空条承太郎の友人~原作介入~   作:herz

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※今回で真相編は終了です。次回から6部終了後の話が続きます!また、真相編の投稿が完了しましたので、感想欄での返信も再開します

 もしよろしければ、読者の皆様には改めて、感想や評価をいただけるとありがたいです!

 今後も承太郎の友人シリーズを、よろしくお願いいたしますm(_ _)m




"最強の盾"【後編】

 

 

 

 

 俺はバリアを維持しながら康一と由花子に支えられ、形兆と億泰に背後を守られながら、承太郎達を見守っている。……なんか、申し訳ないな。

 

 

「……なぁ、俺ならもう大丈夫だから別に離れてもいい、」

 

「「駄目だッ!!」」

 

「駄目ですッ!!」

 

「駄目よッ!!」

 

「うぉっ、何だいきなり……って、どうしたお前ら!血だらけじゃねぇか!?いつの間に怪我なんて、」

 

「この馬鹿がァッ!!」

 

「全部あんたの血だぞッ!これ!!」

 

「覚えてないんですかァッ!?」

 

「信じられないッ!!」

 

「え、あ、ご、ごめん、なさい……?」

 

 

 マジか。これ、全部俺の血??……駄目だ、思い出せねぇ。いったいどうなってたんだ、俺は?

 

 

「志人さん!大丈夫っスか!?」

 

「おう、もう大丈夫だ。ありがとう、仗助……迷惑掛けてごめんな。俺の治療、大変だっただろ?」

 

「迷惑なんてそんな!志人さんのためなら、これぐらいどうって事ないっスよ!!それよりも……っ、無事で良かった……!!」

 

 

 と、向こうからバタバタと仗助が駆け寄って来て、終いには泣かせてしまった。ごめん、ごめんって本当に!

 あーもういろんな人に心配掛けさせてばかりだ!本当に失敗した……最初からクラインの壺を思い出していれば、こんな事にはならなかったはずだ。

 

 

「……園原志人さん、でしたよね?」

 

 

 その時、仗助の後ろにいたアナスイが話し掛けて来た。……彼にはお礼を言わないとな。

 

 

「あぁ。……そういう君はアナスイくん、だったな?君が俺のダメージを肩代わりしてくれたおかげで、クラインの壺のバリアを作り出す事が出来た。ありがとう」

 

「礼を言われるよりも、許可が欲しいです」

 

「んん??」

 

「俺は身を挺して、あなたのダメージを肩代わりしました。それぐらいの度胸ならあります。

 この度胸で、今後もあなたが妹のように可愛がっているという徐倫の事を守りますので――彼女との結婚をお許しください」

 

 

 …………わーお。

 

 

「ええええー……?」

 

「嘘でしょ……」

 

「またかよ……」

 

「馬鹿か?真性の馬鹿なのか??承太郎さんにあんな冷たい目で拒否されたばかりだというのに……」

 

「さっきせっかく見直したのに……マジでどうしようもねェな、こいつ……」

 

 

 俺もそうだが、杜王町組もドン引きしている。しかも承太郎にはもうアタックして既に玉砕していたにも関わらず……?

 承太郎は俺の前世の記憶を見たから、当然アナスイの事も知っている。知っているからこそ、原作よりもかなり冷たい態度で拒否したはずだ。

 

 それなのに、まだ諦めないのかこいつは!?……うーん、そうだな。俺から言える事があるとすれば、

 

 

「徐倫ちゃんの気持ちをしっかり尊重して、承太郎さんの許可をもらう事が出来たら、文句は言わない」

 

「はあぁッ?」

 

「ええッ!?」

 

「ちょっと、志人さ、」

 

「それは本当だな!?」

 

「あぁ。本当だ」

 

「よし……!義兄からの許可はもらった!あとは承太郎だけだ!!」

 

 

 アナスイが嵐のように立ち去って行った。頑張れよー……本当に、そんな事が出来るものなら、な。

 

 

「志人のアニキ!あんな奴にそんな許可出して良かったのか!?」

 

「許可?してないぞ?」

 

「えっ……?」

 

「俺は"文句は言わない"とは言ったが、"許可する"とは言ってない。……徐倫ちゃんの気持ちは分からないが、承太郎さんが許可を出すはずが無いからな。

 俺まで断固拒否したら、彼がどんな行動に出るか分からねぇだろ?だから、とりあえず争いを避けるために誤魔化したのさ」

 

「……やっぱりそういう事だったんスね。さすが志人さん」

 

「お前はお人好しだが、馬鹿ではないからな……そんな事だろうと思っていたが」

 

「お、おぉ……!!」

 

「そっ、そっか!なるほど!!」

 

「咄嗟によくそこまで考えられるわね……」

 

 

 億泰、康一、由花子は気づいてなかったようだが、仗助と形兆は気づいていたようだ。この2人は鋭いからなぁ。

 

 

「それにしても……徐倫の気持ちをしっかり尊重して、か……」

 

「由花子ちゃん?」

 

「他でもない志人さんが、そんな事を言っちゃうなんて……ねえ?」

 

「あ、ああー……そうだね、確かに……」

 

「……ん?ああ、そういう事か!」

 

「アナスイが変に暴走しなければいいんだが……」

 

「その可能性はあるよなァ……万が一の時は、俺達が志人さんを守らねェと」

 

「…………んん?」

 

 

 杜王町組が、俺を置いてけぼりにして何やら頷き合っている。どうしたんだ?

 

 

 その時。向こうにいる徐倫と、目が合った。彼女の目から覚悟を感じる。

 おそらく既に、メビウスの輪を利用する方法を思い付いたのだろう。……彼女を見つめて、強く頷く。

 

 

(いってこい、徐倫……お前が、終わらせるんだ)

 

 

 ……そこから、怒涛の展開が始まった。

 

 

 ジョルノのスタンド能力で、神父の背後に桜の木を生やし、リゾットの能力で作り出したナイフを木に向かって投擲。

 そして徐倫は、予めエルメェスの能力で複製しておいたナイフに貼ったシールを剥がし、一気に木の上に移動した。

 

 徐倫が奴に殴り掛かり、C―MOONの拳とぶつかるが……スタンド能力の糸をメビウスの輪の形にして、裏返りを防いだ。

 そこで俺は、はっと思い出す。原作の中での神父が、徐倫に何をしたのかを!

 

 

「――徐倫っ!!心臓と脳だ!心臓と脳を守れぇっ!!」

 

 

 咄嗟にそう叫ぶと、奴は案の定彼女の心臓を狙った!……しかし間一髪、徐倫はそれに対処してみせた。

 神父がこちらに振り向き、俺を睨む。それを睨み返すと、奴は目を見開いた。

 

 

「――天使を、その身に宿す者……ッ!!そうか、お前もか!お前も私が克服すべき運命だったのかァッ!?」

 

「オラオラオラオラオラァッ!!」

 

 

 その隙を突いた徐倫がラッシュを叩き込み、神父は地に沈んだ。……土煙で見えない。どうなった?

 やがて、それが晴れると……地面に大の字で倒れている、奴の姿が見えた。バリアを通して探っても、重力を逆転する力は感じられない。

 

 

 ――徐倫の、勝ちだ。それを理解した俺は、すぐにバリアを解除した。さっそくエルメェス達が駆け寄って行くのが見える。

 

 

「…………勝った……徐倫が勝ったぁっ!!」

 

「凄い!凄いよ、徐倫ちゃんッ!!」

 

「よくやったわ!徐倫!!」

 

「……さぁ、お前らも徐倫ちゃんのところに行って来い」

 

「え、でも……」

 

「志人さんは?」

 

「俺は……まだあそこに混ざれる程の元気はないから、イージスに支えてもらって大人しくしてる。

 だから、俺の代わりに行って来てくれよ。……形兆さんも行ってください。お願いします」

 

 

 杜王町組には、俺の代わりに徐倫の下へ行ってもらう事にする。彼らは俺を心配しながらも、彼女の下へ向かった……1人を除いて。

 しかも、何か気配を感じるなぁと思って振り向いたら、いつの間にか俺の隣にもう1人増えていた。

 

 

「……仗助、行かないのか?それに、リゾットさんもいつ来たんですか?」

 

「俺はもうちょっと志人さんの側にいます」

 

「……つい先程、来たばかりだ」

 

「……そうか。……じゃあ、ちょうどいいから言っておこうかな」

 

「はい?」

 

「なんだ?」

 

 

 

 

 

 

「――これ以降、俺が例の"夢"を見る事はもう無い」

 

「――――」

 

「――――」

 

「これで、終わりだ。余程の事件や事故が突発的に起こらない限りは、これ以降の未来は安泰と見ていいだろう。

 協力してくれて、本当にありがとう。2人が力を貸してくれたおかげで、彼らは全員生き残る事が出来た……心から感謝する。ありがとう」

 

 

 両手でそれぞれ、2人の手を握る。……彼らは、強く握り返してくれた。

 

 

「むしろ、お礼を言うのはこっちの方っスよ!志人さんが"夢"を見てから頑張ってくれたからこそ、皆が無事に生き残れたんです!」

 

「……そんな、心優しいお前の力になれたのなら……これほど嬉しい事はない……よく、頑張ってくれた」

 

「…………うん。ありがとう……!!」

 

 

 2人にそんな事言われて、涙が出そうだ。それを必死に我慢した。

 

 

「……おっと。俺らは退散した方が良さそうだな」

 

「ああ……いろいろ、勘づかれる前に」

 

「え?」

 

 

 すると急に、2人がある方向を見てそう言った。そちらを見ると……承太郎が近付いて来ている。あ、なるほど。

 リゾットと仗助は、俺の真の共犯者達の事を知らないからな……本当に、罪悪感が……2人共、すまない。

 

 2人が離れて行くのと同時に、承太郎がやって来た。そんな彼に、イージスが声を掛ける。

 

 

「承太郎。志人は今、気絶する程ではないけど俺を外に出しておくのも結構きついぐらいには疲れてるんだ」

 

「ちょっ、」

 

「何だと?」

 

「だから俺の代わりに、志人を支えてもらえるかい?俺はすぐに引っ込むから」

 

「分かった」

 

 

 承太郎の腕が俺の背中に回って、それからすぐにイージスが消える。……あいつめ、余計な爆弾落としてさっさと消えやがって。

 

 

「志人?」

 

「…………ごめんなさい……」

 

「……はあ……まったく、お前は……ほら、もっと体重掛けろ」

 

「いや、でも、」

 

「あ?」

 

「アッ、ハイ。そうしますそうします」

 

 

 これ以上逆らうと後が怖いと分かったので、素直に従った。

 

 

 承太郎と共に、徐倫達を見守る。……皆、笑顔だった。徐倫も最初は戸惑っている様子だったが、次第に笑顔になっていった。

 そうだ、もっと喜べ。お前はそれだけ凄い事を成し遂げたのだから。

 

 

「…………プッチ神父の力を必死に抑え込んでいたお前を見て、」

 

「?」

 

「10年以上前の……吉良と戦って、奴を取り逃がした時のお前を思い出した」

 

 

 唐突に、承太郎がそんな事を言った。見上げると、彼は……徐倫を見る時と似たような目で、俺を見つめていた。親が自分の子供を見る目だ。

 

 

「あの時……お前は自分の責任だと思い込んで、がむしゃらに行動してたよな。どうせ今回もそうなんだろ?……もう、止めてもいいんじゃないか?そういうの」

 

「止める、って?」

 

「今回で全部終わったんだよな?……DIOとの因縁にも決着が着いた。これ以降は、救済だの何だのと頑張らなくていいんだぜ、志人」

 

「――――」

 

「よく頑張った……お前は、本当にいい子だ」

 

 

 …………そう言われて、頭を撫でられたら、もう、駄目だった。

 

 

「――うっ……ぐす、ぅぅぅ……っ!!」

 

「よしよし、よく頑張ったな……誰も見ていない今のうちに、泣いておけ」

 

 

 先月30になったばかりなのに、前世の記憶もある大人なのに。泣いてる。情けない。でも……嬉しかった。

 前世の自分の推しが、助手としては頼りになる上司が……本当の、父親のような人が――

 

 

(――俺なんかの頑張りを、認めてくれた……!そんなの、泣いて喜ぶしかないだろ……!!)

 

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

「――嗚呼、我らが幸運の女神よッ!リゾットから聞いたぞ!相当な無茶をしたのだと!!」

 

「危うく死にかけたんだろッ!?何やってんだこの馬鹿がァーーッ!!」

 

「本当に、馬鹿ッ!」

 

「この馬鹿野郎ッ!!」

 

「運良く死なずに済んだようだが……そんな無茶はこれっきりにしろよッ!?いいな!?」

 

「シドが死ぬなんて嫌だよッ!!」

 

「しょうがねェ奴だなァお前はッ!!」

 

「自己犠牲も大概にしやがれッ!!」

 

「園原さん……!よくぞ、ご無事で……!!」

 

「志人様ぁぁ!!」

 

「馬鹿シドッ!もうそんな無茶しちゃ駄目だからね!?」

 

 

 

 

「…………すみません、でした……反省します」

 

 

 やって来て早々。リゾットや他の奴らから事情を聞いたらしく……

 リゾット以外の暗チと、六車さんと風花さんとトリッシュがすっ飛んできて、俺を叱ったり泣いたりと大変な事になった。平謝りするしかなかった。

 

 それを見て、俺に対して何か言いたげな顔をしていた杜王町組やパッショーネの面子が苦笑いしながら去って行ったため……

 多分、彼らも同じ事をやるつもりだったが、遠慮してくれたんだと思う。

 

 

 その後。他の財団職員達も加わって、戦闘後の事後処理が始まった。

 なお、俺はいろんな奴らの意向で強制的に不参加にされた。解せぬ。……まぁ、まだ体調が万全じゃないし助かったけど。

 

 資産家男性の別荘の庭は、戦闘の影響でボロボロになってしまったので、仗助がその修復を行ったり。

 庭に生えた桜の木をどうするかという話になったが、彼の意向でそのまま残しておく事が決まったり。

 

 あとは、俺の記憶は曖昧だが最終的にジョルノ達がボコボコにしたというフレッダメンテの奴らの回収作業を行ったり。

 その他にも様々な用件を済ませて……最後にプッチ神父が連行された事で、事後処理が終了した。

 

 

 現在、この場には戦闘に参加した奴らと露伴が残っている。少しの間滞在するホテルの準備が整うのを待っているのだ。

 

 脱獄組はまた刑務所に戻されないように、財団が裏から手を回す事になった。おそらく、仗助とリゾットが刑務所で集めてくれた証拠の数々が有効活用されるだろう。

 彼らはジョースター家の人間とその仲間達であり、全員有能なスタンド使いでもあるし、財団側としては失いたくない人材だからな。

 そのため、財団による根回しが終わるまでは、財団の息が掛かったホテルに滞在する事になった。

 

 ちなみに。エンポリオは一足先に、財団による保護を受ける事になったそうだ。

 彼はそもそも刑務所でも存在を知られていなかったし、戸籍の用意や外の世界に関する必要最低限の教育を受けさせるためにも、早めに保護される事になったという。

 

 それから、杜王町組とパッショーネの面子。彼らも日本とイタリアに帰る準備が整うまでは、脱獄組と同じホテルに滞在する。

 パッショーネについては、財団に何の連絡もなく勝手にフロリダに来ていた事から、少々揉め事になったが……

 承太郎の鶴の一声によって、それは収まった。この後もいろいろあるだろうが、おそらく最後にはお咎め無しで終わるだろう。承太郎がジョルノ達の味方になってるからな。

 

 また、俺と承太郎とリゾットも、しばらく彼らと同じホテルに滞在する事になった。

 承太郎は当然、徐倫のため。それから俺は……そのホテルに滞在する人達の間で何かトラブルがあった時の、仲裁役として。

 リゾットは、俺の補佐役との事。あと、俺もリゾットもついでにしばらく休暇を取る事が許された。

 

 

 閑話休題。……その後、体力も精神力もいくらか回復した俺は今、イージスの防音バリアの中で承太郎、露伴と共に軽い反省会を行っている。

 

 

「まず。俺達が何もしていないのに、ジョルノがフロリダにやって来た理由は――」

 

 

 と、前世で原作の作者が、ジョルノもフロリダに来ていたかもしれない事を示唆していた事、パッショーネとフレッダメンテの関係も明かして説明する。

 

 

「まさか、俺が風花さんにちょっと依頼しただけであんな事になるとは思わなかった……

 まぁ、実際に原作でもフレッダメンテが存在していた可能性はかなり低いだろうし、今回の事は本当に偶然だったんじゃねぇかな?」

 

「…………偶然……本当に、そうなのか……?」

 

「んん?」

 

「露伴?……どういう事だ?」

 

 

 俺と承太郎が首を傾げていると、露伴は険しい表情で口を開く。

 

 

「もしも……もしも、だぞ?――志人君が神父の罠に嵌められた時から、ジョルノをフロリダに呼び寄せるための流れが始まっていたとしたら?」

 

「何……?」

 

「僕も志人君も承太郎さんも……周囲の人間も。志人君の護衛任務が入るタイミングがおかしい事に対して、どういう訳か誰も疑問に思わなかった。

 タイミングが悪過ぎただけだと、本気で、そう思っていた……そんな中、ジョルノだけが、それを疑問に思った」

 

「…………」

 

「あと、志人君の事だが……想像力も洞察力もずば抜けているはずの君が、今回に限ってパッショーネとフレッダメンテの関係について何も勘づかなかった事も。

 原作の作者の話を、ギリギリまで思い出せなかった事も……僕としては不自然だと思っている」

 

「…………」

 

「さらに。ジョルノは志人君の事を兄貴分として慕っているし、パッショーネの幹部達は志人君を恩人だと思っている。

 裏返り者を放って置けないという理由もあっただろうが、彼らがフロリダに行く事を決めた最大の理由は、志人君にあるはずだ」

 

「…………」

 

「つまり――プッチ神父がDIOの息子を……ジョルノを引き寄せるための"運命の歯車"として、志人君自身が組み込まれてしまったのではないか、と。そう、考えたのだが……」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

「――この話、もうやめようぜ?な?」

 

「よし、やめよう」

 

「ああ、やめよう」

 

 

 3人揃って何故かゾッとしたので、この話はやめる事にしました。はい、次っ!!

 

 

「なるほど……ケープ・カナベラルではないのにC―MOONへと進化したのは、それが理由だったのか」

 

「おそらく、そうだと思う。……すまない、露伴先生。やっぱりあんたのせいじゃ無かった。俺がもっとちゃんと考えていれば、」

 

「あー、やめろやめろ!結果的に丸く収まったのだから、もうそれで良いじゃないか。……僕も、"君のせいだ"と言うつもりは無いからな」

 

「……ごめん。ありがとう、先生」

 

 

 彼らにも、プッチ神父のスタンドが土壇場で進化した理由について、俺の推測を話しておいた。

 2人も納得したように頷いているし、おそらくこの推測は間違っていないはず。

 

 

「……ところで、露伴」

 

「何ですか?承太郎さん」

 

「メイド・イン・ヘブンの事なんだが……本当に、封印したんだよな?」

 

 

 と、承太郎が唐突にそんな事を聞いた。それを聞かれた露伴先生は眉をひそめる。

 

 

「当たり前じゃないですか、ちゃんとやりましたよ。僕を疑ってるのか?」

 

「いや、悪い。疑ってる訳じゃねえ。ただ……戦闘中、ちょっと気になる事があってな」

 

「気になる事……?」

 

「――プッチ神父が、時が止められた世界を、認識していた……志人の前世の記憶にあった原作の内容通りに、銛での攻撃を避けられたんだ」

 

「えっ!?」

 

「確かあれは、メイド・イン・ヘブンに進化する一歩手前だからこそ起こった出来事だろ?それを封印しているはずなのに、奴は何故か、時が止められた世界を認識していた……」

 

 

 それは……どういう事だ?露伴は確かに、メイド・イン・ヘブンを封印したはず。俺だってそれは疑っていない。それなのに、何故?

 

 

「それ以降は念のために、出来る限り時止めを使わないようにしたが……やはりどうしても、そこが引っ掛かるんだよ。

 

 

 …………まさか――神父の言う通り、DIOが奴に力を貸していたとか……そんな事は、無い、よな?」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

「――この話もやめようぜ?なぁ!?」

 

「よし、やめよう」

 

「ああ、やめよう」

 

 

 3人揃って何故かまたもやゾッとしたので、この話もやめる事にしました。

 プッチ神父のスタンドそのものは露伴がさっきヘブンズ・ドアーで封じてくれたし、もう大丈夫だろきっと!そういう事にしておく!はい、次っ!!

 

 

「それにしても……志人君。君はあまりにも責任感が強過ぎじゃないか?」

 

「え?」

 

「今となっては、承太郎さんよりも君の方が自分1人でいろいろ抱え込み過ぎだと思うぞ?」

 

「うっ……それは、その……」

 

 

 そう言われてしまうと、何も言えなくなる。以前、承太郎に"勝手に1人で抱え込むな"と言ったのは、俺の方だったから。

 ……そういや、原作が始まったばかりの頃。形兆と電話で話した時にも同じ事を言われてたよな?駄目だなぁ、俺……

 

 

「露伴、そのくらいにしておけ。この子にはさっき、俺からも似たような事を言ったばかりでな。

 もう"物語"は終わったんだ……これ以降は、志人がいろいろ頑張る必要はなくなる」

 

「……それもそうですね。よし、志人君。君はもう自由だ。好きな事を好きなだけやっていいんだぞ」

 

「自由って……いきなりそんな事言われてもなぁ」

 

 

 今までは主に原作に介入する事と救済する事と、あと承太郎の助手という仕事の事しか考えてなかったし。

 というか、そもそも助手の仕事が結構楽しいから、今でも充分好きな事をやってるつもりだけど?

 

 そう話すと、承太郎と露伴が可哀想な子を見るような、哀れみの目で俺を見る。なんだよ、その目は!?

 

 

「志人君、僕が言ってるのはそういう事じゃなくてだな……」

 

「じゃあどういう事なんだよ?」

 

「今まであまり遊べなかった分、たくさん遊べという事だ!

 例えば……ああ、そうだ!それこそ恋愛なんてどうだ!?ちょうど身近に打ってつけの相手がいるだろ!?」

 

「身近?打ってつけの相手?……俺なんかにそんな相手がいる訳ないだろ」

 

「この、」

 

「――この無自覚人たらし天然ジゴロウルトラ鈍感本体め!!」

 

「「ぶはッ!?」」

 

 

 突然。イージスが割って入って来て、俺に向かってそんな事を言った。そういや、前にも聞いた覚えがあるな?

 

 露伴と承太郎は、何故か噴き出して口と腹を押さえて……

 その後しばらく笑いを堪えるのに苦労していたため、反省会は強制終了となった。何故だろう、解せぬ。

 

 

「くふ、フフフッ……ん?……おっと、承太郎さん。見てください。噂をすれば影……」

 

「あ?……ああ、そのようだな」

 

 

 と、2人がある方向を見て、それから俺に意味あり気な視線を送った。……俺も、2人が見ていた方向を見る。

 

 

「――徐倫ちゃん……?」

 

 

 

 

 

 

 






・いろいろ頑張り過ぎた助手君

 頑張り過ぎだぞ、主犯格by共犯者達

 敵スタンド使い複数からの襲撃を受けても、冷静に対処してみせた。護衛任務モードになると一人称は私、そして無表情がデフォルト。イージスも喋らない。
 しかし、まさかのドン・パッショーネ登場にはさすがに無表情が崩れた。――アイエエエ!?

 神父のスタンドがケープ・カナベラルでもないのに進化してしまった事について、その全てが自分のせいだと思い込む。
 なんとかその責任を取ろうと考えた結果、最終的に血の海という惨状を作り出してしまった。杜王町組、絶叫。
 その後。バリアをクラインの壺の形にするという奇策を思い付き、実行。それ以降は怪我をせずに済んだ。

 承太郎に自分の頑張りを認められて、思わず嬉し涙。園原にとって、最も褒めてもらいたい相手は承太郎だった。
 そして、共犯者達と反省会。いろいろ話した末の(共犯者達の)結論=頑張り過ぎだぞ、主犯格。


・助手君を褒め称えたい海洋学者

 戦場に到着して早々に6部ラスボスを殴り飛ばした。3部主人公の本領(?)発揮。

 園原の前世の記憶を知っているため、実はいろいろ確信犯だった(C―MOONの能力を説明していた時や、徐倫にクラインの壺の話をしていた時など)
 戦闘中は一応冷静だったが、内心では園原の安否ばかりを心配していて気が気じゃなかった。
 故に、園原が大出血しながらも"承太郎を、皆を護る"と口走った時は、思わず感情を爆発させて槍を2本投擲。神父をさっさと倒さねえと志人が死ぬッ!!

 戦闘後。園原の頑張りを認めて、よく頑張ったと褒める。頑張り過ぎだし無茶し過ぎだが、それはそれとして褒めないとな(助手に対して激甘)

 反省会後。徐倫がやって来るのを見て、思わずニヤニヤ。目的は志人だろうな。……あ?アナスイ?誰だ、それは。


・密かに自分を責めていた漫画家

 罪悪感で苦しむ事になる前に、園原の言葉で救われた。

 ヴェルサスの記憶を見た時、他の誰よりも真っ青になっていた。神父を本にした時に隅々まで読んでおけば、志人君が狙われる前に気づけたかもしれないのに……!!
 しかしその後。園原から再び"あんたのせいだとは言わない"と言われた事で救われる。分かってると言ったじゃないか!(内心、ほっとしている)

 戦闘後の反省会では、C―MOONの件で自分を責める園原に対し、彼なりに優しく慰めた。……これでさっきの借りは返したからな。
 彼から見ても、園原は頑張り過ぎ。自分が普段から好き勝手にやっている自覚があるからこそ、園原にも好きな事を好きなだけやって欲しいと思っている。


・大人になるのを待てない6部主人公




 ――想いを伝えるなら、今。





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