空条承太郎の友人~原作介入~   作:herz

29 / 63


・ラスボス戦ですが、あっさり終わります。オリジナル話

・ナランチャの死亡フラグは既に折れている。ドッピオの出番が無い上に、護チもあまり活躍出来てません。申し訳ない……

・今回は特にご都合主義、捏造過多が激しいので注意。キャラ崩壊あり。ジョルノ視点




急転――切り札を切る

 

 

 

 

 ポルナレフさんは僕達に、例の矢の真の力を明かした。それは非常に強力で、危険な力だった。

 才能ある者からスタンドを引き出す矢、その矢でさらにスタンドを貫くと、全ての生物の精神を支配する力を手に入れる……そんな力を、誰が使うべきか。

 

 それを話し合う時間が欲しいところだが、どうやらそんな余裕は無いらしい。

 

 

「――ヴヴゥゥゥ……ッ!!」

 

「シエル?……まさか、奴がもう追って来たのか!?」

 

「ニャアッ!」

 

「っ、皆さん!早く誰が矢を使うのか決めてください!急かしてしまって申し訳ありませんが、シエルがディアボロの匂いを嗅ぎ付けました!」

 

「何ッ!?」

 

 

 猫……シエルの嗅覚が、僕達を追って来た奴の存在を知らせる。時間が無い、早く決断しなくては!

 

 

「きっと、娘であるトリッシュの気配を追って来たのでしょう……どうする、ブチャラティ!ここは僕達のリーダーである、あんたの意見が聞きたい!」

 

 

 フーゴの発言で、ブチャラティに視線が集まった。確かに他でもない彼の意見なら、僕達はそれぞれの考えを呑み込んで従うだろう。

 時間が無い今、最も優先すべきは僕達のリーダーの判断だ。

 

 

「俺の答えは既に決まっている。最初から、ずっと賭けていたからな。――ジョルノ!矢はお前が使え!」

 

「っ!」

 

「アバッキオ、ナランチャ!亀の外に出ろ。全員で奴を迎え撃つ!」

 

 

 指名された僕が驚いている間に、アバッキオとナランチャが出て来た。

 そしてアバッキオが……ポルナレフさんから受け取ったのだろう。例の矢を僕に差し出した。手の震えを抑えながら、それを受け取る。

 

 

「リーダー直々のご指名だ……しくじるなよ、ジョルノ」

 

「…………はい!」

 

 

 僕の事を一番疑っているはずのアバッキオが、わざわざ手渡してくれるとは……失敗は許されない。この力で、必ずディアボロを倒す!!

 

 

「ポルナレフさんとトリッシュは、そのまま亀の中に、」

 

「あたしも戦うわ、ブチャラティ」

 

 

 その時、トリッシュが外に出て来た。……本来なら、彼女が亀の中にいてくれた方が僕達も安心できるのだが……

 

 

「……駄目だ、と言っても君は従ってくれないよな」

 

「ええ。――あたしは、乗り越えるわ。あの父親から受け継いだ運命にビクついて逃げたりもしない!それが邪魔なら、なおさら登り切ってやるッ!!」

 

「トリッシュ……」

 

「……っは。随分と強くなりやがったな、この女」

 

 

 珍しい事に、アバッキオが面白そうに笑っている。確かに、彼女は強くなった。……もしかすると、僕達の中で一番成長したのはトリッシュなのかもしれないな。

 

 

「…………分かった、一緒に戦おう。ただし、自分の命を大事にするように。いいな?」

 

「うん!」

 

「よし。……シド。お前にはこの亀と、中にいるポルナレフさんを任せる。それから、このバリアから俺達を出してくれ。

 仕方ないからお前が勝手に動く事は認めるが、俺達だって出来る限り自分達の力で奴を倒したいのでな」

 

「……了解しました」

 

 

 ブチャラティから亀を受け取ったシドが、僕達をバリアの外に出して、シエルと共に消えた……と、そう見えるだけで実際はすぐ近くにいるはずだ。

 短い付き合いだが、彼がかなりのお人好しである事を、この場にいる全員が知っている。彼が亀を持って逃げたのではないかと疑う者は、僕達の中にはもういないだろう。

 

 ブチャラティが僕達に指示を出し、それぞれの配置につく。……その際、ポルナレフさんから教わった、奴のスタンド能力への対策を試す事になった。

 

 血の雫を垂らし、水滴の数の一瞬の変化を見て、能力の発動を察知するという方法……確かにこれなら、時間が飛んだ瞬間が分かる。

 ただし、これはあくまでも発動の瞬間が分かるだけで、能力そのものへの対策にはならない。油断は禁物だな。

 

 ……やがて、ナランチャから合図があった。エアロスミスが、こちらにまっすぐに近づいて来る反応を捉えたのだ。

 

 全員の視線がトリッシュに集まる。……彼女は、緊張した様子で強く頷いた。

 娘であるトリッシュが頷いたという事は、間違いない。奴が来ている!既に全員がスタンドを出しており、いつでも戦闘が出来る状態だ。

 

 

 そして僕は、手の甲に落ちた血の水滴に目を向ける――刹那、その水滴の数が急に増えた。

 

 

「うぐッ!?」

 

「な、」

 

「トリッシュ!?」

 

「――全員、動くな!!」

 

 

 はっと振り向くと、そこには見覚えの無い長髪の男がいた。あれは……アバッキオがサルディニア島で再生した顔と同じ!

 いったいどういう訳なのか、先程ブチャラティの前にいた時の姿と比べると、まるで別人だ。こいつが、ディアボロ……!?

 

 そのディアボロは、いつの間にか僕達の背後を取っており、トリッシュのスパイス・ガールの首を自身のスタンドの手で絞めている!そのせいで、彼女は身動きが取れないようだ。

 一瞬で、彼女を人質に取られた。能力が発動した瞬間は分かったのに、全く動けなかった。自分で油断は禁物だと考えていたくせに、油断してしまった……!!

 

 

「まずは全員、スタンドを仕舞え。今すぐに!」

 

「っ、だめ……こいつ、に、従わ、ないで、」

 

「黙れ、我が娘よ!お前に発言を許可した覚えは無い!!」

 

「うう……ッ!」

 

 

 奴の手の力が強まったようだ。トリッシュが苦しんでいる!なんて事を……!!

 

 

「トリッシュ!!」

 

「くっ……!全員、スタンドを仕舞え」

 

「ブチャラティ、しかし……!」

 

「命令だッ!!」

 

 

 ブチャラティの命令で、全員がスタンドを仕舞った。……今だけは、奴の言う通りにするしかない。

 トリッシュの命が掛かっている……この状況を打開するきっかけが無い限りは、動けない。

 

 

「……懸命な判断だ、ブチャラティ。……さて。今の私には、何よりも優先すべき事がある。お前達を殺すのは、その用が済んだ後だ」

 

 

 僕達を殺すよりも、優先すべき事?

 

 

「――この状況が見えているか!?緑色のドームを使うスタンド使い!」

 

「っ!!」

 

「貴様はあの教会でも、サルディニア島でも、そしておそらくだが、先程も!この私の手から、ブチャラティとアバッキオを守ってみせたな……

 三度も私を出し抜くとは、敵ながら見事。――しかし、だからこそ!私にとっては今最大の脅威だ!!

 

 今すぐに姿を現し、私の前に来い!さもなくば……貴様の前に、この女を殺す」

 

 

 やられた!こいつの狙いは、最初からシドだったのか!

 まずは自分にとって未知の、しかも対象を完全に守り抜く事ができる能力を持つ存在を潰し、それから僕達を確実に殺すつもりだ……!!

 

 

 そしてこの状況で、あのお人好しがトリッシュを見捨てる訳が無い!!

 

 

「……私は、ここにいます」

 

「シド!?」

 

「馬鹿野郎ォ!出て来るなァッ!!」

 

「彼女を見殺しにする事は出来ません」

 

 

 僕の予想通り、シドはバリアを解除して姿を現した。彼は僕達の間をすり抜けて、ディアボロの前に出る――

 

 

「――――――――」

 

 

 ――その直前。僕の側で、ある言葉を囁いた。…………えっ?

 

 

「この通り、私は姿を現しました。……トリッシュさんを解放してください」

 

「ふん……貴様の他に、もう1人スタンド使いがいるはずだ。先程、私の手を見えない何かで撃ち抜いた奴だ。そいつも呼べ!

 もしも、それさえも貴様の能力だと言うなら……特別に、スタンドを出す許可を出そう。その能力をこの場で見せてみろ。出来るものなら、な」

 

「…………抜け目無いですね。……シエル、おいで」

 

 

 シドは悔し気な声でそう言うと、シエルを呼び寄せた。……彼は物陰に隠れていたようだ。おそらく、反撃の機会を窺っていたのだろう。

 姿を現したシエルは、シドの足元にやって来る。そして、彼の指示で地面に空気弾を放った。

 

 

「……なるほど。確かに、その猫が私の手を撃ち抜いたスタンド使いのようだな……人間ではなく動物だった事は予想外だったが、まあいい。

 その猫を抱えて、もっと近付いて来い。それ以外の余計な真似はするな。私がトリッシュの命を握っているという事を、忘れるなよ」

 

「…………分かりました」

 

「シド、待てッ!!」

 

「行くな!殺されるぞッ!!」

 

 

 アバッキオとブチャラティが、彼を止める。……僕達の方へ振り向いたシドは微笑み、無言で首を横に振った。

 

 

 そして、僕に目配せをする。……ええ、分かっています。

 

 

「……もう少し、こちらに来い。……そうだ、その位置から動くな」

 

 

 シエルを抱えてディアボロに近付いたシドは、奴の指示通りの位置に立った。そこは、奴の目の前。

 あの距離では、何をどうしても逃げられないだろう……普通ならば。

 

 

「……シド、と呼ばれていたな。この私を三度も出し抜いた事に敬意を評し、死ぬ前に何か言い残したい事があるならば、特別に聞いてやる……何かあるか?」

 

「言い残したい事?…………そうですね。お言葉に甘えて……1つだけ」

 

 

 そう言って、シドは片腕でシエルを抱え直すと、空いた手で中折れ帽のツバに触れて、口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――"てめーは俺を怒らせた"ッ!!」

 

 

 彼がそう叫んだ瞬間、ディアボロが急に喉を押さえて苦しみ出す。そして……口から血を、いや剃刀を吐き出した!

 

 これは、まさか!?……いや、今はそれよりも!この機会を逃してはいけない!!

 

 

「――シルバーチャリオッツ!!」

 

「ぐおおォォッ!?き、貴様は……っ、馬鹿な!生きていたのかッ!?」

 

 

 さらに。何も無かったはずの場所からポルナレフさんが現れ、銀色の甲冑を纏ったスタンドが、奴のスタンドの腕……トリッシュの首を掴んでいた腕を切り落とした!

 当然、本体の腕も切り落とされ、ディアボロが後退する。その隙に、トリッシュの体を抱えたのは、

 

 

(イージスホワイト……!そうか。シドはディアボロの指示に従う前から、不可視のバリアでポルナレフさんとイージスの姿を隠しておいたのか!)

 

 

 そこへ、シエルを抱えたシドが合流し、自分とトリッシュ、それから車椅子に乗ったポルナレフさんをバリアで囲む。これで、彼らの安全は確保された。

 

 

「おいおいおいッ!?」

 

「え、どッ、どうなってんだ!?」

 

「まさか、あの剃刀は……!!」

 

「お前ら、今がチャンスだ!全員スタンドを出してディアボロを囲め!!逃げ道を塞ぐんだッ!!」

 

「っ、了解!!」

 

 

 そこでブチャラティ達が立ち直り、彼の指示でスタンドを出して動き始めた。

 姿の見えない何者かに加え、その何者かをバリアの中から援護するシエルとも戦っている、ディアボロを囲む。……しかし、僕は動かなかった――

 

 

「おい、ジョルノ!何して――っ!?」

 

 

 ――その時ちょうど、僕のスタンドが進化を終えたところだったのだ。

 

 

「なんだ……?そのスタンドはッ!?」

 

 

 ブチャラティ達だけでなく、ディアボロもこの変化に気づいた。……ん?いつの間にか、見えない何者かによる攻撃が止まっている。

 

 ふと、シド達がいる方を見る。――シドの背後で、彼の影のように佇むリゾットの姿があった。やはり、先程の攻撃を仕掛けたのは彼だったのか。

 いろいろと聞きたい事はあるが、後回しだ。どうやら止めは僕に譲ってくれるようだし、遠慮なくいくとしよう。

 

 

「例の矢を使ったんだな!?」

 

「ジョルノ、お前いつの間にッ!?」

 

「……シドが姿を見せた時、彼からこっそり日本語で言われていたんです。――隙はこちらが作るから機会を逃すな、と」

 

 

 正確に言えば、"俺の切り札(・・・)が隙を作る、その機会を逃さず矢を使え"、と言われたのだが。

 その切り札はシエルの事ではないかと思っていたが、彼の事はむしろディアボロを油断させるための囮として使ったのだろう。本命の切り札は、リゾットの事だったのだ。

 

 

 G・エクスペリエンスは脱け殻のようになっており、その中から現れたのが進化したスタンドだった。……さっそく、攻撃を仕掛ける。

 

 

「何ッ!?」

 

 

 スタンドの脱け殻の破片を弾くと、奴の手を貫いた。その破片はディアボロの背後の柱を破壊し、その柱の破片がサソリへと変化し、奴を攻撃する。

 確かに、スタンドの力がかなり強化されているようだ。……だが、おそらく。進化したG・エクスペリエンスの力は、これだけではないはず。

 

 

「……生き残るのは、この世の真実だけだ。真実から出た真の鼓動は、決して滅びはしない……

 お前の行動が真実から出た物なのか、それとも上っ面だけの邪悪から出たものなのか……それは、これから分かる。あんたは果たして滅びずにいられるのかな?ボス」

 

「いい気になって知った風な口を利くな!ジョルノ・ジョバァーナ!お前には死んだことを後悔する時間をも与え――っ、」

 

 

 と、言葉を途中で切ったディアボロが、動揺した様子で辺りを見回す。

 

 

「…………俺は、初めから何も動いていない!?っ、いや!俺のこの予知は、絶対に起こる真実なんだ!俺の無敵のキング・クリムゾンはッ!勝利に向かうはずなんだッ!!」

 

 

 そう叫ぶ奴に向かって、今までで一番のスピードで迫り――

 

 

「――――無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」

 

 

 思い切り、ラッシュをぶち込んでやった。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

「や――やったあァッ!!」

 

「矢で進化したジョルノのスタンド……いったい何をやったのか、俺には全く見えなかったんだが」

 

「僕も見えませんでした……奴は進化したスタンドに何をされたんだ?」

 

「でも、ジョルノがやってくれたぞ!ついに、あいつを倒したんだッ!!」

 

「……ありがとう、ジョルノ。よくやってくれた!」

 

「いえ、待って!」

 

 

 僕が殴り飛ばしたディアボロが、川に落ちていく。……ブチャラティ達が勝利した事を喜ぶ中、駆け寄って来たトリッシュが声を上げた。

 

 

「何処かに浮かんで来てる?ねぇ、何処!?あいつは?死体は!?

 あいつを探すのよ!あたしにはまだ、奴が生きてるって感じるわ!確認しないと安心できない!!」

 

「っ、そうだな。それを確認するまでは、気を抜いてはいけない……!」

 

「いえ、探す必要はありません」

 

 

 そう言って、焦っている彼らを止める。……既に、そうする必要は無くなっているんだ。

 

 

「全てはもう終わっています。僕自身にも、レクイエムの能力ははっきり見えませんでしたが……何故か、心の中でそれを確信しているんです」

 

 

 奴はもう、何処へも向かう事が出来ない。特に、奴が真実に到達する事は……"死ぬ"という真実にさえ到達する事は、決して無い。

 

 

「無限に……でも、奴は生きて――終わりがないのが、終わり。それが、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」

 

「終わりが無いのが、終わり?…………おい。まさか……」

 

「ジョルノ、それは、つまり……奴は、永遠に死ぬ事ができない、と?例え、何があっても?」

 

 

 ブチャラティとフーゴは、僕が言っている意味をすぐに理解したらしい。……頷いて肯定すると、彼らの表情は揃って引き攣った。

 

 

「……ま、まあ、奴は当然の報いを受けたのだと、そう思っておこう。奴の方が問題無いなら、次は……何故この場に、リゾットがいるのか。その理由を説明してくれるよな?シド」

 

 

 気を取り直し、ブチャラティがシドにそう声を掛ける。僕もちょうど、それが気になっていたところだ。

 

 

「リゾットさんは私の上司からの命令で、例の作戦の終了後から私の護衛についていました。

 今回のような万が一の時に備えて、スタンド能力で身を隠してもらっていたのですが……おかげで本当に助かりましたよ」

 

「礼には及ばない……俺は、お前の指示に従った。それだけだ」

 

「……暗殺者チームの奴らは全員、イタリアから脱出したんじゃなかったのか?あの教会で俺が聞いた時、そう言ってたよな?」

 

「全員、とは言ってませんよ?私はあの時、"暗殺者チームの方々は、イタリアから無事に脱出しているはずです"と言いましたが、暗殺者チームの皆様(・・)とは言いませんでしたから」

 

「…………アバッキオの言う通り、意外と強かな野郎だな、お前は」

 

 

 なるほど、嘘は言っていない。ただし肝心な所を隠していた訳だが。そんなシドに対して、ブチャラティは苦笑いを浮かべた。

 

 

「……おい。まさかリゾット以外にも何人か残ってるんじゃねえだろうな?」

 

「いえいえ、リゾットさんだけですよ。彼以外の方々は全員、イタリアから脱出しています。これは本当です」

 

「…………お前がそう断言するって事は、間違いなく本当なんだろうな……それが分かっちまう自分が嫌になる……」

 

「手厳しいですねぇ」

 

 

 アバッキオが複雑そうな顔をしていた。……気持ちは分かる。どういう訳か、例え騙されていたとしても、シドの事を憎めないのだ。

 ……僕達にこう思わせるのは、ある意味彼の才能なのかもしれない。本人にその自覚が無いのが問題だが。

 

 

「さて。無事にディアボロを倒す事ができましたし、アバッキオさんとお約束した通り、例の動画をバックアップも含めて皆様の前で削除したい……ところなのですが、」

 

「あ?」

 

「残念ながら、ビデオカメラやパソコンは財団側が用意した拠点のうちの1つに置いて来たので、今は近くにありません。

 既に私の上司と連絡を取り合い、それらの荷物をローマにもある拠点に持って来てもらえないかと、頼んでありますが……それを取りに行くにも時間が掛かります。

 

 ですので。待ち合わせ場所と時間を決めて、改めてお会いするというのは、どうでしょうか?

 もちろん、ブチャラティさん達が指定した場所と時間に必ず、ビデオカメラとパソコンを持って伺いますので」

 

 

 シドの提案に対し、僕達は話し合い……それを受け入れる事にした。僕達もそろそろ体を休めたいところだったし、時間を改めて会うという提案は悪くない。

 

 

「おっと、そうでした。トリッシュさん。出来ればあなたにも、その場に同席してもらいたいのですが……」

 

「あたしも?」

 

「はい。……財団職員として、あなたの今後についてお話したいと思っております。もしかすると、何か力になれる事があるかもしれません」

 

「!……分かったわ。あたしも、ブチャラティ達と一緒に待ち合わせ場所に行く」

 

「ありがとうございます。……それでは、我々は一旦失礼いたします。後程、またお会いしましょう」

 

 

 待ち合わせ場所と時間を決めて、トリッシュにそう声を掛けた後。シドはリゾットとポルナレフさん、シエルを促し、この場から去ろうとする。

 

 

「シド、ちょっと待ってください」

 

「はい?」

 

 

 僕はそんな彼を引き留めて、彼の前に立ち……片手を差し出して、握手を求めた。

 

 

「――いろいろと、ありがとうございました。……ディアボロを倒す事が出来たのは、あなたのおかげです。

 それから、結局あなたの力を頼る事になってしまいましたね。すみません」

 

「……そんな、お礼なんて……ましてや謝罪なんて、私を相手にそんな事をする必要はありません。

 実際に動いたのはリゾットさんとポルナレフさんとシエルで、私はほとんど何もしていないですし……それに私は、あなた方をこの一件に巻き込んだ張本人ですよ?」

 

「まだそんな事を気にしていたんですか?」

 

 

 まったく、本当に善人でお人好しだな――まあその方が都合が良いんだけど。

 

 

 躊躇うシドの片手を取り、引き寄せるように握手した。……彼は困った顔で、僕の手を握り返す。

 

 

「ブチャラティの事も、アバッキオの事も、トリッシュの事も守ってくれて、本当にありがとうございました」

 

「…………はいはい、どういたしまして」

 

 

 ようやくお礼を受け取る気になってくれたのか、シドは苦笑いでそう言った。

 

 

 

 

 

 

 






・ラスボスをぶっ飛ばした新入り

 最後はきっちり決めた主人公。園原やリゾット達によるサポートのおかげで、原作よりもスムーズにスタンドを進化させている。

 園原からこっそり指示を受けた事で、護チの中では唯一、変化した状況に冷静に対応する事が出来た。
 ボスが血を吐いた瞬間にスタンドの矢を刺し、レクイエムへと至る。後は原作通りにボスを倒した。

 園原達が立ち去ろうとしたのを引き留めて、握手を求める。園原に言った言葉は全て本心であり、言葉自体には特に含むところは無かったのだが――実は、ある事を企んでいる。


・あまり活躍できなかった護チ+トリッシュ

 トリッシュは園原を誘き寄せるための人質として使われ、ジョルノ以外の護チは突然変化した状況について行く事ができず、あまり活躍できなかった。

 内心で(;゚д゚)ポカーン。い、いったい何が起こったんだ……!?


・大活躍した暗チリーダーと5部ナレフ

 園原の指示で、ジョルノのために隙を作ろうと大活躍した2人。特にリゾットは今まで冷遇されていた恨みを籠めて、苛烈にボスを攻撃していた。

 だがしかし――シド、怖い((((;゜Д゜)))byポルナレフ

※下におまけあり。


・実はこっそり激怒していた助手君

 ボスが自分の娘を人質に取った時点で、ぶちギレ。自分の子供を蔑ろにする父親なんて滅びればいい(ガチ)

 原作を見て、ボスがそういう事を平気でする奴だと知ってはいたが、実際にそれを目にした事で今世の自分の父親を思い出し、静かに激怒。
 リゾットとポルナレフとシエルに協力を求め、ジョルノに確実にぶっ飛ばしてもらうためにサポートをお願いした。

 内心激怒はしていても途中まで冷静だったが、最後はその怒り抑え切る事ができず、思わず原作承太郎のセリフが出てしまった。


・無限ループに突入した元ボス

 原作通り、永遠に死ぬ事が出来なくなった。

 一番厄介な園原を潰そうと、自分の娘を人質に取って始末しようとしたが、その行動が園原の怒りを買った。
 剃刀吐いたり、別の正体不明のスタンド使いに攻撃されたり、殺したはずのポルナレフが生きていたり、腕を切り落とされたり、踏んだり蹴ったり。

 ……なお、シルバーチャリオッツのレクイエム化が阻止されたため、ドッピオも生存している。
 当然ながら、ボスと肉体を共有している彼も共に無限ループに入った。とばっちり。
















※本編ラスボス戦の裏側(ポルナレフ視点。ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり)
 
 
 シドがブチャラティから亀を受け取り、彼らをバリアの外に出した後。
 俺は、亀の外に出ていた。もしも何か予想外の事態が起こった場合、俺の力を貸して欲しいとシドから頼まれていたのだ。
 
 
「――――あ"?」
 
「フニャッ!?」
 
「っ!?」
 
 
 そして、突然現れたディアボロがトリッシュを人質に取った瞬間……俺の隣から、ドスの利いた声が聞こえてきた。それに、シエルの怯えたような鳴き声も。
 
 
「…………ポルナレフさん」
 
「うお、お、おう……なっ、何だ?」
 
「さっそく、ご協力をお願いいたします。今から私の切り札を呼ぶので、その人が奴を攻撃した後に、トリッシュさんの首を掴んでいるあの腕を、シルバーチャリオッツで切り落としてください」
 
「切り落と、ッ、わ、分かった。しかし、切り札とは――」
 
「――リゾットさん」
 
 
 意外にも物騒な言葉を吐いた事に面を食らいつつ、そう問い掛けると……急に、黒服を着た長身の男が現れた!
 
 
「な、だ、誰だッ!?」
 
「後程詳しくご説明いたしますが、彼は我々の味方で、パッショーネの元暗殺者チームのリーダー、リゾットさんです」
 
「暗殺ッ!?」
 
 
 待て待て待て待て!どうやってそんな男を味方に引き入れたんだ!?
 
 
「リゾットさん。私が合図を出した時……そうですね、この帽子のツバに触れたら、ディアボロに攻撃を仕掛けてください。あ、剃刀を吐かせるやつでお願いします。
 それから、その後もジョルノさんのために時間を稼ぎたいので、彼の準備が終わるまでは攻撃を続けてください。
 
 今まで冷遇されていた自分とお仲間の皆様の恨みを籠めて、遠慮なく、がっつり、やっちゃっていいですよ!」
 
「――くく、くくく……ッ!!我が主は、最高だな……!了解した」
 
 
 凶悪な笑みを浮かべた暗殺者が、再び消えた。……あれはスタンド能力だろうか?というか、剃刀を吐かせるって嫌な予感しかしないんだが??
 
 
「さて、シエル?」
 
「フ、フニャッ」
 
「お前はあの物陰で、俺が呼ぶまで隠れているんだ。出来るよな?」
 
「ニャッ、ニャアッ!」
 
「よーし、いい子だ。いってらっしゃい」
 
 
 それからシドは、いっそ怖いくらいの笑顔でシエルを送り出し……最後に、自身のスタンドに声を掛ける。
 
 
「イージス」
 
「うん。分かってるよ、志人」
 
 
 
 
 
 
「「――自分の子供を蔑ろにする父親なんて滅びればいい」」
 
「それじゃ、行って来る。トリッシュの事は任せた」
 
「はーい。いってらっしゃい」
 
 
 口を揃えて恐ろしい事を言った後、シドはディアボロに呼ばれてバリアの外に出て行く。そして――
 
 
「――――"てめーは俺を怒らせた"ッ!!」
 
 
 そんな言葉を言い放ったシドの背後に、何故か若い頃の承太郎の姿が見えた気がした。
 
 



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。