようですし、連れて行っても良いんじゃないですか?それに、いい加減そろそろこの場から離れた方がいいのでは?」

 

「ジョルノの言う通りだ!ほら、お前ら!さっさと動け!!」

 

 

 ブチャラティの号令で、再び全員が動き出した。リーダーが良しとするなら、フーゴも否とは言えないのだろう。

 ミスタとナランチャを外に残し、それ以外は亀の中に入る事に。……シドは最後まで弱い力で抵抗していたが、それを無視して猫ごと亀の中に突っ込んでやった。

 

 

 

 

 

 

 






・救済された元警官

 今まで園原の事を警戒していたが、イージスの姿を見て、さらに園原の本心を聞いた事で、彼は信用できると判断。
 脅迫された事を忘れた訳ではないが、その時に見た彼の苦し気な表情も思い出し、無理をしていたのではないかと推測している。大正解。

 敵が戻って来て園原が殺されたら寝覚めが悪くなるからと、一緒に連れて行く事にした。……ん?何だ今の薄ら寒い感覚は?気のせい、か?


・強制連行された助手君

 アバッキオ救済のために頑張った結果、体力と精神力を消耗し過ぎて疲労困憊に。
 護チが去って行くのを見送るつもりでいたのに、アバッキオに強制連行されてしまった。まずいな、このパターンは全然想定してなかったぞ!?どうしよう……

 あ、でも、そうか!5部ナレフと接触するチャンスが……!!


・歯痒い思いをしている暗チのリーダー

 ――――<●><●>カッ

 アバッキオが感じ取った、薄ら寒い何かの正体。彼が勝手に園原を抱えた事で、危うく殺気を向けるところだった。
 本当なら自分が園原を運びたいところだが、園原から万が一の時の切り札としての役割をお願いされているため、自分の存在を周りに知られる訳にはいかない。歯痒い。






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