ドレミコードの従者は元人間   作:プロッター

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第84話:友との戯れ

 冥府の神・クルヌギアス。

 普通の人間なら、謁見どころかその姿を目にする機会すら与えられないほどの神性存在。

 そもそもクルヌギアスがいる冥府とは、死んだ魂が行きつく場所。故に、会おうと思っても簡単に会えるはずがない。仮に会えたとしても、普通なら生きて帰れはしないものだ。

 

「ご無沙汰しております、クルヌギアス様」

「うむ。こうして面と向かって会うのは、屍迷人の時以来かの?」

「はい。お会いできて光栄です」

 

 そんなクルヌギアスの前に俺は跪き、精霊界の他の誰に対してよりも丁寧に挨拶をする。多少慇懃無礼かもしなれなかったが、その挨拶にクルヌギアスは気を悪くした風ではない。そして、隣にいるクーリアとミューゼシアも、それほど緊張した感じはなかった。

 

「先日は、天使族裁判にて弁明をしてくださったこと、大変ありがたく思います。ありがとうございました」

「構わぬ。妾も珍しいものが見られたからの」

 

 件の天使族裁判で、クルヌギアスは俺と友好関係にあることを、カードを介してその場に顕現し、自ら証言した。それは勿論、今こうして目の前にいる本物のクルヌギアスの意思によるもので、でっち上げなどではない。

 その時の礼を伝えるために、俺はクルヌギアスの下に来た。菓子折りのひとつでも用意したかったが、申し訳ないが賄賂と見なされかねないので今回は無しだ。

 

「もしかしたら、貴女のお言葉がなければ、自分は処されていたかもしれません」

「それはなかろう。裁判で必要なのは神への畏怖ではない上位天使が、神に恐れをなして罪を見逃すこともあるまい」

「……ええ、そうですね」

 

 不安だったことを伝えてみるが、クルヌギアスは反論する。それに同意したのは、あの場で俺と一緒にいたミューゼシアだ。

 クルヌギアスと親しい俺を処刑することで、クルヌギアスの怒りを買うのでは、と恐れた天使もいたと思っていた。そのおかげで、俺は間一髪処刑されずに済んだのだと。

 その真偽は確かめられないが、今は大天使のミューゼシアと、神のクルヌギアスの言葉を信じることにしよう。

 

「とはいえ、あのように好き放題言われ責められてしまうとはの。友として同情するわい」

 

 嗤いをたたえながらのクルヌギアスの言葉に、下手な反応はできない。相手が悪魔族であっても、今の俺の「本音」を告げるわけにはいかなかった。

 代わりに、そばにいるクーリアが視線を上げる。

 

「……驚きました。まさか、貴女がバトレアスを友と仰ったなんて」

 

 クーリアが心底以外そうに言うと、クルヌギアスは椅子に座って脚を組む。

 俺としても、クルヌギアスの発言には驚いていた。神様と友達というのもそうだが、クルヌギアスの方から友達認定をされるというのが意外すぎたのだ。よくて知人程度かと思ったのだが。

 

「汝はかつてのデュエルで、妾の中から『楽しい』という感情を掘り起こしおった。悠久の時の中で、錆びついていたその感情を取り戻させてくれた貴様は、妾にしてみれば恩人とも言える」

 

 俺を見て、クルヌギアスは笑っている。人を安心させるようなものではないが、恐怖や不快感もない。

 

「そして汝にカードを渡し、それを通して汝がどのような男かを知り、悪くないと思った」

「……」

「それに、ヴァーディクトとかいう小僧。アレの所業を見聞きした上で、妾はやはり汝に力を貸してやりたいと強く思った。それは、汝がどういう者かを知っていたからじゃ」

 

 そしてクルヌギアスは、にこりと笑う。

 

「何者かを知った上で、ふとした時に力を貸してやりたくなる。それが、妾が友と評した理由よ」

 

 笑いかけられて、俺は深く頭を下げる。

 人がどういう基準で友達と認めるかは、まさに人それぞれだ。具体的なラインは俺でも分からないから、クルヌギアスの意見が間違っている、などとは言えない。

 だから、クルヌギアスが俺を友と見てくれるのなら、それは甘んじて受け入れておこう。拒否するのが怖いのも多少あるが。

 何より、嬉しい。天使族裁判での友達発言が、気まぐれでも冗談でもないと知ったからだ。クルヌギアスほどの存在に認められると、胸が少しだけ熱を宿す。

 

「愛の告白などと捉えるなよ? 妾もクーリアに恨まれたくはないからの」

「……流石にそこまで、自惚れてはおりません」

 

 茶化すクルヌギアスに、俺は余裕をもって笑顔で答える。隣に跪くクーリアをちらっと見てみるが、少しだけ笑っていた。頬を赤くして。

 

「ですが、クルヌギアス様のお言葉、身に余る光栄と存じます。ありがとうございます」

「うむ」

 

 それでもクルヌギアスの言葉は値千金だ。だから正直に感謝の気持ちを伝える。クルヌギアスは満足そうに頷くと、少しだけ俺に向けて身を乗り出した。

 

「では、そんな友からの願いをひとつ、聞いてはもらえんかの」

「……応えられる範囲でよろしければ」

「何、そんな難しい話ではない」

 

 言いながらクルヌギアスは、虚空に手を伸ばす。一瞬でその手にデュエルディスクが出現した。紫と金の装飾が施されたそれは、見覚えがある。

 

「久方ぶりに、汝と戦ってみたい。以前は敵同士だったが、今回は友として」

 

 頼み自体は、特段変哲もないものだ。

 けれど俺は、それに対してすぐにOKと言えない。

 

「……ミューゼシア様、よろしいでしょうか」

 

 視線を横に外し、こちら側の最高責任者に確認する。

 ミューゼシアは俺が何を不安視しているかを理解したようで、クルヌギアスに「失礼ながら」と前置いて尋ねた。

 

「バトレアスがデュエルを受けるにあたり、何かしらの対価や処罰などは、ありますか?」

「いいや? 友として、純粋にデュエルをしてみたいだけのこと。仮にこやつが負けたところで何を望むもなし、妾が負けても見返りはない」

「……なるほど」

 

 クルヌギアスの答えにミューゼシアが頷くと、そこでクルヌギアスは何かに納得したように息を吐いた。

 

「……そうか、天使族の体裁を気にしておるのか」

「……お察しの通りです」

 

 俺とクルヌギアスが友好的な関係にあるのは、裁判の場で天使族の多くに知られてしまった。

 その上で、プライベートでこうしてクルヌギアスの下へ出向き、さらに何らかの対価や罰則などが発生するデュエルなどをすれば、俺に対する疑いの目はまた増えるだろう。穏やかでない関係と勘繰られるかもしれない。

 だから、最初のように「負けたら云々」「勝ったらどうのこうの」という条件が発生するのであれば、俺はクルヌギアスとデュエルができない。

 けれどクルヌギアスは、純粋に俺とデュエルがしたいだけのようだ。ため息を付いて、首を横に振る。

 

「何とも窮屈じゃのう。友との交流すら好きにできんとは」

「貴女ほどの方が相手であれば、無理もないかと」

 

 忘れたわけではないが、クルヌギアスは神だ。しかも雰囲気からして、俺たち天使族とは違う系統の存在。デュエルモンスターにおいては悪魔族。だからこそ、余計に気にしているのだろう。

 さらに言えば、クルヌギアスとのファースト・コンタクトが剣呑だった俺は、あの時のクルヌギアスの言動や受けた痛みを忘れていない。いつ、またあの時みたいなことになったら、という不安も拭いきれないでいる。

 

「バトレアス、そう心配するな。妾たちは互いに種族は違えど、友同士。無暗に傷つけるつもりもないし、交流は深めるべきものとは思わんか?」

 

 笑いかけるクルヌギアス。最初の頃と比べれば、毒気はほとんどない。

 もう一度ミューゼシア、さらにクーリアの顔色を窺ってみる。2人とも、大丈夫だろうと小さく笑って頷いている。

 

「……承知いたしました。では」

 

 立ち上がり、デュエルディスクを左腕に嵌める。クルヌギアスも満足そうに笑って頷き、デュエルをする態勢に入る。クーリアとミューゼシアは、部屋の脇に出現した椅子に座るようクルヌギアスに指で示され、そこに腰かけた。

 

 ディスクを展開する前に、デッキを確認する。やはりエニアクラフトとの戦いから時間が経ったからか、ドレミ界では【ドレミコード】のこのデッキも中身が変わっている。そして、クルヌギアスのデッキを知っている身としては、これだとカードパワーがいまいち足りない。

 だから、腰のデッキホルダーからもうひとつのデッキを取り出し、【ドレミコード】と入れ替えてディスクにセットする。五線譜の盤面が出現し、クルヌギアスと視線が交差した。

 

「「デュエル!」」

 

バトレアス LP4000

VS

クルヌギアス LP4000

 

 先攻はこちらからだ。

 一度戦ったから分かるが、クルヌギアスは神なのもさることながら、デュエルでは非常に強力なモンスターを並べ立ててくる。一瞬の隙も見せられない。

 

「俺は《(ヒロイック)(チャレンジャー) サウザンド・ブレード》を召喚!」

 

 万全の守りを敷くために、まずはこのデッキの展開の核であるモンスターを呼ぶ。槍を持ち、大量の刃を背にする戦士だ。

 

H・C サウザンド・ブレード

ATK1300 レベル4

 

「サウザンド・ブレードの効果発動。1ターンに1度、手札から『ヒロイック』カードを墓地へ捨てることで、デッキから『ヒロイック』モンスター1体を特殊召喚し、このカードを守備表示にする。現れろ!《H・C クラスプ・ナイフ》!」

 

 コストにするのは《H・C エクストラ・ソード》。そしてデッキから呼び出されたのは、左手にナイフを構える、青と白の鎧の戦士だった。

 

H・C クラスプ・ナイフ

DEF100 レベル1

 

H・C サウザンド・ブレード

ATK1300→DEF1100

 

「クラスプ・ナイフが、『ヒロイック』モンスターの効果で特殊召喚が成功したことで、その効果を発動! デッキから新たな『ヒロイック』モンスター1体を手札に加える。俺は《H・C ナックル・ナイフ》を手札に! そしてこのカードは、俺のフィールドにレベル1以外の『ヒロイック』モンスターが存在する場合に効果を発動でき、手札から自らを特殊召喚する!」

「無駄のない動きをしよるの」

 

 クラスプ・ナイフの隣に颯爽と飛び降りたのは、左手にナイフを構える戦士。黄土色の鎧、左手のナイフが照明に照らされて輝いている。

 

H・C ナックル・ナイフ

DEF200 レベル1

 

「俺はレベル1のクラスプ・ナイフとナックル・ナイフでオーバーレイ! 2体の戦士族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

 御殿の天井に出現したエクシーズの渦に向けて、2人の戦士がオレンジの光となって吸い込まれる。その光を飲み込んだ渦が爆発を起こし、ひとりの新たな戦士がフィールドに降り立った。

 

「不屈の闘志で仲間を守る、心強き朱き戦士! ランク1、《(ヒロイック)(チャンピオン) ヤールングレイプ》!!」

 

 朱色を基調とした戦士は、立ち上がると右の拳をクルヌギアスに向けて突き出し、闘志を露わにする。ただし守備表示だ。

 

H-C ヤールングレイプ

DEF1800 ランク1

 

「ヤールングレイプの効果発動! オーバーレイ・ユニットを2つ使うことで、墓地のレベルまたはランクが4の戦士族モンスター1体を特殊召喚する!」

 

 ヤールングレイプの両方の拳に、周りを漂うオーバーレイ・ユニットが1つずつ宿ると、それぞれの手は光を放ち始める。その拳をヤールングレイプは床に打ち込んだ。

 

H-C ヤールングレイプ

ORU(オーバーレイ・ユニット):2→0

 

「蘇れ、エクストラ・ソード!」

 

 地面に魔法陣が現れ、その中から現れるのは深緑色の鎧の戦士。長さが異なる剣を両手のそれぞれに握っている。

 

H・C エクストラ・ソード

DEF1000 レベル4

 

「レベル4のサウザンド・ブレードとエクストラ・ソードでオーバーレイ! オーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

 今度はフィールドで待機していたサウザンド・ブレードと、新たに呼び出されたエクストラ・ソードがオレンジの光となり、地面に現れたエクシーズの渦へ吸い込まれる。その光を飲み込んで爆発した渦から、馬の嘶きが聞こえた。

 

「盟友と共に荒野を駆け抜ける、勇ましき騎士! ランク4、《H-C ガーンデーヴァ》!!」

 

 嘶きと共にエクシーズの渦から勢いよく飛び出したのは、左腕にクロスボウを装備した戦士。鎧で武装した馬に跨る自身もまた、紺と金の鎧に身を包んでいる。

 

H-C ガーンデーヴァ

ATK2100 ランク4

 

「エクストラ・ソードを素材にエクシーズ召喚したことで、ガーンデーヴァの効果が発動! その攻撃力を1000ポイントアップする!」

 

H-C ガーンデーヴァ

ATK2100→3100

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。お待たせいたしました」

 

 伏せられる罠を仕掛けてクルヌギアスにターンを渡す。守りを固めようとついターンが長くなってしまったので、クルヌギアスの機嫌を損ねてしまわないかと不安だった。しかし、俺のフィールドを見たクルヌギアスは、何に納得したのか「うむ」と頷いている。

 

「1ターン目からエクシーズを2体並べるとはの」

「こうでもしなければ、貴女の相手は務まらないかと思いまして」

「その意気やよし」

 

 俺の答えに満足したように笑い、クルヌギアスはデッキに指をかけてカードを引いた。

 

「妾のターン! 妾は《カオス・グレファー》を召喚!」

 

 神の最初の一手は、筋骨隆々な男の戦士。紫のオーラを放っている彼は、数奇な運命に導かれた戦士としてよくカードのイラストに描かれている。

 

カオス・グレファー

ATK1700 レベル4

 

「こいつは1ターンに1度、手札から光または闇属性モンスター1体を墓地へ捨てることで、それとは別の属性の光・闇属性モンスター1体をデッキから墓地へ送る。妾は光属性の《光の精霊ディアーナ》を手札から捨て、《カオス・ウィッチ-混沌の魔女-》をデッキから墓地へ送る」

 

 デッキのモンスターを墓地へ送ったクルヌギアスは、さらに手札のカードに視線を落とす。

 

「このカードは、妾の墓地の光・闇属性モンスターを1体ずつ除外することで手札から特殊召喚できる。現れろ、《カオス・ソーサラー》!」

「お……」

 

 クルヌギアスが呼び出したモンスターは、かなり懐かしいモンスターだ。暗い色の服と帽子に身を包む魔法使いは、両腕を広げて邪悪な笑みを浮かべている。

 

カオス・ソーサラー

ATK2300 レベル6

 

「そして、除外されたカオス・ウィッチの効果発動! このカードが手札または墓地から除外された場合、妾の場にチューナーの《白き獣トークン》2体を特殊召喚する!」

「!」

 

 クルヌギアスの背後に、白く長い髪の魔女の幻影が現れ、杖を振る。次の瞬間には、《カオス・ソーサラー》の両脇に白いオーラを纏う骸骨の獣が2体出現した。

 

白き獣トークン ×2

DEF1000 レベル2

 

 チューナーを2体も呼び出されたのはまずい。特に、クルヌギアスが使うシンクロモンスターには強力なものがいたから。

 

「ガーンデーヴァの効果発動! 1ターンに1度、相手フィールドにレベル4以下のモンスターが特殊召喚された時、オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、そのモンスターを破壊する!」

「ほう?」

 

H-C ガーンデーヴァ

ORU:2→1

 

 ガーンデーヴァの周りに漂うオーバーレイ・ユニットのひとつが、その背にある矢筒に吸い込まれる。その矢筒から、ガーンデーヴァが1本の光り輝く矢を取り出してクロスボウに番えると、クルヌギアスのフィールド目掛けて放つ。その矢は途中で2本に分裂し、《白き獣トークン》2体の頭部に突き刺さって破壊させた。

 

「これでシンクロ召喚は封じられたわね……」

 

 観ていたクーリアが胸を撫で下ろす。

 ガーンデーヴァの破壊効果は、一度に特殊召喚されたレベル4以下のモンスターを全て破壊する効果だ。おかげで、クルヌギアスに1体もチューナーを用意させずに済んだので、展開は控えざるを得ないだろう。

 かといって、クルヌギアスの動きがこれで終わるはずもない。

 

「さて、それはどうかの?」

 

 実際、クルヌギアスはそんなクーリアを見て、ニヤリと笑っている。

 

「《カオス・ソーサラー》の効果発動! 1ターンに1度、自らの攻撃を放棄する代わりに、フィールドの表側表示モンスター1体を除外する。ガーンデーヴァを除外!」

 

 《カオス・ソーサラー》の右手に紫色の球体が現れ、それがガーンデーヴァへと放たれる。真正面からそれを受けたガーンデーヴァは、身体が捻じれ虚空へと吸い込まれてしまった。この除外効果と容易な召喚条件もあって、《カオス・ソーサラー》はかつて多くのデュエリストたちが採用したカードだった記憶がある。

 

「さらに、レベル4の光属性《カオス・グレファー》に、レベル6の闇属性《カオス・ソーサラー》をチューニング!」

「何!?」

 

 そんな悠長なことを考えていた矢先、クルヌギアスの次の手に驚く。《カオス・ソーサラー》はチューナーではなかったはずだが。

 しかしながら、目の前で《カオス・ソーサラー》は高笑いを上げて両腕を広げると、6つの光の環へと自身を変化させる。そして《カオス・グレファー》が剣を携えてその環を潜った。

 

「希望と絶望渦巻く俗世に、今こそ混沌なる裁きを下さん! シンクロ召喚! 来たれ、レベル10!《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》!!」

 

 光が降り注がれ、その中から巨大な天使が姿を見せる。白と灰の二色の翼、金をベースにした装飾、血のような赤い後光を背にするそれは、禍々しさとプレッシャーをこちらに押し付けてくる。

 

カオス・アンヘル-混沌の双翼-

ATK3500 レベル10

 

「言っておらんかったが、こいつは妾の場の光・闇属性モンスターをチューナーとしてシンクロ召喚ができるのよ。だから妾は、《カオス・ソーサラー》をチューナーにしたわけじゃ」

「……なるほど」

 

 最初のデュエルでもこのカオス・アンヘルは目にしたが、シンクロ素材の指定までは知らなかった。チューナーなしでシンクロ召喚できるとは、まったくもって驚かされる。

 

「そして特殊召喚したカオス・アンヘルの効果発動! ヤールングレイプを除外!」

 

 カオス・アンヘルの翼が翻り、灰色の突風を発生させる。ヤールングレイプは姿勢を低くして耐えようとしたが、それでも吹き飛ばされてしまう。ヤールングレイプは戦士族の破壊を1ターンに1度ずつ防げるが、除外はどうしようもない。

 そしてこれで、俺のフィールドからモンスターはいなくなった。

 

「バトルじゃ、カオス・アンヘルでダイレクトアタック! カオス・フューリー・ジャッジメント!!」

 

 カオス・アンヘルが両手を前に向け、灰色の巨大な光球を生み出す。そしてそれを一切の躊躇なく、俺に向けて放ってきた。

 

「……っ!」

 

 思い出す。以前のデュエルで、この直接攻撃を喰らって俺の精神は一時的に麻痺した。だからもしかしたら、また同じことになってしまうのではないだろうか。

 そんなことを考えている間に、光球に俺の身体が飲み込まれる。

 

「ぐあああ……あ?」

 

 光と衝撃に声を上げる。

 だが、痛みや苦しさは、全くと言っていいほどなかった。

 

バトレアス LP4000→500

 

「バトレアス、大丈夫なの……?」

 

 光球が消え、それでもなお2本の脚で立っている俺を見て、ミューゼシアが心配そうな目を向けている。特にクーリアは、あと少しで泣き出してしまいそうな顔だったが、俺は首を横に振った。

 

「大丈夫です、どういうわけか」

 

 応えてからクルヌギアスを見ると、彼女は肩をわずかに上げて嗤う。

 

「当り前ではないか。このデュエルは前とは違う、単なる親睦を深めるためのもの。それなのに貴様の命を奪うような攻撃など、できるわけもなかろう」

 

 つまりクルヌギアスは、今の攻撃で現実のダメージが発生しないよう、調整したということだ。その気遣いに感謝の念を込めて頭を下げつつ、ディスクを操作する。

 

「墓地のサウザンド・ブレードの効果発動! 俺がダメージを受けた時、墓地のこのカードを攻撃表示で特殊召喚する!」

 

 魔法陣がフィールドに現れ、墓地にいたサウザンド・ブレードが腕組みをしながら蘇る。そして俺の方を少しだけ振り返り、小さく頷いた。

 

H・C サウザンド・ブレード

ATK1300 レベル4

 

「なるほど、只でダメージを受けはせんか」

「いきなりこんなにライフを削られるとは思いませんでしたけどね」

「じゃが、貴様にはそれだけあれば十分であろう?」

「……どうでしょう」

 

 先攻でできる限りの防御を敷いたつもりだったが、クルヌギアスは容易くそれを打ち破ってきた。その結果、俺のライフはこのデッキにおけるセーフティーラインを越えようとしている。

 それでも、クルヌギアスは挑発するようなことを言っていた。それには乗らないが、クルヌギアスの期待には応えたいところだ。

 

「妾はカードを2枚伏せてターンエンド」

「ここで俺は、罠カード《トゥルース・リインフォース》発動! デッキからレベル2以下の戦士族モンスター1体を特殊召喚する。現れろ、《H・C アンブッシュ・ソルジャー》!」

 

 ターンを渡される前に伏せていたカードを発動し、デッキから新たな戦士を呼び寄せる。特殊な形状の刀を手にし、ガスマスクと外套という異色の装いだ。

 

H・C アンブッシュ・ソルジャー

DEF 0 レベル1

 

 そのアンブッシュ・ソルジャーを見て、クルヌギアスは小さく笑う。

 

「最初のデュエルと同じじゃな。それを使っていればダメージは防げたであろうに」

「ですが、次に繋げることができませんでした」

 

 カオス・アンヘルの直接攻撃を受けたのも、罠カードを使えば防げたのに敢えてしなかったのも、最初にクルヌギアスとデュエルをした時と同じだ。

 そしてあの時、クルヌギアスは俺を「愚か」と評したが、今回はそれがない。最初に抱いた印象をまだ捨てていないのかもしれないが、ある意味で俺は愚かだから否定もできなかった。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 カードを引く。

 そして動こうとする前に、クルヌギアスに話しかけた。

 

「クルヌギアス様、ひとつご質問をしてもよろしいでしょうか」

「なんじゃ?」

「まず……貴女から友と評されたこと、とても嬉しく思います。こうして親睦を深めるためにデュエルを申し出て下さったのも、非常にありがたい気持ちです」

「何が言いたい?」

 

 前置きはいい、とばかりにクルヌギアスに言われ、俺は一度デュエルディスクに視線を落とす。

 具体的には、エクストラデッキを見た。

 

「貴女の相手を務めるのは、例え一興と言えど生半可な気持ちと覚悟、力では難しいです。だからこそ、持てるだけの力を全て使って戦いたい」

「?」

「ですがこれは、恐らくは自分だけが持っている力でしょう。それを使っても、よろしいでしょうか」

 

 アロマの庭で、転生者・ラベンダーとデュエルをした時。精霊界で彼女だけが持っているカード《導きの風》と《アロマリージ-ストエカス・ラベンダー》を使われた結果、俺はデュエルに負けた。だがその直前、ラベンダーは俺に対してそのカードを使う許可を申し出てきた。

 それと同じだ。

 この【ヒロイック】に、前世に存在しなかったカードなどはない。だけど1枚、この精霊界では俺しか持っていないであろうカードがある。それを、いくら神相手で手が抜けないとは言え、親交を深めるためのデュエルで使っていいものなのか。

 

「構わぬ」

 

 しかしクルヌギアスは許可した。あっさりと、笑って。

 

「転生した汝には馴染みがないだろうが、この世界では各々だけが持つ力など山ほどある。汝もその一人に過ぎん」

「……」

「それに何より、妾とのデュエルで手を抜くなど、それこそ侮辱じゃよ。だから、やるなら存分にやれ。手加減など許さぬ」

 

 気持ちがいい笑顔で言われて、俺も少しつられて笑う。

 クルヌギアスの許可が下りたのなら、迷いはない。

 目礼をし、フィールドを指さす。

 

「俺はアンブッシュ・ソルジャーの効果を発動! スタンバイフェイズにこのカードをリリースすることで、手札または墓地の『ヒロイック』モンスターを2体まで特殊召喚!」

 

 持っていた刀を地面に突き刺し、魔法陣を出現させるとアンブッシュ・ソルジャーは姿を消す。そして、魔法陣の中から2人の戦士が姿を見せた。

 

H・C クラスプ・ナイフ

DEF100 レベル1

 

H・C ナックル・ナイフ

DEF200 レベル1

 

「特殊召喚したクラスプ・ナイフ、ナックル・ナイフの効果発動! ナックル・ナイフの効果で、サウザンド・ブレードのレベルを自身と同じ1に変更!」

 

H・C サウザンド・ブレード

レベル:4→1

 

「そしてクラスプ・ナイフの効果で、デッキから《H・C モーニング・スター》を手札に加える」

 

 貴重な魔法・罠カードのサーチができるモンスターを手札に加えるが、それをフィールドに出す前に、俺のフィールドにいるレベル1の戦士3人を見る。

 小さく息を吐き、エクストラデッキにある1枚のカードを意識して、右手を上に挙げた。

 

「俺は、レベル1のサウザンド・ブレード、クラスプ・ナイフ、ナックル・ナイフの3体でオーバーレイ!」

 

 宣言すると、3人の戦士がオレンジの光となり、複雑に絡み合いながら舞い上がる。

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚!」

 

 そして、地面に巨大なエクシーズの渦が出現する。その中へオレンジの光が3つ吸い込まれると、虹色の爆発を巻き起こした。

 

「現れろ、No.(ナンバーズ)54!」

 

 そのエクシーズの渦から現れたのは、心臓のような形状のニュートラル体。脈動するそれから、人体のように血管、筋繊維が伸び始め、徐々に人の形へと変化していく。

 

「熱き闘志の雄叫びが、眠れる魂すらも震わせる!《反骨の闘士ライオンハート》!!」

 

 やがて露わになった完全体は、獅子の頭を持つ屈強な戦士。黒と紅色の鎧が煌めき、口上に応えるように雄たけびを上げた。

 

No.54 反骨の闘士ライオンハート

ATK100 ランク1

 

「なるほど、ナンバーズか」

 

 クルヌギアスは、そのライオンハートを見て白い歯を見せ笑う。

 このライオンハートがエクストラデッキにあるのを知ったのは、エニアクラフトとの戦いが終わった後のことだ。

 ミューゼシアたちが言うには、ナンバーズはこの精霊界において、それを持つに相応しい力がある人の下に自然と出現するという。だからつまり、このライオンハートが俺のエクストラデッキに加わったのは、それだけの力を持っていると認められたからなのかもしれない。

 それについて感慨深くなるのは後だ。

 

「《H・C スパルタス》を召喚!」

 

 頼もしい力を持つナンバーズがいるとしても、それだけで倒せるほどクルヌギアスはやわではない。古代ローマの戦士然とした、盾と槍で武装した戦士も呼び出す。

 

H・C スパルタス

ATK1600 レベル4

 

「そして俺のフィールドに戦士族が2体以上存在する場合、手札のモーニング・スターの効果を発動し、このカードを特殊召喚!」

 

 スパルタスの隣に、名前にもなっているモーニングスターを振り回す戦士が現れる。その鎖付き鉄球はいつにもまして輝いていた。

 

H・C モーニング・スター

ATK1500 レベル4

 

「特殊召喚したモーニング・スターの効果発動! デッキから『ヒロイック』と名のつく魔法・罠カード1枚を手札に加える。俺は《ヒロイック・コール》を手札に加えて、発動! 墓地の『ヒロイック』モンスター、エクストラ・ソードを特殊召喚!」

 

 地面に出現した魔法陣から、再び姿を見せる二刀流の戦士。それは、フィールドにいるスパルタス、モーニング・スターと視線を合わせると頷いた。

 

H・C エクストラ・ソード

ATK1000 レベル4

 

「レベル4のスパルタス、モーニング・スター、エクストラ・ソードでオーバーレイ! 3体の戦士族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

 オレンジの光となった3人の戦士が舞い上がり、今度は空に出現したエクシーズの渦へと吸い込まれる。そして渦が爆発を起こし、ひとりの戦士がフィールドに舞い降りる。

 

「迫る脅威を打ち払い、勝利への活路を切り拓け! ランク4、《H-C クサナギ》!!」

 

 シンプルな朱色の鎧を着る戦士が剣を構える。豪勢な装飾がない分、戦うことに対する意識が他と違うのが見て取れた。そしてエクストラ・ソードを素材としたことで、攻撃力はすぐに上昇する。

 

H-C クサナギ

ATK2500→3500 ランク4

 

「よもや、3体もの素材を要するエクシーズを1ターンで2体並べるとはの。特に1体はナンバーズか」

 

 そう告げるクルヌギアスの笑顔は、願ってもないとばかりの勝気なものだった。うず、と震えている。

 

「俺のライフが500以下の場合、墓地の《ヒロイック・コール》を除外して効果発動! 『ヒロイック』モンスター1体の攻撃力をターン終了時まで、俺のフィールド及びオーバーレイ・ユニット状態の『ヒロイック』カード1枚につき、500ポイントアップする!」

「何?」

「フィールドの『ヒロイック』カードはクサナギ1体。そしてオーバーレイ・ユニットの『ヒロイック』は6体。よって、クサナギの攻撃力は3500ポイントアップする!」

 

H-C クサナギ

ATK3500→7000

 

「攻撃力7000……!」

 

 輝きを一層増すクサナギの剣を見て、クーリアが慄くような声を出す。

 一方、クルヌギアスは不敵に笑っていた。強敵を前に臆さず、むしろ昂ぶっている。

 

「バトル! クサナギでカオス・アンヘルを攻撃!」

「罠カード《次元幽閉》発動! 攻撃モンスターを除外する!」

 

 攻撃を仕掛けるが、やはりクルヌギアスは無防備ではなかった。その罠カードが発動すると、異次元へとつながる黒い渦がクサナギの目の前に現れ、飲み込もうと広がり始める。

 だが、それはこちらも想定済みだ。

 

「クサナギの効果発動! 1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、罠カードの発動を無効にして破壊、さらに攻撃力を500ポイントアップさせる!」

「!」

 

H-C クサナギ

ORU:3→2

ATK7000→7500

 

 クサナギの周りを漂うオーバーレイ・ユニットのひとつが剣に吸い込まれる。その剣は輝きを増し、クサナギがそれを振り下ろすと赤い斬撃が生まれ、発動した《次元幽閉》のカードを両断した。

 これでクサナギの攻撃は止められず、さらに攻撃力も上がった。カオス・アンヘルとの攻撃力の差は丁度4000、この攻撃が通ればワンショットキルだ。

 

「ならば罠カード《ダメージ・ダイエット》発動! このターン、妾が受ける全てのダメージを半分にする!」

「く……!」

 

 しかし、続けて発動した罠カードは止められない。クルヌギアスの周りを半透明のバリアが覆う。それでもクサナギは攻撃を止めず、カオス・アンヘルに迫り剣を力強く横に薙ぐ。

 

「カオス・アンヘルが光及び闇属性モンスターを素材としたことで、妾のモンスターはバトルでは破壊されず、妾のシンクロモンスターは相手が発動したモンスター効果も受けない!」

「ですがダメージは受けていただきます!」

 

クルヌギアス LP4000→2000

 

 カオス・アンヘルの耐性は、最初のデュエルでも見ている。モンスターでは倒せないからこそ、一撃必殺に望みを託したが、それは叶わなかった。クルヌギアスもそれを予想していたのだろう。

 だが、クルヌギアスがいくつも防御してくるのも想定の内。だからライオンハートを呼んでいた。

 

「ライオンハートでカオス・アンヘルを攻撃!」

 

 クサナギが元の位置に戻ったところで、ライオンハートに攻撃をさせる。

 そしてダメージから立ち直ったクルヌギアスは、そんな俺の行動を見て、逆に期待するように笑みを深める。

 

「そんな攻撃力で挑むなど、自滅するだけだぞ! さぁ、何を見せてくれるんじゃ?」

「ライオンハートの効果発動! このカードが相手モンスターとバトルするダメージ計算時に1度、オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、そのバトルで俺が受けるダメージは代わりに相手が受ける!」

「!?」

「そして、攻撃表示のライオンハートはバトルで破壊されない!」

 

 ライオンハートが駆け出し、カオス・アンヘルの目の前で跳躍すると、引いた右の拳で殴りつけようとする。それを見たカオス・アンヘルもまた、同じように右手でライオンハートの顔面目掛けてパンチを放った。

 同時に、ライオンハートの心臓にあたる位置にオーバーレイ・ユニットが吸い込まれる。

 

No.54 反骨の闘士ライオンハート

ORU:3→2

 

「バーニング・クロスカウンター!!」

 

 両者の拳が、それぞれ同時に相手の顔にめり込む。自分が殴られたわけでもないが、とても痛そうだった。

 そしてその衝撃が実体化し、突風を巻き起こす。特に戦闘ダメージを押し付けられたクルヌギアスは、風と衝撃波に煽られて仰け反った。

 

「ぬおおおおおおおおおおおおおっ!?」

 

クルヌギアス LP2000→300

 

 ライフがわずかに逆転し、互角に持ち込めた。

 しかしそこで、急激に冷静さを取り戻す。

 さっきクルヌギアスは、俺に配慮してカオス・アンヘルの攻撃による衝撃をほとんど無くしてくれた。なのに俺は、同じことができなかった。いくら許可をもらってナンバーズを使ったとはいえ、だ。

 

「すみません、クルヌギアス様! お怪我は……」

 

 両腕で衝撃を受け流していたクルヌギアスにすぐさま声を掛ける。

 すると。

 

「く、くくく……」

 

 クルヌギアスは、俯きながら肩を震わせ始めた。

 そして、ゆっくりと顔を上げて。

 

「くっはははははははははは!」

 

 まさに、心の底から楽しそうな、混じりっ気のない高笑いを上げた。広間に笑い声が反射し、さらにフィールドにいるカオス・アンヘルもまた、その意思が反映されているかのように前のめりになる。

 やがて、ひとしきり笑い終えたクルヌギアスは、俺を見た。本当に楽しくて気分が高揚しているのか、頬が仄かに赤く染まっている。

 

「面白いのう、バトレアス! やはり貴様とのデュエルは楽しい! このような一撃を寄こしてくれるとはな! 響いたぞ!」

 

 拳を握り、称賛するクルヌギアス。

 皮肉や冗談ではなく、純粋に俺を褒めている。

 それは俺としても嬉しいし、何だかこちらまで笑ってしまいそうになる。だけど、さっきのことがなかったことにはならない。

 

「……ですが、すみません。折角俺に配慮をしてくれたのに、貴女にはそれができず」

「よいよい。この程度はかすり傷にもならん。何より、それだけ汝が本気で挑んでくれているということ。責めるつもりはない」

 

 それより、とクルヌギアスは区切る。

 

「まだまだデュエルは続いておる。もっと妾を楽しませてくれよ?」

 

 さっきのバトルがお気に召したようで、クルヌギアスの調子は右肩上がり。

 その期待は裏切らないようにしたいところだ。

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。《ヒロイック・コール》の効果は終了し、アップしていたクサナギの攻撃力は元に戻る」

 

H-C クサナギ

ATK7500→4000

 

 クサナギの攻撃力は、ひとまずはカオス・アンヘルを越えている。さらにライオンハートの効果で、戦闘ダメージも簡単には受けない。そこまで怯える必要もないだろう。

 とはいえ、相手は神。それもさっきの一連の戦闘で昂っているため、より苛烈な攻撃をしてくるに違いない。

 相手を楽しませられるのはデュエリストとして嬉しいが、これが吉と出るか凶と出るかは微妙だ。

 


 

《大事なもの》

 

バトレアス「カオス・アンヘルのシンクロ素材、《カオス・ソーサラー》をチューナー扱いにしたのはなぜですか? 《カオス・グレファー》にしてもよかったはずなのに」

クルヌギアス「高レベルチューナーにはロマンがあると思わぬか?」

バトレアス「分かります」

クーリア&ミューゼシア(分かるんだ……)

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