ドレミコードの従者は元人間   作:プロッター

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バレンタインと何の関係もない話ですみませんが、よろしくお願いいたします。

今回はデュエル無し回です


第1章
第5話:竜族の館


 目覚まし時計が鳴ったわけでも、物音がしたわけでもない。けれど、目が覚めた。

 社会人として早起きをする習慣があったため、いつも起きる時間に自然に目覚めるようになってしまっている。おかげで、休日も長めに睡眠を摂る事なんかできないが、今はそれがありがたい。

 目覚めたそこは、今まで住んでいた1Kとは違う。それよりも広く、物もそれなりに整っている。窓にかかるカーテンを開けてみたら、黄色い大地と薄いピンク色の空が広がっていて、遠くの空には岩の島が浮かんでいる。未だ現実味の湧かない光景だ。

 しかし、やはり夢ではないらしい。ここはドレミ界だった。

 

「さて……」

 

 こうなった以上はもう現実を受け入れる。

 そしてこのまま二度寝、なんてつもりはない。昨日もクーリアから「明日からよろしく」と言われているのだ。与えられた役目はこなさなければ。

 寝る前に用意してもらったスーツに着替えて、鏡の前で身だしなみを確認してから部屋を出る。服装の自己チェックはは社会人生活で身についたものだ。

 とはいえ、部屋を出たはいいが、何をすべきかは分からない。誰か起きていたら、その人に聞いてみるべきだろうか。そう思いながら廊下を歩いていると、何か小さなものが飛んできた。

 

「エンジェリア……の妖精体?」

 

 長い銀髪に袖の長いオレンジの服、ラッパを持っている頭身の低いそれは、《ラドレミコード・エンジェリア》のイラストに描かれていた妖精体だ。

 妖精体は近くまでやってくると、ぺこりと頭を下げる。挨拶のつもりだろうか、こちらも会釈を返す。すると、廊下の向こうを指さして、こちらを見ながらそちらへふわふわ飛んでいく。ついてきてほしい、ということだろうか。もしかしたら、エンジェリアが手伝いを望んでいるのかもしれない。

 早速妖精体の後を追う。昨日寝る前に散歩をしていたおかげで、部屋の位置関係などは粗方頭に入っていた。

 そして、妖精体がこことばかりに指をさすのは厨房だ。もう既に朝食の準備を始めているという事か。なら、まずは手伝いが遅れた事を謝らねばならない。そう思いつつ扉を開けると。

 

「すみません、遅くなり――」

「美味しくな~れ。萌え萌えキュ――」

 

 目に入ったのは、皿に盛られたオムライスに向けて魔法の言葉と手で作ったハートマークを贈ろうとしていた、エプロン姿のグレーシア。

 お互いに視線がかち合い、そして硬直する。なんでグレーシアがそんな真似をしているのか、という疑問が浮かぶが、着替えをうっかり目撃してしまうのと同じぐらい気まずい。それに、グレーシアにとっても見られたくはなかったのがひしひしと伝わってくる。

 

「おっはよー、お兄さん。昨日はよく眠れた?」

「……おはようございます、エンジェリアさん。どうにか眠れました」

 

 そして、グレーシアのすぐそばにいた、同じくエプロンを着けたエンジェリアは、やけに愉しそうな笑顔で朝の挨拶をしてくれる。しかも、その近くに浮かぶ妖精体はくすくす笑っているし、エンジェリアは満足そうな顔で妖精体の頭を撫でている。この状況を仕組んだのは彼女だな、と何となく察した。

 

「あなた」

 

 強めの声が聞こえたと思ったら、眼前にグレーシアが立っていた。紫の二つの瞳に、射すくめられたかのように動けなくなる。

 

「今、あなたは何か見ましたか?」

「いいえ、何も」

 

 ここで素直にさっきの光景を答えたら、命はないと本能が警告している。首を小刻みに横に振って全力で否定すると、グレーシアは納得したのか小さく息を吐いて。

 

「なら、構いません。朝食の準備を手伝ってください」

「あ、はい」

 

 何事もなかったかのように手伝いを要求されたので、こちらも意識を切り替える。エンジェリアが「つまんないの~」と言っていたのは、何についてか聞かないでおく。

 準備と言っても、お茶を淹れるためのお湯を沸かしたり、サラダを盛りつけたりと、作業自体は簡単だ。しかし、何せ8人+1人分なのでそれなりに量は多い。だから手間と時間は相応にかかる。

 そうして準備を進めていると、厨房の扉が開いた。

 

「バトレアス。ここにいたのね」

「?」

 

 クーリアが姿を見せた。

 だが、そこで呼ばれた名前について、グレーシアとエンジェリアは顔を見合わせている。そういえば、俺の名前が決まったのは夜、しかもクーリアと2人きりの時だった。

 

「ああ、ごめんなさい。彼の名前」

「あ、そういう」

「なるほど」

「で、ちょっと借りてもいい?」

 

 クーリアが聞くと、グレーシアとエンジェリアは頷く。なので、切りのいいところで作業を終えて、クーリアの下へ向かった。

 

「さて、エンジェリアさん。あなたのオムライスにサービスでハバネロかチリペッパーかデスソースをトッピングしようと思うのですが、希望はありますか?」

「死んじゃうから! ごめんって!」

「……あの2人、何があったの?」

「さあ……」

 

 出際にグレーシアとエンジェリアの掛け合いを聞き、クーリアが小首を傾げながら尋ねてくる。だが、口にはしまいと思った。早速隠し事をして申し訳ないが。

 やがてクーリアと共に向かったのは、昨日ミューゼシアの下へ向かった際に行ったホールのような場所だ。しかしそこには、昨日はなかったサイドテーブル程度の台座のようなものがあり、冊子がいくつも並べられている。

 

「毎朝こうして、ミューゼシア様から楽譜がここに届けられるの。これを皆に渡してもらえるかしら?」

 

 言われてみれば、サイズといい薄さといい、冊子は楽譜に見える。表紙にはイラストが無く、日本語でも英語でもないデュエルモンスターズ界特有の謎の言語が書かれている。しかも、その意味が分かってしまった。

 それぞれの楽譜には、ドレミコードたちの名前と何かの数字が書かれており、中でもグレーシアの楽譜にだけは付箋のようなものが貼ってあった。しかし。それを読むよりも先に聞いておきたい事がある。

 

「渡す、といっても……」

「食卓に置いておけば大丈夫よ。席順は特に決まっていないから、みんなその楽譜が置いてある席に座る事になってるわ。ない人はお休みって事なの」

 

 確かに楽譜は6冊しかない。ドレミコードはミューゼシアを除けば8人なので、ここに名前がない……エリーティアとクーリアは今日が休みというわけだ。

 そしてクーリアは踵を返して、食堂へと向かう。

 その後をついていく間に、先ほど気になったグレーシアの楽譜に貼ってある付箋を読んでみる。

 そこには、『バトレアスを同行させるように』と書いてあった。

 

◆ ◇ ◇ ◇

 

 今日の朝食はオムライスとサラダ、朝からかなり充実したものだ。平日も休日も、前世で朝からこれだけ食べる事は数える程度しか無かったと思う。

 味も申し分なかったが、しきりにエンジェリアから「おいしい?」と聞かれた。恐らく、今朝グレーシアがやっていた例の行動について触れさせようとしたのだろう。けれど、その度にグレーシアから鋭い視線が向けられたので、無難な返事を返しておく。なお、ケチャップは普通の波線だ。

 そしてそこで、バトレアスという俺の名前もお披露目された。まるで赤ん坊のお七夜みたいでこそばゆかったが、特に反論がなかったため、この世界での名前は「バトレアス」に決定である。

 そして食後に、それぞれの今日の役目を確認して、朝食は終わりだ。今日の後片付けは休みのクーリアとエリーティアが担当するとの事で、俺は付箋を読んだらしいグレーシアにすぐ呼ばれた。

 

「個人からの依頼?」

「ええ。依頼人が仕えている方が、私たちの力を必要としているようです」

 

 場所を談話スペースに移し、改めて内容について詳しく話を聞く。朝の光に照らされて部屋はとても暖かい。

 

「まず私たち『ドレミコード』は、紛争地域や、不満や欲望に染まった世界、或いはそこから復興しようとしている場所……。簡単に言えば『淀んでいる世界』に赴き、浄化の旋律を奏で、その世界の流れを良い方向へと導く事を使命としています」

 

 そう言ってグレーシアは、タクトを軽く振る。昨日も見た、サックスを持つグレーシアの妖精体が出現して、ぺこりとお辞儀をしてくれた。こちらも会釈を返す。

 

「浄化の力を持ち、演奏するのはこの子で、私はその力を上手く扱えるように指揮します。そしてその旋律は、その世界にいるほとんどの人には聞こえませんし、私たちの姿も見えません。私たちの力が誰にでも認識できてしまったら、浄化もできなくなりますから」

「なるほど……」

「それでも、私たちの力だけでは戦争などを止める事はできませんし、人々の心や考えを自由に操る事もできません。あくまで、流れを変えるきっかけを作るだけ、それとなく導くだけであり、そこからどうするかは全てその世界の人々次第です」

「それでも十分すごいかと……」

 

 人知れず、浄化の旋律を奏でて世界を良い方向へとさりげなく導く。結果を変えるわけじゃなく、過程に手を添えて、後はその世界の人に任せる。

 存在も認知できないのなら、それこそまさに神の見えざる手というものじゃないだろうか。

 

「やろうと思えば、より強く世界に干渉しで流れを意のままに変える事もできますが、それはしないのが絶対のルールです」

「……?」

 

 そうした方が手っ取り早いのでは、と人間臭い感想を抱いてしまうが、グレーシアは真剣にものを考えているらしい。

 

「これはドレミコード全員の総意です。その世界がどんな状況であろうと、それはその世界の住人の歴史の積み重ねであり、その世界を生きていない私たちが深入りして直接改変してはならない、と」

 

 世界を変える力を持っていようとも、その世界の歴史と住む人々の意思を尊重している。だから直接変えたりせず、あくまでもきっかけを与えるにすぎない。気づかれるかどうかも分からない、そんな小さなきっかけ。

 人間からすればスケールが桁違いの力で、盟約みたいなものだ。唾を飲み込んで頷く事しかできなかった。

 

「私たちは、それぞれが奏でる浄化の力の作用の仕方も少し異なります。例えば、クーリア様は意思を前へと向かせるように、ビューティアさんは揺らぐ心を固めるように、エンジェリアさんは心を高揚させるように。そして私は、精神を落ち着かせるように働くのです」

 

 今グレーシアが挙げた4人は、デュエルモンスターズのカードで言えば属性が違う。もしかしたら、属性によってそれぞれの役割が違うのだろう。名前の挙がらなかったキューティアやファンシアたちも、同じ属性のドレミコードと同じ浄化の力を持っているのかもしれない。

 だとすれば、色々と納得は行く。昨日の侵略者とのデュエルでは、キューティアとファンシアの演奏を聞いて、挫けかけていた心を奮い立たせられたのだから。

 

「では、グレーシア様に依頼が来たという事は……」

「依頼人の大切な方が深手を負ってしまい、意識が戻らないようです。治療を施しても上手くいかず、どうにも精神面が何かしら汚染されていると」

 

 このデュエルモンスターズ界で、医療技術がどこまで発展しているのかは知らない。だが、非科学に分類されるだろうグレーシアの力に頼るほどであれば、やれるだけの事はできる限りやったと見える。

 ただ、ひとつ気になることがあった。

 

「でも、確か皆さんの事は認知できないって話じゃ……」

「確かに、私たちが力を使っている間は大抵の人は気づきません。ですが、ごくわずか、本当に救いを求めている人だったり、特殊な感性を持つ人は気づくようです」

 

 特殊な感性とは、霊感がある人とかだろうか。

 であればその依頼人は、その傷ついた人を本当に救いたいと思っているのか、或いは感性が優れた人らしい。

 

「で、俺はそこでどうすれば……」

「ミューゼシア様は、最初はまず私たちがどういう存在かをあなたによく知ってもらうために、今日は私につけるつもりみたいですね」

 

 グレーシアは、楽譜の最初のページに目を通しながら話す。そこにミューゼシアからの指示が書かれているのだろう。

 てっきり、最初は雑用や小間使いをさせられると思ったが、早速OJTみたいな感じらしい。人間だからドレミコードの皆のように力はないが、仕える人たちがどんな存在かを知るのも確かに重要だ。

 

「よろしくお願いします」

「それでは、準備ができ次第出発しましょう。用意を」

 

◇ ◆ ◇ ◇

 

 グレーシアはミューゼシアから受け取った楽譜を持ち、俺は折り畳まれた譜面台と、デュエルディスクを念のために持っていく。戦う機会はできれば来てほしくないが、例の侵略者がいつどこでまた現れるか分からない。外れてほしい予想だが、あの一回で侵略者の襲撃が終わりだと思えないのだ。

 準備を整えると、朝にも来たホールにグレーシアと共に立つ。そこでグレーシアは、表紙に書かれた数字の列に目を落としながらタクトを取り出し、目の前で振る。すると、昨日と同じように光の楕円形のゲートが開いた。

 

「行きますよ」

 

 躊躇いなくグレーシアがそこを先にくぐり、若干の抵抗感と緊張を抱きながらそれに続く。

 またしても光に目が眩みかけるが、その先に待つ世界は、至って普通の場所だった。頭上には青い空と白い雲、すぐそこには緑の木々が生い茂る森がある。そして正面には、3階建ての洋館が建っていて、そこへ続く道の両脇には花壇がある。傍目に見ても、とてもよく手入れされているのが分かったが、これだけ見たら前の世界にも普通にありそうな場所だ。

 グレーシアは、その花壇が脇に並ぶ道を臆さずに進む。周りの風景の変わりよう、その異様な穏やかさに驚いたたが、こちらも置いていかれないように続く。

 そして、シンプルな木製の扉の前に着くと、グレーシアがノッカーを鳴らした。

 数秒の後。

 

『どちら様でしょうか?』

「ドレミ界より参上いたしました、グレーシアと申します」

 

 扉の向こうから声が聞こえた。女性の声だ。それにグレーシアが答えると、扉が開く。

 そこにいたのは、あずき色を基調としたクラシカルなメイド服に身を包む女性。毛先が赤い黒髪で眼鏡をかけているが、頭部からは2本の角、腰からは硬そうな質感の太い尻尾が生えている。

 見覚えがあるその人物は、《ドラゴンメイド・ハスキー》だった。「ドレミコード」に続き「ドラゴンメイド」にまで会えるとは。

 そんなこちらの驚きを余所に、ハスキーはグレーシアの姿を認めると恭しく頭を下げる。

 

「お待ちしておりました、グレーシア様」

「お出迎えに感謝いたします。して、急な話で申し訳ないのですが、本日は1名新人がおりまして」

 

 言いながらグレーシアが俺の方を手で指し示す。ハスキーから歓待半分疑問半分の表情を向けられて、反射的に社会人として培った応接スキルが発動した。

 

「初めまして。先日より、ドレミコードの皆様の下で働いております……バトレアスと申します」

 

 自己紹介で自分の名前を告げるのは基本。だが、今名乗った名前は本来のものではないため、若干の引っ掛かりが生じる。それでも、ハスキーは気を悪くした感じもなく、にこりと笑った。

 

「お初にお目にかかります。バトレアス様。私はこちらの主に仕えるハスキーと申します。以後、お見知りおきを」

 

 前世から存じ上げています、など余計な事は言わず、どうぞよろしくと返しておく。

 お互いにファーストコンタクトを済ませたところで、ハスキーは扉をより大きく開き、中へと招き入れてくれた。

 外観から凡そ測ってみたが、規模はドレミコードの屋敷よりも小さいものの、調度品は高級な感じがする。床には赤の絨毯が敷かれ、壁や床、窓ガラスにも汚れひとつない。家具などはほとんどが木製だが、金の装飾が主張しすぎない範囲で施されてある。

 

「先日、我が主は何者かに撃われ、手ひどい傷を負いました。私たちで治療はしたのですが、どうやら精神的な部分にも傷を負ったようでして……」

 

 階段を上がりながら、ハスキーが説明する。さらと襲われるなんて言うあたりに、この世界の治安の悪さを垣間見た気がした。

 【ドラゴンメイド】は、実際に存在していたメイド・使用人の各役割とドラゴン娘を掛け合わせたテーマ。その中には確か治療を役割とするモンスターもいたはずだから、治療したのはそれだろう。

 

「『アロマ』の皆さんにご相談は?」

「ええ。ですが、あの方々でも完治させるのが難しいとのことでしたので……」

 

 さらに、「アロマ」の名前が出てきた事にも内心驚く。あちらはライフを回復させるテーマだったから、治療などの面でも頼りになるのは納得だ。しかし、それでも治せないのならかなりの重傷ではなかろうか。

 

「通常の怪我や不調であれば、アロマの皆様の力で十分対処できるのですが、今回の主の怪我は、少々度合いが違うようでして……」

 

 ハスキーの声は少し悲しそうだった。自分たちだけで仕える主を治せない、支えられないというのは、使用人として非常に心苦しいのだろう。

 そこで、ドレミコードに助けを求めたのは、このハスキーだろうと推測した。

 

「こちらです」

 

 ハスキーが、ひとつの部屋の前で足を止めてノックする。招き入れられたそこは、寝室のようだ。クローゼットとデスク、窓際にはベッドがあり、そこでは誰かが横になっていた。

 

「こちらが我らの主・(てん)(ろう)様です」

 

 少しだけ声量を落としてハスキーが手で示したのは、年老いた男性だった。髪の毛は白いがまだ毛の量は多く、顔に刻まれた皺が厳めしさを際立たせている。

 額に汗を浮かべながら寝息を立てているその姿は、一見して人間に見える。しかしながら、どことなくただの人間とは違う感じがした。どこがどう違うとか詳しくは説明できないが、何となく違和感がある。

 そして、そのベッドの脇にはピンクのナース服を着た女性がいる。桃色の髪の間からは、やはりハスキーと同様に角が生えており、腰から尻尾が伸びている。こちらも見覚えがある、《ドラゴンメイド・ナサリー》だった。

 

「ご主人様の容態は?」

「変わらず……身体の方は安定しているのですが、意識が戻りません」

 

 ハスキーとナサリーが話しているのを横目に、グレーシアはタクトと楽譜を取り出し、妖精体を呼び出す。それを見て、俺も持っていた譜面台を広げ、グレーシアが楽譜を置けるようにする。ここからは、彼女たちの出番だ。

 

「なるほど……確かに、精神の部分にまだ綻びがあるように思われます」

 

 天老を見ただけで、グレーシアはそう分析した。音色が心に作用するからこそ、その部分を見抜く力があるらしい。

 

「では、早速ですが……」

「ええ、お願いします。何か入用のものがございましたら、ご遠慮なく」

 

 一言断りを入れると、ハスキーが頷く。

 妖精体が、ちらと天老の様子を見て、すぐにサックスを取り出し演奏する準備を整えた。

 それを見てこちらも一歩引き、ハスキーやナサリーと同じように壁際に寄る。

 

「―――――」

 

 すると、グレーシアは滑らかにタクトを振り始め、それに合わせて妖精体が演奏を始めた。

 サックスの音自体は、ムーディなイメージがする。けれど不思議な事に、聞いているこちらまで心が落ち着くような、癒されていくような旋律だ。昨日聞いた、ファンシアやキューティアと同じ、自然と心に浸透するかのような音色。存在を認知できるからこそ、今朝のグレーシアの説明通りだと改めて分かる。

 どういった経緯で天老という老人が負傷したのかはわからない。だけど、このグレーシアの演奏が届いて、どうか元気になってほしい。

 そう願うと同時、グレーシアたちが奏でる演奏をしばらくの間楽しむ事にした。

 

◇ ◇ ◆ ◇

 

 時間にしておよそ1時間半ほど。時折休憩を挟みつつ、リズムを何度か変えて演奏をした後で、グレーシアは休憩を取る事にとなった。

 

「では、ごゆっくりどうぞ~」

「ありがとうございます」

 

 別室に通されたグレーシアは、淡い黄緑の髪と尻尾を持つ《ドラゴンメイド・パルラ》にお茶を淹れてもらっていた。傍らにはケーキスタンドがあり、美味しそうなスイーツがいくつも載っている。デュエルモンスターズの通りなら、多分作ったのは《ドラゴンメイド・ティルル》だろう。

 ちなみに、俺の分はない。こちらもグレーシアの使用人だから仕方ない事だし、美味しそうとは思いつつもここは我慢する。

 そしてパルラが部屋を出たところで、グレーシアは小さく息を吐いた。

 

「お疲れ様です」

「ええ、どうも」

 

 ねぎらいの言葉を掛けると、グレーシアは一口紅茶を飲む。そして、人差し指をクイっと動かすと、妖精体が出現した。その直後に、妖精体がケーキスタンドに置かれたスイーツを見て目を輝かせる。

 

「バトレアス」

「はい」

「この子にケーキを食べさせてあげて」

「承知いたしました」

 

 治療のための旋律を実際に奏でたのは妖精体だから、相応の褒美があって然るべしという事だろう。

 グレーシアに言われ、マナーを思い出しながら、スイーツスタンドの一番下に置かれている小さなタルトを皿に取る。それを小さく切り分けて、フォークに差してグレーシアの妖精体に差し出すと。

 

『♪』

 

 美味しそうに笑って食べた。何だかとても微笑ましい。

 一口を食べ終えるのを確認してから、切り分けたタルトをまた口元へ運ぶ。全て平らげると、妖精体の口元にジャムがついていたので、ナプキンを手に取り慎重に拭き取る。すると、今度は小さなパウンドケーキを指差したので、それも食べたいという意図を汲み、また食べさせる。

 なんというか、子供やペットの世話をしているような気分だ。

 

「……天老様、よくなりますかね」

「あくまで私は快復の力添えをしたに過ぎませんから。後はあの方の心の強さ次第です」

 

 ここに来る前に聞いたドレミコードの使命を思い出しながら、頷いた。

 それからしばしの間、グレーシアは紅茶を嗜み、こちらは妖精体にスイーツを食べさせていると、部屋のドアがノックされた。妖精体にマカロンを食べさせる手を止めて、グレーシアの代わりに応対する。

 

「はい」

『ハスキーです』

 

 ドアを開けると、ハスキーが少し嬉しそうな表情をして立っていた。

 

「ご主人様がお目覚めになりました」

「あ、そうでしたか……!」

 

 それは嬉しくもなるはずだ。こちらも声が弾む。

 グレーシアもそれを聞いて立ち上がる。

 

「それで、ご主人様がお礼を言いたいとのことですので、よろしければ」

「分かりました。伺いましょう」

 

 グレーシアが応えると、テーブルの上でマカロンを食べ終えた妖精体もそれに続く。

 再び階段を上がり、寝室へ入る。そこには、ベッドで上体を起こしていた天老の姿があった。そばで涙ながらに喜ぶナサリーと話をする天老は、グレーシアの姿を見ると表情を閃かせた。

 

「天老様、お加減は如何でしょうか?」

「ああ、すまんな。本調子ではないが、まあ問題はない」

 

 グレーシアが尋ねると、病み上がりを感じさせないはっきりとした声――中々に渋い声だ――で天老は答えた。

 

「ナサリーから話は聞いている。君のおかげで助かったと――ん?」

 

 すると、天老の表情が途端に変わる。具体的には、俺の姿を見た直後に、だ。

 

「……貴様、何者だ?」

 

 初対面だから、という意味で聞いたわけでないのは分かった。グレーシアに向けていた笑みは失せ、声にも少なからず怒りや苛立ちが孕んでいるように聞こえる。

 

「……ドレミコードの従者を務めております、バトレアスと申します」

「人間か?」

「はい」

 

 続く質問に答えると、無数の針が刺さるようなピリピリとした刺激が肌に伝わり、窓にかかるカーテンが風もないのに揺れる。

 

「ご主人様」

 

 ハスキーが声をかけるが、天老は意にも留めずベッドから起き上がり、俺の前に立つ。

 

「ドレミコードの女子よ、この者がそちらに来たのはいつだ?」

「……昨日の事です」

「ほう、随分と急な話だな?」

 

 ご機嫌斜めどころではなさそうで、疑うようにグレーシアに問いかける天老。異変を感じたのはグレーシアも同じらしく、口調がやや硬めになっている。

 

「……儂がこの傷を負ったのは3日前の事じゃった。唐突に、歪な世の秩序を正すだのなんだのとほざく若造にデュエルを挑まれてのう。断ったんじゃが、其奴は聞く耳を持たんかった」

 

 いきなり経緯を聞かされるが、昨日戦った侵略者とやり口や思想が酷似していると気づく。

 もしや侵略者は、ドレミ界に来る前にこの天老にも声をかけていたのだろうか。だとすれば、この老人もそれほどの力を有しているということになるが……。

 

「仕方なくデュエルを受けたが、その者は儂を徹底的に痛めつけ、手傷を負わせたうえに弱いと吐き捨て去りおった」

「……」

「じゃが、その者の雰囲気はこれまで二つと見た事がない『魂の色』をしておった。丁度、貴様と同じようなものでな?」

 

 魂の色と言われても、いまいちピンとこない。だが、ミューゼシアがデュエルで人格を判断したように、天老も似た事ができるらしい。

 そして天老は、グレーシアに再び目を向けた。

 

「そして此奴が君らの下にやってきたのは昨日と言う。随分と、奇妙な話と思わんかね」

「……つまり天老様は、彼……バトレアスが貴方様を襲ったと、疑っていらっしゃる?」

 

 グレーシアが問うと、天老はまたしてもこちらに視線を向ける。こちらに確認を取るように。それは、グレーシアの疑問通りだと言いたげだ。

 だがこちらとしては、とんだ濡れ衣である。

 

「全くの別人です。と言うより、自分も昨日そのような輩に襲われたのですから」

「口では何とでも言える。じゃが、貴様があの男と別人という決定的な証拠はない。手下に自分を襲わせて、疑われないような状況も作る事もできよう?」

 

 昨日初めてドレミ界に転生したのだから、3日前にこの世界で天老を襲うなどありえない。そもそも俺は前世でもちっぽけな小市民、罪を働いた事はなかった。

 だが、天老の言う通りで転生したと提示できる証拠もない。ドレミ界に来る前にどこでなにをしていたかは、全て俺の口からの言葉でしかないのだ。ドレミコードの皆でさえ、それは把握できていないのに。

 何より、自分の魂の色がその襲撃者と同じと言う。自分の目には見えない証拠を掴んでいるとされた今、他にどんな証を示せば疑いが晴れるのか。

 

「お待ちを、天老様」

 

 だが、そこへ庇うようにグレーシアが告げた。

 

「こちらのバトレアスは、私たちの上位存在であるミューゼシア様がご自身で戦い、その人間性を認めております。仮に貴方を襲うような凶暴性、残虐性を持っていたのならば、即刻追放あるいは抹殺しておりました。それだけの力と、見極める能力が我々にはあります」

「グレーシア様……」

「彼は、貴方様を襲うような人ではありません」

 

 ミューゼシアとのデュエルは、グレーシアたちも観ていたという。その過程、そして結果を総合的にミューゼシアは判断してくれた。それをグレーシアも知っているのだ。もしもグレーシアまで疑ってきたらどうしようかと思ったが、それは非常に嬉しい。

 それに、さっきもグレーシアは床に就いていた天老の心の状態を察知していた。だからなおさら、グレーシアは自信をもってそう言えるのだろう。

 天老は、グレーシアの真っ直ぐな目と言葉を受けて、わずかに押し黙る。そして。

 

「……ならば、バトレアスとやら。貴様の人間性とやらを、儂も確かめさせてもらおう」

 

 こちらを指さしてそう宣言する天老。

 グレーシアの意見を否定はしないが、自分で確かめなければ気が済まないらしい。

 

「デュエルで決着を付けようぞ」

「なりません、ご主人様」

 

 だが、それを聞いてナサリーが駆け寄る。

 

「あなたはまだ病み上がり、その状態でデュエルなど――」

「控えろ」

「っ……」

 

 天老は聞く耳を持たない。強く言われて、ナサリーはすごすごと引き下がった。

 ちらとハスキーを見るが、諦めたように首を横に振っている。こうなると聞かない性分のようだ。

 

「貴様が勝てば、今回の件は見逃してやる」

「……では、負けたら?」

「儂は言った通り、まだ調子が元に戻っておらん。よって、それを補うために貴様の命を貰い受ける」

 

 要するに、負けたら死ぬデスゲームと言うわけだ。

 だが、もうこれ以外で自分の潔白を証明する手段はないと思う。

 

「……分かりました」

「バトレアス」

 

 グレーシアが肩に手を置いてくる。「受けてはいけない」と言っているのが分かるが、他に天老を納得させる方法がない。それにこのままでは、俺が原因でドレミ界の皆も疑われてしまう。それを晴らすためにも、このデュエルは受ける必要があった。

 

「準備をする。しばし待て」

 

 天老に言われて、俺とグレーシアは部屋を出た。

 

◇ ◇ ◆

 

 デュエルの場所に指定されたのは、玄関とは反対側にある庭だった。色とりどりの花が咲き誇るそこは、素人目に見てもかなり手入れが行き届いているのが分かる。レンガ敷の道と芝生の境界線はくっきりしており、また庭の中央は円形のスペースが取られている。ここでデュエルをするとの事だ。

 

「後でミューゼシア様やクーリア様にお叱りを受けるかもしれませんよ?」

「それも、俺が勝たないと意味ないですがね」

 

 グレーシアの言葉に苦笑する。確かに、俺にとっての主に許可を取らずに、自分の命を賭けてデュエルをしているわけだ。あとで何かしら責められても、こうするしかなかったと言うしかない。怒られるのも受け入れるつもりだ。

 それも、勝たなければ叱られる時は二度と来ないだろうが。

 

「待たせたな」

 

 やがて、天老が洋館から出てきた。先ほどとは違う、赤と黒で彩られた貴族のような服を着て、左腕には竜の頭を模したデュエルディスクを装着している。後ろに控えるハスキーとナサリーは、顔からして乗り気ではなさそうだ。

 

「グレーシア様、下がってください」

 

 デュエルが始まるため、巻き込まれないように距離を取ってもらう。恐らくはこの世界のデュエルも、ダメージが実体化するはずだ。

 その直後に、俺の目の前にグレーシアの妖精体が突然現れた。少し心配な眼差しを向けてくれている。

 

「……大丈夫ですよ」

 

 差し出がましいかもしれないが、そんな妖精体の頭をそっと撫でた。

 すると妖精体は、「頑張って」と伝えているつもりなのか、ぐっと腕を構えてグレーシアの下へと飛んで行った。

 

「用意はいいか?」

「はい」

 

 こちらの返事に頷き天老が構えると、ドラゴンの翼を模した形のデュエルディスクが展開する。こちらも、五線譜のデュエルディスクを展開させた。

 

「「デュエル!」」

 

バトレアス LP4000

VS

天老 LP4000

 

 デュエルディスクが先攻を示した。

 あまり使いたくはないと思っていたが、こんな事態になってしまうとは。とはいえ、始まってしまったものは仕方ないし、自分の潔白と命がかかっている。だから真剣に挑もうと考え、最初の手札を引いた。

 だが。

 

「……え?」

 

 その手札を見て、思考が止まった。

 

「どうした? 手札に恵まれなかったのか?」

 

 硬直しているのを手札事故と思ったのか、天老が挑発するように話しかける。

 だが、手札事故など起きていない。回す事は十分可能だ。

 

「……では」

 

 だが、もうデュエルは始まってしまったから、この事態について考えるのは後回しだ。

 手札のカード2枚を手に取る。

 

「俺はスケール8の《メタルフォーゼ・ヴォルフレイム》と《レアメタルフォーゼ・ビスマギア》で、ペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 両端の魔法&罠ゾーンにカードをセットし、盤面に『PENDULUM』の文字が現れる。フィールドにも、赤と緑のカラーリングの装甲車と、虹色のバイクに乗った青年が、光の柱と共に出現した。

 

「……これは?」

 

 デュエルを観ているグレーシアも、疑問を示した。

 そしてカードをプレイした自分自身、驚いている。

 こちらの精霊界に転生してから、持っているデッキは【ドレミコード】ひとつだけだ。そして、この世界に来る前に準備していた時も、デッキは確かにそれだった。

 けれど、最初の5枚だけを見ればわかる。

 デッキが【メタルフォーゼ】に変わっていた。

 


 

《朝の舞台裏》

 

「おふぁよ~……」

「おはようございます」

 

 グレーシアが朝食の準備をしていると、あくびをしながらエンジェリアが入ってきた。一応、身なりは最低限整えられているがあくびをしながら話しかけるのはどうかなとは思う。

 

「ごめん、ちょっと寝坊しちゃった」

「構いませんよ」

 

 謝りつつエンジェリアはエプロンを着けて準備をする。

 朝食の準備は、人数分用意するのが少し大変なため基本的に2人体制だ。そしてメインとサブを大まかに決めて、今日はメインがグレーシアだった。

 メニューは昨日のうちにオムライスと決めていたので、まずはケチャップライスを手際よく作る。その横で、エンジェリアが卵を手際よく割って、オムライスに載せる卵の部分を作り始めた。

 

「……あのお兄さん、大丈夫かな?」

「少なくとも、昨日の夕食の時は大丈夫そうでしたし、今はそう信じましょう」

 

 エンジェリアの気持ちは分かるし、グレーシアだって同じ気持ちだ。その場に居合わせなかったが、彼はドレミ界を救ってくれた恩人だ。元気になってくれることを祈る。

 

「早く元気になってほしいなぁ」

「ですね」

 

 言いながら、エンジェリアは手際よくオムライスに載せる卵を綺麗に焼き上げる。オムライスの体を崩さず、かつ程よい熱の通り具合を守っている。

 

「そういえばさ、グレーシア」

「?」

「何かね、あのお兄さんのいる世界には元気になれるおまじないがあるんだって」

「おまじない?」

 

 お皿のひとつにケチャップライスを盛りつけると、そこへエンジェリアが卵を載せる。フライ返しで切れ目を入れると、卵がケチャップライスをキレイに覆った。

 

「それは、痛いの痛いの飛んでいけ、という奴ですか?」

「違う違う、えっとね……」

 

 するとエンジェリアは、指でハートマークを作ると。

 

「おいしくな~れ♪ 萌え萌えキュン♡」

 

 これでもかというほど媚びるような声でそんな事を言った。

 

「……本当にそんなおまじないが?」

「うん、あるんだって」

「で、それを聞いてどうしろと?」

「聞いたところによればね、元気になってほしい人の食べるご飯にさっきのおまじないをかけてあげると、やる気勇気元気いっぱいになるんだって!」

 

 そこまで聞いてグレーシアは頷きつつも嘆息し、ケチャップライスを。炒める作業に戻る。

 

「そうですか」

「あれー? 今のはグレーシアもやる流れじゃないかなー?」

「やりませんよ。それに、エンジェリアさんが既におまじないをかけたではありませんか」

「いやいや、グレーシアもやってあげなって。あの人に元気になってほしいでしょ?」

 

 元気になってほしいのは確かだが、ああいう事をやるのは抵抗がある。すごく恥ずかしい。

 

「冷たいなー、グレーシア」

 

 だが、エンジェリアはグレーシアが今のをやらないと作業に戻りそうにない。

 溜息をついて、一旦コンロの火を止めた。

 

「分かりました。やればいいんでしょう?」

「さっすがグレーシア! 優し~」

 

 まったく現金な反応をする。

 そう思いながら、さっきエンジェリアがおまじないをかけたオムライスに向き合い、指でハートマークを作る。

 

「……一応確認しますが、カメラの類などは持っていませんよね?」

「持ってないってー、どこまで信用していないのさ」

 

 エンジェリアはかなりいたずら好きなところがある。こんなところ撮られたらどうしてくれよう。

 そう思ったが、エンジェリアは両手を広げてなにも仕込んでいない事を示す。

 

「じゃあ、どうぞ」

「はいはい」

 

 もう一度オムライスに向き直る。

 その直前、エンジェリアが厨房のドアの方をちらちらとみていたのは何なのだろう。誰か入って来ないように見張ってくれているのだろうか。

 とにかく、こんな恥ずかしい事はすぐに終わらせなければ。咳払いをして、改めて指を整える。

 

「美味しくな~れ。萌え萌えキュ――」

「すみません、遅くなり――」

 

 狙ったのかと言わんばかりに、昨日の青年が厨房に入ってきた。視線がぶつかり合い、お互いに静止する。

 そして何事もなかったかのようにエンジェリアの妖精体が入ってきて、エンジェリアの下でドヤ顔をした。エンジェリア当人は満面の笑顔で頭をなでている。

 

 とりあえず、全部エンジェリアが仕込んだ事なのを理解したので、後でエンジェリアのオムライスに鷹の爪を刻んで大量に混ぜ込んでおこうと思った。




この話を書き始めた当初、ラティスはまだ情報が出ていませんでした

チェイムのドラゴン態はともかく新しい融合モンスターは予想外すぎました
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