最強のエンジョイ勢(偽)が逝くジークァックス 作:ブラボ10周年…そんな僕を騙そうとしてる
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お気に入り1000人突破したのでお礼にはなりませんがオマケのようなものを投稿予定です。
ありがとうございます!
「オメガサイコミュに反応?新手か」
赤いガンダムと思しきMSと交戦中にモニターにセンサーの範囲外の方向から反応が現れる。
未だ起動状態に無いオメガサイコミュが待機状態であるにも関わらず反応を見せた。
ガンダムの動きに目を向けたままメインカメラを拡大し未確認の機体の姿を捉える。
画像処理が追いつかず荒いもののスラスターの光と恐らく蒼い機影が映し出された。
かなりの速度で近づいているのだろう次第に機体の全容が見える。
「蒼いガンダムタイプの機体……まさか!?」
サブアームに搭載された二つのブースターの付いたシールド。手に装備した大型ヒートランス。そして何より目を引く真っ青かつ藍色とも取れる蒼い機体色にガンダムタイプの頭部。
武装は報告と違うがその特徴からして亡霊に違いないだろう。
「こんな時に限って!」
手に汗が滲む。
今は極秘任務ということで母艦であるソドンから既にミノフスキー粒子が散布され通信は届かない。
さらに運の悪いことに信号弾を打とうにも角度が悪く見えない位置となっている。
蒼い機体を操る亡霊には最低でも3機で応戦との通達がなされている。
自機であるジークアクスとガンダムの近くに亡霊の機体が静止する。ガンダムは自分との戦闘を一時的に止めて新たな機体の行動を静観する様子だ。
3機の赤、蒼、白のガンダムが互いに見つめ合う。三つ巴の空間ができる。
『そこの赤いの。今すぐ機体を捨てろ。さもなくば潰す』
均衡を破ったのは亡霊の一声だ。
オープンチャンネルからボイスチェンジャーによって変音された声がこの宙域に響く。
亡霊のパイロットが喋ったこともさることながら狙いもガンダムとは最悪な状況だ。
通信を聞いたであろうガンダムのパイロットはビットを近くに寄せ亡霊の機体にビームを放つ。亡霊はシールドブースターによって防ぐ。
『それが答えか。そうでなくてはな』
瞬間移動とも見間違う推進力でガンダムに向かうランスの刺突をシールドによって防ぐ。
ドっとデブリに衝突したかと思う衝撃が機体を襲うがスラスターによってなんとかその場に止まる。
「ガンダムはやらせはしない!」
『知らない機体だな?新型か?』
「答える義務もない!」
ランスをシールドによって弾き腰にマウントしているビーム・サーベルを取り出し切り掛かる。
亡霊はそのままランスを打ちつけ鍔迫り合いが発生する。
『俺はあの機体を消したいだけだ。パイロットに用があるならそうするが?』
鍔迫り合いの最中、亡霊が頭部を打ちつけ接触回線が開き、パイロットから通信が繋がる。
「協力しろと?」
『猫の手は間に合ってる』
邪魔をするなと言いたいらしいが……こちらを舐めている。
「こちらの軍を攻撃しておいて……」
『ならジオンの新型か。まあ、連邦だろうがどうでも良いが』
この発言が嘘でないのなら。連邦ともジオンとも違う第三勢力かただの愉快犯。真に受ける必要はないが、あのジオンが苦渋を舐めさせられた連邦の蒼い死神ではないと思いたい。
「なおさら協力など出来ない!」
バルカンを照射し後ろへと一度後退する。そうすると狙い通りに空かさずガンダムのビット1機による攻撃が亡霊を襲う。
明確にあのガンダムは味方ではないが、亡霊にヘイトが向いてる今、利用しない手はない。
亡霊は盾ではなく、脚部のサーベルラックからビーム・サーベルを取り出し器用に手首を回転させ即席のシールドを作り出しビームを防ぐ。
その隙にビームライフルを構え背面へと射撃を行った。
「同じなのか?後ろにも目がついているとでもいうのか!」
サブアームのシールドが向きを変えガンダムとコチラのビーム攻撃を防がれる。そのまま亡霊はシールドの隙間から腕を伸ばしガトリングの砲身が現れ放たれた弾丸が機体に衝撃が走る。
「ぐ……」
距離があったから助かったものの近距離であれば機体が墜ちていた威力。
モニターには同じくヒートランスの機銃を受けたガンダムを追撃に行く亡霊の姿が見える。
「やはり」
撤退すべきなのか。
その考えが頭に過ぎる。
ガンダムだけならなんとかなる。動きからして正規の訓練を受けていないようで操縦に荒さを感じる。ビットによる攻撃さえ対応出来れば行けるかもれない。だが亡霊は違う。2機を相手に余力を残しながら捕縛に向けて手加減をしているように見える。これを相手取りながらガンダムを捕縛など一人では無理に等しい。
「オメガサイコミュさえ使えれば……」
機器の不調を疑いデバイスを弄るが反応は乏しい。
本来であれば自身のニュータイプ能力を活用した半思考操作で操縦する事に出来るジークアクスではあるが、要であるオメガサイコミュデバイスが不具合か自身の能力不足のどちらかの原因で起動できていない。
その為、マニュアルでの操縦を余儀なくされている。このジークアクスの操縦系統は試作機であるのも相まってピーキーだ。
シールドブースターを真後ろに稼働させガンダムへと最大速力で突っ込んで行く亡霊。それに対してビット2機の死角からの攻撃により迎撃を行うがスラスタの細かな噴射によっていなされ接近を許す。ランスがガンダムの腕に当たり装甲が飛び散りフレームが剥き出しになる。
ビームサーベルを取り出して白兵戦へと移行を狙うガンダムだが亡霊はそれを許さずブースターによって距離をとりランスによる一撃離脱の構えをとる。
このまま行けばガンダムは亡霊によってなぶり殺しになる。直前に掻っ攫う手もあるにはあるがあの推進力だ。追いつかれて奪取されるのは目に見えている。
「これでもグラナダスクールの主席で……ニュータイプなんだ!」
覚悟を決めて背部のユニバサルブースターポッドを最大出力にしてガンダムへと向かう。
亡霊に向かってビームライフルを放つがサブアームのシールドによって防がれる。しかしその動作によってランスによる突撃の動作をキャンセルした隙を突いて、ビームサーベルを展開しガンダムへと肉薄する。
こちらに接近を試みる亡霊だがビットによって阻まれその場で回避運動を行なっている。
今がチャンスだ!
「ビットを操作しながら機体での白兵戦であれば分が悪いはずだ」
ブオン、ブオン。とビームサーベルの鍔迫り合いを行いながらデブリ帯から着実にコロニー側へと押し出しながら戦場を移動させていく。
もう少し、もう少しあればソドンへ信号弾の見える位置へと追い込める。
ほんの少し目の前の戦いから目を離した隙にガンダムの頭部バルカンの斉射によってビームサーベルを破壊される。
「もう一本ある!」
すかさず最後のビームサーベルを取り出した。
再度、鍔迫り合いへと発展したその瞬間、後方からのビームによってビームサーベルの発信機が破壊された。
慌てて後方のモニタを確認するとビットが2機飛んでくるのが見える。
ガンダムのパイロットは亡霊ではなくこちらを取った。
一旦は距離を取り信号弾を放つ。そのはずだった。
「しまった!」
後ろの亡霊の事もあり焦りから操作を誤りブースターを最大出力にしてしまい。ガンダムを巻き込む形でコロニーの外壁にへとぶつかった。
MS2機分の質量をぶつけられた外壁はそのまま破壊されてガンダムと共にコロニー内へ墜ちていく。
◆
「寝起きでやる気がなかったとはいえ失態だな」
腕部からトリモチランチャーを射出しコロニーの外壁に空いた穴を塞ぐ。
オールマインドのアラームによって叩き起こされティターンズの試作兵装であるシールドブースターを持ち出して緊急出動。速度を活かせるアセンブルなのが足を引っ張り標的をコロニー内に取り逃す羽目になった。
今となって思えば捕縛用の兵装を準備しておくべきだった。
ジオンの新型と赤いガンダム。
赤いガンダムは連邦の汚点だ。上層部からの点数稼ぎに熱心なスネイルは何が何でも破壊したい代物だ。
逆に白いジオンの新型はあまり相手をしたく無いのが本音だ。ヴェスパーの存在が露見していない現在、ブルーディスニーの存在を見られても問題は無いとはいえ既にヴァニスが完成した今、ジオンと無理に事を構える必要が無くなった。逆に撃破などしてこれ以上刺激するのは本格的に討伐部隊が投入される可能性が出てくる為リスクが高い。
遊びはクランバトルとアマテの訓練で当面は暇を潰せる為、リスクを犯す必要はない。
『マスター。ここは追って任務を完遂しましょう』
オールマインドの提案がコックピット内に響く。
「面倒だ。それにこれはスネイルの思惑だろ?アレの正体は大体分かった、付き合う義理は正直ない」
コロニー内の戦闘はやりたくない。初代ガンダムからSEED、ユニコーンなどで散々見てきた事を再現するのは目に見えている。
戦った感覚からしてパイロットは正規の軍人では無い。さらに言えば赤い彗星のシャアの関係者でも無い赤の他人の可能性が高い。
軍人を倒す事に抵抗は無いが一般人に毛の生えた程度の人間を処すのは気分が良く無い。それにガンダムのパイロットはガンダムに囚われている。
そう言う意味では呪いのように纏わりつく赤いガンダムを破壊するべきなのだろう。しかしコアシステム搭載機なだけあって完全な破壊は難しいと言える。
総合的に見ても面倒な相手だ。
『しかしあの機体はゼクノヴァを起こしています。破壊するに越したことは無いでしょう』
「それを言われると弱るな」
操縦桿から手を離し両手を頭の後ろへ回し頭を抱える。
別に任務達成率なんて気にはしてなからどうでもいいがゼクノヴァに関しては話は変わってくる。
「ゼクノヴァか……」
俺の知らない現象。
サイコミュによって起こされた超常現象。まるで空間転移のようにガンダムを中心にコンペイトウを消滅させたもの。
「今回は何を言われようが引く。そろそろ軍警に嗅ぎつかれる」
『……了解致しました。マスターフロイト。機体の方も耐久限界が近づいています。報告書の方も誤魔化して置きます』
「世話になるな」
AIIなので無いが後ろ髪を引かれているような雰囲気はあるが渋々といった様子でオールマインドは黙った。
ヴァニスの起動もあるがブルーディスティニー改には相当無理をさせている。ベース機であるブルーディスティニー又は陸戦型ガンダムの製造から5年も経っている今、予備パーツもなく設計の古さからくる性能不足と不具合も多くなっている。他社製のパーツで騙し騙し運用してたがそろそろ替え時なのだろう。
「次で最後か……盛大に行きたいものだな」
『迷彩起動。機体制御をオートパイロットに変更。母艦へ帰投します』
機体の制御がオールマインドへと移行して自分の手を離れて動き出す。消化不良ではあるもののこれで今回はいいだろう。
次のガンダムへの対応とスネイルへの言い訳に頭を悩ませながらも帰路についた。
◆
上で軍警のザクが暴れている最中、机に置かれたインストーラデバイスを掴みザクへと乗り込む。
モタモタと起動させようとしているおじさんをシートの横へと追いやり起動の準備を進める。前に乗ったACとはだいぶ違う作りだが、偶然にもフロイトのお手製シミュレータそのままの構成の為、難なく起動ができた。
「デバイスは何処に入れるの?早くしてよ」
「デバイス、ハ、コンソール、ウシロ、ウシロ」
「ちょっ!軍警とやり合う気かよ!」
「機体を隠すんでしょ。どうせ見つかるから倒した方が速いよ」
「正気じゃねぇ」
「正気も正気。で、武器は何処?」
指さす方には煙幕のクラッカー2つとシールド、ヒート・ホークがあった。
正直、しょっぱ過ぎる。武器と言うのならばせめてライフルの一つくらいはあって欲しかった。無いよりはマシの考えで全ての武装をマウントしシャッターから外へ出る。
街は戦闘によって巻き上げられた埃によって白く濁っている。それ以外にも煙幕のような物も撒かれたようでより一層見えにくくなっている。
発見される恐れはあるが機体に備え付けられたサーチライトを点灯させて慎重に進む。
「後ろか!」
少し進んだ所で背後に気配を感じ前方にローリングを行い緊急回避を行う。直ぐ様ヒート・ホークが振り下ろされ道路に突き刺さり、周囲にアスファルト片が飛び散る。追撃が来る前にクラッカーを落とし煙幕を焚く。
近くにある背の高い建物へ潜り込む。
「やばいじゃん……軍警に見つかった!」
「そう言えば何処に隠すのこのMS」
「呑気に言ってる場合かよ!」
「他人事だもん。それにどうせあの位置なら見つかってたよ」
「チッ……今は使われてない地下通路に一時的に隠す。入り口は近いのはこのポイントだな」
「わかった」
本当は正攻法で倒したい所だったが、この機体は想像以上に性能が低い。あの軍警のザクを比較しても一回りは低いだろう。
倒す事を諦めて出来るだけスラムから遠退けてこの機体を隠す事を目標にすればやりようはある。問題は武装だ。残り一つの煙幕とヒート・ホークでどれだけやれるか。最悪は自分の物でないからそこら辺に乗り捨てて帰れば良いのだ。
幸いな事に市街地での戦い方はシミュレータやフロイトから教わっている。ある程度は戦えるだろう。
建物の影から軍警のザクを伺う。
こちらを探っている様子ではあるものの通りを堂々と歩いて無防備な姿を晒している。戦後5年が経ち平和と言う事を加味してもレベルは低そうだ。フロイトが可笑しいだけだろうが。
近くのそこそこ大きい瓦礫をマニュアル操作で拾いザクに向かって投げつける。
ゴンっと音を立てて足元に当たった。
「ちょっと外れちゃったな。まあいいか」
「ハズレ、ハズレ」
「そのまま逃げられただろ!?何やってるんだよ!」
「どっちもうるさいな。ちょっと黙ってて」
外野のガヤを無視しつつワザと石を投げた右手を出したまま軍警のザクの走行音が響くまで待機する。
ドスドスと駆け足になるのを確認してから駆け始める。
『そこのMS。止まらないと撃つぞ!』
「撃ってから言うバカの言う事聞くかっての」
スピーカーからの警告の前からマシンガンを放つ軍警に対して思わず毒付く。
模擬戦ではサプライズだかでもう一戦やらせられたり、改札でもスマホを割られたり軍警にはあまり良い印象はない。
そしてこのスラムでの行動だ。いくら不法移民者だとは言えやり過ぎだ。まるで憂さ晴らしような行為。好きにはなれない。
思考を目の前の戦いに引き戻す。
戦う時は常に思考し続ける。そう教えてくれたのはフロイトだ。有利、不利に関わらず考えるのを辞めた時点で終わりらしい。
初めての独りでのMSで実戦。恐怖が無いと言っては嘘になるが、それ以上に憤りが勝つ。
建物を盾にしながらジャンプしながらジグザクに突き進む。ザクマシンガンは道路と建物に当たるが私の操るザクには当たりはしない。
隙を見てブースターを用いたハイジャンプを行い、空中で反転し高所からスラム街を見渡す。
幾つかの家は軍警によって屋根を破られ火の手も各地で上がっている。あまり身近ではない戦乱と硝煙の空気。私の何かが騒つく。
「もう一機の姿が見えない。ガンダムってのを追ったのかな?」
目的の軍警は見当たらずそのまま着地しおっさんのいうMSが通過可能な地下通路の入り口が見える。
マニュピレータを操作し入り口を開閉しそのまま降下する。
着地の瞬間に短時間ブースターを吹かせ低振動での着地に成功する。
「撒けなかったか」
入り口から数m進んだ所でドスンと何か重い物が落ちて来た音と振動がコックピットに伝わる。
振り返ると落ちてきた穴から軍警のザクが着地していた。着地時、煙が舞いそのモノアイカメラが怪しく光る。ザクがマシンガンを構えるのと同時に横穴へと避ける。
前までいた座標に銃撃が通過する。
機体の姿勢を低くしザクが近くまで来るのを待つ。その間に手に持つヒート・ホークを起動させる。ジーンと加熱かはたまた振動音かは分からないが静寂が支配するコックピットに響く。
抜け抜けと姿を見せた軍警のザクの腕を取り手前へと引き寄せる。踏ん張りが効かずに引き寄せられたザクをそのまま床へと倒してマシンガンを蹴り飛ばし片足を切断した。
足止めさえすればいい。やりすぎてヘイトを買うのは得策では無い。
横穴から出て前へと進む。
「これから何処にこの機体を隠すのおじさん?」
「おじさん!?これでも二十歳だ!あと俺の名前はジェジー!覚えとけよガキが!」
話を聞いて見ればうるさいおじさんだ。その顔で20歳は嘘だろう。老け顔過ぎる。
あと唾が飛んで汚い。
「わかった、わかったって……」
「わかりゃ良いんだよ。もう少し先に進むとさっきと同じような横道がある。そこに緊急時の隠し場所がある」
上から気配を感じる。
しかし、機体には何も反応は無い。可笑しさを感じながらも歩みを止めず進み続ける。
案の定、遅れて機体に反応が出た。モニターには横にいる事になっている。
ヒート・ホークを構えながら周囲を警戒する。
マイクがカンカンと金属と硬いものが当たり合う音を拾う。まさか……
「また上からか……」
丁度、死角になって見えていなかった昇降口から軍警のザクが現れる。
横道のない一本道。ブースターを用いた前転によってザクの横をすり抜け対峙する。
手には待機状態の切断能力のないヒート・ホークが握られている。
引きつけて先と同じ要領で足止めすれば良い。
天井にぶつからないように小ジャンプでの後退を行う。面白いように着いてきた。これなら行ける。
「おい!後ろに人がいる!このまま行くと踏み潰すぞ!」
今まで黙っていたおっさんが声を上げる。
横目で後ろを見るとノーマルスーツを着た人がいるのが見えた。
マズイと思いバーニアを噴かし前へ進む。しかし進行方向には軍警のザクがいる。急な操作で操作が追いつかずかろうじてシールドをコックピットへと構える。
軍警のヒート・ホークの攻撃がシールドへと当たり衝撃によって姿勢が崩される。
勢いそのままで通路の外壁へ倒れ込む。
「イテテテ……」
痛みに耐えながら直ぐ様、インストーラーデバイスを引き抜き機体を通常モードへと移行させる。
『……鎮圧完了。ザクのパイロットはそのまま動くな!』
どうやら騙されてくれたらしい。そのまま機体の状態を確認する。ヒート・ホークは衝撃によって落としてしまったが幸いな事に左手にマウントした煙幕を落とすことは出来る。
まさか、こんな所に人が居るとは思わなかった。そのせいで窮地に陥っているがあくまで軍警は鎮圧が優先なようで追撃は来ない。周囲を確認するとエアロックが見える。
機体は諦めて大人しく逃げる事にしよう。
『おい、そこのパイロット!そこのモビルスーツから離れろ!』
「ん?あれは……」
コンソールを弄り軍警のザクがマシンガンを突きつけている方向を拡大する。ノーマルスーツの男性の奥、コックピットの開いた機体が転がっている。
コロニー内へと堕ちてきたガンダムと呼ばれていたMSのうちの白い方だ。
何故、機体の外へ出ているのか分からないがあの赤いガンダムと戦ってた様子を見るにかなり性能は良さそうだ。
「あっちの方が強そうじゃん」
「今度は何をしでかすんだ?やめろよ……」
機体を立ち上がらせ軍警のザクのコックピットをマニピュレーターでそのまま殴りつける。ガツンとコックピットに振動が伝わるがモニターの向こうのザクは怯みを見せただけで健在だ。
1発では足りないと思い左手でコックピットに向かってアッパーをお見舞いする。2度の衝撃でダウンさせられたようでザクは床に足を尽く。
そのまま機体の腕を伸ばしマニピュレーターも開かせる。
シートベルトを外し、コックピットの外へと出る。
この距離ならあのMSのコックピットに飛び付ける!
ザクの腕を駆け抜けて、マニピュレーターから飛び移る。5秒にも満たない刹那。しかし永遠とも取れる飛翔時間が終わる。
「動かない?失敗した?」
無事にコックピットへと入れ直ぐ様、状態を確認する。
火は入っている。後は立ち上がらせるだけだ。
ガチャガチャと操縦桿を操作して機体を立ち上がれせようとするが反応はない。モニターは点灯し計器も表示されているのに。
絶体絶命のピンチ。
「マンナカノ、デバイス ヲ キドウ!」
何故か一緒に乗ってきたハロが指示を出す。
シートの真ん中にはインストーラーデバイスに似たスイッチがついた液晶付きのデバイスが存在していた。
確かにオフになっているが機器不良であのパイロットが降りたとしたらこれもダメな可能性がある。
しかし……
「一か八か……動けぇぇぇ!」
オメガサイコミュが少女の想いに応え起動する。
それは元ホワイトベース級フラッグシップのソドン、そしてヴァニスにも気づかれる。
自動的にコックピットが閉まり一人でに腕のような新たな操縦桿が現れる。
そしてボルトによって秘匿されていたジークアクスの真の姿が顕になる。
角のように伸びる赤いアンテナ。
赤い顎に見える集音装置。
人を模した模様な緑色のツインアイ。
この世界におけるガンダムが目覚めた。
先週、次の話は今週中に投稿できると言ったがまんまと騙されてくれたな。
なんやかんや文字数が膨らんで遅れに遅れた馬鹿な作者はこの俺さ。
だが安心しな。すぐに楽にさせてやるよ!