発狂しかけの友人面白かったです。
「意思次第ってことはここに残り続けることも選べるのか?」
「いや、そんなことはないさ。今、すぐに帰るか。後で帰るかの違いさ。ちょっとした猶予があるかないかだね」
「...そうか、どちらにしても帰ることは決まっているんだな」
「さて、どうする?このまま帰りたいというなら帰れるように手配するが」
その時、見た夢のことを思い出していた。病のときに見るような夢。
『「まあ、とりあえずみんなに会ってみたいな。俺が知ってる限りの全員に」』
「今はまだ、帰らなくてもいいかな。」
「というと?」
「ここでまだやりたいことがあるのを思い出したんだ。なに、ただの妄想だ」
「うん、わかった。ではそのようにしようか。正直言うと、僕的にはそっちのほうがありがたいからね」
「じゃあ次の話だ。君の部屋について」
「ああ、何か気になることでもあったのか?」
「先日、彼女___ナズーリンからこんなものを受け取ってね。どこで入手したのか場所は教えてくれなかったが、君の物だろう?」
といいつつ彼が取り出したのはあの時持っていかれたツインターボのフィギュアだった。
「そういえば香霖堂で売れそうなものとか言っていたな...」
「そうそう、ここまで体の造詣が綺麗な人形は僕も拾ったことがなくてね。ぜひ欲しいと彼女にお願いしたのさ。ま、売りたたかれてしまったから懐は少し寒くなってしまったが」
といいながら視線をこっちへ移す。
「で、君のいる時代ではこのような品は当たり前にあるのかい?」
「そうだな、そのレベルの物は沢山おいてある」
「では、僕に譲ってくれないか?その分の金額はきっちり払う。勿論、フィギュアだけではないよ。それ以外の機械や何かがあるんだとすればそれも買い取りたいと思っているとも」
彼は眼鏡の奥をキラキラと輝かせながらこう言った。
「僕のコレクション...ひいては店前に置くために何かと交換してくれないかい?」
「わかった。その代わり欲しいものがある。食料品と交換してくれないか?ただの人間なもんでな」
「オーケー、それじゃあ商談成立だね。僕は森近霖之助。ここの店主さ」
「ああ、こちらこそよろしく頼む」
「さてと、これからどうせ来客もないだろうし少し家で休んでいくといい。お代のことは気にしなくていいさ、このフィギュア一つで十分な価値があるからね」
「わかった、なにからなにまですまないな。それでは今日は休ませてもらおう」
そういい、霖之助に寝室へ案内される。そこに置いてある寝具を見るとなんだか眠気が襲ってくる。
「じゃあ、しっかり休むといいさ。心は疲れていなくても思ったよりも体は疲れているものだからね」
という言葉に甘え、眠りにつくことにした。
ホモ展開は全くありません