空条承太郎の友人~原作介入~   作:herz

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・仗助がアクア・ネックレスを捕まえた後

・ご都合主義、捏造過多。最初、仗助視点。途中から男主視点




さよなら、片桐安十郎――

 

 

 

 

 爺ちゃんが帰って来た後、外から車のクラクションが聞こえた。きっと承太郎さんが来たんだと思って、窓の方へ向かう。

 窓の外には、やっぱり承太郎さんがいた。ボトルを持って来いと言われ、さっきそれを置いたテーブルを見ると――ボトルが、消えている。

 

 

「っ、な、何処へ、」

 

「仗助」

 

「!」

 

 

 ボトルが目の前から消えて焦っている俺に声を掛けたのは、志人さんだ。何故かスタンドを出している。

 昨日は志人さんのバイトもあって詳しく話せなかったが、例のスタンド使いについて話し合うために、朝早くからうちに来ていた。

 

 そんな彼が、俺を見て口元で指を一本立てる。……静かにしてろ、って事か。了解っス。

 

 

「さて、そろそろ休むか……」

 

「いつもお疲れ様です、良平さん。ゆっくり休んでください」

 

「ありがとう、志人君。ではな」

 

 

 部屋から出て行く爺ちゃんをにこやかに見送り、それから一転して真顔になった志人さんは、こう言った。

 

 

「――バリア解除」

 

 

 すると。さっきまで何も無かったテーブルの上に、スタンドが入っているボトルが現れた。

 その色がさっきと違う事も気になるが、それよりも何処から現れたんだ!?

 

 

「志人さん、今のは!?」

 

「不可視のバリアだ」

 

「不可視?……透明、って事スか?」

 

「厳密に言うとちょっと違うが、まぁそういう事だな。イージスのバリアはただ守るだけでなく、俺の想像次第で様々な効果を付与する事ができる。

 今回の不可視のバリアには、その内側にある物を、外側にいる人間の目には見えないようにする……そんな効果があるんだ」

 

「へえ……!」

 

 

 さすが志人さんのスタンド。グレートだぜ!

 

 

「で、仗助。……今はもう元に戻っているようだが、さっきこのボトルの色が変わっていただろ?パッと見、何に見えた?」

 

 

 彼は真顔のままそう言って、俺の目の前にスタンド入りのボトルを突き付ける。何に見えた、だって?

 

 

「本物の、酒に見えました」

 

「だろうな。俺もそう思った。……このスタンドはな、お前が目を離した時、急に水の色を変えたんだ。

 何か怪しいなと思って、念のために不可視のバリアを張り、良平さんの目には見えないようにした。彼が酒にしか見えないボトルを見てどんな反応を示すか、分からなかったから。

 

 そこでお前に聞くが……良平さんって、酒好きか?」

 

 

 そう聞かれて、思い出した。そういや爺ちゃんは、夜勤明けにブランデーを一杯飲むっていう日課があるぐらいには、酒好きだ。

 志人さんにそう話すと、彼は眼鏡の奥に見える目付きの悪い目を、さらに鋭くさせた。もしかしてこの人、怒ってる?

 

 

「つまり――良平さんが、この蓋を開けて中身を飲んでしまう可能性もあった訳だ」

 

「!!」

 

「こいつの本体がそれを狙っていたという確証は無い。だけどな、仗助……お前がちょっと目を離した隙に、お前の大事な家族が殺されていたかもしれないんだぜ?」

 

「あ、」

 

「次から気をつけろ。絶対に、目を離すな」

 

「…………はい。すんませんでした」

 

 

 もしかして、ではなく。本当に怒っていた。声は静かだが、雰囲気で分かる。

 

 

 この人は、爺ちゃんを殺していたかもしれないスタンド使いに対しても、油断していた俺に対しても、怒っているんだ。

 

 

「もう油断しないっス。約束します!」

 

「その言葉を忘れるなよ?」

 

「はい!」

 

「んん、良い返事。分かればいいんだ。承太郎さんを待たせてるし、外に行くぞ」

 

 

 軽く頭を撫でてくれた志人さんについて行き、外に向かう。

 

 

 大事なリーゼントを崩さないように撫でてくれるのは、嬉しい。でも、たまーにそれがもどかしいというか、物足りないなと思う。

 いっそのこと、髪型を崩すぐらいぐしゃぐしゃに撫でて欲しいと言いたくなる。他の奴にそうされたら怒るけど、この人にはもっと撫でて欲しい。

 

 …………よし。今度、髪下ろした時に頼んでみよう。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 ……これで、良平さんの救済は成功。不可視のバリアも、ちゃんと機能していたな。良かった。

 

 バリアに様々な効果を付与する事ができる……それに気づいた時から、良平さんの救済方法をなんとなく想像していた。

 いろいろ方法はあったが、やはり一番確実なのは、アクア・ネックレス入りのボトルを良平さんが見つけないようにする事だと考えたのだ。

 

 それ以来。原作の某赤ちゃんや、某暗殺チームのリーダーのスタンド能力を参考にして、不可視のバリアを張る特訓に集中した。

 ……そのせいで、肝心の攻撃手段についてはほとんど手を付ける事が出来なかったのだが、それはさておき。

 

 仗助には、彼が死んでいた可能性もある、次は気をつけろと言い聞かせたし、今後似たような事があっても、油断はしないはずだ。

 原作では詰めが甘い所も何回かあったけど、多分大丈夫……だといいなぁ。

 

 

 さて。承太郎と合流した俺達は、アクア・ネックレスの本体、片桐安十郎を例の岩の前まで追い詰めていた。

 原作では話の途中で子供が襲われていたが、それをやらせないためにも、スタンド入りのボトルは俺がイージスのバリアで囲んだ上で手に持っている。これなら、余程油断しない限りは問題無いだろう。

 

 で、クレイジー・Dによって岩と同化されたアンジェロだが……今のこいつ、形兆の事を話してくれるかな?

 原作では確か、子供を人質に取るために承太郎達を油断させようと、べらべら喋ってくれたんだよな?

 

 今回は俺がそんな事をさせない訳だが、そうなるとこいつが形兆の事を話す理由が無くなる訳で……

 

 

「ちくしょう、いい気になってんじゃねえぞ!どうせお前らなんか、あの人がぶっ殺してくれるんだからよお!あの学生服の、俺に力をくれたあの人がなあ!」

 

「何?……意図的にスタンドを与えられる奴がいるとでも言うのか?

 

 アンジェロは、生まれつきのスタンド使いではない。それが何故、スタンド能力を手に入れたのかが謎だった。

 だがもしも、スタンド能力を与えられる人間がいるとしたら……」

 

 

 あ、そうだ。今のうちに、俺もその"学生服のあの人"……形兆について反応しておこう。

 後々、何であの時言わなかったのか、とか聞かれて変に怪しまれるのも嫌だし。……仗助の反応は、やっぱり怖いけど。

 

 

「その学生服のあの人とやらは、もしかしてこんな容姿の人じゃなかった?」

 

 

 そう言って、俺があの日見た形兆の特徴を話す。それに驚いたアンジェロは虚を衝かれたのか、素直に頷いた。

 

 

「志人さん、知ってるんスか?」

 

「うん。まぁ、ね。実は俺がスタンド使いになったのも、その男が原因なんだ。矢が体に刺さってスタンド使いになった、なんて。何とも不思議な状況だったけど」

 

「えっ!?」

 

「……後程、志人君からも話を聞かせてもらうとするが、今はこっちから話を聞くとしよう」

 

「へへへへ……話してやっても良いが、条件があるぜ」

 

「条件?」

 

「俺を解放しろ!ここから出しやがれ!!」

 

 

 あー、なるほど。そう来たか。今の状態じゃ人質を取る事もできないから、形兆の事を話す代わりに解放しろ、と。そういう流れになったんだな?

 

 

「……いいだろう」

 

「っ、承太郎さん!?何言ってんスか!?」

 

 

 そして、あっさり承諾する承太郎と、焦る仗助。俺も何を考えているんだと、思わず彼を凝視するが……そんな承太郎と、目が合った。

 

 

「今から正直に、スタンド使いになった時の状況を全て話せば……そこ(・・)から、貴様自身(・・・・)を、解放してやる」

 

 

 彼の目線が僅かに下へずれて、それから再び俺と目を合わせる。わざと言葉を強調した事も合わせて考えてみると……これは、もしかして?

 承太郎の意図が、俺の予想通りなのかを確かめるために、彼を見ながらイージスのバリアを軽く指で叩いた。翡翠の目が細くなる。

 

 

 なるほど、よく分かった。

 

 

「承太郎さんが前言撤回する前に、早めに話した方が良いのでは?この人はきっと、約束を守ってくれますよ!」

 

「ちょっ!?志人さんまで!?」

 

「へへ!いいぜえ、その言葉忘れんなよ!」

 

 

 承太郎の考えが分かっていない様子の仗助には悪いが、利用させてもらおう。1人でも本気で焦っている奴がいれば、向こうに怪しまれずに済む。

 

 原作と同じく、アンジェロがスタンド使いになった時の状況が明かされる。奴は"学生服の男"の事も、弓と矢の事も……DIOの事も話した。

 これで、虹村兄弟戦に入る前に必要な情報は集まったな。後に俺が形兆と戦った時の状況も話せば、十分だろう。

 

 

「ほら、俺が知ってんのはこれで全部だ!さっさと解放しろ!」

 

「ふっ……いいぜ、解放してやるよ。……志人君、頼んだ」

 

「はーい」

 

「え?」

 

 

 承太郎が呼んだのは仗助ではなく、俺だった。呼ばれなかった彼は、不思議そうな顔をしている。

 そうだな。岩から解放するなら、仗助を呼ぶのが道理だ。……本当に岩から(・・・)解放するのであれば、の話だが。

 

 

 俺は承太郎の思惑通りに、アンジェロ――の、スタンドをボトルの中から解放した。

 

 なお、イージスのバリアは解除していない。アクア・ネックレスは、閉じ込められたままだ。それを見た仗助とアンジェロは、唖然。

 

 

「ほら、解放しましたよ?」

 

「な、何言ってやがる!?俺をこの岩から解放しろって言ってんだよ!!」

 

 

 アンジェロはめちゃめちゃ焦ってるし、仗助も、頭の上にクエスチョンマークが浮かんでるような、そんなリアクションをしている。面白い。

 

 

「貴様こそ何を言っている?彼は確かに、解放したぞ。貴様自身(・・・・)であるスタンドを、そこ(・・)……ボトルの中から、な」

 

「はあ!?ふざけんな!!」

 

「えー?何かおかしかった?だってあんたはさっき、自分でこう言ったでしょ?"俺を解放しろ!ここから出しやがれ!"って。

 

 でもさぁ――本体とスタンドのどちら(・・・)を解放するのか、そして何処から(・・・・)解放するのか。具体的には何も言ってないよねぇ?」

 

「は、」

 

「その通りだ、志人君。……よく俺の考えを読み取ってくれたな。礼を言う」

 

「どういたしまして」

 

「ああ……あーーッ!そうかッ!!確かにそうだ!!まんまと2人に騙されたっス!最初から、こいつを本当の意味で解放するつもりは無かったって事だな!?」

 

 

 そこでようやく、仗助も理解が追い付いたようだ。……そう、彼の言う通り。俺達はアンジェロを解放するつもりは全く無かった。

 奴が具体的な解放条件を口にしなかったが故の、揚げ足取り。屁理屈である。……内容は、ちょっと無理があるけどな。

 

 だがしかし。アンジェロ(自身であるスタンド)を、(ボトルの中から)解放してやった事に変わりは無い。

 承太郎も俺も、結局は約束を破っていないのだから、問題無し!

 

 

「いやあ、グレートっスね!……あ、髪ちょっと崩れたか?」

 

「おい、何やってんだ!?チンケな髪なんていじってねえで、俺を早くここから出せ!」

 

 

 あっ、と。思わず声が出た。隣にいる承太郎からも同じ声が聞こえて、そちらを見る。再び目が合った。そして同時に、仗助を見る。

 ……あぁ、プッツンしてますねぇ。承太郎とまた目を合わせると、彼は帽子のつばで目元を隠して頭を振り、俺はアンジェロに向かって合掌。

 

 

 安らかに眠れ。さよなら、片桐安十郎――

 

 

「ドララララララァッ!!」

 

 

 ――初めまして、完全形態アンジェロ岩。

 

 

 

 

 

 

 






・最初の救済に成功した男主

 スタンド使いになった日から不可視のバリアの練習を始め、アクア・ネックレス戦で有効活用。次は攻撃手段を考える予定。
 混部時空では、不可視のバリアよりも攻撃手段を編み出す方が先だったが、4部時空では逆になっている。

 承太郎の意図を正確に読み取り、アンジェロ(自身であるスタンド)を、(ボトルの中から)解放してやった。m9(^Д^)ざまぁww

 後日。東方家にお泊まりした時、髪を下ろした仗助から"撫でてください"と言われ、困惑する。撫でても良いけどお前マジで犬なのか??


・男主になでなでして欲しい仗助君

 まず、不可視のバリアにびっくり。さらに祖父が死んでいたかもしれない可能性に気づかされ、気を引き締める。さすが志人さん!

 園原と承太郎の策略にはついて行けなかったが、それに気づいた時は目を輝かせている。さすが志人さん!承太郎さんもグレート!
 そして結局。アンジェロに髪型を馬鹿にされ、原作通りのアンジェロ岩、完成。

 後日。髪を下ろして園原にわしゃわしゃと撫でてもらった。それを目撃した母と祖父の目にも、幻覚の犬耳と尻尾が見えたという。


・策士な海洋学者

 前日の件もそうだが、ちょっと詰めが甘い仗助を上手く支えている事、スタンド能力の汎用性、隠された意図に気づく洞察力の高さと、頭の回転の早さ……
 これらが積み上がった事で、園原への好感度が急上昇中。





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