ドレミコードの従者は元人間   作:プロッター

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第48話:大切

 気づいたら、知らないベッドの上だった。身体を預けるマットレス、被せられた布団、頭を載せている枕。そのどれもが形容しがたい、それでいて落ち着く柔らかさだ。いつも使っている布団もさる事ながら、この布団も中々の寝心地である。

 いや、おかしい。

 俺は自分からベッドに入った記憶がない。それに、普段使っているベッドとの違いを感じるのは、今横になっているのが他所様のベッドという事でもある。

 

「……?」

 

 疑問を感じつつ身体を起こす。

 やはり、そこは普段寝泊まりしているドレミ界の屋敷ではなかった。部屋の広さは俺のところと大差ないが、調度品にアンティーク系のものが多く、明かりも少し暗い。窓にはカーテンが掛けられているが、その窓も自分の部屋より大きい。

 そして。

 

「……よかった」

 

 ベッドの傍の椅子に座り、瞳を潤ませているクーリアがいた。

 視線が合うと、クーリアはそんな安心したような声を洩らしながら、俺を優しく抱きしめてきた。

 最初の頃こそ、こうした行為には少しどぎまぎしたり、少なからず緊張していた。けれど今は、クーリアにこうされると非常に安心する。その温もりや鼓動を近くに感じると、緊張が薄まるのだ。

 

「……ここは?」

「迷宮城の客間のひとつ。アリアスたちが用意してくれたわ」

 

 答えを聞いて、記憶が鮮明になる。

 俺は迷宮姫とデュエルをしていた。それで辛くも勝利した後、すぐに倒れた。そこまでは覚えている。

 

「あれから、どれぐらい経ったんですか……?」

「ざっと、5~6時間ってとこだ」

 

 次なる質問に答えたのは、クーリアではない。ドアの傍に立ってこちらの様子を窺っていた斬リ番だ。

 彼女は、クーリアに抱きしめられている俺を見て微笑んでいる。今の俺の状況が非常に微笑ましいから、だけでなく、俺が目覚めた事に安心しているらしい。そして、斬リ番に見られているのに気付いたクーリアは、名残惜しそうに体を離した。

 

「そんなに?」

「まぁ、安静でなきゃおかしいレベルだったしな」

 

 肩を竦めて言う斬リ番だが、確かにあのデュエルで俺が受けた肉体的なダメージは、多分今までで一番かもしれない。だって、文字通り血反吐を吐いた事なんて、前世でもなかったのだから。

 ところで、この場にいるのがクーリアと斬リ番だけとなると。

 

「他の皆さんは……?」

「ドレミコードの皆には、先にドレミ界に戻ってもらったわ。あの状態のあなたを外へ運び出すのも少し危険だったし……それで、部屋を貸してもらったわけ」

「……姫様は」

「あんたが倒れたのと同じタイミングで気を失ったよ。今は自分の部屋で休んでる、大したケガはしてない」

 

 思い返せば、今日は迷宮姫主催でドレミコードの皆が演奏会をするはずだったのだ。それが、あんな苛烈なデュエルに発展し、ホストが倒れたとなればそれどころではなくなる。

 ともあれ、迷宮姫も無事だと言うなら安心だ。息を吐いてそれを実感すると、斬リ番は鼻で笑う。

 

「……とんだお人よしだな」

「え?」

「だって姫サマ、間違いなくあんたを殺すつもりだったぞ?」

 

 言われて思い出すのは、さっきの迷宮姫の剣幕だ。

 

――私の仲間を、傷つけるなァああああああああああああああッ!!!

 

 あの時の叫びと表情は、演技でもなんでもない、心の底からの本音のように聞こえた。

 そして次のターンになれば、斬リ番の言う通り全ての攻撃が俺の命を奪わんとするものだったし、俺に対する言葉や態度は間違いなく仇に向けてのそれだった。ただのデュエルでの言動ではない。

 

「そんな姫サマに、恨み言のひとつもないのか? アタイがあんただったら、無事って聞いて一発や二発ぶん殴ってやりたいところなのに、安心してやがる」

「……まぁ、あの時の姫様は、明らかに正気ではなさそうでしたから」

 

 そう、あのデュエルでの迷宮姫の言動は、普通ではないのが分かっていた。普段彼女と寝食を共にするアリアーヌらが言うのであれば、多分間違いない。

 迷宮姫は、何かに憑りつかれていた。その「何か」の正体も、ある程度は予想がついている。

 そして、あの怒りも何かによって刺激させられたものとするなら、そこまで怒る事もなかった。それがお人よしと言うのであれば、それでいい。

 そこで、部屋の戸がノックされる。斬リ番が代わりに開けると、姿を見せたのはアリアンナだ。

 

「良かった、目が覚めたんだ」

「ええ、何とか」

「ケガは平気?」

「……日常生活に支障が出ない範囲でなら」

 

 ベッドから降りてみる。クーリアが心配そうに介助を申し出るが、それには及ばないほどに身体の調子も悪くなかった。

 さっきのデュエルでは、《白銀の城の召使い(ラビュリンス・サーバンツ)アリアンナ》の直接攻撃が俺の腕や脇腹、足を掠めて出血した。その箇所に触れてみると、包帯か何かを巻かれた感触がし、痛みはほとんどない。激しい運動などでなければ、問題なく身体は動かせそうだ。

 身体が脆いのは人間と同じだとさっきのデュエルで理解したが、回復力・治癒力も人間を凌駕しているのを実感する。

 そして、平気そうな俺を見て、アリアンナがさらに話しかける。

 

「大丈夫そうなら……姫様が話がしたいって」

「待って、アリアンナ」

 

 だが、それに応えたのはクーリアだ。それも、少し強めの言葉で。

 

「今の姫様、本当に大丈夫なの?」

「……うん。姫様も少し元気になって――」

「バトレアスを殺すつもりはないのかって聞いているのよ」

 

 その言葉には、確実に怒りが籠められているのが分かった。

 疑う気持ちも分からなくはない。斬リ番が言った通り、あのデュエルで迷宮姫は俺を殺すつもりでいた。しかしデュエル終盤、迷宮姫は憑き物が落ちたかのように泣いていた。それに、アリアンナも迷宮姫の変化には気づいていたし、心配もしていた。そんな彼女が大丈夫というのなら、本当に大丈夫なのだろう。

 けれどクーリアからすれば話が別。多分クーリアは、迷宮姫の無事よりも俺の命の方を心配している。クーリアにとっての俺は()()()()()だから。

 

「……姫様は、あなたたちに謝りたいって言ってる」

「……」

 

 気まずそうに、アリアンナが告げる。クーリアがそう言ってくるのも当然だと、理解しているようだ。

 そして今、アリアンナに当たり散らしたところで何も解決なんてしない。俺はアリアンナと迷宮姫をまずは信じようと、クーリアに目で訴えた。

 

「……もしもまた、バトレアスを傷つけるような素振りを見せたら、今度は容赦しないわよ」

 

 忠告するクーリア。今まで、これほどまでに神経を尖らせ、怒りなどの感情を露にした姿は、見た事がない。つまり今回の事は、それだけクーリアにとっても水に流しにくい事態というわけだ。

 だが、それでもアリアンナは無言で頷く。

 それを信じて、俺はクーリア、斬リ番と共に迷宮姫の居室へと向かった。

 

◆ ◇ ◇

 

 迷宮姫の私室は、さっき俺が寝ていた部屋の2~3倍はくだらない広さを誇る。家具はどれも高級感を漂わせる装飾と年季の入りようで、床一面はペルシャ絨毯みたく緻密な模様が縫い込まれた絨毯が敷かれ、歩く場所にも気を遣うほどだ。本棚に並ぶ本は、どれも一般家庭でおよそ目にしないようなカバーのモノばかり、この部屋の主がどれほどの存在かを嫌でも痛感させてくる。

 そしてその主は、壁際の天蓋付きベッドで横になっているところだった。

 

「……」

 

 その主、迷宮姫は俺とクーリアを見ると、目で座るように告げてくる。

 先ほどのデュエルで見せたような、俺に対する敵意や殺意は鳴りを潜め、あるのはしおらしい姿のみ。ついさっきまで、俺の命を奪うつもりでいたとはとても思えない変わりようだ。

 用意された椅子に、俺とクーリアは慎重に座る。信用していないわけではないが、さっきの事もあるし、何よりここはトラップだらけの城だ。けれど、椅子自体は何の変哲もない、むしろ座り心地で高級なのが分かるものだった。

 

「……さっきは、本当にごめんなさい」

 

 上体を起こした迷宮姫は、そう告げて頭を下げる。着ていたのは、さっきのドレスとは違う白いレースのネグリジェだ。

 

「と言っても……謝って許される事じゃないわよね」

「……姫様も、切羽詰まっておられたようでしたから」

 

 さっき斬リ番に言ったように、俺はひとまず迷宮姫の無事を確認できて安心している。そしてさっきのデュエル中も、明らかに正気でないのは分かっていた。強引(だと思う)にデュエルを挑まれた挙句重傷を負わされた身として、何も思わないでもない。けれど、今の深く反省した様子の迷宮姫を見ると責める気も起きなかった。

 

「何であんなにバトレアスに怒っていたの?」

 

 クーリアが聞く。俺としてもそれは一番気になった。

 単に、自分の仲間と同じ姿のモンスターを俺が破壊したのが嫌だった、という理由にしたって過剰な気がする。

 

「……ちょっと長い話になるのだけれど、いいかしら」

「大丈夫です」

 

 迷宮姫の前置きに頷く。こちらには時間などあってないようなものだ。クーリアも同意見のようで、首を縦に振っている。

 それを見て、迷宮姫は水差しからコップに水を注いで一口飲み、話してくれた。

 

* * *

 

 自我を持った時から、この広々とした城にいた。

 窓の外は暗いけど、他に誰もいないけど、城の中は明るくて、沢山の芸術品が家族のように見えたから、最初は寂しくなかった。この広い空間を独り占めできる事が、あの時は嬉しかった。

 

 だけど、そんな前向きな気持ちは、次第に褪せていった。

 確かにこの城は広いし、何でもある。目を楽しませる高級な美術品は勿論、心を豊かにする書籍はそ山のようにあるし、食材は湯水のごとく無限に現れるから、生きる事に困りはしない。

 だけど、城の敷地から外へ出ようとすると、立っていられないぐらいの痛みが全身を襲い、敷地へ戻らなければならなくなる。

 だから、この城の外に出られない。

 そして、城の中には自分以外の人は愚か、動物も、アリの一匹さえ、生き物がいない。

 

 私は、ひとりぼっちだ。

 この、広い広い城の中で。

 

 それを認識した瞬間に、身体を押しつぶすような孤独感に襲われた。

 

「助けて……」

 

 広々とした城のエントランス、そこに敷かれる金の刺繍が施された紅の絨毯。恥も外聞もかなぐり捨てて、頭を抱えて蹲る。泣き言を洩らす。

 だけど、答えるものは何もない。家族みたいに見えた絵画が、私を嘲笑っているかのように錯覚する。高価そうな壺に刻まれた鳥や花が、私が孤独である事を強く思い知らせてくる。物言わぬ甲冑は、一人で生きる事を強いてくるかのようだ。

 全てが、私を追い詰めてきた。

 

「助けて……!」

 

 涙を堪える事もできない。寂しくて泣いてしまうなんて、まるで子供だ。

 だけど、それでもいい。こんな城で、ひとりぼっちなんて耐えられない。

 寂しくて、つらくて、悲しくて。

 死んでしまいそうだ。

 

「誰でもいいから、でてきて!」

 

 そう叫んだ直後。

 城の無駄に大きな玄関扉が、爆発を起こした。

 

「っ!?」

 

 思わず尻もちをついてしまう。逃げ出そうと思ったが、あまりにも突然な事で、腰が抜けた。

 煙の中から誰かが姿を現すのが見える。

 この日この時まで、この城にやってくる人はおろか、近づく人さえいなかったのに。誰かが城の扉を壊して、挨拶もなしに入り込んできた。

 

「……え」

 

 だけど、無礼だとか恐怖だとか、そんな感情はこれっぽちも浮かんでこなかった。

 だって私にとっては、ずっと待ち望んでいた「他人」だったから。

 

『……呪われた城に宝があると聞いて来てみれば』

 

 露わになったのは、銀の鎧を身に纏う騎士。兜で顔は見えないが、声からして女性だ。それも甘ったるい感じではなく、勇ましさと意志の強さを感じさせる声。

 

『出迎えが泣き虫なお嬢様とはね』

「な……っ」

『流石は呪いの城。出だしからして他とは違う』

 

 何となく、バカにされているような感じがした。

 だけど、こんな風に他人に対して怒ったり、恥を感じたりするのは初めてな気がする。

 そして、呪われた城とはどういう意味だろう。外部と一切繋がりを持てないから、外からこの城がどう見られているのかも知らない。だが、本当に呪われているとすれば、私がこの城の外に出られないのも、誰も城に近寄らないのも頷けてしまった。

 

『とはいえ、こちらにも目的がある。少々心苦しいが、致し方ない』

 

 そしてその女騎士は、城の中を見回しながら、剣を鞘から抜いて私に向けてくる。

 殺される、と言うのは直感で分かった。

 だけど、自分でも驚くほど、抵抗する気が起きない。

 この城で、ずっと孤独な寂しさのあまり、死んでしまいそうな気持ちだった。なのに、今こうして、生まれて初めて「他人」に会えた事で、未練ともいえるものがなくなってしまったからだ。

 

『然らば』

 

 そう告げて、騎士は私の首に剣を振り下ろそうとした。

 私は目を閉じて、その瞬間への覚悟を決める。

 だけど、私の意識はいつまで経っても途切れず、代わりに聞こえてきたのは金属が何かに弾かれる音だった。

 

『……まぁ、そう簡単にはいかないか』

 

 顔を上げてみると、騎士は私と少し距離を離していた。

 私の周りには、女のシルエットを持つ石像がいつの間にか何体も居座っている。もちろん私が呼んだわけではないし、騎士が召喚した感じでもないらしい。

 そして、そんな石像たちは、命じたわけでもないのに私を守るような体勢でいる。

 

『主の危機に反応して瞬時に生まれるゴーレムか。そうこなくては』

「え、そうなの?」

『え、違うのか?』

 

 突然の事態に騎士が勝手に予想しているが、私もそんなのは初耳だ。元々私の命の危機なんてなかったから(孤独なあまり死んでしまいそうになったのはノーカンか)、そんなシステムがあったなんて知らなかった。

 だから騎士の言葉に思わず聞き返すが、城の主の私が把握していない事がおかしいのか、騎士まで小首を傾げた。

 その事が、可笑しくて。

 

「……ふふ」

 

 多分、自然に笑えたと思う。最後に笑ったのは、寂しさのあまり気が触れた時だったか。

 

 だけど騎士は、この城の宝とやらを目的としているようで、まずは石像の相手をし始めた。

 石像は私を守るように腕を振ったり石の礫を放って戦っているが、戦闘力は騎士の方が上らしい。手傷を全く負わせられない。

 だが、それでも戦っている内に石像も騎士の動きを読めるようになったようで、どうにか対応し始める。

 やがて2体の石像がやられ、1体の石像が騎士の相手をしているところで。

 

「!? しまっ――」

 

 別の1体の石像が、騎士の意識外から攻撃を仕掛けた。

 騎士の得物を真似たのか、石の剣を突き出す石像。さらに、騎士の正面にいる石像も三叉を一瞬で作り出し、挟むように騎士に襲い掛かる。

 多分、騎士が負けると思った。

 けれど。

 

「待って!」

 

 私は、そう声を張り上げた。

 その声に、石像は武器を構えたまま動きを止めた。

 そして騎士は、その隙に石像に攻撃を加えたりはせず、こちらを見る。

 

『なぜ私を助ける真似を?』

「……分かんない」

 

 剣を構えたまま騎士が問いかける。

 だけど私にも、その答えはすぐに出せなかった。何が嫌で戦いをやめさせたのか、その時は本当に分からなかったのだ。

 けれど後になって、この騎士が死んでしまうのが嫌だったからである事には気づく。

 孤独だった私にとって、初めて言葉を交わした「他人」だったから。

 

『……今日のところは、おとなしく引く事にしよう』

 

 私が命を助けたのを見て、戦う気力を削がれたのかもしれない。そんな騎士は、剣を鞘に納めて兜を脱いだ。石像はまだ動かない。

 兜の下にあった素顔は、金のベリーショートヘアと、空のような水色の瞳が美しい、端正なものだった。

 

「でも次来る時は、手加減しないよ」

 

 そう言って、騎士は私に笑顔を向けると、自分で壊した扉から帰っていった。

 その扉から風が吹き込み、涼しい空気に触れる。

 だけど今、私の心はそんな風のように、穏やかな気分だ。

 

 後に残ったのは、私と、さっきの戦闘で壊された城の調度品や美術品、石像。

 そして、さっきの私の命令で動きを止めたままの石像が2体。

 

「……ねぇ」

 

 私は、そんな石像2体に話しかける。

 言葉を発しはしないが、首がこちらを向いた。今までいやというほど見てきた絵画や美術品と同じような感じがするが、怖さは感じない。さっきの騎士とのコミュニケーションのおかげか、それとも私の言葉に応えてくれたからか。

 

「……あなたたち、言葉は話せるの?」

 

 自分でもバカみたいなことを聞いたと思う。だって相手は石だ。喋れるはずはない。

 そう思ったのに。

 

『……それなりには』

 

 くぐもった女性の声で石像が話した。口は動いていないが、頭に響くような声。

 その声を聞いて、私は笑う。

 声が聞こえる感覚が不思議なのに加えて、城の中で初めて話し相手ができたのが嬉しかったから。

 

* * *

 

「騎士様が来たおかげで、今まで知れなかった城の事を知って、初めて城の中で仲間ができた」

「……それが」

「ええ」

 

 迷宮姫が視線を送ったのは、ドアの傍で待機していたアリアーヌとアリアンナ。

 騎士が襲撃してきた際に生き残った石像の2体が、後の2人という事か。

 

「そして私は、城の中に限り様々な力を使える事を理解した。それを持って、2人の姿を変えて、心を与えて、騎士様を『もてなせる』ように城の中を変えたの」

 

 なるほど、迷宮姫は城の外に出る事こそできないが、城の中であれば全能のようだ。超限定的な能力だが、それだけでも俺からすれば十分すごい事に思える。

 最初からその力で友達や召使いを作り出す事もできるんじゃないかとは思ったが、無から有を生み出すのは難しいのだろう。だから、偶発的に現れた石像を変えたり、俺が《斬リ番》を始め罠モンスターのデータを提供したりする事でしか、迷宮姫は仲間を作れないのだ。

 

「それから何度も騎士様はここへ来て、その度に私たちは戦って……やられちゃう事の方が多いけど。城の罠を改良し、仲間を増やして……今があるの」

 

 締めくくると、いつの間にか傍にやってきたアリアーヌとアリアンナ、そして傍に控えるアリアスが微笑む。3人それぞれ目元に傷みたいなものが入っているが、それは石像だった時に刻まれた皹か。

 

「……そして昨日の夜。昔の夢を見てしまったの。寂しくて寂しくて、怖くて、死んでしまいそうなほど孤独だった時の事をね」

 

 迷宮姫の表情が曇る。

 今が楽しい事に嘘はないのだろうが、その昔の事も忘れられたわけではないらしい。

 

「それで今日、貴方がここへ来て、斬リ番と仲良さそうにしていた時」

 

 視線が俺に向けられた。あの時のように敵意を露わにしたものではなく、向けられているのは悲しい表情だ。

 

「新しく仲間になってくれた斬リ番が、ここを離れてしまうんじゃと思って……寂しくなった。怖くなった」

「……だから、バトレアスを憎んだと」

「……みっともない話よね」

 

 つまりは、俺が斬リ番をこの城から連れ出そうとしているのでは、と勘繰ったわけだ。クーリアの言葉に迷宮姫は自嘲するように笑う。

 迷宮姫が勘違いしたような真似をするつもりは無論ない。何せ斬リ番は、この城での暮らしを大いに楽しんでいるようだし、迷宮姫も彼女を大切な仲間と思っている事は聞いてわかった。そんな斬リ番を、わざわざ連れて行くような真似はしない。

 

「そして、あのデュエル」

 

 迷宮姫が徐に、枕元に置かれていたデッキを手に取ると、1枚のカードを俺に向けてくる。

 そのカードは、《迷宮城の白銀姫(レディ・オブ・ザ・ラビュリンス)》。あのデュエルで見せた姿は俺が全く知らないものだったが、それは前世でも見覚えがあるイラストだ。白いドレスに銀の鎧を組み合わせ、2本の剣を得意げに握る迷宮姫の姿がそこにある。

 

「あなたが、私の仲間の写し身であるモンスターを葬った事に、どうしようもなく腹が立ってしまったの。デュエルではそんな事、当たり前のように起こるというのに」

「……」

「それも、貴方を殺してやりたいと強く思うほどに」

 

 今の迷宮姫の言葉は、俺自身にもよく分かった。

 転生してすぐの頃、俺は「ドレミコード」のモンスターが破壊される事に胸を痛め、真剣に思いつめてしまう事もあった。今はそれも多少改善しているが、だからこそ迷宮姫の言い分も理解できる。

 

「……誤解しないように言っておくけれど、私にはもうそんなつもりはないわ。むしろ、私の気の迷いで悪い事をしたと思っている」

 

 白銀姫のカードを返すと、迷宮姫は苦笑してそう告げた。見れば、俺の隣に座るクーリアの表情が険しい。やはりさっきのデュエルで、俺に対し殺意を抱いていたのは気のせいではなかった。それを知って、クーリアも多少の怒りは感じているようだ。

 

「本当に、ごめんなさい」

 

 頭を下げる迷宮姫。

 流石に姫君にこれだけの事をされると、もう責める気も起きやしない。むしろ申し訳なささえ感じる。

 クーリアも、少しだけ息を吐いて、気持ちを切り替えたらしい。

 

「お気になさらず。姫様がお元気になって何よりです」

 

 俺が代表してそう告げると、迷宮姫は感謝するように俺に対してゆっくりと瞬きを見せた。

 それを見てクーリアは、頷いてから徐に自分のドレスの懐に手をいれると。

 

「……デュエルの後、バトレアスをあの部屋まで運んだ時なのだけれど」

 

 言いながら、クーリアはポケットから何かを取り出す。それは1枚のカードだった。

 

「スーツの胸ポケットに、こんなカードが入っていたのよ」

「え……?」

 

 クーリアが表を見せたが、そこには何も描かれていない白紙。しかし、オレンジ色の淡い輝きを放っている。

 それを見て思い出すのは、冥界で見たあの屍迷人。デュエルの後で、同じ白紙だが、白い輝きを放つカードが俺の手元に舞い降りた。

 

「バトレアスは……何も心当たりはない?」

「はい、全く」

 

 ここへ来る前、俺の胸ポケットには何も入っていなかったのを確認している。迷宮姫とのデュエルの後で入ったものとみて間違いないだろう。

 

「姫様はどうかしら?」

 

 続いて、そのカードを迷宮姫に見せるクーリア。オレンジの輝きを放つそれを見て、迷宮姫は小さく息を吐いた。

 

「……夜明け前ね。そのカードがそこのバルコニーに落ちているのを見かけたの」

「……そして、それを拾ったと」

「ええ。ただその後は、何か頭の中に霧が立ち込めたようになって……」

 

 そこまで言って、迷宮姫は自分の身体を抱くと。

 

「今は自分でも不思議に思うぐらい、自然にデッキに入れていた」

 

 クーリアと視線を合わせる。

 屍迷人と違い、迷宮姫はちゃんとした身体と心を持つ人だ。だから結論をここでつけるのは難しいが、話しておきたい事があった。

 

「実は自分たちも、同じようなカードをデュエルで以前使われた事がありました」

「その時の状況と、姫様のあのデュエルでの豹変ぶり、そしてこのカードの存在を考えると……姫様の不調は、このカードが原因ではないかと私たちは考えてるの」

 

 先んじてクーリアが俺が同じ考えを持っていると言う前提で告げたが、俺も同意見だった。相手の状況も、影響力の表れ方も違うが、それでもこのカードが使用された直後の感覚は似通っている。無関係とは思えない。

 その上で。

 

「バトレアスが言ったデュエルで使われたカードは、念の為回収したわ。だから姫様……あなたたちに危険が及ばないよう、私たちがこのカードを引き取っても構わないのだけれど……」

 

 俺も頷く。

 このカードが何なのかは分からないが、使用するのは極めて危険な代物なのはもう理解できる。その上、迷宮姫の話が本当なら、持っているだけでも危ないだろう。

 それなら、既に同じカードを持っているこちらで管理した方が、余計なトラブルを余所で起こす事もない。

 

「……皆さんが傷つくのも、嫌ですから」

 

 俺自身の考えも付け足す。

 あのデュエルで怒り狂っていた迷宮姫や、それをどうにか収めようとするアリアーヌたちを思い出すと、胸が痛くなる。そんな事は起きて欲しくなかった。

 

「……そうね。そうしてもらえると、私としては気が楽になるわ」

 

 力なく笑う迷宮姫。

 クーリアは頷き、そのカードをポケットにしまった。

 

「これは貸しにしておくわよ? バトレアスを傷つけたのと合わせてね」

「ええ、よく覚えておくわ」

 

 クーリアの戯れと本音が混じるような冗談に、迷宮姫は笑う。少しだけ調子を取り戻せたようだ。

 

◇ ◆ ◇

 

 迷宮姫はまだ本調子ではなさそうだったので、俺とクーリアは早めに御暇する事にした。アリアス、そして斬リ番と共に正面玄関へ向かうが、城の中の明かりは来た時と比べて落ち着いているように見える。

 玄関に着くと、アリアスがそれなりに厚めの封筒をクーリアに渡してきた。今日のそもそもの目的は演奏会だったが、俺と迷宮姫のいざこざの結果台無しになってしまったため、普通なら謝礼は発生しない。けれど、こちらに迷惑をかけた自覚はあるから、謝礼のような形で渡したのだろう。クーリアもそれを拒みはせず、受け取って背を向ける。

 

「クーリア様」

 

 その間際、アリアスが話しかけてきた。クーリアが振り返ると、アリアスは頭を下げる。

 

「此度は、皆様に多大なご迷惑をおかけしました。謝罪いたします」

「大丈夫よ、もう気にしなくて平気」

 

 クーリアは微笑む。俺の事でまだ色々思うところはあるだろうに、それを面に出さないのは流石だ。

 

「……これは私のエゴですが」

「?」

「今後とも、姫様と仲良くしていただきたい」

 

 頭を上げるアリアスは、穏やかな笑みだった。

 

「先ほど姫様がお話ししたように、あの方はずっと孤独でした。だからこそ、人と接する時間を大切にしている」

 

 この城は呪われている。普通の人間は踏み入れられず、不届き者は即座にトラップの餌食にされる。そして迷宮姫自身は外に出られない。

 そんな孤独から救ってくれたからこそ、騎士には感謝交じりの友情も抱いているのだろう。ドレミコードの演奏会も、ただ金と時間を持て余しているからでなく、純粋にドレミコードの皆と話をするのを楽しみにしているから開いているわけだ。

 

「自分勝手なお願いなのは重々承知の上ですが、姫様の良き友人でいてください」

 

 もう一度、頭を下げるアリアス。今日の件で、迷宮姫とクーリアの仲がこじれ、壊れてしてしまうと予想していたらしい。その可能性は俺も頭をよぎっていたが……

 

「……勿論」

 

 クーリアはそれを受けて、アリアスの肩に手を置くと。

 

「私にとっても、姫様は大切な友人だもの」

 

 ドレミコードの仲間がいて、クルヌギアスという微妙な立場の存在もいるとはいえ、ドレミ界は存在が秘匿扱いだ。【アロマ】のような特例もあるが、外部とのかかわりを持つ事はほとんどない。だからこそ、そんなドレミコードのクーリアにとっても、迷宮姫は数少ない友人なのだろう。

 クーリアは、アリアスの頼みに笑って頷いていた。

 そして、斬リ番が俺に歩み寄る。

 

「今日はまぁ難しかったが、あんたとはまた改めて話がしたい」

「……そうですね」

「次会えるのを、楽しみにしてる」

 

 斬リ番が右手を差し出したので、俺も握手を返す。

 そして握手を解き、俺とクーリアは城を後にした。

 

「クーリア様」

 

 アリアスと斬リ番が扉を閉めたのを見計らい、クーリアに話しかける。城の外へ出るために足は止めず。

 

「さっきの姫様の話がすべて事実だとしたら、あのカードはただ持っているだけでも十分危険です」

「ええ、そうね」

 

 背後に聳える城の塔を見上げる。最も目立つハートマークのシンボルは、ここへ来た時はオレンジ色に輝いていたのだが、今では白い輝きを放っている。それは前と同じものだ。

 城の外観が違ったのは、あのカードのせいだろう。そしてそれが原因で迷宮姫が変わってしまったというのであれば、俺としても気になる事がある。

 

「……クーリア様は、特にお変わりなどありませんか? 似たようなカードを持った事で」

 

 冥界のデュエルで受け取った白紙のカード。最初に手にしたそれは、ドレミコードの力がまだ半端な俺が保管するには荷が重いと考え、グランドレミコードの力を宿すクーリアに預けている。桐の箱に保管されたはずだが、それを持っているクーリアはどうなのだろうか。

 

「私は大丈夫。特に体調に変化はない、と自覚はしているわ。それに、あのカードは箱に入れてカードを保管する部屋に置いてある。このカードもそうするつもりよ」

 

 四六時中手元においているわけではないのは安心だが、クーリアが迷宮姫のように変貌したら……考えるだけでゾッとする。

 

「やはりそのカードは、俺が預かるべきかと」

「このカードの影響力を考えると、止めたほうがいいと思うわ。言い方が悪くなってしまうけれど、あなたはまだ私より力が弱いから」

 

 提案するが、断られた。

 俺にドレミコードの力を与えたクーリア自身の言葉だから、反論の余地もない。

 

「……もしも、何か気になる事があったりしたら、仰ってください。俺があなたに預けようと決めたものですから」

「ありがとう」

 

 だからそれしか言えなかったが、クーリアは俺に笑いかける。

 そして。

 

「でも」

 

 クーリアが手を握ってきた。それも強く。痛みを与える事を目的としない、不安な気持ちを紛らわせるように。

 

「あなたが無事で……本当によかった」

 

 心の底からの言葉に、心配をかけさせてしまった事を悔やみ、俺は頭を下げる。

 そこでちょうど、城の門の前にやってきたので、クーリアはタクトを取り出しゲートを開く。繫いでいた手を離し、ゲートをくぐる。

 

「あっ、バトレアス! 大丈夫なの!?」

「体調はどうかしら?」

「ご心配をおかけして申し訳ございません。大丈夫です」

 

 そしてドレミ界に戻ると、ドリーミアとビューティアが心配そうに俺たちを出迎えてくれた。

 この2人、特にドリーミアにはさっき見苦しいものを見せてしまった。それに対する申し訳なさは強く、どうにか元気であることをアピールする。

 そしてこの日は、クーリアをはじめとした全員の意向で、俺は大事をとって従者としての仕事を休んでよいという事になった。

 そうした気遣いを受けると、迷宮姫もさることながら、俺も優しい仲間に恵まれたと強く実感する。

 

◇ ◇ ◆

 

 数日後、屋敷の郵便受けを覗いてみると、一封の封筒が投函されていた。見れば、封蝋にはラビュリンスの証である牛の角ともハートマークとも取れる印が入っている。

 俺はその手紙の封を切る事なく、まずはクーリアの部屋へ向かう。彼女は、「浄化」や用事があっても、だいたいこの時間まで自分の部屋にいる。多分だが、俺が郵便受けを確認するのを待ってくれているのだろう。

 

「クーリア様。ラビュリンスの皆様からお手紙が届きました」

「分かったわ。すぐ確認する」

 

 宛先が明確に誰と書いていない事に加えて、以前アリアスが迷宮姫の写真集を俺に送り付けたのもある。今回は普通の便箋らしいが、クーリアに先に手紙を開けてもらい、妙なものが入っていないかを確認した方がいい。

 クーリアが先んじて手紙を読むと、まだ読み終わっていないにもかかわらず俺の方を見た。

 

「一緒に読む?」

「よろしいんですか?」

「大丈夫。妙な事は書かれていないわ」

 

 クーリアがベッドに腰かけて、その隣のスペースをポンポンと軽く手で叩く。俺は迷ったが、結局「失礼します」と言ってその隣に座る事にした。

 そして並んで手紙を読むのだが、読みやすいようにクーリアは俺との距離を詰め、肩もくっつけてきて、おまけに何だか甘い香りまで漂ってくる。狙ってやっているんだろうと思いつつも、手紙に意識を向ける事にした。

 

『ドレミコードの皆さまへ

 先日は多大なご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。

 あれから姫様の体調も大分よくなり、今ではすっかり元の調子を取り戻しております』

 

 書き方からして、きっとアリアスが書いたものだろう。

 それより、迷宮姫が元気になったというのであれば一安心だ。

 

『あれから城の者同士で話をしましたが、姫様に対する我々の気持ちは変わらず、お互いがお互いを大切にしているという事で落ち着いております。

 斬リ番様も、姫様には恩義と共に仲間である旨の気持ちを伝えており、以降姫様との仲も極めて良好でございます』

 

 あの一件で、ラビュリンス陣営の関係に皹でも入らないかと内心不安だったが、その心配はなかったらしい。

 

『また、あの翌日に騎士様がいらした際、姫様が勇気を振り絞ってお茶会に誘われました』

 

 そして意外な事も起きていた。クーリアもこれは予想外だったようで、俺と顔を見合わせて「本当に?」と面食らっている。

 

『いつものように城の罠に挑もうと訪れた騎士様でしたが、姫様のお誘いには大層驚き、また疑っておりました。

 しかしながら、姫様の態度が普段と違った事で何かを感じ取ったらしく、騎士様も応えて下さりました」

 

 迷宮姫からしてみれば、騎士はあの世界で初めて出会った他人。それでいて、定期的に迷宮姫に会いに来てくれる(城の設備を壊してしまうが)人。友人と言うにはいささか過激だし、多分ライバルと評した方がいいだろう。

 だから迷宮姫は、そのつながりの大切さを再認識して、騎士をお茶に誘ったのだ。

 

『最初困惑されていた騎士様ですが、茶会の中で笑顔を見せて下さり、普段はできないようなお話も姫様と交わされました。

 そして、また次は正々堂々と戦うと宣言し、おかえりになりました』

 

 読んでいて、自然と笑顔がこぼれる。

 

『その際のお写真も同封いたしますので、よろしければどうぞご覧ください』

 

 そこまで読んだところで、さっきクーリアが開けた封筒を手に取る。

 その中には、手紙に書いてあった通り数枚の写真が入っていた。庭と思しき場所で、お茶とお菓子が並べられたテーブルで向かい合う迷宮姫と騎士が写っている。さらに、傍で給仕をしていたアリアーヌ、アリアンナとも話をしているらしい写真。そして、どういうわけかメイド服を着た斬リ番(顔が真っ赤なのは言うまでもない)とアリアーヌが指でハートマークを作って、騎士が笑っている写真もある。

 

『ドレミ界の皆さまも、また後日お茶会に招きたいと姫様は仰っております。

 その際にはどうぞいらしてください。

  アリアス』

 

 手紙を読み終えたのは同時らしく、俺とクーリアは頷き合う。

 

「……姫様、元気そうでよかったです」

「そうね。騎士様も、意外と気さくな方なのかしら」

 

 迷宮姫の話で、騎士が女性だったと初めて知った。だが、写真に写っている姿からして、「騎士」と言う見た目の割に随分とフランクな印象がある。

 

「……どうされます? 次あちらに行く時は、お土産のひとつでもお持ちしますか?」

「そうね。演奏会もそうだけど、食事会は大分にぎやかになりそうだわ」

 

 そう告げるクーリアも、楽しそうな笑顔を浮かべていた。

 


 

《使用許可は大事》

 

アリアーヌ「楽しかったねー、騎士様とのお茶会」

アリアンナ「うん。すごくいい人だった」

斬リ番「冗談じゃねぇよ。なんでアタイまであんなフリフリを……」

アリアーヌ「いや、そりゃ優雅なお茶会にセーラー服はNGでしょ」

アリアンナ「客人をジャージで出迎えるのと同じぐらい失礼……」

斬リ番「あー、はいはい。わーったよ、ったく……。っていうか、あの時アリアスに写真撮られたと思うけど、流石に騎士サマに渡しちゃいないよな……?」

アリアーヌ「それはないと思うよ。アリアスさんが渡そうとしたけど、騎士様断ってたし」

斬リ番「渡そうとはしたのかよ!?」

アリアンナ「あ、でも。ドレミ界の皆に事の次第を報告するからって、写真を手紙と一緒に送ってたような」

アリアーヌ「え? じゃあ私とハートマークを作ったメイド斬リ番さんの写真も、ドレミコードの皆やバトレアスさんに見られちゃったり?」

 

 

斬リ番「アリアスはどこだ!? あのバカはどこへ行きやがった!!」

迷宮姫「騎士様に振る舞うスシの腕を磨くってEDO-FRONTへ行ったわよ?」

 

(続かない)

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