陰の守護者になるために。   作:某キル

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(初めてすんごい間が開いたので)初投稿です。
色々とやらかしてしまった…


5:少年は夢物語を追いかける/化け物は果てなき希望を作り出す

シャドウガーデンが結成されてからの流れは速かった。

例えるなら、3分のカップラーメンくらい速い…わかりづらいか?

 

彼女…アルファは活動を開始してすぐに、ディアボロス教団の情報を突き止めた。

まあ…俺たち2人は唖然としたな。

それよりもやっと話が進む喜びの方が大きかったけど。

アルファが見たことない文字で記載されている大量の資料を集めてきて

『やはりあなた達の言葉に間違いはなかった……』とか、

『千年前ディアボロスの子が……』とか、

『この石碑からはディアボロス教団の痕跡が……』とかいろいろ言ってたな。

当時は全然理解できてなかったが、今ならある程度はわかる…ある程度は。

 

その後、部下の立ち位置となるメンバー2人をシドが連れてきた。

名前はベータとガンマ…完全に予想通りだった。

それなら次の子はデルタにするとして…その後はどうしよう?

その辺は後でシド、もといシャドウに聞いておこうか。

 

同じようにベータとガンマの訓練も開始した、のだが…

この2人、戦闘を行うにあたって大きな問題がある。

まず、ベータは人を殺すことに対して恐怖してる…まあわからなくはないな。

自分の行動1つで、目の前の人1人の命を奪うことになるんだ…

とはいえ、流石にある程度は克服させておきたい。

大きな問題があるのはガンマのほうだ。

彼女は驚いたことに、壊滅的な運動音痴だった。

まさか歩くだけでも転んでしまうとは思わなかったぞ…

しかも振った剣は当たらず、当たり前だが戦闘中でも転ぶ始末だ。

見てる限りだと、シャドウもそろそろ匙を投げそうだ。

だが、基礎スペックは低いわけではなく、むしろ他の幹部同様最上位クラスだ。

前回の訓練の際には、転んだ時にすっぽ抜けた剣がまさかの直撃。

その威力が割とシャレにならないレベルだったのは記憶に新しい。

あの運動音痴を治せば、十二分な戦力になる…はずだ。

 

とまあ、彼女たちの短所を述べたものの、もちろん長所もある。

ベータはシャドウの戦闘技術をかなり忠実に再現できている。

それ故に彼女の戦闘力も高く、シャドウが成長すればベータも大きく影響を受けるだろう。

そしてガンマはかなり賢く、分析力や発想力といった頭脳面は他の追随を許さない。

今日の朝に隣でつぶやいたことを明日の昼に聞いても覚えてるレベルだ。

あの運動音痴は卓越した頭脳の反動・犠牲なのかもしれない。

 

そんなメンバーが入ってきてこれでメンバーは5人。

少しずつ大きくなっていく感覚をかみしめながら、今日も訓練をする。

具体的には、俺の能力の拡張だ。

使い方や種類が増えたら、その分だけ手札が多くなり、取れる選択肢も増える。

それに、もしかしたら訓練にも使えるかもしれない。

というわけで、一人訓練に励んでいる。

現状はそこまでだが、何かを掴みそうな感覚はある。

この調子で進めば…

 

コンコン

 

「ピエルデ、いる?」

 

「居るぞ、鍵はかけてないから入ってきていい。」

 

「お邪魔するわね。」

 

やってきたのはアルファ…何か用事ってあったか?

いや、記憶してる限りだとないはず…何の用だ?

 

「あなたも訓練中?」

 

「ああ、進捗としてはまずまずだがな。」

 

「そうなのね…今からついてきてもらうけど、いいかしら?」

 

「別に構わないが…いったい何の用だ?」

 

「新しい悪魔憑きの情報が入ったの、だから勧誘しにね。」

 

なるほど新規メンバーか、それがあったな。

…そういや、結局()()()はどうだったんだか…

これが終わったら後で確認しに行くか。

 

「了解、概要は?」

 

「地図上の…ここね。最近群れから追放された獣人の子よ。」

 

なるほど、ここにいる獣人の子ね…

…ここの、獣人の子…

 

「…ん?場所がここで、群れから追放された獣人の子…まさか?」

 

「あら、心当たりがあるのね?」

 

「ああ、以前この辺に行ったときにな。そん時は本当に悪魔憑きかどうか確証が持てなかったから話してなかったが、どうやら本当に悪魔憑きだったみたいだな。」

「その名をサラ、与える名はデルタ。彼女のいた一族の中でもかなりの強者だ。」

「特徴はガンマの正反対。頭脳は空っぽだが、身体能力や野生の感は化け物レベルだ。もし頭脳もそれなりにあったのなら、この世界の覇権を握っていただろう。」

「それほどの人材を手に入れるまたとないチャンスだ、さっそく行動しよう。」

 

「話が早いわね…そうしましょう。」

 

「他メンツは訓練中だから来ないがいいな?」

 

「分かってるわ。」

 

さて、また一人悪魔憑きを救いに行きますか。

…本当の救いになってるのか、なんて問いを置き去りにして。

そんなだれにもわからないものを考えても、虚しいだけだ。

というより、そういうのを考えるのは苦手だ。

あまり背負いすぎず、ある程度気楽に生きるのがいい。

 


 

「…相変わらず凄い吹雪だな。」

 

「そうね…早く見つけてあげないと。」

 

とりあえず目的地に着いたものの…吹雪がやばすぎる。

一応見えはするが、遠くまでは見渡せない。

二人で推察するに、対象の悪魔憑きの症状はまあまあ悪化している。

恐らくそう遠くまでは移動してないとは思うが…割と心配だ。

なんせ捜索を始めてもう三十分も経ってるのだ、できるだけ早く…

 

「…!あそこだ。」

 

「…まずは私一人で行ってみるわ、何かあったら頼むわね。」

 

「分かったが…無茶はするなよ?」

 

と俺が返事する間に、アルファは悪魔憑きへと接近していた。

果たしてどう反応するか…なるほど、話を聞かずに襲ってくるか。

その後も話を全く聞かず、力のこもった攻撃の連続…

予想してたとはいえ、悪魔憑きに苦しめられてこれか。

流石、ガンマの正反対なだけある。

…そろそろ、俺も手を貸すとしますか。

俺は素早く、二人のそばへと近づく。

 

「…ちょうどいいタイミングね、ここはお願い出来るかしら?」

 

「任せろ……」

 

「……!?」

 

やることは単純、悪魔憑きに恐怖を浴びせるだけ。

だがまぁ…これでどう反応するかだな。

これでもまだ反抗するようなら割と困る。

だから降伏してくれればいいんだが。

 

「………!?!?」

 

悪魔憑きは驚愕した表情のまま震えてる。

よかった、とりあえず効いてはいるようだ。

とりあえず、このまま話を進めよう。

 

「…苦しいのだろう?その病が、悪魔憑きが体を蝕んでいくのが。」

「なら、俺と…俺たちと共に来い。俺たちはその病を治し、病の原因を壊滅させるのが目的だ。そのためにも、君の協力が得られるならぜひ得たい。」

「俺は君に『デルタ』の名を与え、その病を直そう…どうだ?」

 

…とりあえず、言いたいことは言えたはず。

というか、話の内容がシドに似た気がする。

いやまあ、つまるところ陰実ムーブができてるんだが。

 

「う、うぅ……」

 

お、どうやら悩んでいる様子。

ひとまず考えてはくれてるみたいだが…

果たして、彼女の決断は?

 

「うぅーーっ…」

 

いきなりポーズを取った…え?

なんだこのポーズ…あ、服従のポーズ…なのか?

多分そうだろ、戦意も感じないし。

ということは、乗ってくれるのか。

今回に関しては本当に助かるな、この戦力は大きい。

ただまあ、空っぽの頭脳をどれだけ埋めれるかだが…

 

「…助かるな。先程も言ったが、君の協力はかなり大きい。」

「来い、デルタ。まずはその悪魔憑きの治療からだ。」

 

「よ、よよ、よろしくお願いするのです、ボス!」

 

ボス、か…お前はそれでいいのか?

いやまぁ、いいだろうから言ってるとは思うが。

 

「ボス、ね…やっぱり差はまだ開いてるみたい。」

 

「まぁ、その辺は努力次第だろう。」

 

なんて会話をしながら、俺たちは帰った。

この時点で俺の力を超えろと言われても無理だろ。

もしも超えられたら俺の力は一体…ってなるし。

 

その後、無事にデルタの悪魔憑きを治すことが出来た。

デルタは俺をボスと呼んでるけど、実際のボスはシャドウなんだよな…

一応それは伝えたのだが、それでも俺をボスと呼んでる。

やっぱり、助けられた恩は大きいのか…当たり前か。

 


 

さーてと、あれから数日経ったのだが…

あの子らの訓練、本当にどうしようかこれ。

ベータは恐怖し、ガンマはこけて、デルタは脳筋。

どう解決したものか…本当にどうすれば……?

 

「むむむ…ガンマは壊滅的な運動神経だが、デルタはデルタでまたひどいな。」

 

「…申し訳ありません、主様。」

 

「デルタも駄目なのです…?」

 

ただいま絶賛会議中。

この場にはシャドウ、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、そして俺がいる。

そう、シャドウガーデンオールスターだ。

と言っても、人数はそんなに多くないのだが。

それはさておき、訓練方法をどうするか………

そうだな、あんまり考えても仕方がないか。

 

「よし、俺が全員鍛えよう。」

 

「…え?」

 

「なっ…!?」

 

「えっ!?」

 

「ピエルデ、何か策でもあるのか?」

 

「いいや、何も。ただ、こうして話してばかりでもまずいかと思ってな。それならこの手段が最適だろう…多少無理矢理な感じは否めないがな。」

「それに、全員と言っても同時ではない、毎日一人ずつだ。訓練の手段はやる内に考える。実際に手合わせして気づくこともあるだろうからな。」

 

完全にごり押しの案だが…乗ってくれるか?

というか、もっといい案があるなら提案してくれるとありがたいが…

 

「…そうね。確かにその通りだわ。」

 

「考えてばかりでは、何も進みませんね…」

 

「とりあえずやってみるというのも、いいかもしれないです。」

 

「ボスが言うなら間違いないのです!」

 

「…シャドウは?」

 

「構わないけど…もちろんだよね?」

 

「あぁ、もちろんシャドウともだ…その時は頼むぞ?」

 

「任せておきなよ。」

 

全員乗ってくれた、感謝。

それじゃあ、当たって砕けろの作戦を始めようか。

 


 

まずはアルファの訓練から。

内容はシンプル…ひたすら模擬戦である。

 

「はぁ!」

 

「甘い!だが、良い線は行ってるな。」

 

彼女に関しては、特に欠点なんてものはない。

だからこそシンプルで、苛烈な戦いの経験を積むのが一番だ。

実際、アルファの腕前は大きく成長している。

というか…成長しすぎとしか思えない。

この調子だと、俺の腕前を越されかねないぞ…

 

「せい!」

 

「返すぞ!」

 

「知ってるわ!!」

 

「同じく!!」

 

「そこ!!!」

 

「かかったな!?」

 

「しまっ…」

 

「おらぁ!!!」

 

「ぐっ……」

 

最後は怒涛のカウンター合戦を制し、何とか勝った。

まさかカウンターを更にカウンターしてくるとはな…しかも二回も。

というか全然動かないけどアルファは大丈夫か?

最後の一撃、多少やりすぎたかもな…

 

「おい、大丈夫か?」

 

「え、えぇ…何とか無事よ。」

 

「そうか、それなら…どうする?」

 

「…決まっているわ、続けるわよ。」

 

「その意気だ。しばらくしたら再開する、覚悟しておけ…今度からはさらに仕掛けるぞ。」

 

「…いつかあなたを、超えてみせるわ。」

 

「やれるならやってみせろ、俺はずっとその時を待っているさ…もっとも、俺も強くなるがな。」

 


 

次はベータの訓練だ。

内容は模擬戦、アルファよりも優しいが内容は同じだ。

しかし、そこにある要素を加える。

 

「はぁ!」

 

「…っ!?」

 

「足を止めるな!」

 

「っは…」

 

「ふぅ…ダメだろベータ、戦闘中にそんな風に硬直したら終わりだぞ?」

 

「すいません…やはり慣れないものですね、恐怖は。」

 

「まぁ、元々慣れるようなものじゃないからな。」

 

そう、『恐怖』を増幅させる力だ。

これで恐怖を克服させようという話だ。

これに関しては早めに思いつけたからよかった。

 

ちなみに特訓の成果として、色んな能力が使いやすくなった。

今は『恐怖』の内容の指向性を、僅かながら決めれる。

もちろん、人を殺す恐怖を指向性の対象にした。

やはり能力拡張の特訓をやって正解だった。

 

「ところで、お前にピッタリの言葉がある。聞くか?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「『Face the Fear, Build the Future』だ。」

 

「フェイスザフィ…聞いたことがありません。」

 

「まぁ、それはそうだろうな。」

 

「もしかして、それも『陰の叡智』の一つですか?」

 

「そうだ。」

 

『陰の叡智』は…まぁ、お察しの通り前世の記憶だ。

俺とシャドウが持つ力として認識されている。

細かい設定はまだない…後で決めるか。

 

「『恐怖に直面し、未来を創る』という意味がある。」

 

「恐怖に直面し、未来を創る…それが、私に?」

 

「あぁ…お前は今まさに、恐怖に直面している。」

「それは決して楽なものではないだろう…果てしなく、いつまでも続きそうな苦難の連続だ。」

「だが、それを乗り越えた先にこそ、望む未来への道がある。」

「故に恐怖に直面し、未来を創る…その種こそ、今の君だ。」

「いつかその種が芽吹き、花咲く日を待っているぞ。」

 

「…はい!!!」

 

…それっぽい言葉こそ言ったが、実際の意味は知らないんだよな。

でもまあ、今のベータにはこれが一番の解釈だろう。

実際、やる気を出してくれたみたいだしな。

 

「さて、ある程度休憩したし…続けるぞ。」

 

「っ、はい!!」

 

見たところ、ベータの調子は意外と良好らしい。

どうやら訓練成果はかなり大きかったようだ。

それと、先程の言葉のおかげでもあるだろう。

と言っても、完全に消えるには時間がかかる。

とはいえそれだけだ、時が経てば解決する。

アルファに勝てる可能性は…ワンチャンってところか。

そもそもワンチャンある時点でやばいんだよな…

 

「君の可能性を見せてくれ…くれぐれも、吞まれるんじゃないぞ?」

 


 

今度はガンマの訓練…なのだが。

実際どうするべきかわからないんだよな…

とりあえず、歩く訓練からさせてるが…

 

「少しずつ、少しずつ…わっ!?」

 

「あちゃー…大丈夫か?」

 

「大丈夫です、これぐらいなら…!」

 

とまあ、なかなかうまくいかない。

間違ってなさそうではあるんだが、進歩がな…

他に何か、いい案はないものか…

 

「はっ、ほっ、わっ!?」

 

「おぉ、こけずにはすんだな。」

 

咄嗟に手を出して耐えるのはいい判断だ。

まあ見た目が完全に四足歩行のそれだが…うん?

四足、歩行…あれ、これあるのか?

いやいやいや、流石にないない…よな?

いやでも、割とあり得る…というかあり得ちゃう。

…あーもう、考えずにとりあえずやってみるか。

 

「なぁ、ガンマ。」

 

「はい、何でしょう?」

 

 

「四足歩行って、興味あるか?」

 

「……………………………はい?」

 

 

 

えー、結論から言えば成功した…してしまった。

何したかというと、四足歩行の練習。

人の歩き方がダメなら、獣の歩き方はどうかと。

それが何故かうまく行った結果がこれだ。

 

「はっ!」

 

「甘い!」

 

「ぐっ…!?っ、やぁ!」

 

「うぉっと!?」

 

「はぁ、はぁ…」

 

こけた時にそのまま四足歩行に移行する形。

これがピッタリはまったようだ。

 

「今の一撃は良かったぞ…危うく当たるところだった。」

 

「そうですか…!?なら、よかったです。」

 

「未だ普通にこけるが、それを長所に転換できたな。」

「自分としても、いい経験になった。」

 

ちなみにだが、俺も四足歩行できる。

初めてやった時は、すごい違和感を感じた。

でも感覚的には何の違和感もなかったんだよな。

そのせいでなかなか難しかったが。

今では十二分に慣れて、自由に動けるようになっている。

四足歩行を教えることぐらい容易い。

 

「もちろん、普通に歩いたり走ったりすることも忘れるなよ?」

 

「わかってます!」

 

「ならよし。さぁ、その動きを自分のものにしてみせろ!」

 


 

最後にデルタの訓練。

こっちは案外すぐに思いついた。

とりあえず最初に、普通の頭脳の方は諦めた…

いやまぁ、一応ちゃんとやるけど成果が、ね?

その代わりが、戦闘における論理的思考だ。

 

「やぁ!」

 

「甘い!」

 

「えい!」

 

「遅い!」

 

「たぁ!」

 

「隙あり!」

 

「ぎゃん!?」

 

内容はまたまた模擬戦だ。

ただし俺は、デルタと同じスタイルで行く。

普通の人らしく行くなら人として相手する。

獣人らしく行くなら獣人として対峙する。

そっちの方がわかりやすいと思ってな。

 

「うぅ、やっぱりボスは強いのです…」

 

「…ふむ。デルタ、ちょっといいか?」

 

「何です?」

 

「俺が思うに、デルタの攻撃は大振りすぎるんだ。」

 

「……どういう意味です?」

 

「………じゃあ、実践で見せるか。」

 

やっぱりデルタの頭脳の育成は無理では?

少しでも難しくなるとこれだからな…どうしろと?

だからまぁ、動きで教えるのが効果的だが。

 

「とりあえず、今から攻撃をするぞ。」

「最初にデルタのように大振りで、その次は小振りだ。」

「しっかり避けろよ?」

 

「わかったのです!」

 

よかった、無事に伝わった…

ということで、実際に大振りな攻撃を繰り返す。

割とギリギリだが、それでもちゃんと避けれている。

 

「ほら、大振りなら避けれただろ?」

 

「そうなのです!」

 

「じゃあ次は小振りだ、行くぞ?」

 

なるべく素早く、小さい動きで攻撃する。

さっきの時点でギリギリ故に、当然避けれず…

攻撃のほとんどはデルタに命中した。

 

「とまあ、わかりやすく違っただろ?」

 

「うぅ、確かに全然違ったのです…」

 

「これがわかりやすくした、俺とデルタの違いだ。」

「実際デルタのような大振りの攻撃も悪くはない、それだけ威力が乗るからな。だが、それ以上に隙が大きすぎるせいで、先程のように簡単に躱せるし、反撃できる。」

「だから俺は、小振りな攻撃を教えてるんだ。デルタなら威力はそこまで落ちない上に、格段に攻撃を当てやすくなる。いいこと尽くしだろ?」

 

「凄いのです!」

 

「あぁ。それじゃ、それを意識した上で…もう一度来い。」

 

「わかったのです!」

 

ということで、そのまま再び戦い始めた。

…うん、教えたことをちゃんと学べているな。

まだまだ粗が目立つし、数も少ない。

それでも、確実に避けづらくなってる。

それに比例して、攻撃もしづらくなっている。

これは…行けるかもしれないな。

 

「そこまで…良いぞ、確実に良くなっている。」

 

「デルタもわかったのです!」

 

「……なぁ、デルタ。」

 

「?」

 

「割と真剣な話だが、いいか?」

 

「もちろんです!」

 

正直、これを言うべきかは悩むが…話そう。

そっちの方が、デルタのためになる。

 

「はっきり言おう…デルタ、お前は強い。」

「低すぎる頭脳と技術を補ってなお余りある強さだ。」

「だからこそ、俺とシャドウは確信している。」

「お前に人並みの頭脳が揃えば…この世界の覇権を握れる程の強さ、まさしく『最強』になれると。」

 

「!!」

 

「だからこそ、俺がお前に知恵を授けよう。」

「さすれば、お前の強さはまさしく異次元に達する。」

「もちろん、シャドウガーデンに役立てるためでもあるが…」

「俺自身、お前の真の強さを見てみたい…付き合ってくれるか?」

 

「っもちろんなのですっ!!ボスもシャドウ様も言うのなら、デルタはやってやるのです!」

 

「よーし、その調子だ!」

 

目論見どろり、デルタのやる気が文字通り倍増した。

もちろん、さっきのは全部本音だ。

デルタがどこまで強くなるか…楽しみが増えたな。

 

「さぁ、さっさと続きだ!お前の強さ、ピッカピカに磨いてやる!」

 


 

そして、忘れてはならないシャドウとの訓練。

いや、これに関しては…半ば殺し合いだろう。

 

「はっ!」

 

「せいっ!」

 

何せ、俺たちは互いを半殺しにする気で戦ってる。

行き過ぎた感情の成れの果てとでも言うべきか。

とはいえ、実際に半殺しになることはない。

俺とシャドウの実力は、意外にも拮抗していたからだ。

 

「そこっ!」

 

「識っている!」

 

「まだ!」

 

「しつこい!」

 

「知ってる!」

 

「くっ!」

 

「油断大敵!」

 

「返す!」

 

「しまっ…!」

 

一進一退の攻防で、なかなか決着はつかない。

最長では、その日の修行時間丸ごと使った。

例のあれがなければ、間違いなく寝不足だった。

 

「ふぅ…最後の一撃と行こうか。」

 

「!わかった…勝つよ、僕は。」

 

「俺だって、負けてやらない。」

 

そして、互いに構えた後…同時に飛び出す。

 

「はぁぁぁぁぁ!!!」

 

「らぁぁぁぁぁ!!!」

 

互いの死力を尽くした、全力の一撃。

その果てに待っていた、今回の戦いの結末は…

 

「ぐっ…」

 

「がはっ…」

 

両者、互いの一撃を喰らってダウン…相打ちだった。

 

「ははは…良い一撃だね、ピエルデ。」

 

「シャドウこそ、やるじゃないか。」

 

そう言葉を交わして、笑う。

何だかとても馬鹿馬鹿しくて、楽しくて。

 

(ああ、それにしても…)

 

(もしも、叶うのなら…)

 

(シャドウ(ピエルデ)と、この楽しい日々(この先の未来)過ごしていたい(探してみたい)。)

 

二人の願いは、されど重なることはなく。

その瞳は、過去(未来)を見つめていた。

 

 

現在(いま)はただ、幸せで。

 

 


 

 

(…ピエルデ、楽しそうだったな。)

 

僕はそんなのんきなことを考えながら、寝る準備をしていた。

 

(特に、最後の戦いが終わった時…凄い笑顔だった。)

(ピエルデの…護のあんな幸せそうな顔、初めて見たと思う。)

(でも…気のせいだったらいいけど…)

(ピエルデのあの眼…なんだか危ない気がする。)

(…僕もしっかり強くなって、ピエルデを支えてあげないとかな。)

 

そう決意したシドは、そのまま眠り始めた。

 

 

過去(未来)への執着(期待)は、終わらない(止まらない)




本ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ当にすいませんでした!!
何でこんなに開いちゃったんだろう…本当になんでだ?
まあ間違いなくゲームが原因だけど…おっそろしいな。
ま、まあとにかく、ここから挽回…できたらいいな。
あ、あと水平線を本物に変えてきました。
<hr>の<>を《》に変えたら水平線の特殊タグになるんだよね。
というか普通に特殊タグ一覧に乗ってたし…恥ずかしい。
それと「超不定期投稿前提」のタグもつけました。
こんなことやっちゃったからね…
もしよければ評価に感想にお気に入り登録、ここ好きや誤字報告もよろしくお願いします!
あと小説の腕が鈍ってないかもお願いします!

さてさて、訓練の結果はいかがでしょうか…
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