トリガーの王子様   作:ワシの煩悩は百八式まである

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テニヌなら近界民に対抗出来ると思うんだ


第1話

 

 ある日突然、転生していた。

 なんの話をしているかわからないだろうがオレもホントになんでか分からない、だがオレは転生していた。

 神様転生だヒャッハァアアア!!と喜ぶ?笑わせるない、オレはそこそこ充実した日常を送ってたんじゃい。それなのに日常を奪われた。前世の記憶を取り戻したんじゃない転生した。死んだわけじゃない、自分が明日に備えて眠ったのはしっかりと今でも覚えとる。

 じゃけん、シンプルに腹が立つ……じゃが、オレはFateの衛宮士郎みたいに元は一般人だったけどスゴい人に拾われ一般人と言う名の逸般人じゃない。SFな知識や漫画やゲームで齧った知識がある程度で元の世界に戻るなんて方法なんかは生まれん。

 じゃが思った、コレは世に言う転生ならばこの世界はなにか特別ななにかがある。住んどるところが地球じゃから地球が舞台のファンタジーな要素がある世界じゃったらそのファンタジーな要素の技術で元の世界に帰ることが出来るんじゃないかと。

 答えだけ言えばオレはそっくりさんになっとった。この見た目この名前、つまりはこの世界か!と自分が居る世界を確信した。

 自分が居る世界を確信した。自分の見た目名前、出来ることなどを踏まえた上で第二の人生を生きることを決めた。大人になってからあの時に勉強しとけばよかったとかパソコンの使い方でも覚えておけばよかったとか思うことは多々あったからの、原作なんて知ったことじゃないと生きていたら原作のターニングポイントと言える出来事が起きた……そう、オレはこの世界を別の世界だと勘違いしていた。ちゃんと調べれば分かることなのに自分のいい加減さに呆れた……この世界はワールドトリガーの世界だった。

 しかしだからといってなにかをするわけじゃなかよ。原作に深く関わるぜ!ハーレム作るぜ!なんて考えは特には無い、例えバッドエンドじゃろうがビターエンドじゃろうが物語はなんやかんやで解決する。モブキャラAになるんだ!とかも考えとらん。吉良吉影の様に徹底はせん。それはそれ、コレはこれ、他所は他所、自分は自分と割り切り、勉学に勤しみスポーツを楽しみまくっとる。

 

「はじめまして、くがゆうまです」

 

 そして物語が始まった。

 この世界がワールドトリガーだと分かっても原作知識が曖昧になっとるけん。じゃから大好きなゲームに登場する言語で残っている原作知識が消える前に書き記しておいた。今でも覚えている要素は少しだけあるけんど、覚えてないところは覚えとらん。

 とりあえず12月という受験シーズン真っ只中で転校生がやってきた。この転校生、空閑遊真が実は近界民で色々ととち狂っとる三雲修と出会って地球防衛軍的な立ち位置な筈なのに民間組織というとち狂っとるボーダー内でバトルしたりするのは覚えとる。

 

「よろしく」

 

「おう、よろしく」

 

 そんな空閑遊真がやってきたから原作開始したんじゃのぅと他人事になる。

 ジョジョの吉良吉影みたいな静かにしたいとは言わん、人は刺激を求めるから。

 空閑が右隣の席に座る。とりあえず授業は再開する……真面目に勉強しなきゃホントに辛いぜよ。文武両道は難しいのぅ。

 

「……空閑、お前の制服からなんか出たんけど見んかった事にした方がええか?」

 

「……見られてのか……穏便にしたいから内密で……ところで地軸ってなんだ?」

 

「……おまん、酷いのぅ……」

 

 今は理科の授業中じゃが地軸とかそういうのを学んどる。

 せやけども、空閑はなにを言っとるかどうかわからない。自分は知ってますよの済まし顔で通しとるがとりあえず順番に担当教科の教師が当てとる。空閑の番が来れば空閑は耳元に黒い管が近付いた。なにを言っとるか聞こえんが明らかにカンニングなのは確か。

 空閑は見られていたのかと驚いているが見んかった事にしてくれと言っとる。こういうことをしとると後で痛い目に遭うのは自分じゃが、育った環境的にもそれはそれで仕方ないと見なかった事にする。

 その後は何事もなく過ごす。三雲の奴と空閑は帰り道が一緒だったから無事に原作通りになっちょる。オレが気にする必要は何処にも無い。

 

『緊急警報!緊急警報!イレギュラー(ゲート)発生!イレギュラー(ゲート)発生!直ちに避難を』

 

「……確かこんな事もあったか……のぅ?」

 

 翌日も普通に過ごす……いや、過ごしていると非日常が訪れた。

 学校内に異世界からの侵略者こと近界民(ネイバー)が送り込むトリオン兵が出現する門、本来ならばボーダーの基地周辺じゃがイレギュラーな門が発生したのだと警報音が鳴り響く。イレギュラー門が学校内に出現する……そんなイベントがあったかどうか……記憶が曖昧になっとるからなんとも言えんの。

 

「ど、どうしよう!?うちの学校、ボーダー隊員居ないぞ!?ここからボーダー本部、結構距離があるし」

 

「三好、避難しときんしゃい」

 

「で、でも」

 

「オレだって避難したいけど、近界民(ネイバー)が邪魔で地下のシェルターに移動出来んぜよ……全く、引退して受験シーズンじゃからコレしか持ってきとらんかった。ボーダーめ、適当な仕事をしよってからに」

 

クラスメイトの三好がこの学校にボーダー隊員は居ない、近界民を倒せるのは今のところはボーダーだけ。

正確に言えばボーダーが使っているトリガーっちゅうもんが近界民を倒すことが出来る兵器……オレも三好達も避難をしたいが地下に続くシェルターへの道が近界民……が送り込んどるロボット的なのが邪魔で通れん。

 

「オレが道をなんとか切り開くから突破せい」

 

「……そんなラケットでどうにかなるのか?」

 

「部長業は引退したからの、試合用のラケットは不要で練習用しか持ってきとらんから文句は困る」

 

 テニスで使うラケットを取り出す。

 普通のラケットは格子状になっとるけんど、オレが今手にしとるラケットのガットは十字、2本しかない……特別製も特別製のラケットじゃきぃ。

 

「オレは時間稼ぐから早う行くんど」

 

 オレはそう言うと校舎の壁にテニスボールを当てる。それと同時にクラウチングスタートと似たような構えを取る。

 校舎の壁にテニスボールが当たり弾かれてこちらに向かって飛んでくる

 

「ダッシュ波動球!!」

 

 ダッシュ波動球、通常の波動球に加えて前方に進む力を使う波動球を近界民に当てる。

 正式名称は忘れたけどもコイツはトリオン兵とか言うのは確か……ダッシュ波動球を当てた

 

「やった、後退した!」

 

「いや、衝撃のノックバックで飛んだだけでダメージになっとらん……だが、ダッシュ波動球で後退すると分かれば話は早い」

 

「え、なんでだ?」

 

「決まっとるだろ…………ワシの波動球は表裏極を合わせて324式ある。ダッシュ波動球は表の百八の波動球の中で壱式波動球と同等、ならばそれ以上の威力を持つ弐式波動球以上の波動球を当てればええだけや」

 

 ダッシュ波動球で近界民に対してどれだけダメージを与えれるのかを確認したけども無理だった。

 まぁ、近代兵器が通じん未知のテクノロジーと生体エネルギーで出来とるから火薬系の爆発とか効かん。ダメージを与えることは出来んかったけど、衝撃そのものは受けとう。ダッシュ波動球を受けた衝撃のノックバックはある。

 

「出た!仁王のイリュージョン!」

 

「三好、早く行くがいい……今のワシのラケットは十字ガットのラケット、普段の試合用のラケットやない。ラケットが波動球に何処まで耐えてくれるか分からん。波動球も表の波動球、しかも低レベルなのしか打たれへん……弐式波動球!!」

 

 オレの十八番を使えば笑みを浮かべる三好。

 今は笑っている場合じゃなかぁ。練習用の十字ガットのラケット、スーパースイートスポットの感覚を掴むためで試合するもんじゃないんじゃい。弐式波動球を使ってトリオン兵を後退させる。ダメージがない……だが、オレのテニスでなんとか足止めは出来ている。

 

「に、仁王くん!」

 

「ふっ……オレをナメてもらったら困るのぅ」

 

 トリオン兵が攻撃をしようとしてきた。

 弐式波動球が弾んでボールが返ってきた、ならばやるだけだとボールを足と刃を兼用している部分に十球に分身する打ち方で打つ。

 十球に分身したテニスボールはトリオン兵の攻撃を弾いた。クラスの女子に早く逃げるように言えば逃げていってくれる。

 

「仁王、大丈夫か!?」

 

「三雲か……お前がボーダー隊員だったのかのリアクションは今は置いておこう。すまんがワシの波動球は通じん、ノックバックさせる程度や」

 

 クラスの奴等が逃げているとトリガーを起動した三雲がやってきた。

 イリュージョンした状態で会話をしながらも波動球ではダメージを与えることが出来ないことを伝える。

 

「ノックバックは出来る……仁王、あの近界民の隙を!僕なら倒せる!」

 

「承知した……参式波動球!!」

 

 オレの波動球ではダメージを与えることが出来んが足止めは出来る。

 それがわかれば三雲は隙を作ってくれと頼み込んでくるので参式波動球をトリオン兵に叩き込む。三雲は勢いに身を任せてトリオン兵を斬ろうとするが足兼刃の武装で攻撃してくる

 

「10連七式波動球!!」

 

「っ!」

 

「三雲、焦るんやない。こんな緊迫した状況やからこそ慎重にや……今のところ攻撃が効くのはお前しかおらん。せやから頑張ろうとするのは分かるがそれがミスを生み出す」

 

 十球打ちの七式波動球、10連七式波動球を放ち鎌な足の攻撃を弾く。

 三雲1人では勝ち目がない、確か三雲は相手を弱体化させたり味方を強化するデバフやバフを得意とし、個人での武はそこまで。デバフやバフを得意とする相手じゃから敵対すれば尋常じゃないほどやっかいじゃの。

 ともあれ一体目のトリオン兵を倒すことに成功した……と思えば背後からガシャーンと音がした。

 

「っ、もう1体が居たんだ……仁王、今回現れた近界民は2体だ!コイツさえ倒せば終わりだ!」

 

「三雲、気持ちだけが先に行ってもうとる……ここはオレを信頼してくれんかの?」

 

「っ、それは……」

 

「相手が1人なら決まり手が三雲の攻撃なら、才気煥発の極みは出来るぜよ」

 

 もう1体、トリオン兵が居た。

 三雲がコイツさえ倒せば終わりだと言うが気持ちが先走りしている。それに追いつく戦闘力は持っとらんのに、ここで負けるとホントに厄介なことになるけん、イリュージョンを解除し才気煥発の極みを使う。

 

「4手か……まずは5連七式波動球!」

 

 才気煥発の極みで分かったこと、それはコイツを倒すには4手が必要なこと。

 まずは5連七式波動球を使う、目玉と両足に向かってテニスボールは飛んでいき命中すれば校舎がめり込む。

 1手目、5連七式波動球……波動球ではダメージを与えることが出来んが足止めは出来る。波動球の重圧に押されているので動こうとする。相手はこんな見た目だがロボット、動きを見て最適解な動きをしようとしている。

 

飯匙倩(ハブ)

 

 だから撹乱する。相手を撹乱するのにはこの技しかない、ボールが鞭のようにしなる動きをする飯匙倩を使う。

 トリオン兵の動きがおかしくなる。飛んでくるテニスボールが攻撃や妨害の一種だと認識しているから対応をしようとしとるね。

 本来じゃったら何処かに飛んでいく飯匙倩じゃがここは校舎内、天井にぶつかってこっちに向かって返ってくる。

 

「弐拾四式波動球!」

 

 ホントなら極百八式波動球を当てたいとこじゃが、十字のラケットじゃ限界がある。

 仮に極百八式波動球を当てればラケットの方が耐えきれずに失敗に終わる。何度か波動球を使ったことで今のガットの調子が分かる。

 弐拾四式波動球を当てればいい、弐拾四式波動球はトリオン兵の目玉にぶつかる。

 

「今や!ワシの弐拾四式波動球を当てたところを切り込め!!」

 

「うぉおお!!」

 

 ダメージがないとは言え衝撃のノックバックはいきなりギアを上げておかしくなるじゃろう。

 三雲に弐拾四式波動球を当てた目玉のところを攻撃しろと言い三雲は持っている剣で斬った……倒せたか。

 

「ふぅ、なんとか倒せたな」

 

「む……オサムが倒した?」

 

 なんとか倒せたとホッとすれば空閑が現れた。

 

「空閑、どうしてここに!?」

 

「どうしてって助っ人に来たんだ……けど……モールモッド倒せたのか……いや、倒せる奴が他に居たのか?」

 

「ふっ……なにやら訳ありの様だな……プリッ」

 

「っ!?……え?……クラスの奴?」

 

「ああ、仁王のイリュージョンだよ」

 

 筋肉ムキムキの無骨な男のイリュージョンを解除すれば空閑は驚いた。

 オレは最初から立っている、最初からそこにいる。じゃけんどもあまりにも高度なモノマネの為に勘違いする。

 学校の連中は慣れとるが、転校して間もない空閑は当然の様に驚く。三雲がオレのイリュージョンだと言えば空閑はどういうこと?となる。

 

「トリガーを持ってたのか?」

 

「オレはボーダー隊員じゃないから持っとらん……テニス部の元部長じゃ。テニスボールをぶつけて近界民の足止めをして倒せる三雲に任せたんじゃよ」

 

「…………そうか……」

 

「空閑、全然理解してないだろ……仁王はテニス、その持っているラケットって道具でボールを打ってくれて近界民の足止めをしてくれたんだ」

 

「いや、言ってることは分かるぞ?でも……いや、でも……生身?」

 

「じゃからトリガーを持っとらんから換装出来ん……生身で足止めが限界じゃ。三雲が倒す武器を持っとったからなんとかなったが……危なかったのぅ」

 

「……どうして、イレギュラー門が開いたんだろ……」

 

 三雲がイレギュラー門がなんで開いたのか疑問を抱く。

 そんなのを考えても仕方がないこと、今は全員が無事だった事に喜ぶ。




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