・前回の続き。ジョルノ達が帰った後のオリジナル話
・ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり(特に、熱のせいで少しおかしくなってしまった男主が登場)。シエルは寝ている。男主視点
……リゾットに抱えられて、ベッドに強制送還された後。
どうやら、そのまま眠ってしまったらしい。次起きた時には既に、ジョルノ達が帰った後だった。
その時にはもうとっくに昼が過ぎており、昨晩から何も食べていなかった俺は腹ペコ。そんな俺のために、承太郎がお粥を作ってくれた。
普段は働き過ぎて食事を忘れがちな博士さんのために、俺が軽食を作っているのだが……いつもと立場が逆になったな。
そんな承太郎に対し、"お前料理できるのかよッ!?"と突っ込むポルナレフの声が遠くで聞こえたので、このお粥はかなり貴重なのだろうと思って大事に食べた。
さて。お粥は完食したし、先程よりも少し調子が良くなっているため、承太郎から"しばらく起きていても良し"というお許しが出た。
さっそくジョルノ達とどんな会話をしたのか、風花さんに聞かせてもらう事に。
(SPW財団を、パッショーネの後ろ楯に?あいつら、とんでもない事を考えたなぁ)
原作とは異なる展開。当然だが、ここからどうなるかは俺には予測できない。上手く話がまとまってくれるといいのだが。
風花さんは、ジョルノ達から持ち掛けられたこの話を、財団本部に報告したそうだ。それに加え……承太郎が、ジョースター家の人間としてジョルノの存在を認めた事も。
承太郎曰く。康一からの報告や、俺の人を見る目も信用し、さらにDIOの事を知って動揺していたジョルノが、仲間達に支えられて立ち直る姿を見た事から……
彼とDIOの明確な違いや、ジョースター家の意志を感じ取り、ジョルノの存在を認めたのだという。
そうか……やはり、ブチャラティ達がジョルノに寄り添ってくれたんだな。
彼らは原作よりも結束力が強そうだったし、きっと大丈夫だろうと思っていたが、心配はしていた。
だからジョルノには念のため、例の伝言を伝えておいたのだが……杞憂だったな。本当に良かった。
あと、ジョルノの事をジョースター家の一員と見なしてサポートするかどうかは、財団の判断に委ねるつもりのようだが……
他でもない承太郎がジョルノを認めたのだから、上層部がそれを無視できる訳が無いよなぁ。本当にどうなることやら。
あ、それからジョルノの監視任務についてだが。俺がこんな状態では続行不可能なので、他の財団職員が引き継いでくれたようだ。
俺が体調を崩した事は上層部にも報告されて、ここぞとばかりに俺が承太郎に相応しくないと騒いだ奴がいたそうだが……
意外な事に、誰もそいつに同調しなかったらしい。むしろ、俺の働きを称賛する者が多かったとか。
何故ならば、俺が体調を崩した事を報告すると同時に、行方不明だったポルナレフが見つかった事も報告されたからだ。
偶然とはいえ、ポルナレフを発見して無事に保護した俺の功績は大きい。
暗殺者チームの面々をイタリアから脱出させる任務もほとんど1人で成功させたし、俺が充分な実力を持っている事は火を見るよりも明らかだ。
……と、俺を目の敵にしている男以外の上層部の人間が、そんな結論を出したそうだ。ありがたい話である。
一連の話の流れを俺に教えてくれた風花さんと、それを聞いた承太郎とリゾットが"ざまぁみろ"と嗤っていた。
風花さんはゲス顔でも美人だけど、承太郎とリゾットのそれは正直怖いです。
「……志人。俺は少し離れるが、何かあったらすぐに呼べ」
「あ、はい。ちなみに、何をしに行くんですか?」
「…………」
「……承太郎さん?」
風花さんの話が終わると、承太郎が部屋から出て行こうとした。その理由を聞くと、彼は不自然に固まる。……どうした?
「…………エリンと徐倫に送る、手紙を書いて来る……」
「あぁ、なるほど!それならどうぞ、早く書いて来てください!」
「は?手紙?……あの承太郎が?妻と娘に?わざわざ?手紙を??」
すると、ポルナレフがぎょっとした様子で承太郎を見つめる。そんな彼から、承太郎が目を逸らした。あれは……照れてるな。
「――はははははッ!おい、っ、承太郎!お前、ははは!マジかよぉ!!」
「っ、笑うな……!!」
爆笑するポルナレフの首を、承太郎が締め上げた。それはちゃんと加減されているようで、ポルナレフは止めようとしながらもまだ笑っている。
もしかして、3部の旅の合間にもこんなやり取りがあったのかなぁ、と。そう思ってほっこりした。
ポルナレフを助けられて良かったと思うが、ここに花京院やアヴドゥル、イギーもいてくれたら……と考えるのは、欲張り過ぎか。
「……なぁ、承太郎」
「あ"?何だよ」
「嫁さんと子供、ちゃんと大事にしろよ。……守るため、とか言ってわざと遠ざけるのは無しだぜ」
「!」
「お前。女心とか子供心とか、あんまり分かって無さそうだからなぁ……年上のお兄さんとしては、心配なわけよ」
……ポルナレフ、すげぇ。未来の承太郎の行動をピタリと言い当ててやがる。
だが、それは原作の承太郎の話だ。今の承太郎なら、きっと……
「……ふん。余計なお世話だ」
「はぁ?お前なぁ、俺がせっかく珍しく真面目に忠告してんのに、」
「俺はもう、エリンと徐倫を傷付けるような真似はしない……物理的にというだけでなく、精神的にも……2人を、護る」
「――――」
「そう、決意する事が出来たんだ……誰かさんのおかげで、な」
そう言って、俺に目配せをする承太郎に向かって、笑い掛ける。……そう。今の彼なら、妻と娘をちゃんと大事にしてくれるはず。
誰かさん……俺のおかげ、なんて言っているが。そんな決意をしたのは承太郎自身だ。俺は別に、何もしてない。
「…………そう、か」
「ああ」
「……そうかぁ……うん。確かに余計なお世話だったみたいだな。分かった。……承太郎」
「ん?」
「お前――本当に良い夫で、良い父親になったなぁ」
「…………ふん」
あー承太郎嬉しそうな顔してるなぁ、ポルナレフにそう言ってもらえて良かったなぁ、うん、やばいかんどうしすぎてなきそう。
俺が必死に泣くのを我慢している間に、承太郎は部屋から出て行った。
「……シド」
「は、はい?何ですか、リゾットさん」
「……興味本位で、聞くのだが……あの無愛想な男を、ポルナレフの言う"良い夫で、良い父親"にするのに……お前は、何をやったんだ?」
「いえ……私は何もやってません。"良い夫で、良い父親"になる事ができたのは、あの人が自分自身と向き合う努力をしてくれたおかげです」
「その努力をさせたのが……お前、なのだろう?」
「いやいや。買い被り過ぎですよ」
「…………」
「……え?何ですか、その目は」
リゾットが、ジト目で俺を見る。……この目、覚えがあるぞ。杜王町組や承太郎が、たまにこんな目で俺を見つめてくるのだ。
「…………我が主は、無自覚が過ぎる……」
「あのー、そろそろその"我が主"という冗談は止めにしませんか?」
「……言ったはずだ……俺は、冗談は言わない質だ、と」
いや、だからもうその冗談やめて……と、さらに言おうとした、その時。
「はあぁぁー……」
「…………風花、さん?」
風花さんが深く、ふかーく溜め息をついた。な、何事ですか?
「……どうした?」
「風花さん?」
「え、あ、あぁ!?すっ、すみません!!」
俺とリゾット、ポルナレフの視線が自分に集まっている事に気づいたせいか、彼女は酷く慌てた。……それを落ち着かせて、改めて事情を聞いてみる。
「それで、どうしたんですか?あんなに深い溜め息をついたという事は……何か、悩みがあるのでは?」
「いや、あの……その……」
俺の問い掛けに対し、風花さんはちらちらと部屋のドアの方に視線を動かしている……先程、承太郎が出て行った方向だ。
「……承太郎さんが関係している悩み、ですね?」
「ひえっ!園原さんはエスパーですか!?」
「いえ、違います」
風花さんの態度が分かりやすかったから、その思考が読めたんだよ。
……どうしようかな?そうなると、何の事で悩んでいるのかだけは分かってしまったし、ここは突っ込むべきか、そっとしておくべきか――
「――どうせ、恋愛の悩みなんだろう?……相手は、空条だな……」
リゾットさあぁぁん!?
「なっ!?な、なななん、なん、何で!?」
「おいおい、お前……私や園原があえて指摘しなかった事を、真っ先に口にするとは……女性への配慮が足りないぞ」
「ポルナレフさんの言う通りですよ、リゾットさん……」
風花さんは可哀想なぐらい真っ赤になり、ポルナレフと俺は呆れ顔でリゾットにそう言った。
風花さんは、承太郎に恋をしている。……俺は昨夜、承太郎に対する風花さんの態度を見た事で、それに気づいたのだ。ポルナレフとリゾットも、俺と同じだろう。
「嘘でしょ……皆様に気づかれてたなんて、っ、あ!?という事は博士にも気づかれて、」
「あぁ、大丈夫です。それは無いと思います」
「うん、無いな。あいつは良い夫で良い父親になったようだが、人間の機微……特に男女間のそれに対しては、鈍いままだと思うぞ」
承太郎が風花さんの気持ちに気づいている可能性は、俺とポルナレフが否定した。ポルナレフの言う通り、実は意外と鈍い人だしな、あの人。
「そ、それは良かった……既婚者を相手に気づかれたら本当に、気まずいので……」
「あぁー……」
「そうですよね、それは、」
「――空条博士は、私の好みどストライクだったんです!!」
「ふ、風花さん……?」
「なのに、なのに……既婚者!?既婚者って!!そんなぁ……!!」
「そう、だな。ショック、だよなぁ……」
「しかも奥さんと娘さんにわざわざ手紙書く程に円満な家庭のようですし私が入り込む隙なんて何処にも無いし出会った瞬間から失恋が決まってたんですね……つらい……!!」
やけになってしまったのか、承太郎への恋心を吐露して嘆く風花さん……
俺とポルナレフは、そのあまりの嘆き様を見てどう慰めればいいのかと迷い、何も言えない。
対して、リゾットは我関せずといった様子だ。元はと言えばあんたが突っ込んだせいだぞ!?
……この時の俺は、とにかく焦っていた。それに、ほんの少し調子が良くなっただけで、まだ熱は高かった。
だから。こんな突拍子も無い事を言ってしまったのも、仕方ないと思う。後に冷静になった時、そう考えて自分を慰めた。
俺は、正気じゃなかったんだ。
「ふ、風花さん!叶わぬ恋をしてしまったのなら、その恋心を別の感情に昇華させましょう!」
「……別の、感情に?」
「そう!――尊いッ!という感情に!!」
つまり"推せば"よかろうなのだァッ!!
「とっ、尊い??」
「そうです。承太郎さんは、見て分かるように彫刻のように美しい人です。カッコいいです。漢前です。そうですよね?」
「はい……その通りです」
「まるで……アイドルか、モデルのようではありませんか?あるいは、漫画やアニメのキャラクター」
「た……確かに!」
「そうでしょう?ですがまぁ、本人は現実で生きている人間であるという事を、お忘れなく。
漫画やアニメのヒーローのような無敵の存在だとは決して思わないように。よろしいですね?」
「はっ、はい!」
あ、脱線しちゃった。こいつはうっかり。
「……とにかく、それ程にカッコいい人です。財団内部にもおそらく、たくさんのファンがいる事でしょう」
「……えぇ、そうですね。それはもう、たくさんのファンがいます」
「ですよねー……ところで、風花さん。テレビや雑誌によく出るアイドルやモデル、漫画やアニメのキャラクターにも、当然ながらファンが大勢いますよね?」
「そう、ですね……?」
「そんなファンの皆さんが、自分の好きなアイドル、モデル、キャラクターに対し、何をしているのか……ご存知ですか?」
「え?えっと……ライブを見に行ったり、グッズを買ったり?」
「それを総じて、何と言いますか?」
「…………あっ!――推し活?」
「その通り!」
よしよし、順調順調!
「昨今男性ファンの間では、推している相手に対して"萌え"という言葉を使って愛情を表現しているようですが、俺としてはそれよりも"尊い"という言葉を使う事を勧めたい」
「と、尊い……」
「この言葉の本来の意味は、崇高で近寄り難く神聖、または高貴であるというものですが、それを承太郎さんに当て嵌めてみましょう……ぴったりだと思いませんか?」
「……本当だ、ぴったり!」
「そうでしょう?ですので、あなたにとっての承太郎さんは、そんな存在になり得る――
――つまり!その叶わない恋心を!"尊い"という感情で上書きする事ができるッ!!」
「はっ……!!」
「叶わぬ恋をずっと抱え込んで苦しむのではなく、その感情を"尊い"という名のより強い憧れの感情に上書き……昇華させましょう。
そして。さすがに相手に貢いだり追っかけをしたり、といった行動は大問題になるので……
心の中でひっそりと、承太郎さんへの推し活を始めましょう!その方が、人生がより楽しくなりますよ、きっと!」
「"尊い"……心の中でひっそりと推し活――」
「――素晴らしいアイデアですね!!」
よっしゃ、洗脳ゲフン、上書き成功ッ!!
「空条博士……いえ、"尊い"承太郎様への"心の推し活"!良いですね、ドキドキします!!
……あっ、と。この興奮はあまり表に出さないようにしないといけませんね。推しである承太郎様……いえ。空条博士や、周囲へのご迷惑になってしまいますから」
「えぇ、そうした方がよろしいかと。とりあえず、心の中で"尊い"という感情を育ててもらえたら……あ、でも。
同志を見つけた時は、その同志と何処かでこっそり語り合ってみては?」
「同志!素敵な響き!!……そうですね。私のように叶わぬ恋をしている人を見つけたら、この"尊い"という感情を教えてあげて、同志として語り合いたいと思います」
「そうしてください。応援します!」
「ありがとうございます!」
いやー、やってみるものだな!おかげで風花さんはすっかり元気になってくれたし、上手く慰める事ができたようだ。良かった良かった。
「…………り、リゾット。何がどうなってそうなったのかよく分からんが、どうやら風花さんは立ち直った、らしいな……?」
「……ああ……そのよう、だな――向こうはイタリア語で話していたはずなのに全く違う言語を聞かされているような気分にさせられたが」
「あぁー……所々で日本語と思われる言語が混ざってたしな……はは……」
―――
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―――――――――
「……ああ、そうだ!園原、君に聞き忘れていた事がある」
「はい?」
承太郎の事で意気投合した風花さんと楽しく話していたら、ポルナレフにそんな事を言われた。はて?俺に聞き忘れていた事とは?
「結局、君と承太郎はどういう関係なんだ?まるで親子のような、親しい関係に見えるのだが……」
「親子って……」
思わず、苦笑いを浮かべる。エリンさんにも言われたが、そんなにそう見えるのか?
「私は現在、承太郎さんの助手を勤めております」
「「助手??」」
あれ、リゾットまで驚いてる?……そうか。リゾットにも俺と承太郎の関係の事はあまり話してなかったな、そういえば。
それならリゾットにも詳しく話そう、と。俺が杜王町で承太郎と出会った時から、財団職員になるまでの経緯を説明した。
なお。承太郎が杜王町に来た理由と、俺を財団職員にするために承太郎がやった事については、隠しておく。
ジョセフの不倫相手とその子供が……なんて話を、部外者である俺が軽々しく話す訳にはいかない。
ポルナレフには、ジョセフも深く関わっている事だから、後で承太郎に聞いてみて欲しい、とお願いしている。
俺が財団職員になったきっかけに関しては、承太郎が財団側に俺の事を推薦し、そこから話が俺に回って来てスカウトされた、と説明した。嘘は言ってない。
もっと詳しく話すと、あの人が俺にバレないようにいろいろと策を巡らせて、俺が財団職員になるよう誘導していた訳だが……
わざわざ明かす必要は無いよな、そんな事。俺は結果的に自分から望んで財団職員になったし、もしも承太郎が責められたら可哀想だし。
「そして。承太郎さんの助手を勤める事が、私の主な仕事になる……はずだったのですが、」
「そこで夜中にもお話しした、あの分からず屋のクソ爺による邪魔が入りました!」
と、風花さんが話に割って入って来た。
「奴は承太郎様から園原さんを引き離すために、今回の任務を彼に押し付けたのです!酷いクソ爺です!
承太郎様はあんなにも園原さんの事を大切にしているのに……!!」
「風花さん、風花さん。落ち着きましょう?推しへの愛がバレバレです」
「はっ!!……失礼いたしました」
そうそう、冷静になりましょう。せっかくの大和撫子が台無しになってしまいますから。そうしてた方が承太郎の好みに合いますよ。
「…………そのクソ爺、やはり処分するべきか?」
「駄目です」
「ちっ……」
怖いよリーダー怖いよ。
「……で?そのクソ爺とやらは、何故園原を目の敵にしているんだ?」
「あ、あぁ、それはですね――」
ポルナレフの疑問に答えようとした、その時。部屋のドアが開いて、承太郎が入って来た。
「手紙、書き終わったんですか?」
「ああ。……風花、後でこれをアメリカに行く財団職員に渡してくれ」
「はい!かしこまりました、お預かりします」
風花さんは、笑顔で手紙を受け取っている。……失恋したとは思えない程の、晴れやかな表情だ。本当に吹っ切れたようで何より。
「それで、今は何の話、を…………」
「……承太郎さん?」
承太郎は俺の顔を見た瞬間に固まって、それから徐々に険しい表情になっていく。
首を傾げていると、彼の片手が俺の額に当てられた。ひんやりしている。……ん?そういえば、体がちょっと熱いような?
「……また熱が上がっている」
「何?」
「えっ!?」
「それはいかん、休ませよう」
「え、でも、ポルナレフさんの疑問にまだ答えてません……」
「ポルナレフ。それは俺でも答えられる話か?」
「ああ」
「分かった。……それには俺が対応するから、お前はもう寝なさい」
そして抵抗する間もなく、承太郎によってベッドに寝かされ、肩の辺りまで布団を掛けられ、終いには頭を撫でられる。
急に、眠気に襲われた。……もしかすると、おもっていた以上にひろうが、溜まって……あ、ダメだ、あたまが、まわらない……
「……元々、体や心の限界を無視して動き続けていたのだから、回復が遅くなるのも当然だ。平熱に戻るのは、まだまだ先だろう」
「う……早く、なおさないと……」
「焦るな……今まで頑張っていたんだから、少し長く休むぐらいなら問題ない」
それじゃ、駄目なんだよ。
「つよく、ならなきゃ」
「……志人?」
「つよくなって――護るんだ」
「――――」
「――じょーたろ、……は、おれが、護る」
だから、このていどで、やすめない……
「――――充分だ……その気持ちだけで、充分、護られている……ッ!」
「……じゅーぶん、ちがう、たりない、」
「うるせえ、馬鹿ッ!もう寝ろ!!」
ねむい、おこられた、なんで?ねむい――
「……この馬鹿め。やっと寝たか」
「……承太郎は強い。1人でも問題なく戦えるというのに、そんなお前を守るとは……大きく出たものだ。やはり、園原は将来大物になるだろうな」
「…………」
「……ん?どうした、承太郎」
「いや……何でもないぜ、ポルナレフ。……ただ、この言葉の真意は俺と志人だけが理解していればそれで良いと……そう思っただけだ」
「?」
「――これは、使えるかも?」
「……六車?」
「あ、リゾットさん!あなたに折り入って頼みたい事がありまして……今日か明日中に、先にアメリカに向かってもらう事になるかもしれません」
「…………シドが回復するまで、側にいたいのだが……」
「そこを何とか!……実は、財団内部での園原さんの立場を、磐石なものにするための策を考えたのです」
「!……ほう……詳しく、聞かせてもらおうか」
・体調不良が続いている助手君
全快するのは、まだ先の話。しばらくは溜まった疲労を回復させるために、寝たり起きたりが続く。
ジョルノと承太郎の邂逅が無事に終わった事、DIOの事を知って動揺するジョルノを護チが支えてくれた事を知り、一安心。
その後。承太郎とポルナレフが手紙の事でやり取りする姿を見て、涙が出そうになった。救済成功して良かった……!
失恋して落ち込む風花を慰めるために、推し活を勧めた。つまり"推せば"よかろうなのだァッ!!(高熱のせいで錯乱中)
空条承太郎は彫刻のように美しい。カッコいい。漢前。"尊い"という言葉がぴったり。よし、推しましょうそうしましょう(高熱の以下略)
(おそらく上記の出来事のせいで)熱が上がったため、即座に寝かされた。
なお、眠気Maxの状態で"承太郎は俺が護る"発言をしているので、次起きた時にはその出来事をもう忘れている。
・推し活に目覚めた財団職員
混部時空では結婚して五藤風花になっているオリキャラだが、原作時空では結婚してないし今後する予定も無いので、六車風花のまま。
承太郎が好みどストライクだったのだが、既婚者という事で失恋。意気消沈していたところに、"尊い"という感情を教わり……目覚めた。
これ以降。見た目はクールビューティー、中身は推し活女子で楽しく人生を送る予定。
そして。園原と承太郎のやり取りを見て、とあるアイデアが頭に浮かんだらしい――?
※下におまけあり
・何が何やら分からないと混乱する2人
園原と風花のやり取りは大体イタリア語だったので内容はなんとなく分かっているが、何故か全く違う言語を聞かされている気分になった2人。
ポルナレフは、承太郎が"良い夫で良い父親"になってくれた事を喜んでいる。手紙を書いている事に関しては、ここぞとばかりに爆笑したが。
リゾットは、承太郎を"良い夫で良い父親"にしたのは園原だと気づいたが、本人にその自覚が無い事に呆れている。我が主は、無自覚が過ぎる……
それから。風花に何かを頼まれて、園原達よりも早くにアメリカに向かう事になったようだ。
・"良い夫で良い父親"な海洋学者
妻と娘に園原の現状と、数日は帰れない事を伝える手紙を書いた。……あと、行方不明だった友人と再会した事も書いている。
ポルナレフに手紙の事を笑われた時は照れ隠しで締め上げたが、"良い夫で良い父親"になったと言われた事には素直に喜んだ。
園原が眠る直前、"承太郎は俺が護る"と言われて泣きそうになった。その気持ちだけで、充分、護られている……ッ!
普段から"強い"とよく言われる自分の"弱さ"を理解してくれる事が、承太郎にとっての最大の喜び。
※六車風花は、閃いた(オリキャラ視点。ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり)
園原さんから"尊い"という素晴らしい感情を教えてもらい、承太郎様への"心の推し活"に目覚めた私は、今……
目の前の光景に、感動しております。
(なんて――なんて素敵な関係性……!!)
園原さんが再び高熱を出してしまい、承太郎様に寝かされた後のやり取りを聞いて、私はそう思いました。
園原さんを気遣い、優しい声で寝かしつけようとしている承太郎様も素敵ですし、そんな承太郎様を"護る"と……舌足らずでもそう言い切る園原さんも素敵!!
あの最強のスタンド使いを護るだなんて……承太郎様だけではありません!園原さん、あなたも充分男前です!
どうしましょう。私の推しは承太郎様だけだったはずなのに、園原さんの事まで推したくなって来ました!このお2人をセットで推す事が出来ればいいのに……
……うん?セットで、推す?
「――これは、使えるかも?」
そうか……そうです!セットで推せば良いのです!そしてそれを、財団内部で広める事が出来れば……!!
「……六車?」
「あ、リゾットさん!あなたに折り入って頼みたい事がありまして……今日か明日中に、先にアメリカに向かってもらう事になるかもしれません」
「…………シドが回復するまで、側にいたいのだが……」
「そこを何とか!……実は、財団内部での園原さんの立場を、磐石なものにするための策を考えたのです」
「!……ほう……詳しく、聞かせてもらおうか」
この策にはリゾットさんと、そのお仲間である元暗殺者チームの皆様にも協力してもらって……あ、それから従兄の手も借りましょう。
これが成功すれば、あのクソ爺への仕返しになると思います。
奴には"同じ日本人同士仲良くしよう"とか言われて軽いセクハラを受けた事もあったので、個人的にもぎゃふんと言わせてやりたい!
(待っていてください、志人様!あなた様のためにも承太郎様のためにも、私達がその立場を磐石にして見せますから……!)
……あら。今、自然と心の中で志人様と呼んでしまいましたが、良い響き!これからも、心の中では志人様と呼ばせていただきますね!
――私、六車風花は!たった今から、承太郎様と志人様のお2人を最推しとして!今後も"心の推し活"をする事を誓います!!
※これから先の未来で、彼女は"博士様と助手様ファンクラブ"を立ち上げ、その会長に就任する……かもしれない……?