ドレミコードの従者は元人間   作:プロッター

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第49話:甘くて苦くて

 ドレミ界の屋敷のホールには、朝になるとミューゼシアが作り上げた「浄化」の楽譜が置かれる。それを朝食前に食堂に持っていき、席に並べるのが俺の役目の一つだ。

 楽譜は「浄化」に使うものの他、個人からの「依頼」で使うものある。2つの楽譜の違いとしては、厚みだろう。最初の頃は俺も全く区別できなかったが、「浄化」で使うものの方がわずかに厚い。長い時間その世界にいて演奏するから、それに比例するのだろう。

 また、これまで「依頼」用の楽譜には、「俺を同行させるように」と言う付箋をミューゼシアが付けてきた。どこへ行くかは知らされないが、それでもそれを見ると俺も気持ちが切り替わる。

 けれど、今日の楽譜にはそれらの付箋はない。だから、今日は屋敷にいる事になりそうだ。

 

「ね、バトレアスさん」

 

 だが、朝食の席……食事を終えて楽譜を読んでいたエンジェリアが俺に話しかけてきた。厚さからして、彼女は今日「依頼」だろう。

 

「今日、私は依頼で出かけるんだけど、一緒に来る?」

「え、ですが……」

 

 いつもは俺に同行するよう最初から付箋があるはずだ。それがないのは確認したが、まさか見落としていたのか。

 

「ミューゼシア様がね、バトレアスさんを連れて行ってもいいって」

「?」

「けど、もしバトレアスさんの都合が悪かったら、無理はしなくていいよ」

 

 どうやらミューゼシアは、俺に対して強制ではなく選択の余地を与えてくれたらしい。他のドレミコードたちもそれに気づいたようだ。

 そして俺は、少し考える。

 

 本音を言うと、依頼で外へ出向く事には少し抵抗があった。

 精霊界において、不測の事態は当たり前のように起こる。それ自体にはもう慣れつつあったが、この間の迷宮姫の件で、俺はそこそこ大きな肉体的ダメージを負った。

 あれから1週間ほど。体調は既に問題ないが、その時の事を考えると、どうしても怖いという気持ちは消しきれない。余計なトラブル、あるいは怪我を避けるためには、あまり無暗に外出しない方が賢いのだろう。

 だけど。

 

「……分かりました、ご同行します」

 

 弱気になってはいられない。

 万が一、エンジェリアが依頼先で因縁をつけられ戦う事になれば、まだデュエルの腕が未熟な彼女の勝機は薄い。であれば、俺がいた方が少しでも足しになる。

 何より、ドレミコードたちは元より「浄化」という楽ではない使命を負っているのだ。皆に仕える俺が、怖いという理由で引きこもったり、弱音を吐くわけにはいかなかった。

 

「大丈夫なんですか? 迷宮姫様の事もありましたし……」

「無理を押す必要はありませんよ」

「ありがとうございます。ですが、自分はもう大丈夫ですから」

 

 エリーティアとグレーシアが心配そうにする。他の皆も似たような顔をしているが、俺は笑顔を作ってみせた。体調面は俺がドレミコードになったから問題ないし、怖いと思うのも俺が我慢すればいいだけの事。本分に手を抜くわけには行かない。

 

「……?」

 

 その時、袖を小さく握られた。隣の席に座るクーリアが俺を見ている。大雨が降る前の曇り空みたいな、そんな情緒を抱かせる顔をしていた。

 

「……くれぐれも、気を付けて」

「……はい。もちろんです」

 

 そんなクーリアを安心させるように、俺は笑顔を返した。

 

◆ ◇ ◇

 

 バトレアスとエンジェリアは、食休みを挟んだ後、「依頼」をした人の下へ向かった。

 クーリアは今日1人だけの休日なので、バトレアスたちを見送るだけに留まる。心配でついていきたいのはやまやまだが、休養日のドレミコードは、「依頼」や「浄化」について行ってはならないというルールが存在する。だから、クーリアは行けなかった。

 

「……」

 

 ゲートが閉じ、ホールに誰もいなくなる。

 2人の去り際の様子を思い返しながら、クーリアは自分の部屋へと向かった。

 今朝のやり取りで、エンジェリアが今日「依頼」で外部へ出向く際、バトレアスは同行するよう最初から命じられていなかったのは分かった。つまりバトレアスは、エンジェリアに付いていくかどうかを自分で選んだ。

 その選択肢を与えたのは、楽譜を組んだミューゼシア。やはり迷宮姫の件で思うところがあったのだろう。それでも外へ出る事を禁止しなかったのは、それでドレミコードの皆に負担を掛ける事を、バトレアス自身がよしとしないと予想していたからだ。

 

 クルヌギアスが初めてドレミ界に来た際、バトレアスはクーリアを庇い独断でデュエルに応じた。それをミューゼシアは咎め、ドレミ界での謹慎を一時バトレアスに命じていた。

 だが今回は、全面的にバトレアスが悪いわけではない。発端と過程は複雑だが、彼は単にデュエルを挑まれ、それに応じざるを得なかっただけなのだから。ミューゼシアたちドレミコードの意に背いたわけでもない。

 結果として今回、選択の余地を与えるという形に留めたのだろう。

 

「……はぁ」

 

 部屋に戻ったクーリアは、ため息を吐く。

 選択肢を与えたところで、バトレアスはそれでも戦う事を選ぶだろうと、クーリアも予想していた。

 とはいえ、彼がエンジェリアに同行しなければ、今日は最低でも半日、2人きりで過ごせたのに。たった半日でも、クーリアはバトレアスと話したい事、やってみたい事があったのに。

 けれど、首を横に振る。

 

(まだ、返事はもらっていないものね)

 

 クーリアは、バトレアスがドレミコードに成った日に、その想いを包み隠さず告白した。それに対しバトレアスは、真剣に考えたうえで返事をする、と答えてくれた。

 その言葉を信じ、待つこと実に1か月ほど。返事は未だ聞いていない。

 約束を忘れられた、とは思っていない。真面目な彼の事だから、その可能性は既に除外している。多分、本当に考えてくれているのだろう。

 だが、考える事に時間をかけているという事は、悩むほどにクーリアを恋人として受け入れる事に躊躇しているのではないだろうか。その理由は……あまり深く考えたくない。

 

 クーリアは机の引き出しから鍵を1つ手にし、それで入り口とは別の扉を開ける。

 そこはカードを保管してある小さな部屋で、皆が使うためのデッキケースや、これまで集めたカードを入れたいくつものストレージがある。

 そして、それらとは距離を離して、桐のカードケースが2つあった。その内ひとつの箱を開け、中から白紙のカードを手にする。相変わらず、それは白い輝きを放っていた。

 

――本当のデュエルはここからだ

 

 冥界でバトレアスが屍迷人とデュエルをし、その後彼の手に宿ったカード。これが何かは未だ分からない。

 そして、同じようなカードを手にした迷宮姫は暴走し、バトレアスを傷つけた。

 その時の事を思い出すと、クーリアの胸が苦しくなる。自分自身、血を吐いてしまいそうなほどに悲しくなる。

 それほどまでに、バトレアスが好きだから。

 でも、彼は真面目だから、自分に与えられた役目に忠実だから、戦いから逃れようとしない。

 だが、それを分かっていても、傷つくのを見るのがクーリアはつらかった。エンジェリアについて行ったバトレアスは、無事に帰ってきてくれるだろうか。

 今は告白の返事よりも、バトレアスが無事でいるかどうかが不安で、思わず自分自身を抱きしめる。

 

「……どうか、無事でいて」

 

 そんな願いが、口から出た直後。

 

 

――願うだけでよろしいのですか?

 

 

 不意に声が聞こえた。

 周りを見る。誰かがクーリアの部屋に入った様子はない。視線を巡らせても、声を発するようなものは何一つない。

 

「……何? 誰?」

 

――貴女の気持ちはよく分かります

 

 問いかけても、返ってくるのは丁寧で、それでいて恐ろしさも含む声。男とも女とも取れるような声だった。

 

――貴女には、かけがえのない人がいる。けれどその人は、己の危険を顧みず、貴女を含めた大切な存在を守るために戦っているのでしょう?

 

 そこで気づいた。

 クーリアはまだ、あの白紙のカードを手にしたままだった。そのカードは変わらず白紙で、別に何かのイラストが浮かび上がってもいない。

 だけど、このカードが語りかけていると分かった。

 

――貴女は、彼……バトレアスがこのまま戦い続ける事を、本当に良しとするのですか?

 

 そんな声は無視して、桐のケースに戻せばよかった。放り投げたところで誰も責めはしないだろう。

 だけど、カードから聞こえてくるその言葉で、バトレアスの名前を出された事で、クーリアはそれらの行動を取れなくなった。

 

――例え彼が、今日もまた戦い、命を落としたとしても……貴女は受け入れられるのですか?

 

 ぞくりと、背筋が震える。

 以前バトレアスは、ヴァーディクトとのデュエルで致命的なダメージを負い、人間からドレミコードにする以外で助けられない状態に陥った。死を避ける事がほとんど不可能な状態だったあの時みたいな事がまた起きたら。考えるだけで、心が握りつぶされるように苦しくなる。

 

――この先彼は、同じような状況になろうとも、その責任感故に自らを奮い立たせ戦い続けるでしょう。けれどいずれは武運も尽き、その身が深く傷つくか、あるいは死んでしまう可能性も十分考えられます

 

 カードを握る手に、力が籠ったのが自分で分かる。

 その可能性は、「ある」「ない」で決めつける事ができない話だ。

 

――そうなった時……彼が戦い続ける事を止められなかった貴女は、納得できるのですか?

 

 その問いに。

 

「……できない」

 

 答えてしまった。得体の知れない声に。

 その白紙のカードが、顔がないにもかかわらず笑ったように見えたのは、気のせいだろうか。

 

――彼の意思は強い。戦う事を()()()止めようとしても、聞き入れる可能性は限りなく低いでしょう

 

「……」

 

――では、どうするべきか? その答えは、貴女もお気づきのはずです

 

 そんな試すような言葉に、クーリアはシンプルな答えを口にした。

 

「……デュエルで、決める」

 

 告げた直後、握っていた白紙のカードに、テキストとイラスト、カード名が現れた。

 

◇ ◆ ◇

 

 光のゲートをくぐった先に待ち受けていた世界は、なんというか「ファンシー」の一言に尽きると思う。

 

「ここは……」

 

 空はドレミ界みたいなパステルカラーのピンク色。ここは街のようだが、そのどれもがビスケットやマカロンなどのお菓子で構成されている。けれど、胸焼けするほど甘ったるい香りなどは全くせず、空気自体は清浄だ。そして、道行く人たちや動物の頭身は、俺やエンジェリアよりも低い、というかそこそこデフォルメされている。

 

「なんだか可愛い場所だね~」

 

 エンジェリアはそんな世界を見てキラキラ目を輝かせている。だが、俺は最初に見た光景だけで何の世界かは分かった。

 【マドルチェ】。エクシーズ召喚が遊戯王で実装されてから少し経った後に生まれたシリーズで、やはりエクシーズ召喚を利用する。テーマは今いる世界の通り「洋菓子」で、フィールドで破壊されると即座にデッキに戻るという珍しい特性も持っている。

 

「依頼人は……あっちの方にいるらしいね」

 

 エンジェリアは、小さな地図のような紙を手にしながらお菓子の街を歩き始める。俺もそれに続いた。

 頭身が普段と全く変わらない俺とエンジェリアは、大分浮いているように感じる。しかし、道行く住民は朗らかに「こんにちは」と挨拶をしてくれた。テーマの雰囲気的に、穏やかな気性の住民が多いのだろうか。

 

「でもすごいね~。お菓子の街なんて想像でしかなかったのに、実在するんだね」

 

 お上りさんのような感じで周りを見回すエンジェリアだったが、俺と視線が合うとすぐに前へ向き直る。

 

「いけないいけない」

「? どうされました?」

「いや、だってさ」

 

 何を思って襟を正したのかは知らないが、尋ねてみるとエンジェリアは茶目っ気のある笑顔で俺に振り向く。

 

「クーリアさんを差し置いてデートみたいな事したら、怒られちゃうもん」

 

 なるほど、そう言う話か。どう反応すればいいかも分からないため、肩を竦める。からかい上手なエンジェリアだが、慣れてしまえばいちいち狼狽えもしなくなるものだ。

 

 やがて、お菓子の街の中でもひときわ大きな建物の前に辿り着く。現代的なビルではなく、それこそお菓子で作り上げられた城。《白銀の迷宮城(ラビュリンス・ラビリンス)》と比べれば規模は小さいが、一国を治めるものとしては十分だろう。

 

「失礼します。こちらの方から依頼を受けておりまして」

 

 エンジェリアが持っていたのは依頼主からの手紙。それを守衛――デフォルメされている点以外は普通の人間と変わらない――のひとりに見せた。どことなく西洋風な軍服を着た守衛は、どこかと連絡を取り、やがて門を開ける。

 

「こちらへどうぞ」

 

 門を開けたのとは別の守衛に先導され、城の敷地内を進む。映画で見たチョコレート工場みたいに、噴水の水から芝生まで全部がお菓子と言うわけではないらしく、自然物もちゃんとある。そこには少し安心した。

 そして迷宮姫の城とは違い、こちらは仕える人がそれなりにいる。何人かのメイドや兵士を目にし、中庭で馬に乗る騎士が他の兵たちの指導をしているのも見えた。そこらじゅう罠だらけの迷宮城とは違い、こっちはこっちで中々緊張する。

 

「こちらでお待ちください」

「ありがとうございます」

 

 やがて案内された部屋は、応接室のような部屋。革張りのソファと机、壁際にはこれまたお菓子で作られたと思しき棚や時計などがあり、花瓶に差してある花は流石に本物だろうが、花瓶は飴細工のような質感。

 そして、机の上にはビスケットが並んだ皿が置いてあった。エンジェリアは少し悩む素振りを見せたが、小腹が空いていたのかひとつ手に取り食べる。俺は遠慮しておいた。

 

「しかし、依頼されてきた方はどんなお方なんでしょう。こんな城でだなんて」

「さてねぇ……」

 

 部屋を見渡しながら呟くと、エンジェリアは適当に答えるとビスケットの2つ目に手を伸ばす。

 自分で言って何だが、来る場所を城に指定された辺り、依頼主は多分城の主か何かではないだろうか。【マドルチェ】でそれに近い立場のモンスターと言えば……

 

「何か、『浄化』の旋律だけじゃなくて、話がしたいらしいよ?」

「話?」

「うん。と言っても、何の話をするのかは分からないんだけどね」

 

 エンジェリアの言葉に思考が切り替えられる。

 ドレミコードへの依頼は基本的に手紙で送られてくるが、俺はその中身を読んだ事が今まで一度もない。

 まず依頼の手紙には、大体誰宛かは明確に書かれない。そういった類の手紙はクーリアに渡すようにしている。それがもし「依頼」であれば、クーリアはさらにそれをミューゼシアに渡し、ミューゼシアがその内容に応じた旋律を組んで、適切なドレミコードに楽譜と共に渡す。そこに俺の入る余地はないから、結果として俺は届いた手紙が依頼かどうかさえも分からないのだ。

 なので今、エンジェリアから依頼内容を初めて知った事になる。そして、「話」と言うのも少し気になった。六花の件ではデュエルディスクを持ってくるよう言われていたが、わざわざ「話」と言うのも妙だ。

 

「失礼します」

 

 そこで部屋の扉が開かれた。俺は姿勢を正し、エンジェリアも食べかけのビスケットを飲み込んで立ち上がる。

 まず入ってきたのは、黒い燕尾服と片眼鏡が特徴的な暗い茶髪の青年。背丈はマドルチェ界準拠だから小柄に見えるが、執事然としているその姿はアリアスを思い出させる。

 その執事は、開けた扉に背を向けて頭を下げた。

 続いて入ってきたのは、クリーム色のドレスをホイップクリームのような白い装飾で彩る、緩いロールがかかった金髪の少女。前頭部にはティアラが載っていて、決して平凡な身分ではない外見だ。

 その少女は、淑やかにこちらへと歩み寄り、エンジェリアの前に立つとゆっくりお辞儀をする。

 

「初めまして、ドレミコードのお二方。私はこのマドルチェ国の第一王女・プディンセスと申します。遠いところへご足労いただきありがとうございます」

 

 プディンセス……《マドルチェ・プディンセス》だ。【マドルチェ】においてはキーカードともいえるモンスター。

 王女となれば態度は改めざるを得ない。俺は頭を下げ、エンジェリアもスカートの端をつまんで淑やかに挨拶をした。

 

「ドレミ界より馳せ参じましたエンジェリアと申します」

「自分は従者のバトレアスと申します」

「ありがとう。本日は、ようこそいらっしゃいました。どうぞおかけになって」

 

 プディンセスに促され、エンジェリアはソファに座りなおす。俺はソファの後ろに立つ事にした。

 それにしても、プディンセスの見た目は俺よりもずっと幼くに見える。デフォルメされている点を除けば、外見年齢は多分ファンシアかエリーティアぐらいだろうか。それでいて、言葉遣いや所作の優雅さはとても洗練されていた。流石は王女と言ったところ。

 

「バトラスク、お茶と菓子を用意して差し上げて」

「かしこまりました」

 

 バトラスクと呼ばれた執事の青年は、頭を下げて一旦部屋を出る。

 それを見送ったプディンセスは。

 

「……ふぅ」

 

 何か、我慢していたものを吐き出すような息をつく。しかし、すぐにこちらの視線に気づいたようで姿勢を正す。

 

「失礼しました。此度、ドレミコードの方に依頼をしたのは、あなた方のお力を借りたいのと……話したい事がございまして」

「伺っています」

 

 プディンセスの言葉に、エンジェリアは真剣に答える。ドレミ界では人をからかい、時にトラブルを招く事に定評のある彼女だが、依頼で人と接する際はちゃんと相応の態度を取るよう心掛けているらしい。六花界でスノードロップやヘレボラスと接していた時のドリーミアを思い出す。

 それより、プディンセスが話をしたいとは、何があったのだろう。やはり王女だから、女王となる事へのプレッシャーに押し潰されそうとかだろうか。それで心が衰弱してしまっているから、ドレミコードの「浄化」の音色とカウンセリングみたいな感じで何とかしてほしいのかもしれない。

 

「実はその……私最近、悩む事が多くて」

「それは……何かお心当たりがあったり?」

「ええと、その……悩んでいると言うか……」

 

 プディンセスがもじもじしながら答えを言いあぐねている。

 エンジェリアは、デュエルモンスターにおいては炎属性。つまり彼女とその妖精体が奏でる音色は、心を高揚させる作用がある。であれば、何かに対してナーバスになっている可能性も否めない。やはり王室特有の問題だろうか。

 しかしプディンセスは、何故か恥ずかしそうにしながら俺を見ている。男に聞かれたくない内容だとすれば、俺は退室するのも辞さない。

 やがてプディンセスは、腹を決めたように息を吸い込み。

 

「そのっ。私、好きな人がいるの!」

「「えっ」」

「それで後学のために恋愛話がしてみたいのよ!」

 

 告げられた言葉に、俺とエンジェリアは声を揃えて聞き返す。

 今、この王女様は何て言った?

 

「失礼します」

 

 タイミングを狙ったのか分からないところで、バトラスクが戻ってきた。ティーセットと多彩な洋菓子をワゴンに載せて運んできたが、サイズが大きいカップがある。多分、こちらの頭身に合わせたものだろう。

 

「お茶をお持ちしました。プディンセス様は、依頼についてお話しされましたか?」

「ええ、たった今ね」

 

 お茶の準備をしながらバトラスクが聞くと、プディンセスはさっきまでの感じはどこへやら、姿勢を正してしっかりと受け答えをする。だが、俺としてはさっきの依頼内容が未だに尾を引きずっているし、エンジェリアも同じなのか小首を傾げている。

 

「って言うかバトラスク、私あのお行儀イイ感じでこんな依頼するのちょっと窮屈なんだけど。いつも通りでいいかしら?」

「なりません。ティアラミス様との約束をお忘れですか? 態々ドレミコードの皆さんに依頼するのであれば、ちゃんとした態度で、と」

「それは覚えてるわ。でもこの話はちょっと、真面目に話すのは難しいというか……」

 

 当人たちは声量を抑えているつもりなのかもしれないが、こちらに声は丸聞こえである。何だか、ただ見た目が変わった迷宮姫を見ているような気分だ。

 

「あー、私は構いませんよ? その、難しいのであれば無理に肩肘張って真面目にしなくても……」

「ホント? じゃあこんな感じでよろしく頼むわね!」

「はぁ……」

 

 エンジェリアが手を挙げて言うと、プディンセスは見るからに態度が幼い感じ、年相応になった。バトラスクは額を押さえ、俺と視線が合うと「この人はいつもこうなんです」と言いたげに困った笑顔を向けてきた。俺は同情の念を込めて目礼する。

 そしてプディンセスはお皿に盛られたクッキーをひとつ食む。それを見守りつつ、エンジェリアは頬を掻いて話を切り出した。

 

「えー……プディンセス様には好きな人がいるという事ですか?」

「ええ、その通りよ」

「それで、要は恋バナがしたい……と言うのが、依頼のお手紙にあった『話』で?」

 

 エンジェリアが確認を取ると、プディンセスはこくりと頷く。

 まず、好きな人がいる、恋バナがしたい、と初対面の相手に臆面もなく言えるのは、それなりの度胸が要る事だとは思う。それもやはり、王女たる所以だろうか。

 そして、「話」と言うものがそこまで深刻な内容ではなくてひとまず安心した。今回は、あまり血なまぐさい話や展開にならなさそうだ。

 

「補足しておきますと……プディンセス様の意中のお方は、城の警備をしていらっしゃる騎士の方です」

「ふむ」

「ただ、王女と騎士となると、同じ敷地内にいるとはいえ中々距離が縮まらないものでして。何とか気持ちを上げられるような演奏をしてもらいつつ、参考までに外部の方の、その……恋愛話が聞いてみたいと」

 

 バトラスクが気まずそうに説明し、紅茶を差し出してくる。その説明の間、プディンセスは少しだけ頬が赤くなっていた。

 こうして依頼をしてきたという事は、それだけプディンセスも思い悩んでいたのだろう。それはまだいい。

 ただ、エンジェリアは興味深い態度で話を聞いているが、どう転ぶか本当に予測できない。()()()()()()()恐らく恋愛未経験。いくら前のめりであっても、見当違いなことを言ったりして取り返しがつかない事態になりかねない。もしそんな事になるなら、俺も止めるのを覚悟するが。

 

「ここは、ウチのバトレアスの出番ですね」

「はい?」

「何を隠そう、彼は現在進行形で恋愛中なんですよ」

「ちょ――」

「あら、そうなの?」

 

 余計な事を言いやがった。

 しかもプディンセスが、興味津々意気揚々という感じで俺を見てきた。実にマズい。これは予防線を張っておいた方がいい。

 

「……失礼ながら、自分の方は事情が少々複雑でございまして。王族の方の参考にはならないかと」

「いいじゃない、是非聞いてみたいわ! ささ、座って座って」

 

 予防線はあっけなく崩壊し、プディンセスの興味を焚きつける結果に終わる。

 着席を促され、流石に王女の厚意は無下にできず、エンジェリアの隣に座るしかなくなった。そこへバトラスクが新たに紅茶を用意してくれたが、俺に対して同情の念を込めた目を向けている。

 

「それで、バトレアスだっけ? 恋をしているって言うのは本当なの? 誰かと付き合ってるとか?」

「プディンセス様、がっつきすぎです」

 

 最早、逃げ場はない。バトラスクがツッコミ兼ブレーキ役を担ってくれてはいるが、あまり過信はできないだろう。観念し、隣でニコニコしているエンジェリアには後で小言のひとつやふたつ覚悟してもらい、口を開く事にする。

 

「……最初に言わせてもらいますが、自分は今誰かとお付き合いをしているとか、そう言うわけではありません」

「え、そうだったの?」

「もっと言えば、恋しているかどうかさえ、自分でも判別できておりません」

「どういう事?」

 

 プディンセス、さらに話を振ったエンジェリアにも問われる。

 プディンセスがドレミコードに依頼をしたという事は、こちらの存在は認知できているという事。だが、俺の感情どうこうより、クーリアについて詳しく話すわけにはいかない。それはクーリアも、本人の知らない場所でそんな話をされるのは迷惑だろうから。

 

「自分は、告白をされた身です。けれど、返事が未だできておりません」

「どうして?」

「……自分がその人に対し、本当に好意を持っているかの確信が持てないからです」

 

 俺はクーリアによってドレミコードの力をもつ身体に変えられた。人を人ならざるものに変える事はとても罪深い事だと言っていたし、それを理解した上でクーリアは実行した。

 

 そこまでして俺を助けたのは、ドレミコードの皆が俺の死を悲しむからという「全」の理由と、クーリア自身が俺を愛しているという「個」の理由があった。

 

 それを聞いた時、それだけの覚悟と思いを持って俺を助けた事に対する嬉しさとありがたさを、俺はクーリアにそのまま伝えた。

 けれど、その時に知ったクーリアの俺に対する気持ちに対しての答えは、まだ返せていない。プディンセスに言った通り、俺がまだクーリアに対して恋愛感情を持っていると判断できないからだ。

 

「だけどあなたは、その人の事が嫌いなわけじゃないんでしょう?」

「それは勿論です。とはいえ、恋愛的な意味での『好き』と、性格的な意味での『好き』は別物です」

 

 俺は決してクーリアが嫌いではない。むしろ、嫌いになる要素が見つからないほどにクーリアは魅力的な人だ。だから俺は、クーリアという人物を「好ましい」と思っている。

 だが「Like」と「Love」の差は大違いだ。俺が今確実に言えるのは、クーリアに対して「Like」の感情は持っているという事だけである。

 

「それで返事ができないままどれぐらいなの?」

「ざっと……1か月ほどでしょうか」

「それは待たせ過ぎじゃないかしら」

 

 じとっとした目でプディンセスに言われる。同じ女性からの意見は、非常に心を追い詰めてきた。

 

「多分その人、不安になっているわよ? あなたが返事をしてくれない事に」

 

 ひょいぱくとお菓子を食べるプディンセスに対し、俺は何も答えられない。

 

「私だったら、告白しても返事がもらえないなんて、不安で仕方ないわ」

「それでも、中途半端な答えをして相手を傷つけるわけにはいきません」

 

 プディンセスの言い分は俺も分かる。答えを返せないせいで不安を与えているだろうとも、思っていた。

 それでも、判断は慎重にするべきとも考えていた。だから、プディンセスに対して譲れない答えを告げ、バトラスクが用意してくれた紅茶を一口飲む。甘いお菓子に合わせるためかほんの少し苦めだったが、茶菓子には手を伸ばせない。

 

「自分の気持ちがはっきりしないまま気持ちを受け入れて、後になって拒絶したら? 相手を傷つけてしまったら? そんな悲しい事、あってはなりません」

「……バトレアスさん、何かあったの?」

 

 つい、言葉に感情が混ざってしまった自覚はある。エンジェリアがチョコレートスティックを手にし、俺を見てきた。

 多分今の俺の表情は、国民的人気を誇る黄色い電気ネズミが皺くちゃになったあの顔みたいになっている事だろう。鏡を見なくても分かる。それぐらい渋い表情のはずだ。

 だが、毒を食らわば皿まで。過去の失敗、と言うか苦い思い出があるから、俺は未だクーリアの想いに答えられないのだから。

 

「……エンジェリア様たちの下へ来る前です。俺には好きな人がいました」

 

 転生したとかなんとか言っても、プディンセスは多分信じないだろう。だから適当な感じで言い換えて話す事にした。幸い、そこに深入りする事もなく、プディンセスは僅かに興味深そうな笑みを浮かべて聞く姿勢をとっている。

 

「おとなしい感じの子でしたが、親しい友達には穏やかで気さくに接する人でしたよ。時折衝突する事もありましたが、それでもすぐに仲直りができる雰囲気と優しさを持っている……当時の自分からすれば理想で、気づけば恋に落ちていました」

 

 過去の失敗を語るうえで、その経緯は話すほかない。

 だけどそれを話すと、頭の中でその時自分の感情がどれだけ刺激されたかを思い出してしまう。胸が苦しくなる。

 プディンセスがやけにキラキラした目を向けているのは、普通の恋愛も聞きたいという言葉通りだろう。そしてエンジェリアも、微笑みながらこちらを見ている。

 

「とはいえ、相手が同じ気持ちであるような素振りはありませんでした。けれど、時間もたっぷりあったわけではなかったため、ダメ元で勇気を振り絞って告白しました」

 

 学生時代の話だが、進学で離れ離れになってしまう事は珍しくない。自分を確実に好きになってくれるようにできるほどの時間は、残されていなかった。あの時は青かった、と済ますのも何だが、玉砕覚悟で俺は告白したのだ。

 

「それでフラれたの?」

「……『お試し』と言う形で付き合う事になりました」

「お試し……?」

 

 エンジェリアが首を傾げるが、これは本当に言われた事だった。

 相手の人曰く、誰かを好きになった事がないから、とりあえず試しに付き合ってみて自分の気持ちを確かめてみる、と。

 

「週に数日、何度か会い、一緒に過ごす時間を作りました」

「……」

「けれど1週間と少しほどで、こう言われたんですよ」

 

 

――ごめん。あなたは友達として付き合うのはいいけど、恋人にするには真面目過ぎるかな

 

 

 プディンセスからも、エンジェリアからも、笑顔は消えていた。バトラスクの表情は見えないが、たぶん同じ感じだろう。

 そして2人が向けるのは、俺に対する同情だ。

 

「相手に気を配りすぎたのか、それとも普段の姿勢が意にそぐわなかったのか。兎に角そう言われて、フラれました」

「……」

「その時自分は……大いに苦しみました」

 

 その人と過ごす時間は、「お試し」という事を頭に置いていても楽しかった。その時間が続けばいいのにとも思っていた。

 けれどそれは俺だけで、相手にとっては負担でしかなかった。

 わずかながら希望を見てしまった事、その上でそれを絶たれた事、知らず知らずのうちに相手を苦しめていた事がつらかった。

 だからこそ――

 

「答えの出ないまま付き合って振るぐらいなら、最初に振ってほしかった」

「……」

「だからこそ、今俺は返事を簡単に出せないんです」

「けれど」

 

 エンジェリアは何も言わなかったが、プディンセスは反論の構えを見せた。

 そして。

 

「今のあなたは、付き合うような真似をしていないだけで、返事を先送りにしている点では、あなたを振った人と同じだと思うわ」

 

 真っ向から言われて、口を噤む。

 プディンセスは王女、王族の一人。現在初恋の真っ最中でも、思慮深く冷静に物事を判断できる。だから、何も知らないくせに、なんて心でも思えない。

 

「過去に自分がされて嫌だったからと、真剣に考えて答えるのは大いに結構。だけど待たせすぎて、相手を不安にさせるようじゃ、その人と何も変わらないわよ」

「……」

「あなたはまだ、今考えている人の事を恋愛対象として好きかどうかは分からない。だけど性格的な部分は好きなんでしょ? なら、それはすぐに言っておくべきだわ」

 

 俺はクーリアに対して、好きだとかなんとか、その手の好意を伝えた記憶はない。励ましの形でクーリアの美点を口にした事はあったが、誤解されやすい形で言わないよう、自然と自分にブレーキがかかっていた。

 だけど、それが結果としてクーリアを不安にさせてしまっていたら。

 

「……ですよね」

 

 それは、あってはならない事だ。

 今さらながらに、自分の小ささを理解して、返事にも恥ずかしさが混じる。だが、それを聞いて、ふっとプディンセスの雰囲気が和らいだ。

 

「バトレアス、聞かせてくれるかしら?」

「?」

「あなたは、破れたとはいえ一度恋をした。その時は、どんな気持ちだった?」

 

 思い出す。当時、そしてたった今その時の話をして蘇った、俺自身の感覚。

 「その時」の自分は、どうだったか。

 

「……その人を想うだけで心が温まって……けれど、苦しさも少しあって。穏やかな希望を夢見るような、高揚感がありました」

「……分かるわ。私も今、あの方を想うと同じ気持ちだもの」

 

 微笑むプディンセス。今恋をしている以上、俺が言ったような感覚に覚えがあるらしい。

 

「それで今、あなたは返事ができないでいる人の事を考えて、同じ気持ちにならない?」

 

 さらに言われて、クーリアの姿を思い浮かべる。

 前世でデュエルモンスターの彼女を見てから、今日に至るまでに接した時間は長い。思い出も作ってきた。今になってその姿があやふやだなんて事はない。

 だから、チョコレート色のドレスも、薄桃色の髪も、神秘的な色の瞳も、優しい笑顔も全て克明に思い出せる。

 そして、そんなクーリアの事を改めて考えると――

 

「……どうかしら?」

 

 プディンセスは、俺を見て笑っていた。

 

◇ ◇ ◆

 

 俺とプディンセスで話をした後、エンジェリアが妖精体の指揮をしてトランペットを演奏した(よく考えればそっちがメインのはずだった)。

 それから俺とエンジェリアは、また少しだけお喋りに興じ、城を後にする。

 

「今日はありがとう。貴重な話が聞けたわ」

「……むしろみっともない話をしてしまって、申し訳なく思います」

 

 エンジェリアに「お礼」を渡したのち、プディンセスが俺に話しかけてくる。けれど、礼を言われるような事は何もしていない。むしろ、妙な話を聞かせてしまった自覚がある。

 プディンセスは恋バナをご所望だったが、俺が話せたのは失恋話。意に添えたとは言い難い。どころか、アドバイスまでされてしまった。

 

「あなたの恋路がより良きものとなるよう、心から願っているわ」

「……それは、自分が貴女様に言うべき言葉ですね」

「むしろ、あなたと話して、私もちゃんと向き合わなきゃって思ったわ」

 

 プディンセスも俺を反面教師として自分の恋路を進む事にしたらしい。どんな形であれ力になれたのなら、それでいいだろう。

 

「あなたとの話は、改めて私自身の気持ちを再確認するきっかけになった。そして、距離だ何だって理由で時間をかけすぎてもいけない事だって理解した。返事をするのも、告白するのもね」

「それが、一番だと思います」

「ええ。だから、ありがとう」

 

 そう言ってプディンセスは、皮肉でも何でもない笑顔を俺に向けてくれた。

 俺とエンジェリアは、そんなプディンセスに改めて挨拶をし、城を出る。

 

「お疲れ様、バトレアスさん」

「エンジェリア様も」

 

 帰り道でお互いを労い合う。

 その時のエンジェリアの笑顔には、揶揄いの色がなかった。てっきり、城で俺の苦い記憶を話した事で何かしら突かれると思ったのだが。

 そして、今の俺にはもうエンジェリアに色々言いたい気持ちもなかった。彼女のおかげで、俺はやらねばならない事がはっきりとしたのだから。

 

「この後はどうする?」

 

 それに対する俺の答えは決まっている。

 

「クーリア様と、話をしようかと」

「……うん、それがいいと思うな」

 

 さっきのプディンセスとの話で、俺も間違った選択をしていた事を理解した。

 だからまず、返事をずっとしていなかった事について謝罪したい。

 そして今、クーリアに抱いている気持ちを正直に伝える。答えを出して、クーリアを安心させるべきだ。

 

「それじゃ、帰ろう」

 

 裏路地に入ったところでエンジェリアがタクトを振り、ドレミ界へのゲートを開く。

 くぐった先は屋敷のホール。そのまま俺は譜面台を倉庫に片付けて、エンジェリアにトランペットのケースを返し、手を洗ってからクーリアの部屋へ向かう。

 今日の休養日はクーリアひとりだけ。まだ他のドレミコードも、時間的に戻ってはいない。流石のエンジェリアも話を茶化しに来たりはしないだろうし、丁度いいだろう。

 

「……ふー」

 

 クーリアの部屋の前で息を吐き、意を決してノックをする。

 

『誰?』

「バトレアスです。ただいま戻りました」

 

 中からの質問に答えると、返事はなく、代わりにすぐ扉が開いた。

 そして、姿を見せたクーリアに俺が何かを言おうとする前に。

 

「クーリアさ――ま?」

 

 クーリアが俺の事を抱きしめてきた。

 

「……よかった……。無事に戻って来てくれて」

 

 少しだけ強い力で抱きしめながらのクーリアの言葉に、行動の理由を理解する。迷宮姫の城で俺が手傷を負ったのを見て、俺が外に出て傷つくのではと不安に思ったのだろう。

 しかし、今回の依頼ではデュエルこそしなかった。それに、俺の不手際について指摘され、どうすべきか決心がついたから、収穫は多い。

 

「……自分は大丈夫です。ご心配をおかけしてしまって申し訳ございません」

 

 そう言うと、クーリアは抱擁を解いてくれた。

 少し力が強かったな、という感想は胸に秘めつつ、話を切り出す事にする。ここからだ。

 

「クーリア様、少しお話がありまして……」

「その前に、私からもお願いがあるの」

 

 だが、先んじてクーリアが願いを申し出てきた。俺も話をしたいところだったが、まずはクーリアの願いを聞くのが先だろう。

 俺が話を聞く姿勢を取ると、クーリアは。

 

「バトレアス」

 

 その目に、妙な光を宿して告げた。

 

「私と、デュエルして」

 


 

《いつもの事》

 

ティアラミス「プディンセスちゃん? あなた私の言いつけを無視してドレミコードの方々に不相応な態度を取ったみたいね?」

プディンセス「えっ、何でそれを……!?」

ティアラミス「ホント、イケナイ子なんだから♡」

プディンセス「あっ、バトラスク! あなたチクったわね!?」

バトラスク「はて、何の事やら。女王陛下の言いつけを守らないイケナイ王女様なら存じ上げておりますが」

プディンセス「ムッキー!!」

シューバリエ(今日も王女様はお元気ですね)




次回からのデュエルでは、新規のオリジナルカードは登場しませんが、本作でこれまでに登場したオリジナルカードが登場します。
予めご了承くださいませ。
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