「ああ、部屋ごとこっちに来たんだ。もしかしてかなり珍しいことなのか?」
「...大体こっちに来る人は忘れ去られてしまったか、またはたまたま迷い込んでしまってくる。といったパターンなんですよね」
そうだったのか、もしこれで俺の存在が忘れられてしまったからこっちに来たとかだったらかなり悲しいな。
「部屋ごとこっちに来たってことはおそらく...紫さんがなにかしたとかですかね?」
紫という新しい人物が出てきたな。有名な人なんだろうか。
「ナズーリンには部屋ごと燃えて死んだから、みたいなこと言われたけどそれも可能性としてあるのか?」
「うーん、ありえない。とは言えませんね...可能性としてはあり得ますが、どっちかといえばこの幻想郷の大賢者である紫さんが一枚かんでる可能性が高いと思うんですよねぇ。多分ナズーリンさんのそれ、あなたをからかっているだけだと思いますよ?」
「それならいいんだが...ふう、流石にこれだけ喋っていると熱くなってきたな。悪い、お先に失礼するぞ」
「私もそろそろ出ようと思ってたところなので丁度いいですね。上がって先に体を休めててください~」
「ああ、わかった」
と、いい外に出る。体全体がポカポカする。やっぱり温泉はいい文化だな。
体を拭き終わって服を着ると早苗がちょうど入ってきそうになる。慌てて外に出て九死に一生を得た。
先ほどまで一緒に温泉につかっていたとはいえ、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。相手の善意でやってくれてるのに興奮するというのはもってのほかだ。
外に出ると受付の近くに牛乳が陳列してある冷蔵庫が置いてあった。
受付の人が「よければ飲んじゃっても大丈夫ですよ。早苗様とお知り合いとのことだったので!」
といって勧めてくる。やっぱ風呂上りは牛乳だよな!
てかなんだ?やっぱり早苗ってそんなにすごい人なのか?
「あっ、風呂上りに牛乳飲んでる!じゃあ私もなんか飲んじゃおうかな~」
「じゃあ私フルーツ牛乳にしようかな!受付さん、いくらだっけこれ?」
「いやいや、お代は結構です!いつも主人や息子が世話になってますから!」
「じゃあ遠慮なくいただきまーす!」(ガコン
フルーツ牛乳を飲む彼女に質問する。
「早苗ってもしかして結構すごい人なのか?」
「現人神ですから!そりゃそうですよ!」
「なんか話してると普通の女の子って感じするけどな」
牛乳を飲み干した自分は不思議そうに聞く
「元々は女子高生でしたからねぇ。現代人だし見慣れてるってのもあるんじゃないですか?」
「なるほど、そういうことか。あ、受付さん牛乳ごちそうさまでした」
空の牛乳瓶をケースに置いて一礼する。
「じゃあ今日はこれで失礼するな。いつかお代は絶対返すから!」
「気にしなくていいですよ!もし困ったことがあれば守矢神社まで来てください!私そこにいますんで!」
やっぱり幻想郷の人たちってフレンドリーだよな。善意には善意で返したいもんだ。
主人公に好意を抱いているわけではまったくもってありません。同じ境遇+年齢が近い+外来人の補正がかかってるだけです。セクハラしたら本人は笑って流しますが、上が黙ってません。