・前回の続き。男主達がアメリカに帰国する前と、帰国後
・ご都合主義、捏造過多。特にジョルノの心情を捏造しています。キャラ崩壊あり。男主視点
リゾットが、俺達よりも先にアメリカに向かった。風花さんから何かを頼まれて、そのために先に出発したらしい。
何を頼んだのかと彼女に聞いてみたら、"成功したらお教えします"という返事が返って来た。いったい風花さんは何をしようとしているのだろうか?
それから、リゾットは何故か時間ギリギリまで俺の側から離れず、拠点から出る時も凄く名残惜しそうな様子だった。
……あの表情。俺が杜王町から出る前に仗助が見せたものと、ちょっと似てた気がする。仗助が黒柴ならあの人は……ワイマラナーってところか?
「あれではまるで、飼い主の側を離れたくない犬のようだな……」
「……本人も志人の事を、"我が主"と呼んでいたからな。犬のようだ、ではなく。まるっきり志人の犬だろ」
「本人がいないからって犬呼ばわりは止めましょうよ……あと、我が主というのは彼なりの冗談だと思います」
自分が内心でリゾットをワイマラナーに例えた事は棚に上げて、ポルナレフと承太郎にそう言うと……
2人は何とも言えない顔で俺を見つめて、同時にため息をついた。何だよ、その反応は!?
で、次に。ジョルノとブチャラティと……トリッシュが、再び拠点にやって来た。
本来なら、彼らと改めて待ち合わせ場所で会った時に、トリッシュに提案するつもりだった話をするためだ。
体調を崩している俺の代わりに、風花さんが彼女に話してくれた事は――財団職員になるつもりはないか?という話である。
今回、暗殺チームを財団職員として迎え入れた事で、スタンド使いの人員不足問題は多少解決したが……
その人員がさらに増えるなら、それに越した事は無い。財団としては、スタンド使いの職員を増やす機会を逃す訳にはいかないのだ。
もちろん、これは強制ではない。あくまでも提案だ。
しかし、トリッシュにその気があるなら財団からいろいろと援助するし、もし断られても、一般人の彼女を巻き込んでしまったお詫びのために、必要最低限の援助をするつもりでいる――
――そう話すと、トリッシュは考える時間が欲しいと言ったため、今はまだ保留にしている……と、風花さんからそう聞いた。
俺も同席したかったんだが、承太郎がやけに過保護で、俺をベッドから出してくれない。アメリカに帰る日が来るまで安静にしてろ、との事だ。
見兼ねたポルナレフが、"ずっと寝たままだと、逆に具合が悪くなるかもしれないぞ"と言ってくれたおかげで、少しだけならベッドから出られるようになったが……それ以外は基本的にベッドの上で生活していた。
「承太郎さん!そんなに心配しなくても、俺ならもう大丈夫ですよ!」
「駄目だ。お前の大丈夫は、全く当てにならねえ。熱もまだ完全には下がってないからな」
「でも、そろそろ本格的に体を動かさないと、体が鈍っちゃいます」
「運動ならアメリカに帰ってからやれ。帰国後も、数日は休暇を取るように風花から言われてるだろ」
「そうですけど……って、待てよ?承太郎さん、まさかその休暇の件も風花さんに頼んで裏から手を回したのでは?」
「…………」
「やっぱり図星かよ!?どんだけ過保護なんだ、あんたは!?」
「――という話をした後に、あの方を寝室から追い出したのです。明日まで口を利かないと言ったら、落ち込んだ様子で出て行きましたよ」
「ギャハハハハハッ!!」
「ふふ、っ、な、なるほど……それで先程、ポルナレフさんと六車さんが彼を慰めていたんですね」
「あの男が目に見えて沈んでいるのを見た時は、何事かと思っていたが……そういう事だったのか」
過保護過ぎる承太郎に関しての愚痴を聞いてくれたのは、話を聞いて爆笑しているミスタ、笑いを堪えているジョルノ、呆れ顔のフーゴだった。
彼らは初めて拠点にやって来た日から、毎日ここに来ている。
現場責任者である風花さんと、例の後ろ楯になる件で話し合うのと……俺の見舞いをするためだった。まぁ、見舞いの方はついでだろうけど。
必ず来るのはジョルノで、それ以外の面子の中から数名が、新たにパッショーネのボスになったジョルノの護衛として同行するようにしているらしい。
ジョルノ達はパッショーネを立て直すために徐々に動き始めており、忙しい日々を送っているのだとか。
「……そういえば聞きそびれていたんですが、シドとあの男……空条承太郎は、どういう関係なんだ?」
「承太郎さんは海洋学者で、私はその助手を勤めております」
「はあァ?学者と助手!?」
「……あなたは財団職員、ですよね?」
「はい。所属は人事部ですが、財団から派遣される形で承太郎さんの助手を勤める事が、私の本来の仕事なのです」
「それが何故、今回のような任務に就く事になったんですか?」
「それは、まぁ。いろいろと事情がありまして」
「…………へえ?」
承太郎と俺の関係については明かすが、俺が今回の任務を受ける事になった経緯については、隠しておく。
財団上層部の弱みになりそうな事を、共闘した相手とはいえギャングに打ち明けるのはまずいだろう。
「……個人的にその話がかなり気になってきたのですが、それよりも今日はあなたに相談したい事があるので、そちらを優先します」
「相談したい事?」
「はい。……ここからは、日本語で話します。ミスタ達にはあまり聞かれたくない話なので、あなたも日本語を使ってくれるとありがたいです」
「……分かった。そうしよう」
ジョルノが日本語でそう言ったため、俺もそれに合わせた。
事前にジョルノから聞いていたのか、ミスタ達は話が日本語に切り替わっても平然としている。そんな彼らには聞かれたくない話とは、何だ?
「シドなら、1つの組織の長に最も必要な能力とは?と聞かれた時、なんと答えますか?」
「組織の長に、最も必要な能力……?」
「僕なら――決断力だ、と。そう答えます」
ふむ……確かに、それも大事な能力だよな。ジョルノが何を相談したいのかが分からないが、まずは彼の話を聞くとしよう。
「組織の長が選択を迷えば組織自体が揺らいでしまうし、選択を誤れば最悪の場合組織が崩壊する……
だからこそ、いざという時に即座に正しい選択を選ばなくてはならない」
「…………」
「僕はそう考えて、僕なりに正しい選択を取るつもりでいます。……今通っている学校を、中退するという選択を」
「!」
学校を辞める?まぁ、パッショーネのボスになるからには、いつまでも学校に通っている訳にもいかないだろうが……でもなぁ……
「しかし。ブチャラティが、それに猛反対しているんです」
「ブチャラティさんが?」
「はい。……僕がパッショーネのボスになった事はまだ組織全体に公表していないし、財団との交渉もまとまっていない。
だから今のうちに、学生生活を楽しんでおけ、と。学生でいられるのは、子供でいられるのは今この時だけなのだから、と。
そう言っていましたが、僕はわざわざ学校に通う意味は無いと思ってます。時間の、無駄です。
ですが一応、第三者の意見も聞いてみようと考え……その時にあなたの顔が頭に浮かんだので、今こうして相談しています」
あぁ……なるほど。ブチャラティは、優しくて良い大人だ。今の俺と年齢が近いしまだまだ若いのに、ジョルノをちゃんと子供として扱っているんだな。
「……さっき、組織の長に最も必要な能力とは?って聞いたよな」
「?……ええ。そう聞きました」
「ジョルノ君が言うように決断力も大切な事だが、俺としては――人の心を知り、それを理解する力が、組織の長に最も必要とされる能力だと思う」
「……人の心を、理解する力」
「あぁ。……こう言うとコミュニケーション能力と混同されてしまうだろうが、それは違う。もっと根本的な問題だ」
コミュニケーション能力といえば、話術とか積極性とか協調性とかが重視されがちだが、そもそもこれらは相手の……人の心を理解し、それを汲み取らなければ成立しない。
話術で相手を丸め込んだり、積極的に行き過ぎて相手を引かせてしまったり、相手に協調性を押し付けて無理やり協力させたり……
人の心を理解していなければ、それらを平気でやるようになってしまう。それではコミュニケーションとは言わない。一方的な支配というのだ。
組織のボスがそんな様子じゃ、部下は離れていく。組織とは、多くの人の集まりだ。ならばその人の心を理解しなくては、いずれ組織が崩壊する。
「"人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり"……」
「……それは?」
「日本のとある有名な武将が遺した言葉だ。要するに、人材そのものや人同士の信頼関係は、城、石垣、堀と同等、またはそれ以上に大切であり……
それ故に。人に情を持って接すれば味方となり、逆に蔑ろにすれば、いずれ敵となって牙を剥かれる……という事だな」
「…………なるほど。それを蔑ろにしたのが、ディアボロですね」
「その通り」
実際、ディアボロに自分の気持ちを裏切られたブチャラティが、奴に牙を剥いている。……ジョルノには、奴のようにならないで欲しい。
「前のボスが、人の心を真に理解しようとしなかったから、1つの組織が一度崩壊した……僕は、その二の舞にならないように行動しなければならない」
「そうそう、よく分かってるじゃねぇか。そのためにも、学校に通い続けるのは良い事だと思うぞ。
学校にはいろんな奴らがいる。同じ学生の子供だけでなく、教師である大人もな。そいつらを通して人の心を知れば、それを理解する足掛かりにはなるはずだ」
「……足掛かりにしかならないんですね」
「当たり前だろ。学校という狭い空間で、人の心を完全に理解できる訳がない。本番は、君がパッショーネのボスとして本格的に動き始めてからだ。
その前の練習段階として、学校に通うといい。学校なら何か失敗してもまだ許される。君は学生で、子供だからな。
しかし、組織のボスとして……一人前の大人として失敗したら、何かの拍子に取り返しのつかない事になるかもしれない。そうなったら許されない。
それを防ぐために、今のうちに練習しておけ。人の心情を汲み取り、部下の心を掴むための練習を」
俺がそう言うと、ジョルノは黙り込んだ。彼なりに、俺の話を理解しようとしているのだろう。……やがて顔を上げると、彼は口を開いた。
「……学校に通って、人の心を知れば……僕を学校に通わせようとしているブチャラティの心も、理解できるようになりますか?」
「あぁ。ジョルノ君ならきっと、理解できるようになるはずだ」
ジョルノに……まだ10代の子供に、出来る限り子供らしい平和な時間を過ごして欲しいという、彼の気持ちを、な。
俺が勝手にそう推測しているだけだが、ブチャラティのジョルノに対する気持ちは、大体そんな感じだと思う。
「…………分かりました。学校、また通ってみようと思います」
「うん、そうするといい」
「はい。相談に乗ってくれてありがとうございまし、た、」
「あっ」
気がついたら、手が勝手に動いてジョルノの頭を撫でていた。慌ててその手を戻す。
「わ、悪い!君と似てる後輩を思い出したら、つい手が出て……」
「いえ、構いません。むしろ、……」
「んん?」
「……いや、……すみません、何でもないです」
ジョルノはそう言って苦笑いを浮かべ、椅子から立ち上がる。次に口を開いた時には既に、イタリア語に戻っていた。
「相談も終わりましたし、僕達はこれで失礼します」
「はい。お忙しい中、今日もわざわざお見舞いに来てくれて、ありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして。お大事に。……ミスタ、フーゴ。お待たせしました、行きましょう」
ミスタ達に声を掛け、彼らと共に部屋から出て行く……その前に、ジョルノがこちらに振り向いて、にこりと笑う。
「では、また来ますね――
そして、扉が閉まった。……フラテッロって、Fratello?確か、兄弟って意味だよな?今のニュアンス的に"兄さん"って呼ばれたのか、俺は?
「なぁ、シエル。今のどういう事だろうな?」
「…………ンニャー……」
今までの会話を聞いていたシエルを抱き上げてそう聞くと、何故かジト目で見られた。しかも今ため息ついただろ、お前。
「…………うーん……」
「ジョルノ?」
「どうした?」
「――あの人、うちに欲しいなあ」
「あの人、って……?」
「シドの事です」
「うち、とは……?」
「パッショーネ」
「…………マジで?」
「半分は冗談ですけど」
「冗談かよ!?」
「いや、待ってください。もう半分は?」
「本気ですけど」
「ええッ!?」
「あらゆる意味で有能ですし、かなり貴重な人材ですよね……それに……」
「それに?」
「僕の兄貴分としても欲しい人です」
「「は??」」
―――
――――――
―――――――――
俺が倒れてから数日が経過し、体調はようやく全快となった。そして今日は、いよいよアメリカに向かう日だ。
風花さんは俺達の見送りをしたかったようだが、どうしても外せない仕事があるらしく、泣く泣く財団の拠点でお別れとなった。
「……いろいろと世話になったな。礼を言う」
「本当にお世話になりました。風花さん、ありがとうございます」
「――――今日も推しコンビが尊い……!!」
「はい?」
「ひょえっ!!すすすみません、何でもないです!私こそいろいろありがとうございました!」
早口で何事かを呟いたかと思えば、何故か慌て出す風花さんを見て、首を傾げる。
この人は最近、承太郎だけでなく俺と話す時も挙動不審が目立つようになって来たんだよなぁ。どうしたんだろう?
その後。風花さんと別れた俺達は、他の財団職員が運転する車に乗って空港に向かった。そして空港の近くまで来た時、突然承太郎が目を見開いて体を起こす。
「承太郎さん?」
「…………こんな朝早くに、わざわざ見送りに来たのか?何か目的があるのか、それともやはり志人にたらし込まれたせいか……」
「……まさか、ジョルノか?」
「ああ。……組織のボスが、1人で来る訳が無い。おそらく、ブチャラティ達の中の誰かも護衛として共にいるだろうな」
そうか、ジョースター家の血の繋がり!それでジョルノの存在に気づいたんだな。
やがて空港の前に到着すると、そこには承太郎の予想通り、ジョルノとその護衛……ブチャラティとアバッキオがいた。
「おはようございます。今日出国すると聞いたので、皆さんのお見送りに来ました」
「それはそれは、我々のためにお時間を割いていただき、誠にありがとうございます」
「シドのためならいくらでも時間を作りますよ。あなたは、我々の恩人ですから。特に……今日一緒に来た2人は、あなたに命を救われていますし」
ジョルノが後ろにいた2人に目配せすると、彼らは頷いて前に出る。……ブチャラティだけでなくアバッキオにも握手を求められた事に驚きつつ、2人と握手を交わした。
「あの時は助かった。お前がいなければ、俺だけでなくトリッシュも死んでいたかもしれない……改めて礼を言わせてくれ。本当に、ありがとう」
「……俺も、お前には感謝している」
「いえ、そんな。私はただ、自分がやりたいようにやっただけですよ」
「その行動で救われた人間が2人も……いや、奴に人質に取られたトリッシュも含めれば3人も、だな。
シドに救われたと思っている人間が3人もいる事を、忘れないでくれ。俺達は、その恩を忘れない」
「そ、そう、ですか。それは、どうも……」
そんな真っ直ぐな目で見ないでくれ、ブチャラティ!あんたが義理堅いって事はよく分かったから!!
俺が必死に彼から目を逸らしていると、また新たに手が差し出された。……ジョルノの手だ。恐る恐る、握手を交わす。
「……もう何か盗んだりしませんよね?」
「やりません。というか、出来ませんよ。あなたの後ろで、恐ろしい方が僕達に睨みを利かせているので……」
「えっ?」
「あれは……うん。本当に、怖い、な。迂闊な行動は取れない……」
「"余計な真似をしたら潰す"って目で訴えてるからな……」
心なしか、ジョルノ達3人の顔色が悪い気がする。背後が気になって振り向くと、ポルナレフは苦笑い。承太郎は……優しい目で俺を見ていた。あれぇ?
首を傾げて再びジョルノ達を見ると、彼らは揃って顔を引きつらせている。
「…………あの野郎……ッ!!」
「シドを見る目と俺達を見る目で落差が激し過ぎる!」
「まるで娘に近づく悪い虫を牽制する父親のようです」
「上手い表現だな」
「――つまり、シドは箱入り娘?」
「「ぶはッ!?」」
……何やら3人でひそひそと会話していたが、ブチャラティが何かを言った途端、ジョルノとアバッキオが何故か噴き出した。その後は必死に笑いを堪えている。何があったんだ?
「あ、あの、大丈夫ですか……?」
「だッ、大丈夫、です……っ、すみません」
笑いを堪え切ったジョルノが顔を上げて、にこりと笑う。この前も帰り際にこんな顔してたな……って、あれ?
そういえばこいつ、こんなに笑う奴だったか?原作では基本無表情で、何考えてるか分からないって言われるのがデフォじゃなかったっけ?
いや、確かに今も笑顔の下で何考えてるか分からねぇんだけどさ。
「"バーガー"が嫌になったら、"ピッツァ"はいかがですか?」
「……んん?」
「ふふ……今は米国の方が居心地が良いようですが――"天使"が"我が国の情熱"を選んでくれる日を、待ち望んでいますよ。
「??」
バーガーが嫌になったらピッツァ?天使が我が国の情熱を選ぶ日を待ち望んでいる?何の話だ?
「……おい、ジョルノ。通じてねえぞ」
「今ので伝わらないのか!?変なところで鈍い奴だな……」
「これは、困りましたね……仕方ない。背後の父親がどんな反応を見せるのかを考えるとちょっと体が震えますが、ここは思い切って大胆に勧誘、」
「志人ッ!!」
「おわっ、はい!?」
その時、承太郎が急に大声で俺を呼んだ。何事ですか!?
「……そろそろ行かないと、間に合わねえぞ」
「え?……あ、本当だ!」
時計を見ると、確かに時間ギリギリだった。
「すみません、皆さん。時間が来てしまったので、我々はこれで失礼いたします」
「…………ちっ。勘の良い奴め……」
「はい?」
「あ、いえ。何でもありません。……名残惜しいですが、お別れですね。いろいろと協力してくれて、本当にありがとうございました」
「こちらこそ。例の作戦にご協力いただき、ありがとうございました。それでは――
「!……はい。
最後は笑顔で別れを告げて、承太郎達と共にその場から立ち去った。
「…………承太郎さんの反応を恐れて、遠回しに勧誘してしまった事が、そもそもの間違いでしたね……」
「ま、まあまあ。そう落ち込むな、ジョルノ。お前だけが原因ではないだろう」
「だな……シドが鈍過ぎたのも悪いぜ、あれは」
「……そうですね。僕だけが悪い訳じゃない。2人共、ありがとうございます。勧誘は次の機会まで待ちましょう」
「……次の機会なんてあるのか?」
「僕は、そう信じますよ。シドがまた会おうと言ってくれましたし、彼から以前、面白い話も聞きましたから。それが本当なら、いつかまた会えるはず」
「面白い話?」
「ええ――"スタンド使いは、ひかれ合う"。まるで運命の赤い糸で繋がっているかのように、スタンド使い同士はある日突然、ばったりと出会う事が多々ある……だそうですよ?」
―――
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―――――――――
「…………不思議だ」
「……不思議?」
「あ、いや……俺の故郷は日本なのに、こうしてアメリカに戻って来ると――帰って来たなぁ、って感じがするんです。それが不思議で……」
「ふっ……良い事じゃねえか」
「そうですか?」
「ああ」
長い時間を掛けて、イタリアからアメリカに戻って……いや、帰って?来た。……うーん、やっぱり不思議だ。承太郎は"良い事だ"と言ってるけど。
空港で荷物と、キャリーに入ったシエルを受け取り、車椅子のポルナレフと、それを押す承太郎と共に出口を目指していた、その時。
「――ユキトお兄ちゃんッ!!」
「っ、うおっ!?」
「は?」
「な、何だッ!?」
俺の体を目掛けて、弾丸の如くようじょりーんが突っ込んで来た!
「じょ、徐倫ちゃん!?」
「徐倫、お前何でここにいる!?エリンはどうした?」
「ママもいるよ!ほら、あそこ。日本人のおじさんが、ここまでつれて来てくれたの!」
徐倫が指差す方を見ると、確かにそこにはエリンさんと……六車さんがいた。なるほど、六車さんが徐倫達を空港まで送り届けたんだな。
「ふふ、驚いた?」
「あ、ああ……六車。何故連絡しなかった?」
「そっ、それは、その、」
「六車さんは悪くないわ。私が頼んだの。あなたを驚かせたいから何も連絡しないで、って。
それに、先に六車さんに連絡を入れないで勝手にイタリアに行ったのは、あなたの方でしょう?彼を責めないで」
「む……」
あー、これはエリンさんが正しい。さっそく謝罪してもらわないとな。
「六車さんに言わなければならない事がありましたよね?は・か・せ」
「ぐっ……いろいろと、迷惑を掛けて……すまなかった」
「あ、いえ!確かに、こちらとしては連絡が欲しかったのは確かですが……空条さんが園原さんを特に心配する気持ちは、理解していますから。
ただ……出来れば、次からは一言だけでも連絡をいただけると、ありがたいです。心臓に悪いので」
「…………すまない。次は、そうする」
うん、ちゃんと反省しているようだな。よろしい。
「園原さん……それにポルナレフさんも、本当に、ご無事で何よりです」
「ありがとうございます、六車さん。何とか無事に帰って来る事ができました」
「ムグルマ……そうか、君が風花さんの従兄の?」
「はい。SPW財団人事部所属、六車拓海と申します」
「君の話は承太郎達から聞いたぞ。君にはいろいろと世話になっているから、いつもありがたく思っているとね」
そう言いながら、ポルナレフは六車さんと握手を交わし……次に、エリンさんを見る。
「あなたが、承太郎の奥さんですか?初めまして、J・P・ポルナレフです」
「はい、妻のエリンです。初めまして!……夫からの手紙にあなたの事が書いてありましたよ。行方不明だった友人と再会する事が出来た、と。文面からでも分かるぐらい嬉しそうに……」
「ほう?そうでしたか。それはそれは……ところで、エリンさん。
あなたはとてもお美しいですね。一児の母とは思えない程の若々しさに、おっとりとした雰囲気……
うん、実に良いです。承太郎の妻にしておくのがもったいないぐら――いッ!?」
ポルナレフの後頭部が、後ろから鷲掴みされている。承太郎の手だ。
あーあ、馬鹿だなぁ。エリンさんを口説くなんて……隠れ愛妻家の承太郎が、それを許す訳がないのに。
「……てめえは女と見れば人妻であろうとも口説くんだな……ああ、いや、そういえばてめえは何年も前に俺のお袋の事も口説いてやがったな……!!」
「じょっ、承太郎、承太郎待て!話せば、話せば分かっ、いだだだだッ!?」
うわーなんとなく予想してたけど、やっぱりホリィさんの事も口説いてたのか……それはギルティだな。
エリンさんと六車さんが、慌てて承太郎を止めようとしている。そろそろ俺も止めに入った方がいいかな?
と、下から服の裾を引かれた。……徐倫ちゃんが何か言いたげな顔をしている。膝を突いて目を合わせた。
「どうした?」
「……もう元気?熱、ない?」
「あぁ、手紙で知ったのか……大丈夫。もう熱は下がったし、この通り元気だよ」
「ん。良かった」
俺の首に腕を回して抱き着いてきたので、小さな背中をポンポンと撫でる。よしよし。
「さびしかったの」
「……そうか。ごめんな、しばらく会いに行けなくて」
「大丈夫。おしごと、大事だもん」
「徐倫ちゃん……」
なんて健気な……!本当に可愛い妹分だ。財団からは数日休暇をもらったし、その間に出来る限り構ってあげよう。
「"しごととわたし、どっちが大事?"とか、そんなの聞かないよ。いいお嫁さんになるんだもん」
「んん……?」
そんなセリフをいったい何処で覚えて来たのかな??……い、いや。深くは突っ込まないでおこう。何故か藪蛇になりそうな予感がするし。
「あ。……ユキトお兄ちゃん」
「な、何だ?」
「――おかえりなさい」
「――――」
日本語。それも正しい発音で言われた、その言葉。……懐かしい。
思えば今世では、婆ちゃんが死んでからは一人暮らしで、誰かに"おかえり"と言われる機会は無かったな。
「――ただいま。……ありがとう、徐倫ちゃん」
「う?……どういたしまして?」
何故お礼を言われたのか分からない、と。首を傾げるその子を見て思わず顔が綻び……可愛いなと、改めて思った。
・箱入り娘()疑惑の助手君
ブチャラティによって箱入り娘()疑惑を掛けられた男。本人がそれを知らないのは良い事なのか、否か……
リゾットのイメージはワイマラナー。狩猟犬だし賢いし、警戒心が強くて身内以外にはあまり懐かないし、あと雰囲気もちょっと似てる。
承太郎が過保護過ぎたため寝室から追い出し、明日まで口を利かないと宣言。何故か落ち込んでたけど、そこまで沈むほどの事でもないのでは?(無自覚)
ジョルノにアドバイスしたら、懐かれた。本人は何故
さらには遠回しにパッショーネに勧誘されるも、その意味に気づかずスルー。キャリーケースの中のシエルは再び溜め息を吐いた。
アメリカに帰国したところで徐倫達がお出迎え。園原にとってそのうち、日本よりも承太郎や徐倫達がいるアメリカの方が帰る場所になる……か、も。
杜王町を忘れないで!!(´;ω;`)by仗助
・助手君の勧誘に失敗した新ボス
箱入り娘()を過保護に守るお父様()が怖過ぎるんですが??
今後も学校に通うか、否か。第三者の意見を聞こうと園原に相談した結果、人の心を理解するために学校に通い続ける事を決意。
これ以降。園原に教えてもらった、人は城(以下略)の言葉を胸に、部下の心をがっちり掴むカリスマ性Maxボスへと成長していく。
"
……という遠回しな勧誘をしたが、変な所で鈍感な本人にスルーされ、さらにストレートに勧誘しようとしたところを承太郎に邪魔され、踏んだり蹴ったり。
・過保護が過ぎる海洋学者
箱入り娘()疑惑の諸悪の根源であるお父様()。
園原に対して過保護過ぎて、寝室から追い出された上に明日まで口を利かないと言われ、しょんぼり。ポルナレフと風花が必死に慰めた。
その過保護も、園原が全快した事でましになった……と思いきや、ジョルノ達にさっそく睨みを利かせているお父様()
ジョルノが園原をストレートに勧誘しようとした時も、会話は聞こえていなかったが嫌な予感がしたため、園原をわざわざ大声で呼んで彼の企みを阻止した。ちっ、勘の良い奴めbyジョルノ
帰国後、自分の妻を口説くポルナレフに制裁を加える。相変わらずだな、この野郎!
実はこうなる事を危惧していたので、出来れば妻とポルナレフを一生会わせたくなかった、独占欲の強い夫。
・助手君をお出迎えしたようじょりーん
みらいのだんな様をお出迎えするのは、みらいのお嫁さんのしごとでしょ?
※初恋を諦めるつもりは更々無い