・原作開始、仗助が一度プッツンして不良達を追い払った後の場面
・ご都合主義、捏造過多。最初、承太郎視点。途中から男主視点
継続できない力に、意味など無い
ジジイの隠し子……東方仗助は、彼の自宅を訪ねる前に駅前で見つかった。まさか、既にスタンドに目覚めていたとは、な。
彼に因縁を付けていた不良達が立ち去った後、さっそく声を掛けた。
俺と仗助の血縁関係や、遺産の件について説明すると……彼は冷静に、礼儀良く謝罪した。こちらは最悪の場合、殴られる覚悟をしていたというのに。良い意味で驚かされたぜ。
しかし、それも束の間。俺が口を滑らせたせいで、仗助を再び怒らせてしまった。
俺は"下らない髪の毛の話"とは言ったが、下らないのは髪の毛の"話"であって、"髪型自体"を馬鹿にしたつもりは無かったんだが?
そう説明する暇も与えられず、彼のスタンドの拳が俺に向けられた。そして、スタープラチナの力で応戦しようとした瞬間――
「――イージスホワイト、バリア展開」
そんな声が聞こえ、俺は緑色のドームに囲まれる。新手のスタンド攻撃か!?……そう思ったが、どうやら違ったようだ。
緑色のドームが、仗助のスタンドの拳を防いだのを見て、むしろ俺を守るための行動だったのだと分かった。
声が聞こえた方向を見ると、そこには学ランを身に付けた1人の少年がいる。黒髪で、細身。長い前髪に眼鏡を掛けているその姿は、根暗な人間のように見えるが……
そんな彼の背後には、まるで天使のような見た目の、真っ白なスタンドがいた。緑色のドームは、あのスタンドの能力だろうか?
「仗助くーん?入学式前に何をやらかしているのかな、君は」
「ゆっ、志人さん!?何で学ラン着てここにいるんスか?今日の入学式、在校生は全員休みなんじゃ……」
「その在校生の中には、今日が休みじゃない例外もいるのさ。理由は後で説明するけど、その前に……君にはやるべき事があるだろう?」
「あ、そうだった!俺の髪型を馬鹿にしたそいつを殴らないと、」
「はい、お馬鹿さん」
ユキトと呼ばれた少年が、仗助の後頭部を軽く叩いた。……彼は、あの髪に触れても怒られないのか。
「さっき彼が話していた事がちょっと聞こえたけど、彼は仗助の血縁者なんだろう?つまり、君の身内だ。今日が初対面とはいえ、自分の身内を殴るのかい?」
「うっ……それ、は……で、でもあいつは俺の髪を馬鹿にしたんスよ!?」
「違う、よく考えてみて。彼は"下らない髪の毛の話"とは言ったが、仗助の髪型自体は馬鹿にしてないじゃないか。
下らないのは"話"の方で、"髪型"ではなかった。……そうですよね?」
「あ、ああ……そうだ」
急にこちらに話を振られたが、その通りだったので頷く。
「ほら、彼もそう言ってるよ。何をするべきか、もう分かるよね?」
「…………はい。……本当に、すんませんでした。俺、この髪型を貶されると、どうしようもなくムカッ腹が立っちまって……ごめんなさい」
「……いや、俺も軽率だった。頭を上げてくれ」
第三者から促されているとはいえ、そう殊勝な態度を取られては、大人としては怒るに怒れない。……やれやれだ。
気を取り直して、もう1つの目的の方も済ませるとしよう。
スタープラチナを見せながら、スタンドという存在について簡単に説明し、ジジイのスタンドで念写した写真を仗助に見せる。
それから、一部始終を見ていたがスタンド使いでは無い少年と、眼鏡を掛けた少年にも写真見せて、用心しろと伝えた。
「……仗助」
「はい、なんスか?」
「毎日必ず、一度だけでも、短い時間だけでも構わないから、この力を使う練習をする……俺が言った事は、忘れてないよね?」
「もちろんっスよ!あんたがそう言ったのは、こういう時のためだったんだなァ……さすが志人さん!」
「こんな力を持っている以上、いつかは何らかの事件に巻き込まれてもおかしくない。
……とは思っていたけど、まさか本当にそうなるかもしれない可能性が、身近に迫っていたとは。驚いたなぁ」
目の前でそんな会話をされた俺は、目を見開く。
「これからも、練習を続ける事を忘れないように。――継続は力だ。今はまだ実感が湧かなくても、その努力はこれから先の未来で必ず実を結ぶ。
逆に言えば、継続できない力に意味なんか無い。鍛練をサボったせいで、いざという時に護りたい人を護れませんでした、なんて事は笑い話にもならないよ」
「っ、うっス!肝に命じますッ!!」
眼鏡を掛けた少年は、良い意味で子供らしくない。彼は、"力の使い方"をよく分かっているのだろう。
そんな彼の言葉は、俺の心にもグサリと刺さった。耳が痛い、としか言えない。
――俺が最後に"時を止めた"のは、10年も昔の事だ。
「……眼鏡を掛けている、君」
「あっ、はい」
「名前は?」
「……園原志人、です」
「そうか。では、志人君。――礼を言う」
「えっ?……何のお礼ですか?」
「こちらの話だ」
継続は、力。逆に言えば、継続できない力に意味など無い……全くもって、その通りだ。俺はいつの間にか腑抜けていたらしい。
今までは敵スタンド使いと遭遇しても、時止めを使わざるを得ない程の状況にはならなかった。故に、平和ボケし過ぎていた。
"毎日必ず、一度だけでも、短い時間だけでも構わないから、この力を使う練習をする"……だったな。さっそく、今日から始めるとしよう。
―――
――――――
―――――――――
承太郎が、何故か俺に礼を言ってから立ち去る。……礼を言われたという事は、幾らか効果はあったのかな?
俺が仗助に言った言葉は本心だが、あれは仗助というよりも承太郎に向けた言葉だった。
前世で原作を見て、どうしても納得がいかなかったのは、スタープラチナの時止めのブランクについて。
メタ的に言ってしまえば、4部主人公である仗助や、その仲間達の活躍を奪わないためだと思うが……それは、漫画やアニメの中
だがしかし――この世界は、現実だ。
俺の原作知識も、いつまで役に立つか分からない。できる限り救済しようとしている事もそうだが、そもそもこの世界が本当に原作通りに行くのかも、定かではないからな。
この世界が漫画やアニメの中ではなく、現実である時点で、原作では起こらなかった事が起こる可能性もある。
もしも、承太郎や仗助が原作とは関係の無いところで死んでしまったら?もしも、原作とは違って吉良吉影が勝利してしまったら?
そんな"もしも"の考えが、頭から離れようとしない。それらが現実になってしまったら、俺1人では対処しきれない。
だから。承太郎達が自分から強くなってくれたら、そんな事態にも対処できるようになるかもしれない……そう思ったのだ。
とどの詰まり他力本願だが、何もやらないよりはマシだろう。現実で生き残ってもらうためには、形振り構っていられない。
……仗助の仲間達が集まって来たら、皆でスタンドの特訓をするのもあり、か?例えば、承太郎に先生役をやってもらうとか。
教える側も、相手に教えているうちに自分のスタンドの特訓にも繋がるだろうし……うん、良いかもな。それを実現するためにも、承太郎や仗助達とは積極的に交流しよう。
なお。最終目標は、承太郎が6部でも生存できるようにする事、である。今さら6部開始フラグは折れないはずだし、せめて死亡フラグだけは回避しないとな!
「……それで、志人さんは何でここに?」
おっと、閑話休題。……仗助がそう聞いてきたので、理由を簡潔に話す。
「――どうも。在校生代表です」
「え、……えええェェッ!?マジっスか!?」
「マジだよ」
いやー、春休み中に学校から電話が掛かって来た時は何事かと思ったが、まさかの在校生代表スピーチの打診だった。
前世を思い出す前から、同学年の中でも成績はかなり良い方だろうと自覚はしていたが、入学式の在校生代表を頼まれる程だとは思ってなかったぞ。
しかし。よくよく考えたら、高1から無遅刻無欠席&テストで学年1位を維持している生徒に、その話が回って来ない訳が無かった。
……まぁ、それは奨学金制度のために真面目にやっていただけなんだが。一人暮らし中だし、学校からの金銭援助を切られたら凄く困る。
とはいえ、最初は面倒臭くて断ろうとした……が、考え直してその話を受けた。
これなら原作開始の場面に遭遇する口実になると、気づいたからだ。おかげで、うまく割って入る事ができたし。
その後、仗助達と共に学校へ向かった。承太郎や康一とも知り合えたし、結果は上々だな。……次はアクア・ネックレス戦。目指せ、良平さんの生存!
・さらっと原作介入した男主
自分の言葉が、承太郎に多大な影響を与えた事に気づいていない。髪型の事でぶちギレる仗助を止める事ができる、唯一の人間。
この後は東方良平を救済したり、形兆ニキを救済したり。承太郎を説得して親子関係を改善させたり……エトセトラ。
いろいろやってるうちに、仗助を筆頭に後輩達から懐かれたり、形兆ニキにとっての親しい後輩になったり、康一並みに変人達に気に入られたりする……か、も?
・強化フラグが立った海洋学者
園原の言葉が心にグサッと刺さり、毎日必ず一度はスタンドの特訓をする事を決意。これで6部でも生存できる、か――?
今回の一件で、康一よりも先に園原に一目置くようになる。ネズミ狩りにも誘うかもしれない。
後に園原から親子関係改善を促されたり、未熟なスタンド使い達の先生役を頼まれたりしても、話を聞いてくれる可能性大。
ただし。親子関係改善の方は、そうなる前に一騒動起こる……か、も?