ドレミコードの従者は元人間   作:プロッター

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第78話:カルマ

バトレアス LP1300 手札4

【モンスターゾーン】

レドレミコード・ドリーミア DEF400 レベル2

 

【エクストラモンスターゾーン】

□□□ グランドレミコード・クーリア

□◆□ ATK3000

■■■ リンク3

 

【魔法&罠ゾーン】

伏せカード1

 

【ペンデュラムゾーン】

右:シドレミコード・ビューティア スケール2

 

【フィールドゾーン】

ドレミコード・ハルモニア

 

 

エニアクラフト LP2200 手札0

【モンスターゾーン】

裏側守備表示モンスター3

 

【魔法&罠ゾーン】

一点着地

伏せカード3

 

【ペンデュラムゾーン】

左:糾罪巧(エニアクラフト)θ’(エナト)-「oknirIA(オクニリア)」 スケール0

 

【フィールドゾーン】

糾罪都市-エニアポリス

 

 

「危険に晒すだと……?」

 

 ダメージの衝撃から何とか立ち直り、立ち上がってエニアクラフトを見る。虹色の輝きは不気味だが、何を考えているのかはさっぱり分からない。

 そして、言っている意味も理解できなかった。

 

『バトレアス、気にしちゃダメよ』

 

 忠告してきたのは、フィールドにいるクーリア。本人の力を注ぎ込まれた今、意思疎通ができるようになったからこそ頼もしくも思う。

 

『あちらが機械だからこそ、考えは読めない。何を見ているのかも……だから、それに惑わされずにデュエルをするの。でないと、足元をすくわれる』

 

 クーリアの言葉に、フィールドのドリーミアも同意するように頷く。

 確かにその通りだ。相手の言葉に惑わされてプレイングがお粗末になっては洒落にならない。

 

「……俺の、ターン!」

 

 引いたカードを確認しつつ、考える。

 あちらのデッキは、エニアクラフトの存在意義、そしてこれまでに明かされた効果からして、こちらの動きを徹底的に妨害するメタデッキだ。

 【ドレミコード】は攻めに強く、守りも悪くはない。しかし最初から動きを妨害されてしまうと厳しいところだ。

 さっきエニアクラフトが伏せた3体のモンスターの内、2体の効果はもう理解している。であれば、その効果を生かせないような立ち回りがこちらには要求されるだろう。

 それなら。

 

「魔法カード《ドレミコード・エレガンス》発動。俺は1つ目の効果を選び、デッキから『ドレミコード』ペンデュラムモンスター1体をペンデュラムゾーンに置く。俺が選ぶのは……」

 

 ディスプレイに表示される候補の「ドレミコード」たち。

 その中で選ぶのは、クーリアから借り受けた1枚だ。

 

「《ドレミコード・ソルフェージア》だ!」

 

 左側のペンデュラムゾーンに出現した光の柱に、2人の妖精体が姿を見せる。グランドレミコードの天使につく、クーリアとミューゼシアの妖精体たちだ。そのスケールは9で、このデッキに入るペンデュラムモンスターの中で一番スケールが高い。

 

「そして魔法カード《幸せの多重奏(ドレミコード・ハピネス)》発動! このカードは、3つの効果を1ターンに1度ずつ発動できる。俺は1つ目の効果を使い、手札を1枚捨てて、デッキからスケールが異なる『ドレミコード』ペンデュラムモンスター2体を手札に加える!」

 

 最初のターンには使えなくさせられたが、心強いカード。俺とクーリアの間に生まれた新たな力だ。

 けれど。

 

『セットされているアラゾニアの効果発動。相手がデッキからカードを手札に加える効果を含む効果を発動した時、このカードを表側守備表示にして効果を発動する』

 

 一番左側にセットされていたモンスターが表向きに変わる。縦に長い八面体のモンスターだ。

 

糾罪巧β’(デフテロ)-「alazoneIA(アラゾニア)

DEF1000 レベル1

 

『この効果で私はデッキから「糾罪巧」カード1枚を手札に加える。私は《糾罪巧-Astaγ.PIXIEA(アスタピクシア)》を手札に』

「俺は《幸せの多重奏》の効果で、デッキからスケール1の《ドドレミコード・クーリア》と、スケール3の《ラドレミコード・エンジェリア》を手札に加える。さらに、相手フィールドのモンスターより1体多い数まで、手札から『ドレミコード』を特殊召喚できる。来てくれ、クーリア、エンジェリア、プリモア!」

 

 また新しい「糾罪巧」を手札に加えられた。しかし、妨害すべきはそれではない。手札の《トリアス・ヒエラルキア》を墓地へ送りつつサーチを行う。

 あちらの場にはモンスターが3体。だからこちらは、あるだけの「ドレミコード」を手札から特殊召喚する。さっきのターンも活躍してくれたプリモア、明るい雰囲気で周りを元気づけてくれるエンジェリア、そして我らがドレミコードの頼れるリーダーにして最愛のクーリアが現れた。

 クーリアは、グランドレミコード態が既にフィールドにいるため、少し違和感がある。ただ、当人たちは全く気にする様子がない。影分身のような感覚だろうか。

 

ドドレミコード・クーリア

ATK2700 レベル8

 

ラドレミコード・エンジェリア

ATK2300 レベル6

 

ドレミコード・プリモア

DEF400 レベル1

 

 3体のドレミコードが突然現れた事に対し、エニアクラフトの内部の輝きはまた黄色に変わる。

 

『リバースしたアラゾニアの効果発動。相手の手札をランダムに1枚、ターン終了時まで除外する』

 

 あちらのリバース効果は強制効果。だからチェーン処理の順番は、任意効果のこちらが後になる。だが、ソルフェージアの効果があれば支障はない。

 

『さらにエニアポリスの効果発動。リバースした「糾罪巧」ペンデュラムモンスターを、手札に戻すかペンデュラムゾーンに置く』

「! 俺は特殊召喚したプリモアの効果で、デッキから『ドレミコード』カード1枚を手札に加える」

 

 エニアポリスには、リバースした「糾罪巧」を再活用する効果まであった。これで手札に戻し、次のターンになれば、またモンスターを特殊召喚できるようになる。

 だが、もう次のターンを渡すつもりはない。しかし備えとは常に必要なため、プリモアの効果で防御カードを手札に加えておく事にした。

 

「《ドレミコード・フォーマル》を手札に加える」

『私はエニアポリスの効果でアラゾニアを手札に戻す。さらに、リバースしたアラゾニアの効果を処理』

 

 狙いを定めるように、エニアクラフトの輝きは強い紫色になった。

 ここで、ソルフェージアの出番だ。

 

「ソルフェージアの効果! 相手フィールドで発動したモンスター効果の処理時、俺のフィールドに『グランドレミコード』が存在する場合、それを無効にする!」

 

 光の柱の中にいるソルフェージア……2人の妖精体がタクトを振ると、音符が混じる黄金色の輝きに俺の手札が包まれる。これはきっと、アラゾニアの効果から俺の手札を守ってくれているのだろう。

 ソルフェージアの効果は、チェーン処理を組まずに効果を無効にできる。よってこの効果を使うかどうかは、相手の効果が処理されるタイミングで選んでいい。非常に嬉しい効果だ。

 

「効果を適用した後、ソルフェージアは破壊される」

 

 心の中で感謝の気持ちを伝えると、2人の妖精体は微笑みながら姿を消した。

 

糾罪巧θ’-「oknirIA」

糾罪カウンター:0→1

 

 だが、リバース自体は成立しているため、オクニリアにカウンターが置かれてしまう。あれを残したままだと、このターンのエンドフェイズに、エニアポリスの効果でダメージを受ける。だから、このターンに勝てないとしても、最低限あのカウンターは何とかしなければならない。

 

「ハルモニアの効果発動! 俺は1つ目の効果で、エクストラデッキのソルフェージアを手札に加える。そして、再びペンデュラムゾーンにセッティング!」

 

 エクストラデッキに行ったばかりだが、高いスケールとペンデュラム効果は心強い。だからもう1度ペンデュラムゾーンに置かせてもらったが、2人の妖精体は全く気を悪くした様子もなかった。優しさが心に染みる。

 

「ハルモニアの2つ目の効果発動。ソルフェージアのペンデュラムスケールを、そのレベル分だけ上げる。ソルフェージアのレベルは2だ」

 

ドレミコード・ソルフェージア

スケール:9→11

 

 「糾罪巧」がこちらの行動に反応して動き出す以上、余計な事は何もせずに攻撃する方がいいのかもしれない。

 しかし、それでも俺が慎重になってしまう理由は、【糾罪巧】というデッキを何一つ知らないからだ。もしかしたら、何の考えもなしに攻撃すると、却って手痛い反撃を受けてしまうかもしれない。そして、今はまだエニアクラフトも攻撃の意思を見せないが、不意を突いて大打撃を与えてくるかもしれない。

 だから、できる手は全て打っておきたかった。

 

「ハルモニアの効果発動! 俺のフィールドの『ドレミコード』のスケールは奇数4種類と偶数2種類。よって、相手フィールドのカード1枚を破壊する!」

『フィールドのカードを破壊する効果を相手が発動した時、セットされている《糾罪巧-Archaη.TAIL(アークテイル)》を表側守備表示にして効果を発動』

 

 やはり、このタイミングで発動してきた。突如として、エニアポリスのビルをも超える巨大な紫のサソリ型ロボットが姿を見せる。

 

糾罪巧-Archaη.TAIL

DEF2500 レベル9

 

『そしてこのターン、私のモンスター及び「エニアクラフト」魔法カードは効果では破壊されない』

「《ドドレミコード・クーリア》の効果発動! 俺のペンデュラムゾーンで一番高いスケール×300以下の攻撃力を持つ、フィールドのモンスターが効果を発動した時、そのモンスターを破壊する!」

 

 アークテイルの攻撃力が3000である事は、前のターンに理解している。だからこそ、ソルフェージアのスケールを11まで上げて、破壊できる範囲を広げたのだ。《グランドレミコード・クーリア》の効果で無効にしてもいいが、守備力2500は戦闘で破壊できる数値。それに、それ以上に厄介な効果が発動した時のために、《グランドレミコード・クーリア》の無効効果は取って――

 

『私のカード効果にチェーンして相手が効果を発動した時、セットされている《糾罪巧-Aizaβ.LEON(アイザレオン)》を表側守備表示にして効果発動』

「!」

 

 そこで、また新しい「糾罪巧」が姿を見せる。アークテイル同様、街を見下ろすほどの大きさを誇る機械仕掛けのライオン。周りに八面体のオプションが浮かび、鬣は全体的なシルエットがひし形。カラーリングはアラゾニアと同じような砂色だ。

 

糾罪巧-Aizaβ.LEON

DEF2500 レベル9

 

『アイザレオンの効果で、フィールドのカードを3枚まで持ち主の手札に戻す』

「何!?」

 

 瞬間、アイザレオンの周りに浮かぶオプションが水色の光を蓄え始めた。

 そこで瞬時に、あちらの狙いを理解する。ハルモニアをバウンスして効果を打ち消し、《グランドレミコード・クーリア》をもエクストラデッキに戻して無効効果を使えなくさせ、攻撃の手数を減らすつもりだ。

 

「《グランドレミコード・クーリア》の効果発動! 奇数のスケールを持つソルフェージアをリンク先へ特殊召喚し、アイザレオンの効果を無効にする!」

 

 それを防ぐために、《グランドレミコード・クーリア》の効果を使う。ペンデュラムゾーンにいた2体の妖精体が、ふよふよと《グランドレミコード・クーリア》の真後ろにつく。それと同時に、《グランドレミコード・クーリア》についていた妖精体は姿を消した。ソルフェージアが同じ妖精体をモチーフとしているからだろうか。

 

ドレミコード・ソルフェージア

DEF400 レベル2

 

「さらに俺は、スケール0の《ファインドレミコード・バトリア》をエクストラデッキに加える」

 

 入手経路を考えれば、このカードを使うのは正直考え物だ。それでも、備えられるだけの事は備えておく。

 

グランドレミコード・クーリア

ATK3000→3100

 

 そしてこれにより、アイザレオンの効果発動は無効となったため、オプションが宿していた青い光が収まる。

 さらに、発動した《ドドレミコード・クーリア》の効果はそのまま適用され、そのタクトから放たれた緑色の五線譜を食らったアークテイルは爆散した。

 

「俺はハルモニアの効果で、お前のフィールドにセットされているカードを1枚破壊する!」

 

 効果を発動したアークテイルを破壊する事はできたが、その効果自体は止められていない。よって破壊できるカードは伏せカードだけ。だが、それだけでも十分ありがたく、セットされていた罠カード――《リ・バウンド》が破壊された。

 

『セット状態の《リ・バウンド》が破壊された事により、カードを1枚ドローする』

 

糾罪巧θ’-「oknirIA」

糾罪カウンター:1→3

 

 これでオクニリアの糾罪カウンターは3つ。放っておけば、このエンドフェイズにエニアポリスの効果であの3つのカウンターが除外され、俺は2700のダメージを受けて負ける事になる。

 

「永続罠《ペンデュラム・スイッチ》発動! このカードは1ターンに1度、モンスターゾーンのペンデュラムモンスターをペンデュラムゾーンに移動させる事ができる。俺はドリーミアをペンデュラムゾーンに置く」

 

 後ろに跳んで光の柱に戻ったドリーミアを見て、使い回してしまって本当に申し訳ないという気持ちが溢れ出す。そして、このデュエルに何としても勝たなければならないという気持ちが強くなった。

 

「《ドドレミコード・クーリア》の効果発動! 相手フィールドの表側表示カード1枚の効果を、次の相手ターン終了時まで無効にする。ただし、俺のペンデュラムゾーンに奇数のスケールが存在する場合、その対象は2枚にできる。俺はオクニリアとエニアポリスの効果を無効にする! レスト・オブ・スキル!!」

 

 クーリアがタクトを大きく振り、緑色の波動を放つ。それは空間全域に広がり、エニアポリスの景色は灰色に染まって、オクニリアは色を失って沈黙した。

 

糾罪巧θ’-「oknirIA」

糾罪カウンター:3→0

 

「そして、ソルフェージアの効果発動! 手札から『ドレミコード』モンスター1体を特殊召喚できる。ただしこのカードをリリースすれば、エクストラデッキまたは墓地からも特殊召喚する事ができる。俺はソルフェージアをリリースし、エクストラデッキのエリーティアを特殊召喚!」

 

 2人の妖精体が頭を下げ、エリーティアがスカートをつまみながら現れる。妖精体はコントラバスを静かに奏でた。

 

ミドレミコード・エリーティア

DEF400 レベル3

 

「特殊召喚したエリーティアの効果で、お前のフィールドにセットされているカード1枚を手札に戻す!」

 

 エリーティアがタクトを振ると、俺が指さした伏せカードに泡が殺到し、包み込まれたそのカードはエニアクラフトの手に戻る。何のカードかは分からないが、これが無駄にならない事を祈る。

 

「そしてセッティング済みのペンデュラムスケールを使い、ペンデュラム召喚! 現れろ、《ソドレミコード・グレーシア》!」

 

 色を失ったエニアポリスの空には、ハルモニアの五線譜が浮かんでいる。その中心に穴が開き、紫の光と共にグレーシアがフィールドに舞い降りてきた。

 

ソドレミコード・グレーシア

ATK2100 レベル5

 

「特殊召喚したグレーシアの効果で、デッキから《ドレミコード・ムジカ》を手札に加える」

 

 そしてまた、先ほどと同様にデッキから選ばれたカードは一度グレーシアの手に渡り、それを差し出してくる。

 微笑みながらのその仕草に、俺も少しだけ気持ちが温かくなるが。

 

『リバースしたアイザレオンがいる限り、君自身の効果で君の手札にカードが加わる度に、君は1枚につき900ポイントのダメージを受ける』

「な……!?」

 

 アイザレオンの口が開くと、強烈に甲高い鳴き声を上げる。俺の知るライオンの鳴き声とは程遠い、超音波のような音と衝撃に身体が叩かれた。

 

「おああああああ……っ!」

 

バトレアス LP1300→400

 

『バトレアス、しっかり……!』

「俺は、大丈夫です……」

 

 カードを差し出すために近くにいたグレーシアが、身体を支えてくれる。他のドレミコードも心配なのか俺を振り向くが、気丈に笑ってみせる。だが、先ほどからのダメージで身体が大分重くなってきた。

 そんな中でも思い返すのは、精霊界に転生してから初めてドレミ界の外でデュエルをした時の事。天老とのデュエルが終わり、安心感で脚から力が抜けたところで、グレーシアがそれを支えてくれた。あの時の事は、色々な意味で覚えている。

 

『バトレアスさん、勝とう』

 

 そこで、フィールドにいたエンジェリアが語り掛ける。彼女は、明るくて、それでいて自信たっぷりな笑顔を浮かべていた。色々とトラブルを起こす事が多い彼女だが、その実エンジェリアの明るさには何度も気持ちが軽くなっているのだ。

 だから、今こうして窮地に陥っている中で見るその笑顔は、頼もしさがある。

 

「行くぞ……!」

 

 俺の掛け声に、フィールドのドレミコードたちが頷く。

 ペンデュラムゾーンには奇数と偶数のスケールがあって、モンスターゾーンにはグレーシアとエンジェリアがいる。つまり、「ドレミコード」ペンデュラムモンスターで攻撃すれば確実に通る。あちらのライフは2200だから十分だ。

 

「バトルだ! 俺は――」

『罠カード《魔砲戦機ダルマ・カルマ》発動。このカードは、フィールドのモンスターを全て裏側守備表示にする』

「!?」

 

 だが、バトルフェイズに入った直後、スタートステップは無防備だった。

 エニアクラフトがカードを発動すると、大量の砲台で武装した巨大なだるまが出現し、無差別な砲撃を放ち始める。それは確実に俺のフィールドのドレミコードを狙って直撃させ、軒並み裏側守備表示に変えてしまう。さらに、エニアクラフトの場にいたアイザレオンをも巻き込み、裏側守備表示にさせる。また、あちらの効果が使えるようになったわけだ。

 

「皆……!」

 

 言葉を交わす事ができ、さらに触れられたからこそ、皆をデュエルで使役するただのモンスターと思えない。そのせいで、ダルマ・カルマの攻撃を喰らって裏側守備表示となり、沈黙してしまったのが俺は悲しかった。

 そしてダルマ・カルマの砲撃が止み、フィールドで唯一表側のままなのは、《グランドレミコード・クーリア》だけ。リンクモンスターはその性質上守備表示にならない……。

 

『ダルマ・カルマのさらなる効果。モンスターを裏側守備表示にした後、表側表示モンスターが存在する場合、そのコントローラーは自身の表側表示モンスターを全て()()()()()()()()()()()()()

「―――――――――」

 

 思考が止まった。

 効果自体は理解できる。プレイヤーに墓地送りを強要する効果だ。六花界で戦ったヘレボラスも使った《六花の風花》と同じ、耐性を無視してモンスターを除去できる、回避が非常に難しい効果。それと同じにすぎない。

 だけど、それが意味する事は。

 

『ではバトレアス、《グランドレミコード・クーリア》を墓地へ送ってもらう』

 

 エニアクラフトが促してくる。

 フィールドにいる表側表示モンスターは、俺がコントロールする《グランドレミコード・クーリア》1体のみ。だから、ダルマ・カルマの強制効果は俺だけに適用される。それは分かっていた。理解していた。当然だ。

 

 

 

 つまり俺は、自分の手でクーリアを……最愛のクーリアを墓地へ送るという事になる。

 

 

 

 リンク素材にするのとも、リリースするのとも、コストにするのとも違う、俺自身に葬らせる。

 

 これはデュエル。そんな事態が起きてもおかしくない。むしろそれが普通だ。

 だけど、俺の思考がそこで現実を拒否してしまうのは。

 

『……バトレアス』

 

 声が響く。

 俺のフィールドでただひとり、姿を見せたままの《グランドレミコード・クーリア》。自身の力を注ぎ込まれ、さらにエニアクラフトの影響力で、言葉を交わし、触れる事さえ可能になった。俺の大切な仲間であり、一番愛している人。

 そんなクーリアは俺を振り向いて。

 

『大丈夫。すぐにまた会えるから』

 

 悲しい笑顔を浮かべていた。

 その「悲しい」は、どこから来るのだろうか。

 

『ここに、「本当の私」が一緒に来られない以上、デュエルで一緒に戦えたらと思った。だけど、やっぱりデュエルだもの。そう上手くは行かないわよね』

「だけど俺は――」

『でも、まだ私のオリジナルが残っている』

 

 クーリアが何を言っているのかは分かった。

 さっきのダルマ・カルマで伏せられたモンスターの中には、《ドドレミコード・クーリア》もいる。だから厳密に言えば、クーリアはまだフィールドに残るのだ。これがこのデュエルでの別れ、というわけではない。

 だけど、気持ちは割り切れなかった。オリジナルが残ろうが、《グランドレミコード・クーリア》は確かに感情を持っていて、触れる事ができて、俺と言葉を交わせたのだから。オリジナルがどうとかそんな話じゃない。

 

「……俺のせいで」

『違う。あなたはやれるだけの事をやった。それは私も見ていたから分かっている。その上で、今はあちらが上だっただけの事』

 

 気づけば、クーリアが俺の目の前に立っていた。

 

『それに、これで勝負が決したわけじゃない。あなたにはまだ、仲間がいる』

「……」

『何よりあなたは、今までもこれ以上の窮地に耐えて、何とかしてきたでしょう?』

 

 優しく、あやすように笑うクーリア。

 視界が歪んできた。

 

『だから今回も、あなたが勝つ。私たちの下へ帰ってきて、また一緒に暮らす。私はそう確信しているの』

 

 そしてクーリアは、ほんの少しだけ、触れるようにキスをしてくれた。

 温もりと、甘みがあるのが、余計に絶望感を際立たせる。

 

『信じてる』

 

 それだけ告げて、クーリアの姿が消えた。

 そしてディスクを見たら、《グランドレミコード・クーリア》のカードがひとりでに墓地へ送られていくところだった。

 凛々しくて、頼りになって、優しい笑顔を見せながら。

 

 

 

『言っただろう。君は自らの選択で、仲間を危険に晒すと』

「……」

『人は何かを失いながら生きている。時には、愛する人を拒絶し、失ってでも生きる。君はまさに、それを体現したわけだ』

 

 エニアクラフトが告げる。

 バトレアスは、項垂れていた。

 

(創造主も酷な事をする)

 

 デュエルを観ながら、ウィズダムはそんな事を考える。

 ウィズダムから見ても、バトレアスはあの《グランドレミコード・クーリア》にかなりの思い入れがあると窺えた。それが決して一方通行の気持ちでないのも、あのモンスターが墓地へ送られる直前の行動で分かっている。

 さらに以前、ウィズダムがクーリアを悪く言った際、バトレアスは怒りをあらわにした。

 それほどまでに想っているクーリアを、限りなく現実に近いデュエルで、自分の手で葬ったとなれば平静は保てまい。ウィズダムとのデュエルではエグザムに屈さなかったが、今回は相当堪えたと見える。

 

(これも、彼を見極めるため……か)

 

 長きにわたって、人の罪を観測し続けてきたエニアクラフト。ウィズダムの創造主は、人とは共存できないと判断し、根絶を掲げた。

 その上で、エグザムに汚染されない稀有な存在であるバトレアスを、エニアクラフトは「処分」せず、可能な限り自分たちの側につけられるように仕向けている。これまでにエニアクラフトが見てきたような、欲望や力に囚われる輩とは違うから。

 そして今、エニアクラフトは自分自身でバトレアスを試している。ダルマ・カルマの効果は偶然とはいえ、バトレアスはやむを得ずクーリアを自分の手で墓地へ送った。愛している人を、その手で葬らざるを得なかった。

 

 そうしたバトレアスは、次にどうするか?

 

 怒りに身を任せてエニアクラフトを倒そうと躍起になるか。絶望に打ちひしがれてサレンダーするか。

 そうした行動を取れば、エニアクラフトはバトレアスを見限る。そして他の人類同様駆逐する。バトレアスはそれに気づいていないだろうが、これは正念場という奴だ。

 

『君のターンは終わりなのか?』

 

 動かないバトレアスに、エニアクラフトが問いかける。

 その言葉に応じたのは、バトレアスの声ではなかった。

 

「?」

 

 ウィズダムが、視線を上に向ける。

 ペンデュラムゾーンにいるビューティアの妖精体が、ハープを奏でていた。それは何らかの曲ではなく、ヒーリングを目的とするようなものとウィズダムは推測する。

 

『バトレアスさん。私が前に言った事、覚えているかしら?』

 

 光の柱に浮かぶビューティアは、バトレアスへと視線を向けて話しかける。その間も、ビューティアの妖精体は演奏を止めない。

 

『現実とデュエルの線引きはした方がいい、って』

「……ええ、覚えていますとも。ですが――」

『あなたの気持ちも分かるわ。このデュエルはこれまでと違って、私たちも現実に近い形で戦っている。それに、あなたがどれだけクーリアさんの事を想っているのか考えれば、さっきの事は途方もないほど悲しいでしょう』

 

 バトレアスは視線を上げない。けれど、ビューティアの話に耳を傾けているのは確かだ。

 

『今、あなたが打ちひしがれているのは、あなた自身が優しいから。優しすぎるからこそ、現実のように仲間を大切に思っている』

「……」

『けれど、時には優しいだけでは前に進めない事もある。今のように』

 

 光の柱の中で、ビューティアの目が開いた。

 

『厳しい事を言ってしまうようで申し訳ないけれど……あなたは間違いなく、クーリアさんから力と勝利を託された。それならあなたは、打ちひしがれるのではなく、それを乗り越えて戦うべきだと思う』

「……」

『この戦いはあなたのものであり、今は私もクーリアさんもあなたの下で戦うほかない。そんなあなたが挫けてしまったら、本当の終わりよ。だから、諦めないで』

『ビューティア様の言う通りね』

 

 さらに、反対側の光の柱にいるドリーミアが続いた。その妖精体も、フルートを奏で始める。ビューティアの妖精体が奏でるハープの音色に合わせるように。

 

『あんたはクーリア様の言った通り、これまでだってたくさんの戦いで勝ってきた。ヴァーディクトや、迷宮姫様、ミカエル様やクルヌギアス様にも』

「……」

『この際だから言わせてもらう……あたしは今、ただ見ている事しかできない。だけどあんたなら、どれだけ傷ついても、最後に必ず勝つって信じてる』

 

 ドリーミアへと、バトレアスが顔を向ける。

 

『このデュエルはあんたひとりで戦ってるんじゃない。あんたひとりに全部を背負わせたくない。だからこうして力を注ぎこんで、あたしたちもここいる。だから……あたしたちと戦って』

 

 その言葉を聞いたバトレアスが、小さく笑ったのが見えた。

 

「……ありがとう、2人とも」

 

 そして顔を上げて、視線をエニアクラフトに戻す。

 その眼には、もう後悔や絶望はなさそうだ。その目はわずかに赤くなっていたが。

 

「……エニアクラフト。俺はこの通り、心が弱い。こうして仲間に励まされなきゃ、ひとりで立ち直れないぐらいに。お前たちが俺を評価したのは間違いだよ」

『そのようだ。現に我々は、君に対する評価を下方修正している』

「ああ、それでいい」

 

 エニアクラフトは、バトレアスが1人で立ち直るのを最良としていた。しかし実際には、ビューティアとドリーミアに励まされたため、エニアクラフトの期待を下回った事になる。

 だが、歯に衣着せない言い方にも、バトレアスは笑っていた。むしろそれを願っていたかのようだ。

 

「そして、お前たちが見てきた人の罪も、人の心の弱さからくるものだと俺は思う。弱いからこそ、時に間違った手段に手を出したり、判断を誤って、結果として罪を重ねる事もあるだろう。()()()()()()()()()()

『その通りだ。我々が見てきた人の中には、君のような人が大勢いた』

「だけど、そうした罪から……挫けたところから立ち直るのにも、同じ人の力が必要なんだ」

 

 バトレアスの言葉に、エニアクラフトの内部の輝きが青に変わる。

 あの色によって、エニアクラフトは計算回路を変えているとウィズダムは知っている。青色は、相手を理解しようとしている、歩み寄りの色だ。

 

「一人ひとりの心が弱くても、誰かが支えてくれればきっと道は拓く。立ち直る事ができる。そしてそうすれば、大きな壁をも越えられる。俺はこのデュエルで、皆と戦って、お前に勝ってそれを証明してみせる」

『……』

「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド!」

 

 バトレアスがターンを終える。

 彼の言葉を、ウィズダムは噛み砕いて理解しようと目を閉じた。

 

 人の心、というものをウィズダムは何となくでしか理解できない。

 自分はエニアクラフトによって生み出された、人の形をした使者。あくまでも劣化したレプリカみたいなもので、本当の意味での「心」を持たない。これまでにエニアクラフトが観測した、数多の人のデータを集積し、人間のように振舞っているだけ。エグザムの中でもとびきり強い力を持つ《サイバー・エンド・ドラゴン》を使ってもなお影響を受けない理由はそれだった。

 だが、挫けかけたバトレアスが、ビューティアとドリーミアの激励を受けて立ち直ったのを見ると、心というものは確かにあると再認識させられる。それに、彼がエグザムに汚染されなかったのも、大切な約束を心に留めていたからだという。

 

(心……か)

 

 それを持たないのを残念に思うと同時、それを知る事ができて、自然と唇が笑顔を描いた。

 

 

 

 クーリアとの固い約束は、勿論忘れていない。あの約束があったからこそ、俺はエグザムに汚染されなかった。

 だけど、その約束を交わしたクーリアを、この現実に近いデュエルで俺自身の手で葬ってしまったのは、無念以外の何ものでもない。挫けてしまいそうだった。

 そんな俺をビューティアとドリーミアが励ましてくれた事で、少しは気持ちが軽くなった。罪悪感は消えないが、このデュエルではもう気弱になっている場合ではない。

 

『私のターン、ドロー』

 

 依然として状況はエニアクラフトが有利だ。こちらのフィールドは裏側守備表示になってしまった「ドレミコード」5体、そしてあちらは確実に毎ターンアドバンテージを稼いだうえ、俺にロックを仕掛けてくる。

 それでも、さっきの出来事があって、恐怖自体は薄れていた。《グランドレミコード・クーリア》を自分で墓地へ送ったのは悔やむべき失態だが、勝つ事に対する熱意というものが一段階増したと思う。

 

『私はスケール0のアラゾニアをペンデュラムゾーンにセッティング』

 

 エニアクラフトのフィールドの右端に、光の柱が現れる。その細長い八面体の下にペンデュラムスケールが現れるが、その数値は反対側に置かれているオクニリアと同じ0。つまりペンデュラム召喚はできない。

 となれば狙いは、ペンデュラム効果だ。

 

『900ライフポイントを払い、アラゾニアのペンデュラム効果を発動。デッキから「糾罪巧」カード3枚を相手に見せ、その中から相手が選んだランダムな1枚を手札に加える』

 

エニアクラフト LP2200→1300

 

 オクニリアと全く同じペンデュラム効果。だが、いいようにさせるわけにはいかない。

 

「罠カード《ドレミコード・ムジカ》発動! 俺のフィールドに存在する『ドレミコード』のスケールの種類によって効果を選べる。俺のフィールドには奇数と偶数のスケールが存在するため、相手フィールドのカード1枚を対象とし、破壊する。アラゾニアを破壊!」

 

 伏せていたカードを使い、アラゾニアの効果を適用できなくさせ、コストを浪費させる。光の柱の中で、ドリーミアとビューティアがタクトを振ると、薄い黄色の竜巻が吹き荒れた。

 

『自分の効果の発動にチェーンして相手が効果を発動した時、セットしているアイザレオンを表側守備表示にして効果発動。フィールドのカードを3枚まで持ち主の手札に戻す』

 

 再び姿を見せる、機械仕掛けの巨大な獅子。それは俺を見下ろすと、威嚇するように電子的な鳴き声を上げた。

 

糾罪巧-Aizaβ.LEON

DEF2500 レベル9

 

 勿論、そのモンスターの存在は忘れていないし、効果だって覚えている。

 

「墓地の《トリアス・ヒエラルキア》の効果発動! 互いのメインフェイズに、俺のフィールドの天使族モンスターを3体までリリースする事で、このカードを手札または墓地から特殊召喚できる! ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドを離れた場合除外される」

 

 俺のフィールドからリリースするのは、裏側表示になってしまったプリモア、グレーシア、そしてクーリアだ。元々の種族が天使族だから、裏側守備表示であってもコストに使用する事ができる。3体のモンスターがエクストラデッキに加わると、赤い玉が付いた錫杖を構える、6枚の白い翼を生やす巨大な天使が色を失ったエニアポリスに舞い降りた。

 

トリアス・ヒエラルキア

DEF2900 レベル9

 

「2体以上の天使族をリリースした事で、《トリアス・ヒエラルキア》の効果により、相手フィールドのカード1枚を破壊する!」

『速攻魔法《神秘の中華なべ》を発動。このカードはモンスター1体をリリースし、その攻撃力か守備力分のライフを回復する』

「チッ……!」

『私はアイザレオンをリリースし、その攻撃力3000ポイント分のライフを回復する』

 

エニアクラフト LP1300→4300

 

 ここで一気にライフを回復された。初期ライフが4000のルールに置いて、900というライフコストはそれなりに重いからこそ、徐々にライフが減っていくのを期待していたのだが。

 しかし、《トリアス・ヒエラルキア》の破壊効果はハルモニアと同様に「選ぶ」効果。アイザレオンがいなくなったのなら、別のカードを破壊するまでだ。

 

「俺はエニアポリスを破壊する!」

 

 カードを指定すると、《トリアス・ヒエラルキア》の掲げる錫杖の先端から赤い稲妻が迸り、フィールド全域に及ぶ。その稲妻が直撃した街は、一瞬で赤い光に包まれて焼失し、やがて最初にいた近未来的な青い異空間へと戻る。

 

「《トリアス・ヒエラルキア》の最後の効果で、3体の天使族モンスターをリリースした事により、カードを2枚ドローする」

 

 もしもアイザレオンがいたままだったら、このドローで俺は1800のダメージを受けて負けていた。だから、エニアクラフトが《神秘の中華なべ》を使わなかったらアイザレオンを破壊するつもりだったが、プラスマイナスゼロになったと言える。

 

『私はアイザレオンの効果で、私のフィールドのオクニリア、君のフィールドの《ペンデュラム・スイッチ》、《トリアス・ヒエラルキア》を手札に戻す』

「?」

 

 アイザレオンがフィールドを離れたが、その効果は有効。よってフィールドのカードがバウンスされる。俺は《ペンデュラム・スイッチ》を手札に戻し、《トリアス・ヒエラルキア》は制約効果で除外される。エニアクラフトはオクニリアを手札に戻した。

 この選択には少し疑問が残る。既に破壊が確定しているアラゾニアを、何故か手札に戻さなかった。現に、《ドレミコード・ムジカ》によって発生した嵐を受け、アラゾニアは木っ端微塵に砕け散ってエクストラデッキに加わった。手札に戻しておけば再利用の目途は立ったはずなのに、それをしないとは。

 

『手札より、オクニリアをペンデュラムゾーンにセッティング』

 

 再び光の柱と共に現れる、緑色の八面体。その中心部で輝くのは、紫色の光だ。

 

『900ライフポイントを払い、オクニリアのペンデュラム効果を発動。デッキの「糾罪巧」カード3枚を相手に見せ、相手がランダムに選んだ1枚を手札に加える』

 

エニアクラフト LP4300→3400

 

 クーリアの効果でその効果を無効にしたが、一度手札に戻った事でそれも打ち消されている。またエニアクラフトの戦術の幅を広めてしまう事になった。

 そして開示されるカードは、《糾罪巧α’(プロト)-「orgIA(オルギア)」》《糾罪巧-AtoriF.MAR(アトリマール)》《糾罪都市-エニアポリス》。効果を知っている以上、エニアポリスを手札に加えさせてしまうのは危険だ。残りの2枚は知らないカードだが、やはり効果を確認する間もなくシャッフルされてしまう。

 

「俺は中央のカードを選ぶ」

 

 俺は透視の力を持たないため、最終的には天に運を任せるしかない。1枚がエニアクラフトの手札に加わり、残りの2枚はその場で消え去った。

 

『私は手札のアスタピクシアの効果を発動。このカードを相手に見せる事で、手札からモンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する』

 

 アスタピクシアは、1ターン前にアラゾニアの効果で手札に加えたカード。サーチの時に見えたレベルは9だが、「エニアクラフト」はどうやら共通で手札からモンスターを裏側守備表示で特殊召喚する効果があるらしい。

 

『《一点集中》の効果でカードを1枚ドロー』

 

 さらに1枚ドローした事で、またエニアクラフトの手札に何があるのか分からなくなる。

 

『魔法カード《ペンデュラム・ホルト》発動。エクストラデッキにペンデュラムモンスターが3種類以上存在するため、さらに2枚ドローする』

「アラゾニアを破壊させたのはそのためか……!」

 

 俺の使う【ドレミコード】にも投入されているドローソース。さっきのアイザレオンの効果でアラゾニアを破壊させたのは、《ペンデュラム・ホルト》の発動条件を満たすためだったわけだ。

 

『永続魔法《闇の護封剣》発動。このカードがフィールドにある限り、君のフィールドのモンスターは表示形式を変更できない』

「何……!」

 

 俺とエニアクラフトのフィールドの中間に、影のように黒い剣が空から降ってきて、地面に突き刺さる。さらに、俺のフィールドでセット状態の2体のモンスターは黒いオーラに包まれた。

 

『手札のアスタピクシアの効果を発動し、手札からモンスターを裏側守備表示で特殊召喚』

「!」

 

 アスタピクシアが手札に残っていた。となれば、最初に裏側守備表示で特殊召喚されたのは別のモンスターという事になる。そして自力でセットできないとすれば、レベル5以上。つまり、最初に伏せられたモンスターはアトリマールだろう。

 だが、それが分かったとしても、どんな効果を持っているのか全く分からない。

 

『さらにカードを1枚伏せてターンエンド』




次回、新規ではありませんが過去に登場したオリジナルのカードが登場します。
予めご了承くださいませ。

次のうち、この作品で、デュエル外の登場人物として見てみたいのは?

  • 魔術師
  • コード・トーカー
  • ARG☆S
  • ウィッチクラフト
  • 閃刀姫
  • 霊使い
  • 勇者トークン一行
  • 推しがいないんですが……
  • 全部書いて
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