ドレミ界に転生してから1か月近くが経過した。
ここに来たばかりの頃、変な因縁を付けられてデュエルを挑まれたのと比べれば、普段の仕事はさほど苦痛ではない。やっと、従者としての仕事と所作にも慣れてきて、ドレミコードの皆との共同生活も軌道に乗ってきたと思う。
だが、そうして気が緩んだ時にこそ、何かしらのトラブルが起きてしまうものだ。だから気を引き締めて日々を懸命に生きようと、自分に言い聞かせている。
とはいえ、何日も連続で働くのは正直少しきつい。衣食住に困らず暮らせるだけで十分ありがたいが、それでも身体を休める日は必要な気がした。かと言って、「休み下さい」と自分で言えるほどの度胸はないので、今の環境で頑張るしかない。
「じゃあ、今日はバトレアスはお休みとしましょう」
「え、よろしいんですか?」
「だって、ここのところ毎日働きづめでしょ?」
そんなある日の朝食の時間、クーリアから言われて拍子抜けする。そのあたりを気にしてもらっているとは思わなかった。
体もいい具合に疲れていたので、まさに願ってもない提案だ。
「では、今日1日、お暇をいただきますね」
「ええ、どうぞ」
頭を下げると、クーリアは微笑んでくれた。
そんなやり取りをした朝食の後、食器洗いを手伝ってから部屋に戻り、どうしようかと悩んでいたところでドアがノックされた。
「はい?」
「やっほー」
そこにいたのはファンシア。今日はファンシアの分の楽譜がなかったから、彼女も休みだったと思う。
「何か御用ですか?」
「ううん。ただ、バトレアスさんお休みって言うから、一緒に出掛けよっかなーって」
ファンシアの提案に、一拍だけ思考が止まる。女性と出かける=デート、などと短絡的な思考になったわけではないが。
「ドレミ界の外へ出ていいんですか?」
「いいんじゃない? 別にダメって言われてるわけじゃないでしょ?」
「ダメというか、まず出方が分からないからであって……」
ドレミコードとその世界について説明は受けているが、この世界の外へ出る方法までは知らない。皆のようにゲートを開けば行けるのだろうが、俺にはそんな力がない。
だから必然的に、出るな出ていいの話にはならなかった。それでも出られるのであれば少し興味がある。それができなかったら、部屋で本を読むぐらいしかやる事がなかったものだから。
「一応、クーリア様に許可を取ってみても?」
「うん、いいよ」
やはり、転生した特別な存在である以上、ドレミコードのリーダーであるクーリアの判断を仰ぐ必要はある。
なので、まずは彼女の意向を確認するために、部屋を出る。クーリア用の楽譜は用意されていたので、恐らくはこれから「浄化」に行くはずだ。あまり遅くなると入れ違いになってしまう。だから気持ち早歩きでクーリアの部屋へ向かう。
「あ、クーリア様」
すると、クーリアがちょうど2階から降りてきたのを見つけた。これ幸いと声を掛ける。
だが、その表情はやや張りつめているのがすぐ分かった。声をかけてもすぐに反応を示さないほど、何か考え事をしているらしい。
「……クーリア様?」
「……あ、バトレアス。どうしたの?」
もう一度声をかけると、すぐにふわりと柔らかい笑顔を向けてくれた。さっきの表情が頭から離れなかったが、要件をまず最初に伝える。
「ファンシア様から、休日に別の世界へと誘われまして……よろしいでしょうか?」
「ええ、それぐらいなら問題ないわ」
クーリアは、隣に立つファンシアの方も見る。ファンシアは任せてほしいと言わんばかりに、大きく頷いていた。
「ただし、ドレミコードの存在を口にしない事。後は、トラブルを起こさない事。それさえ守れれば大丈夫よ」
「熟知しております」
ドレミコードの旋律は基本的に誰にも知られない。そして「浄化」の際には姿も見えなくなる。プライベートでは普通に姿が見られるようだが、自分たちの存在を吹聴などしないだろうから、勿論それには従う。進んで和を乱すような趣味もない。
「それじゃあ、私は行くから。バトレアスもファンシアも、休日を楽しんでね」
そう言って、クーリアはホールへと向かおうとする。
その後ろ姿に、どことなく不安定な感じが見えた。
「クーリア様も、お気をつけて」
心配だったが、そう伝えるのが精いっぱいだ。クーリアはこちらを振り向かず、手を振るだけだった。
「……クーリア様、何か思い詰めているようでしたね」
「そだねー。まあ、ボクらよりもずっと過酷な世界に行っているみたいでさ。ああして張りつめてる事が多いんだ」
ファンシアの言葉に、少し胸が詰まるような感じになる。
誰がどんな世界に行って「浄化」の旋律を奏でているのか、詳しい事情は分からない。それでも、決して簡単でなければ気楽でもない事のはずだ。今こうして自分を遊びに誘うファンシアだって、それは同じはず。
片や自分は、基本このドレミコードの屋敷で雑務をほぼ毎日こなしているが、それはどれも普通の人間にできる事ばかりだ。ドレミコードの皆と比べれば取るに足らないのに、休日を欲するというのが唐突に浅ましく思えてきて、恥ずかしくなる。
「だからって、バトレアスさんが休まない理由にはならないよ」
そんな考えを読んだのか、ファンシアが朗らかに語り掛ける。
「クーリアさんは確かにボクらよりも大変な思いをしている。だからその分、ここではゆっくり身体を休めるようにボクたちも配慮はしているし、お休みの日もちゃんとある。ずっと働きづめじゃないんだよ」
「……」
「それに、クーリアさんを気遣ってバトレアスさんが休まなかったって知ったら、あの人絶対背負っちゃうし。だから今日ぐらいは、ゆっくり羽根を伸ばそうよ」
そう言うと、ファンシアに準備をするよう言われたので、一度部屋に戻る。クーリアの事も心配だが、背負い込ませるかもしれないというのもあり得る。自分の行動で逆に重荷を増やしてしまうのも嫌なので、今日はひとまずは休日を享受する事にした。
身支度を整えて玄関へ向かうと、既にファンシアが待ってくれていた。休日だからか、普段のドレス――カードのイラストの服装――ではなく、マニッシュ系のカジュアルなファッションと、ショルダーバッグを携えている。女性もののファッションはよく分からないが、ドレミコードもオフの日のおめかしというものは心得ているらしい。
「よし、それじゃあ行こうか」
「ゲートを開くのは、あちらのホールじゃなくてよろしいので?」
「まぁ、あっちは『浄化』のために使う事が多いからね。プライベートで移動する時は使わないようにしてるんだ」
説明しながら、ファンシアがタクトを振って光のゲートを開く。入るように促されたが、その先がどんな場所なのかを知らないので少し躊躇う。
「大丈夫。多分、バトレアスさんも見慣れた感じだと思うから」
どういう意味だろうと思ったが、思い切ってゲートをくぐる。
その先にあったのは。
「何だここ?」
狭い路地だった。地面はアスファルトで、両脇には普通のビルみたいな建物がそびえている。近くにはエアコンの室外機らしき機械やゴミ箱があった。頭上には狭いながらも青空が見える。確かに、前世ではよく見るような場所だが、こんな場所で遊べるだろうか。
「道の先、行ってみて」
背中からファンシアに促されて、路地を進む。道の向こうは明るく、人通りがそれなりに多そうだ。いよいよ、前世の都市部みたいな感じがする。
そうして路地を出ると。
「これは……!」
目に入ったのは、陽の光が差す近代的な高層ビル群。多くの通行人が歩道を歩き、形状が若干歪な車が車道を走っている。それこそ、前世でも幾度となく見た近代的な都市そのものだ。妙な懐かしさを抱くし、ファンシアが「見慣れた感じ」というのも頷ける。
だが前世と違うのは、道路標識やビルの広告の文字がデュエルモンスターズの言語である事。通行人の種族が人間だけでなく別の種族らしい、もっと言えばデュエルモンスターが普通に闊歩している事だ。
「どう?」
隣に立ったファンシアが、嬉しそうに尋ねてきた。
同時に、立場を忘れて思わずはしゃいでしまった事にも気づく。
「……失礼しました」
「あー、いいよいいよ。今日はお休みなんだし、ボクにも敬語とか使わなくて大丈夫。クーリア様とかにチクったりなんてしないし」
「……じゃあ、これで違和感あったら言ってほしい。戻すから」
「オッケー」
ここ1カ月、敬語で話さないのなんてデュエルぐらいしかなかった。最初にファンシアたちと会った時は普通に話していたが、今になって戻すのも妙な感じがする。
「それで、今日は何を?」
「それはもちろん、色々買い物したり食べたりだよ。お休みの日と言ったらね?」
さも当然とばかりにファンシアが言う。
だが、そこで話の出鼻をくじいてしまう事になった。
「ごめん、それなんだけど……」
「え?」
「金がない」
「……Oh」
楽しそうなテンションから一転、皮肉でも何でもなく可哀想なものを見る目で見られた。
精霊界に転生したタイミングは朝の出勤途中だ。その際の持ち物は、仕事で使う道具の入ったカバンに、スマートフォンと財布。だが、ドレミ界へ来た際にカバンはなかったし、ポケットを探ってみてもそれらはなかった。つまりこちらの世界ではまさに無一文である。
そして、ドレミ界の従者として働いていて、給金的なものも受け取っていない。報酬のようなシステムが存在するのは天老や迷宮姫の件で知っているが、自分の懐にはびた一文入っていなかった。そして、ドレミコードの皆の苦労や、今朝の張りつめたクーリアの事を思うと、「お金下さい」なんて口が裂けても言えない。
だから、街で遊ぶという選択肢ができても、何もできない事に変わりはなかった。
「だったら、ボクが貸してあげようか?」
「それはやめてほしい。俺が一番困る」
金欠だからといって、天使に、雇い主に、(実年齢はともかくとして)見た目が自分より年下の女の子に金を借りるなんて、情けないにもほどがある。ヒモと言われてもおかしくないし、それは自分で認められない。
だから仕方なく、自分だけでもドレミ界に戻してもらおうと思ったのだが。
「じゃあさ、手っ取り早く稼ぐってのはどう?」
ファンシアが提案する。
胡散臭いアルバイトなどは御免被りたいのだが、ひとまずこの世界に通じているらしいファンシアの後についていく事にした。
◆ ◇
連れてこられたのは、「デュエルアリーナ」と呼ばれるスタジアムだった。
大きさとしては、サッカーや野球のスタジアムよりほんの少し小さい。そこは名前の通りデュエルをするための場所で、ほぼ毎日のように強者たちのデュエルが繰り広げられているとの事だ。入場料は要るが、ファンシアは「とりあえずここは出してあげるよ」と言ってくれたので、深く頭を下げて感謝する。
「すごい熱気……」
「でしょー?」
観戦する場所は、簡易的な座席や立ち見スペース、個室などで、本当にサッカーや野球のスタジアムと設備が似通っている。場外には軽食の店も建ち並び、誰もがデュエルを楽しめる設備が揃い、今もまさに大勢の観客が歓声を上げてデュエルにのめり込んでいる。
そこまでなら前世のスタジアムとあまり変わらないが、違うところもある。
「あれは?」
指さしたのは、観客席をふわふわ浮かびながら周遊している球状の白い機械だ。下部からは機械のアームが何本も出ており、球体の正面はカメラのようなレンズが取りつけてある。それはひとつやふたつではなく、視界に入る範囲でも20機以上は見えた。
「監視カメラ兼投票機。誰かがデュエリストの手札をリークするとか、そういう不正を防止するためのものだよ。そして、誰が勝つかを賭ける事ができるんだ」
「……ここ、デュエルがギャンブルなの?」
「合法だよ」
どうやら、このデュエルアリーナにおいてのデュエルは、競馬や競艇、競輪のような公営のギャンブルと同じ扱いらしい。金がかかっているとなれば、皆が真剣に見ているのも頷ける。
とすると、ここに連れてきた理由はまさか。
「……賭けろと?」
「それもひとつの手かな。それか、ここは1日数回ぐらい飛び入り参加OKのデュエルもあるから、それに参加するとか」
「へー……?」
「参加賞として、賞金がちょっとだけもらえるんだ。それに勝ったら割り増しだし、ひとまず1日遊べるだけのお金は手に入るかな」
なんとも悩ましい選択肢を提示された。
ギャンブルに関しては、前世でも経験がない。依存症などの話を聞いた事があるし、やればのめり込んでしまわないかと性格的に不安だったから。
そして飛び入り参加もちょっと迷う。このアリーナにいる人の数は、何万人に届くかどうかといったところ。そんな視線に晒されながらデュエルなど、プレッシャーに押しつぶされてしまいそうだ。
「《熱血指導王ジャイアントレーナー》で、《イグナイト・アヴェンジャー》を攻撃!」
「くっそー、負けた!」
すると、ちょうど目の前で行われていたデュエルの決着がつき、アリーナのディスプレイに勝者の顔写真と名前が大写しになる。
『決まったー! 熱血戦士対決を制したのは、王者フラム・バーンだァァ!!』
スーツ姿のMCが高らかに宣言し、大多数の観客は歓声を上げ、一部の観客は落胆の声を上げている。落胆したのは、負けたデュエリストを応援していた、もしくは賭けていた人だろう。
拍手を贈りつつ、気になった事を聞いてみる。
「……なんか、意外とみんなカジュアルなデッキを使ってるんだな。こういう場所って、もっとガチガチのガチデッキを使ってる人ばかりかと」
「まー、ここはあくまでデュエルをワイワイ楽しみたいって人が集まる場所だからね。勝利だけじゃなくて、観ている人も戦っている人も、楽しむ事を重視しているんだよ」
今のデュエルでは、前世でのOCGやマスターデュエルの第一線で使われているカードはほとんど出てこなかった。だから実際にデュエルを観ていても、見飽きた展開というものが全くなく、新鮮な気持ちで見る事ができた。
そしてファンシアの言も分かる。自分も同じようなものだし、OCGでもマスターデュエルでもそういう感じのデッキを組んでいるから。
『さあ! お次は皆さんお待ちかね、飛び入り参加OKのデュエルだァ! 対戦相手はこの男ォォォ!』
MCの宣言と共に、ディスプレイに男の顔写真が出た。次の瞬間、観客席がわっと沸き上がる。
『爆発的な火力で一撃をお見舞い、ブライター!!』
オールバックの金髪に、浅黒い肌。全身像が明らかになるが、中々にガタイがいい「偉丈夫」という感じの男だ。
「バトレアスさん、どうする?」
「んー……」
このアリーナに入る前に、今自分が持っているデッキが何なのかは既に確認した。天老や迷宮姫の件以来、世界を移動したら必ず自分のデッキを確認すると自分で決めている。
そして今のデッキは、やはり【ドレミコード】ではない。他のデッキの例に漏れず、興味を持ったテーマのデッキだが、ここでデュエルする分にはまずまずの力があると思う。
だからと言って、やはり大観衆の中でデュエルをする事へのプレッシャーが怖かった。周りでは、俺が私がと手を挙げており、皆物怖じしないんだなと感心すると同時、羨ましくも思う。
観客席を周回する球体の機械が近くを通りがかろうとしたその時。
「あっ、バトレアスさん……脇腹にG」
「え、嘘ぉ!!?」
ファンシアに囁かれて、思わず右腕を上げて脇を確認する。名前を言ってはいけないあの虫が接触しているなんてトラウマものだ。
だが、そこには何もいなかった。
どころか。
「お、何だ兄ちゃんやるのか?」
「え」
「おめぇ腕に自信があるみたいだな!」
「いや」
「おーい、こいつも立候補するって!」
「あの」
ポーズがよくなかった。右手を力強く上げた今の姿は、デュエルの相手に立候補しているようなもの。周りの観客はファンシアの囁きが聞こえていないがために、脇に接触したアレが怖くて手を挙げたのだとも気づいていない。
そして前を見ると、あの球体の機械のレンズと目が合った。しかも、スタジアムのディスプレイには、紛う事なき今の自分の姿が大写しになっている。
『おおっと、自信ありげな若きデュエリストを発見! 今回のブライターの相手は彼に決まりだァ!!』
ついにはMCまでもが明言してしまったため、逃げられなくなった。
すると次の瞬間には、いつのまにか後ろに立っていた警備員と思しき屈強な男2人に腕を掴まれて連行されてしまう。
「頑張ってねー、バトレアスさーん!」
それを止める事なく笑顔で手を振って見送るファンシア。どうやらさっきのは出鱈目だったらしい。
この場合、踏ん切りがつかなかった自分の背中を押してくれたと感謝するべきか、それとも騙した事に憤慨するべきか。
とりあえず、ファンシアが「あのチャレンジャーに500!」と笑顔で賭けているところは後で問いたださねばと思った。
◇ ◆
気持ちの整理もできぬまま、あれよあれよとアリーナの中央にあるデュエルリングに連れてこられる。
「デュエルディスクは一度こちらへ」
係員に言われてデュエルディスクを預け、専用の鍵付きのロッカーに仕舞われる。アリーナでのデュエルは、デュエルリングに設置された卓上の盤面で行われるため、リングに上がる際の持ち物はデッキだけだ。
「こちらが使用可能なカードのレギュレーションです。ご確認を」
続いて、リミットレギュレーションらしきリストを見せられる。禁止・制限・準制限と記されており、それらは前世のものをベースにしているようだった。それに加えて、環境に台頭したパワー系のテーマや、《スキルドレイン》や《御前試合》などメタ系のカードも禁止に指定されている。
とはいえ、今のデッキに該当するカードは入っていない。
「大丈夫です」
「承知いたしました。ちなみに、もし破っていた場合は即時退場並びに罰則金となりますので、ご注意を」
係員が微笑なく告げたペナルティに唾を飲み込む。不安になってデッキを確かめるが、やはり問題ない。釘を差されたら気になってしまうのが人間の性というやつだ。
『さぁ、ワイルドプレイヤー・ブライターに対するは、新進気鋭の若きデュエリスト・バトレアス! どのようなデュエルを見せてくれるのか!』
デュエルリングに上がったところでMCに紹介され、歓声が降り注いでくる。まさか、声に押しつぶされそうになる日が来るなんて思いもしなかった。
ここからでは、観戦する人々の顔も詳しくは見えないぐらいの大きさだ。ファンシアがいる方を見ても、髪の色でしか判別できない。それだけの規模だ。
ちらと、ディスプレイを見る。表示されているのはお互いのオッズのようで、ブライターには1.6、こちらは5.3だ。オッズの算出方法はいまいち分からないが、とりあえずあまり期待されていないのは分かる。これでこちらのオッズが手堅かったら、余計心が締め付けられるところだったので、その方が正直ありがたい。
「ヘイ」
声を掛けられて、視線を戻す。先ほどディスプレイで見たデュエリスト、ブライターがいた。不敵な笑みをこちらに向けている男は、前を開けたベストにダメージジーンズと、やや荒っぽい見た目。どうしてこういう場所の荒くれ者は大体上半身を露出させるのだろうか。
「緊張しているな? この大歓声を前にして」
「……はい」
取り繕わないで答える。
するとブライターは、ふっと笑った。
「大丈夫さ、すぐに気にならなくなる。デュエルに真剣に挑めばな」
そう言いながら、ブライターは自らのデッキを取り出す。それに合わせて審判がやってきた。眼鏡をかけたスーツ姿の男だ。
「お互いは相手のデッキをシャッフル」
言われて、俺もデッキをブライターに渡しつつ、ブライターのデッキを受け取ってシャッフルする。デュエルリングのシステムにもオートシャッフル機能はついているようだったが、まずはイカサマのないようにという事だろう。
十分にシャッフルしたところで、お互いにデッキを返す。すると今度は、審判がコインを1枚取り出してトスをした。審判の手の甲に落ちたコインは、即座に隠される。ブライターが尋ねてきた。
「先に決めるといい」
「……なら、表で」
「じゃあ俺は裏だ」
審判が隠されていたコインを明かす。何も書かれていない面が上になっていたが、多分裏だろう。
「じゃあ、俺が先攻だ」
「はい」
随分と古典的な方法で先攻後攻を決めたと思うが、演出的なものだろうか。
とはいえ、いよいよ引くに引けなくなった。緊張感が上乗せされる。
「しかし、お前は普通の人間とは何か違う感じだな」
「え?」
審判がデュエルリングから降りたところで、ブライターが言う。ブライターも人間のはずだが、もしやミューゼシアや天老のようにその違いが分かるのだろうか。
「久しぶりに見る気がするぜ、そのオーラ」
そしてさらに引っ掛かりが増えた。それは、以前どこかで同じオーラを見た事があるというわけだ。つまり、そいつは天老を襲った人物と同じなのではないだろうか。
「あの、それってどういう……」
「おっと。それは後だ、これ以上お客さんを待たせるわけにはいかない」
質問は拒否されてしまった。今はデュエル前だし、あちらもプロだから、客を待たせたくない気持ちは尊重するべきだ。
「もし何か聞きたいんなら、このデュエルに勝って、皆を沸かせる事だな」
「……善処します」
「よーし!」
条件を提示されて、可能な限り前向きな回答を返すと、笑ってブライターは肩をポンと叩き、自らの陣地へと歩いていく。
プレッシャーは今なお消えないが、ブライターに勝って聞きたい事ができた。そのためにも、このデュエルには勝ちたい。そうでなくとも、挑むデュエルには勝ちたいと思えるぐらいには、自分もデュエリストだ。
『さあいよいよ始まるぞ! 未知なるデュエリストはどんな戦いを見せてくれるのか!』
MCが人差し指を天に向けると、観客たちが歓声を上げる。
使用する卓上型のデュエルディスクは、カードを置くゾーンがそれぞれ窪んでおり、デッキ、墓地、エクストラデッキには専用のスロットがある。5D’sで見た、走
デッキを専用のスロットに差し込むと、ライフポイントが表示される。視線を上げると、ブライターと目が合った。
歓声が一瞬収まる。
そこで、お互いに頷く。
「「デュエル!」」
再び歓声が上がった。
バトレアス LP4000
VS
ブライター LP4000
「俺の先攻! 俺は儀式魔法《高尚儀式術》を発動。レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように手札から通常モンスターをリリースし、デッキのモンスターを儀式召喚する!」
「いきなりか……」
「俺は手札のレベル8の《コスモクイーン》をリリース!」
幾何学模様が描かれた薄緑色の結界がフィールドに出現し、奇妙な形の冠を被る女性がその中心に降り立つと、光の柱が天へと伸びた。
デッキからの儀式召喚は、デッキのモンスターを融合素材にするカードがざらにある今日では、さほど驚きはしない。
ただ、レベル8の儀式モンスターとなると厄介な印象のものが多い。代表的なのは《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》。攻撃力4000で2倍貫通、さらに対象耐性・効果破壊耐性持ちと攻守優れたモンスターで、これを倒せるかどうかがデッキを作る指標のひとつともされている。今持っているデッキでそれを倒す手段はなくもないが、だからと言って進んで相手をするのは――
「儀式召喚! 来い、《仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー》!!」
「……え!?」
だがブライターが呼び出したのは、知ってはいても出てくるとは思わなかった、意外なモンスターだ。
胸や胴体、脚に仮面がついており、下肢は恐竜のように股の幅が広く尻尾も生えている。手には禍々しい形の杖を握っていた。
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー
ATK3200 レベル8
『いきなり出たァー! ブライターの得意技、デッキからの儀式召喚! そして呼び出されたマスクド・ヘルレイザーの攻撃力は3200! いきなりチャレンジャー・バトレアスに試練が立ちはだかるゥ!!』
MCが盛り上げるために実況すると、歓声がいっそう強まる。そしてマスクド・ヘルレイザーを呼び出したブライターは得意げだ。
出てきたのはデュエルモンスターズの初期に登場したバニラ儀式モンスター。こんなところで目にするとは思わなかったので、変な声が出てしまった。
ただ、前のデュエルで使われたカードや、このアリーナの事も考えると、そういうカードを使った方が場が盛り上がるのかもしれない。
そして、今の状況ならこちらにも使えるカードがある。驚かされるだけではない。
「相手がデッキからモンスターを特殊召喚した事により、手札の《機巧狐-
「何!?」
驚くブライターを前に、白と金色の装甲を纏う機械仕掛けの狐がフィールドに現れる。尻尾の部分にはブースターのようなものが見えた。
機巧狐-宇迦御魂稲荷
ATK2250 レベル7
「そして、宇迦御魂稲荷の効果発動! このカードが特殊召喚した時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象とし、それと同じ属性を持つ、攻撃力と守備力が同じモンスター1体をデッキから守備表示で特殊召喚する!」
「!」
「対象に選ぶのは当然、マスクド・ヘルレイザー!」
マスクド・ヘルレイザーの脇に「闇」と属性のアイコンが表示される。
このデッキでその条件を満たすモンスターは。
「デッキから闇属性の《機巧蛇-
現れたのは、四本足で地面に立つ、蛇というよりも龍という感じの三つ首のモンスター。こちらは黒と金、白の装甲で全身が覆われている。
機巧蛇-叢雲遠呂智
DEF2450 レベル8
『こ、これはすごい! ブライターの儀式召喚に対応し、即座に上級モンスターを2体も並べたバトレアス! これは展開が予想できないぞォ!』
こちらの展開に、MCも驚きを隠せていない。観客席は大きくどよめいている。自分のプレイングにここまで大きなリアクションをされると、かなりやりにくい気もする。
だが、ブライターのアドバイス通りに、目の前のデュエルに集中する事にした。
「へえ、少しはやるみたいだな。なら俺はモンスターを守備表示でセット。そしてカードを2枚伏せてターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!」
1ターン目で手札を全て使い切ったブライター。リバースモンスターと伏せカード2枚が気になるところだが、プロ相手に日和るようではいずれ負ける。それに、最初にマスクド・ヘルレイザーを出された時点で、どんなデッキか全く予想できなくなっていた。
「永続魔法《魂吸収》を発動。カードが除外される度に、1枚につき500ライフを回復できる」
「ほう?」
「そして叢雲遠呂智の効果を発動。1ターンに1度、エクストラデッキからカード3枚を裏側で除外し、フィールドの表側表示モンスター1体を破壊する!」
ディスプレイを操作すると、エクストラデッキから《電影の騎士ガイアセイバー》が3枚取り出される。それを除外用のスロットに入れた。
「俺はマスクド・ヘルレイザーを破壊!」
叢雲遠呂智の三つ首から紫の雷が放たれ、マスクド・ヘルレイザーを貫き破壊する。衝撃は確かに感じるものの、これまでのデュエルよりも少し弱い感じがした。
「カードが3枚除外された事で、《魂吸収》の効果で1500のライフを回復する!」
バトレアス LP4000→5500
「そして手札から《機巧猪-
白い装甲を纏う猪をフィールドに呼び出す。その大きさは通常の猪と比べると少し大きい。
機巧猪-伊吹岐雹荒神
ATK1850 レベル4
「さらに叢雲遠呂智を攻撃表示に変更」
地に伏せていた叢雲遠呂智が立ち上がり、その巨体がいっそう強調された。
機巧蛇-叢雲遠呂智
DEF2450→ATK2450
『ななんと、マスクド・ヘルレイザーが1ターンと持たずに破壊! しかもバトレアスのフィールドはモンスター3体! これはもしかするともしかするかァ!』
実況が興奮気味に伝える。確かに、このまま3体で攻撃して何もなければ勝ちだが、多分そんな簡単にはいかないと思う。それぐらいには、こちらも経験と勘を養っていた。だからといって、このまま何もしないわけにも行かない。
「バトルだ。まずは伊吹岐雹荒神でリバースモンスターを攻撃!」
白い装甲の猪が口を開けると、猛吹雪を放つ。それに煽られて、裏守備モンスターの姿が明らかになる。何やら恐ろしい一つ目と口が覗く古めかしい壺だったが、それはすぐに氷漬けになって破壊された。
メタモルポット
DEF600 レベル2
「《メタモルポット》のリバース効果発動! お互いに手札がある場合は全て捨て、5枚ドローする!」
「う……」
「俺は手札がないから5枚ドローするだけだがな」
残った手札の《機巧菟-
とはいえ、これでブライターの壁モンスターはいなくなった。
「宇迦御魂稲荷でダイレクトアタック!」
「罠カード《心太砲式》発動! モンスターの攻撃宣言時、対象のフィールドのモンスター1体をデッキに戻す。俺が選ぶのは叢雲遠呂智!」
「うげ……」
「さらに《リビングデッドの呼び声》発動! 墓地より戻れ、マスクド・ヘルレイザー!」
2枚の伏せカードが明らかになった。
フィールドに魔法陣が現れ、先ほどこちらの度肝を抜いたマスクド・ヘルレイザーが出現する。さらに、こちらの叢雲遠呂智は姿を消してしまった。
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー
ATK3200 レベル8
「攻撃は中止。だけど宇迦御魂稲荷の効果で、相手がモンスターを召喚・特殊召喚する度に、300ポイントのダメージを与える!」
「ちっ……」
ブライター LP4000→3700
結局有効なダメージは与えられずにメインフェイズ2に入る。だが、さっきの《メタモルポット》で面白いカードが引けた。これなら相手の意表を突ける。
「カードを1枚伏せて、永続魔法《無千ジャミング》を発動! これでターンエンド」
フィールドにWi-Fiのルーターのような機械が現れる。だが、特におかしな挙動はしなかった。
「俺のターン、ドロー!」
さて、《メタモルポット》で一気に手札が増えたブライター。今度は何をしてくるのか。
「儀式魔法《高等儀式術》を発動! レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるようにデッキから通常モンスターを墓地へ送り、手札の儀式モンスターを儀式召喚する!」
「また儀式召喚を……」
「俺はデッキから、レベル4の《闇魔界の戦士 ダークソード》と《デーモン・ソルジャー》を墓地へ送る!」
再びフィールドに現れる結界。黒い鎧の戦士と、ローブを羽織る悪魔がその中へと吸い込まれていく。使うモンスターのチョイスが懐かしすぎて、こちらも謎の感慨にふけってしまう。
「儀式召喚! 降臨せよ、《ゼラ》!!」
そして出てきたモンスターは、鋭い爪と骸骨のような鎧を纏う巨大な悪魔。またしても、埃を被った子供心を熱くさせる初期のバニラ儀式モンスターだ。
ゼラ
ATK2800 レベル8
初期の儀式モンスターは、今のように効果を持っているモンスターはほとんどなく、また手札に専用の儀式魔法――当時はどんな儀式モンスターにも使える万能儀式魔法などない――と儀式モンスター、そして生贄を用意する必要があるため、今にしてみればあまりにも割に合わない。
ただ、その頃のデュエルモンスターズは、単純に高い攻撃力を持つバニラモンスター同士で戦い合い、魔法と罠でそれをサポートするのが主流だったため、こういった儀式モンスターも積極的に使う人もそれなりにいたと思う。
何より、こういうモンスターはただフィールドに出せるだけでも十分嬉しいのだ。そして今、そんなかつての儀式モンスターを前にして、謎の感動を抱いているのも事実。
『2体の大型儀式モンスターを呼びだすブライター! またしても戦況は分からなくなったァー!』
MCの熱のこもった実況、そして新たな大型モンスターの出現に観客席からは歓声が上がる。
とはいえ、こちらも感慨にふけるのはほどほどに、デュエルに集中する。
「宇迦御魂稲荷の効果! 300のダメージを受けてもらう!」
ブライター LP3700→3400
宇迦御魂稲荷のダメージに若干不快そうな顔をするブライターだが、すぐに好戦的な笑みを浮かべる。
「だが、次はお前のライフも削らせてもらおう。バトル、まずはマスクド・ヘルレイザーで伊吹岐雹荒神を攻撃!」
マスクド・ヘルレイザーの杖が妖しく光り、雷撃を放つ。このままならそこそこのダメージを受けるのだが、その時フィールドに出ていた《無千ジャミング》のランプが点滅し始めた。
「この瞬間、《無千ジャミング》の効果発動! フィールドに攻撃力1000以上のモンスターが存在する場合にモンスターが戦闘を行うダメージ計算時、全てのモンスターの攻撃力・守備力は、それぞれの数値1000ポイントにつき1000ポイントダウンした数値になる!」
「……えっと、つまりどういう事?」
「要するに、全てのモンスターの攻撃力と守備力は下3桁の数値になる」
「……あ!?」
効果テキストの複雑さに首を傾げるのは同じだな、と思いつつ説明すると、ブライターは口を大きく開けて驚いた。
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー
ATK3200 / DEF1800→200 / 800
ゼラ
ATK2800 / DEF2300→800 / 300
機巧猪-伊吹岐雹荒神
ATK1850 / DEF1850→850 / 850
機巧孤-宇迦御魂稲荷
ATK2250 / DEF2250→250 / 250
これでフィールドのモンスターの攻守は、レベルなど関係なく下級モンスター程度になってしまった。
『何という事だァ! ブライターの大型儀式モンスターの攻撃力は大幅ダウン! しかも、攻撃はもはや止められなぁーい!!』
マスクド・ヘルレイザーの杖から放たれた雷撃は、伊吹岐雹荒神が首を振るとあっけなく跳ね返され、自身に直撃して黒焦げに焼け落ちてしまった。
「クソッ……!」
ブライター LP3400→2750
「《ゼラ》で宇迦御魂稲荷を攻撃!」
しかし、最低限戦える攻撃力を残した《ゼラ》が右腕を大きく振り、その鋭い爪で宇迦御魂稲荷を切り裂く。衝撃波が伝わり、あまり活躍させられなかった事を詫びる。
バトレアス LP5500→4950
「カードを3枚伏せてターンエンドだ」
何とか不意を突いて大ダメージは防ぐ事ができた。
だが、この状況もおそらく長くは持たない。何とか勝利を少しでも引き寄せられれば。
そう思いながら指をデッキにかける。
「俺のターン!」
引いたカードを確認する。攻め手を増やしたい今はありがたいモンスターだ。
「《機巧鳥-
翼と尾羽、鶏冠が金色の装甲で覆われた鳥が出現する。フォルムは鶏のようだが、ダチョウよりも大きい。
機巧鳥-常世宇受賣長鳴
ATK950 レベル2
攻撃力950は普通なら心許ないが、《無千ジャミング》適用下でもその影響をギリギリ受けない最高値の攻撃力だ。
「バトルだ」
「その前に、罠カード《亜空間物質転送装置》発動! 《ゼラ》をこのターンのエンドフェイズまで除外する!」
《ゼラ》の足元に虚無の渦が出現し、巨大な悪魔がその中へと吸い込まれる。
「《魂吸収》の効果でライフを500回復!」
バトレアス LP4950→5450
ブライターのフィールドからモンスターが消えた。リバースカードが不穏だが、止めると勝機を逃してしまう。
「伊吹岐雹荒神でダイレクトアタック!」
「カウンター罠《攻撃の無力化》! モンスターの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了する!」
「くっ……」
猪の口が開き吹雪が吹き荒れようとしたが、すぐに収まってしまった。強制的にメインフェイズ2に入り、次の手を考える。
「常世宇受賣長鳴の効果発動。攻撃力と守備力が同じ機械族モンスター1体を自分フィールドからリリースし、それよりレベルが低い、攻撃力と守備力が同じ機械族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。俺はレベル4の伊吹岐雹荒神をリリースし、レベル3の《機巧蛙-
伊吹岐雹荒神と入れ替わるように、灰色の装甲と金の装飾が施された蛙が現れる。ゲコゲコと鳴くが、その鳴き声はスピーカーから聞こえてくるように機械的だ。
機巧蛙-磐盾多爾具久
DEF1450 レベル3
「そして磐盾多爾具久の効果発動! このカードが特殊召喚した時、攻撃力と守備力が同じ機械族モンスター1体をデッキから選んで一番上に置く。俺が選ぶのは叢雲遠呂智!」
自動でデッキがシャッフルされる。これで次のターンにドローできれば、自分の効果で特殊召喚する際にカードを8枚除外し、《魂吸収》と合わせて4000ものライフを回復できる。相手のライフを削るより自分のライフを回復するという消極的な戦法になってしまうが、こればかりは仕方ない。《無千ジャミング》は高攻撃力モンスターの攻撃力を下げられるが、同時に与えるダメージ量は格段に減る。良し悪しがあるカードだ。
「ターンエンドだ」
「このエンドフェイズに、《亜空間物質転送装置》で除外していた《ゼラ》がフィールドに戻る」
今度は空に出現した虚無の渦から《ゼラ》が現れた。地面に足をつけると、目玉がギラリと光る。一度フィールドから除外された事により、《無千ジャミング》の影響は消えていた。
ゼラ
ATK2800 レベル8
『フィールドに戻った大いなる悪魔! しかしこのまま攻撃しても《無千ジャミング》の効果でまた攻撃力が下がってしまう! さあどうする、ブライター!』
MCが端的に説明するも、ブライターは小さく笑うだけだ。
おそらく、まだ何か策がある。