シャニPとアイドルがいちゃいちゃするだけの話 作:馬鹿とオタク
P「摩美々、撮影お疲れ様!今日もすごく良かったぞ!」
今日の仕事はファッション雑誌の撮影だった。
肝心の出来はというと、さすがというほか無い。特に難しい注文が無かったのももちろんあるが、日ごろの努力や研鑽の賜物だろう。
摩美々「ありがとうございますー。今日は、このまま直帰で良かったんですよねー?」
P「ああ、特に事務所に寄りたいとかなければ家まで送って行くよ」
摩美々「じゃあお願いしますー。今日は疲れたのでー、もう一歩も動けないかもー」
P「せ、せめて車までは歩いてくれないか...?」
P「あ、しまった...!!」
自宅に忘れ物をした。
はづきさんから提出を促されてる書類で期日はたしか明日...のはず。
事務所に戻る前に取りに行きたいが、摩美々を送り届けてしまうといったん自宅を通り過ぎるため2度手間になるな...。
摩美々には悪いが、途中で寄らせてもらえないか聞いてみよう。
P「摩美々、すまんが一旦俺の家に寄ってもいいか?」
摩美々「え...アイドルを自宅に連れてって何するつもりなんですかー?」
P「え!?いやいや、家に忘れ物したから寄らせてほしいってだけで...すぐに終わる用事だから!」
焦る俺を見て摩美々がニンマリと笑う。からかわているのは分かっているのだが、訂正しないとそれはそれで問題なのですぐに訂正する。
摩美々「プロデューサー焦りすぎー。まあ、別にいいですよー」
P「はは...ありがとな。ここからそう遠くないし、忘れ物もすぐに取ってくるから少しだけ待っててくれ」
摩美々「はーい。......そういえば、なにげにプロデューサーの家に行くの初めてなんですけどー、もしかして私が初めてですかー?」
これは他のアイドルってことか...?
こういうの、さすがにはっきりと答えるのはまずいかな...。かといって嘘をつくと後からバレた時に勘違いされそうで嫌だし...。
P「え?あぁ...いや...」
うっ...。結局曖昧な返事になってしまった...。
摩美々「ふーん...」
P「......何か勘違いしてるかも知れないが、大体今回と同じような理由だからな...?」
摩美々「別にー、まだ何も言ってないですけどー」
P「まだってことは何か言おうとしてたってことじゃないか...!」
摩美々「ふふー、さあ、どうですかねー」
なんて、摩美々に半分からかわれながら雑談をしているうちに自宅に着いた。
P「すぐに戻ってくるからちょっと待っててくれ」
摩美々「はーい、おりこうにしてますよー。ふふー」
P「......これ、社用車だからほどほどにしてくれよ...?」
まあ、摩美々のことだからそんないたずらはしないとは思うが...。
P「よし、あんまり待たせると悪いし、早くいかないとな」
摩美々「そうですねー。女の子を待たせるなんて駄目ですよー?」
......。
P「......摩美々。どうして出てきたんだ?」
摩美々「えー、こんなお宝さがし、行かない訳なくないですかー?れっつとれじゃーはんとー」
完全に物色する気満々だ...。まあ、取るもの取ったらすぐに出るし大丈夫か...。
P「......忘れ物取ったらすぐに帰るからな?」
摩美々「お邪魔しますー。って、意外と綺麗にしてますねー」
P「『意外と』は余計だけどな。...まあ、綺麗にしてるっていうか、あんまり家にいないから汚くもならないって感じだな」
摩美々「えー...ちゃんと休んでくださいねー。じゃないといたずらする人が1人減っちゃうのでー」
P「はは、ありがとう、気を付けるよ。すまないがその辺に適当に座ってくれ。......うーん、この辺に置いてたと思うんだけど...」
忘れ物を探し始めて十分と少しが経過した。
あれ、ここに置いてたと思ったんだが無いな...最後に置いたところは...。
過去の記憶を思い出しつつ、ちらりと摩美々の方に視線を向ける。
最初の方こそ何か物色してやろうという雰囲気を感じたが、色々と他人の部屋のものを触るのはさすがに気が引けるようで、大人しくベッドに腰かけてスマホを触っていた。
P「すまん、この辺りに置いてたはずなんだが...」
摩美々「......焦ったら逆に見つからないんじゃないんですかー?私はこのベッド気に入ったのでー、もうちょっとゆっくりしてもいいですよー」
P「...そうだな、ありがとう。でもあんまり待たせても悪いし、できるだけ早く...あった!」
摩美々「え、はやー...。もうちょっとゆっくりしようと思ってたんですけどー」
どこか不服そうな摩美々をよそに見つけた書類をファイルに挟んでいると、携帯が鳴った。この着信音は社用の携帯で間違いないだろう。
ポケットから取り出して確認すると、得意先の名前が載っていた。...この人、話だすと止まらないんだよな...。
P「すまん、もう少し待っててくれ。──さんから電話だ」
名前を聞くと摩美々も理解してくれたようで、ごろんとベッドに横になってスマホをいじり始めた。
P「はい、はい。わかりました。はい。今後もよろしくお願いします。失礼します......よし、だいぶ待たせちゃったな...」
結局話が終わったのは、3,40分経った後だった。
かなり待たせているし、摩美々には何かお礼をしないとな...。
P「すまない摩美々!待たせ......」
摩美々「すぅ......すぅ......」
俺のベッドで寝ていた。...どうしたものか。
P「ま、まみみー...起きてくれー...」
摩美々「すぅ......すぅ......」
待たせてしまった手前、目覚めの悪い起こし方をしたくないから小声で声を掛けてみるが、まったく反応が無い。それにしても気持ちよさそうに寝てるな。
...とりあえず、ブランケットか何かを掛けてあげておこう。その時に目が覚めてくれれば嬉しいんだが...。
ブランケットを手に取り、摩美々に掛けようとした瞬間────急に伸びてきた手に引っ張られ、体勢を大きく崩してしまった。
P「うぉっ...」
摩美々「大成功ー」
パシャリ、と音が聞こえた。
やられた。今、不敵な笑みを浮かべている摩美々のスマホのフォルダには「担当アイドルに迫ろうとするプロデューサー」のような構図の写真が存在していることだろう。
P「ゆ、許してくれないか」
摩美々「許せないこともあると思いますー、ふふー」
P「......何が望みなんだ?俺にできることなら何でもするよ」
摩美々のことだろうから悪いことには使わないと確信しているが、これだけ待たせておいてすぐに叱ってしまうのは申し訳ない。
摩美々「摩美々はおりこうさんに待ってたのでー、ご褒美を所望しますー」
P「もちろんだ。何が良いとかあるか?」
摩美々「そーですねー、スイーツがいいですねー。どういうのにするかはプロデューサーのセンスにお任せしますケド、摩美々を納得させるものを期待してますよー」
P「...わかった。必ず摩美々を唸らせるスイーツを用意するよ」
簡単に見えて意外と難しいお題だな...。だけど心当たりが無いわけじゃない...何とかできそうだ。
摩美々「じゃあ次はー」
P「ま、まだあるのか!?」
摩美々「当たり前じゃないですかー。私をこんなに待たせておいてまさか1つで許してもらえるとでもー?」
P「ぐ、ぐぬぬ...。わかった、要望を聞かせてくれ」
摩美々「ふふー、まだまだいっぱいありますからー、覚悟しててくださいねー?」
その日の摩美々の笑顔は、よく見る何か企んでいるようなものではなく、文字通り満面の笑みだった。