強い衝撃と共に目を覚ます。
「痛ってぇ...落下してたのはやっぱりベットから落ちたってだけか」
背中をさすりながらとりあえず服を着替える。
着替えながらそういえばここ2日水飲んでないや、と思い出し身体が水を渇望する。
「そろそろ水を飲まないと死ぬぜ!」
流石に水を探しに行こう。と決めて装備を整える。今回は水を汲むための電気ポットと荷物を入れる用のリュックサックを持っていくことにした。スマホもポケットに入れておく。
一応交渉用に採取した野草から人気の高そうなふきのとうやわらびも持っていくことにした。
部屋から外に出てまだ探索していない家の裏側から真っ直ぐ進んでいると
「そういえば靴とかも欲しいな」
と思い出す。
今はもうあまり使われていない靴がわりになる物だとどんなものがあったか...
「下駄とかわらじとかか?うーん、どっちも親指痛くなるんだよな...」
と足を見ながら歩いていると藪道から一本の道に出た。
「おー、こんな道あったんだな」
と思いつつ、そういえば家の裏側方向には進んだ事ないしそりゃそうか、と納得する。
「まあ藪道素足で通って怪我するよりゃマシか」
と思いつつ道なりに進む。
やはり周りの光景は木々に囲まれているが、そこはかとない安心感がある。
そのまま何事もなく4、5分程度歩いていると前の方に橋がかかっているのが見えた。
「絶対これ人為的な橋だな、近くに誰か居るんだろうか」
と思案していると一つ目の目標である、水分について思い出す。
「ってか橋があるってことは下に水流れてるんじゃないか?」
下には緩やかな流れの川があった。水の色も澄んでいて、東京などにあるドブのような川とは比べようにもならない。
結果として無事水分を確保することに成功した。山の恵みに感謝だ。
「絶対1.2Lじゃ足りないよなこれ...毎日汲みに来なきゃなぁ」
などとぼやきつつ水を回収していると川を挟んで反対側に人影をみつけた。
視力はあまり良くないがどうにか白髪ということだけはわかった。
「ナズーリンではないみたいだ、ちょっと話しかけに行ってみるか」
人間か良心的な妖怪という事を祈って橋の反対側に渡ることにした。
「にしても腹が減ったな、なにか調理器具か何かを分けてもらうか」
とか考えながら橋を歩き切り、反対側に着いた。彼は丁度水汲みが終わって橋の方へ歩いて来ている所だった。
「こんにちは、今日はいい天気ですね」
「やあ、こんにちは。見覚えがない顔だね、遭難者かい?」
「まあある意味そうだな。前に会ったやつは俺のことを外来人とか言っていたか」
「そうか、まあ服装からしてそうだろうなとは思っていたよ。で、どうしてここに?」
「実は近くに部屋ごと転移してしまったんだが、ここ2日水分を取っていなくてな。近くになんとか水源がないだろうかと模索していた所だ」
「それは大変だね、よかったらうちの店に寄って行かないかい?なに、タダでとは言わないさ。僕だって一人の商人だ」
「そうか、物々交換出来るものは野草くらいなのだがそれでも大丈夫か?」
「ああ、勿論。見た感じ食事も摂っていなさそうだ。手の凝った物は出せないけれど、軽いものならすぐ準備できるさ」
「すまない、それでは失礼させて頂こう」
食事させたかったんですが、食事出来ませんでした。
かあいそう