陰の守護者になるために。   作:某キル

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(初めて主人公1人だけの話なので)初投稿です。
定義ってそうそう定まらないんだな、これが。


I2:『強さ』の定義についての話

ある日、家にて。

ピエルデは自分の部屋で、独り言を呟いている。

 

「…『強さ』って、何だ?一体何を持って強弱を決める?」

「うーん…考えると割といろいろあるんだよな。例えばそうだな…」

「『強さ』は、弱い自分を誤魔化さないこと。弱い自分と向き合い、受け入れて前に進むこと。」

「その点で言えば、俺は誤魔化してばっかりだ……だからこそ、強さってのが欲しいんだろうが。」

「『強さ』は、逃げるのも耐えるのも進むのも、自分で選べること。選択肢があるやつは、それだけで強いといえる。」

「俺は……どうだ?俺にある選択肢は、復讐する一択か?いやまあ、復讐だけではないんだろうが、それを選択肢には…できそうにない。」

「他には…そうだな、陰の実力者らしく考えるなら…」

「物語ってのは勝手に進むようで、実は自分で押さなきゃページがめくれない。それを押す力を『強さ』とするなら……シドは、それを生まれつき持ってたんだな。」

「俺は…押してるとはいえない。他の誰かが先に押して作った物語を、ただ歩いてるに過ぎない。そこに俺が求めた未来なんてないんだ。」

「あるいは…力の大きさに関係なく、何を絶対に手放さないか、そこを決めてる奴が『強い』とも言える。信念ってのはばかにならないからな。」

「未だ決めきれない俺は……まだ弱い。元々あった家族を護る信念が打ち砕かれた今、俺の新しい信念は一体どこにある?」

「…期待しないってのも、案外『強さ』なのかもな。誰かが助けてくれるって思い込みを捨てた奴は倒れ方が、決意が違う。」

「期待しない…俺には到底無理だな。現在進行形で、ありとあらゆることに期待し続けているんだからな。それを捨てたら何が残るって話だ。」

「後悔を残さない『強さ』もあるか。強い奴は後悔を上手に消して、弱い奴は後悔に引っ張られて転ぶ。これもわかりやすい話だ。」

「俺は…まあ後者だな、間違いなく。今までの人生に後悔し続けてる。何なら否定したいが…それをしたら、俺は俺じゃなくなる。」

「後はそうだな、他の人を参考にしてみるか…」

「アルファは存在するだけで強い。シドは歩くだけで空気が変わる。あれは“認めさせる”『強さ』なんだよな。そう思わせているんだ。」

「俺は…どうなんだ?多分そういうのは自分自身ではわからないだろうし…自覚できない以上、頼るには心細すぎるな。」

「はたまた、狂ってる世界をちゃんと“狂ってる”って言えて、その上で自分は狂わない奴。そういうのが……本当に『強い』のかもな。」

「前者はともかく、後者は俺には当てはまらないな。現に俺は今、復讐に狂っているし。もしシドに合わなかったら…俺は………」

「あぁクソ、当たり前だが答えが出そうにねぇ。いったんここらで区切るとして、後の俺に任せよう。」

 

ある程度考えたところで結論を出すことを諦め、部屋を出るピエルデ。

ただひたすらに求める『強さ』は、しかし中身が一切不確定であった…




主人公にずっと喋らせるのキツイ!!(当たり前)
ちなみに独り言は最後の「あぁクソ、~」を除いて無意識です。
実際、『強さ』の定義って考えだしたら止まりません。
果たして答えは見つかるのか、そもそも存在しないのか…
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結局七陰と絡ませなかったな…ていうかどう絡ませればいいんだ?
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