シャニPとアイドルがいちゃいちゃするだけの話   作:馬鹿とオタク

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恋鐘と練習する話

恋鐘「ふんふんふふ~ん♪」

 

恋鐘「ん?こい本は誰かの忘れもん~?」

 

恋鐘「『意中の相手と...って誰ねこいば本読みよるとは!?」

 

恋鐘「......」

 

 

恋鐘「ち、ちょっと見るだけやけん...」

 

恋鐘「な、中に名前書いとるかもしれんし...」

 

 

恋鐘「ふんふん...」

 

恋鐘「な"!この方法は...」

 

 

 

恋鐘「天才的ばい......!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋鐘「.........ふへへぇ」

 

P「......恋鐘?どうかしたのか?」

 

キーボードを打つ手を止めて、顔を上げる。

先ほどから恋鐘の様子がおかしい。何かもじもじしているというか、明らかに挙動不審だ。

 

1分毎くらいにちらちらとこちらを見てくるし、たまににやけて変な声を出している。

 

恋鐘「ふぇ!?...な、なんもなかよ!うちはこの通り元気ばりばりたい!」

 

ソファから立ち上がり、その有り余る元気さのアピールのために立ち上がって腕をぶんぶん回し始めた。

どうやら何か悩み事...というか、俺に何か用事があるのだと思うが、本人から言ってくれるまで無理に聞き出す必要もなさそうだな。

 

P「そうか?体調が悪いとかだったらすぐに言ってくれよ」

 

恋鐘「全然そんなんじゃなか!ただちょっと考え事ばしとっただけやけん...」

 

ほぼ自白しているのだが、本人が気づいていないようだし、気づかなかったことにしておこう...。

 

 

 

 

ひとしきり元気さのアピールを終えた恋鐘は、ソファに座りまた先ほどの挙動不審な状態に戻ってしまった。

それからしばらく進展も無く、視界の隅に写る恋鐘のことも気にならないくらいに集中し始めたころに、急に恋鐘が立ち上がった。

 

恋鐘「んぅ~~~!!考えよっても始まらんばい!」

 

恋鐘「プロデューサー!」

 

P「うおっ...!?き、急にどうした」

 

恋鐘「ちょっとお願いがあるっちゃけど、よか?」

 

やっぱり俺に何か用事だったか。して欲しいこと...想像もつかないが、俺にできることだろうか。

 

P「あ、ああ。俺にできることならなんでもするよ」

 

恋鐘「ほんと!?」

 

P「ああ、できる範囲でだけどな」

 

半分にやけ、半分不安が混じったような恋鐘の顔が、太陽のようにぱあっと明るくなる。

 

恋鐘「じ、じゃあ、ちょぉ~っとプロデューサーに読むのを手伝って欲しいっちゃけど...」

 

P「読む?本か何かか?」

 

恋鐘「ん...」

 

P「それくらいだったら全然いいけど...どんな本なんだ?」

 

恋鐘「こい本の台詞の読み合わせをして欲しいとばってん...う~...考えるだけで顔が熱くなってくるばい...」

 

そうやって恋鐘が差し出してきたのは、小説だった。ジャンルは...恋愛小説か。内容は田舎から出てきた少女が年上の男と出会って...という、良くあるタイプの小説だ。

 

読み合わせということは、役作りか何かだろう。恋鐘は声の仕事も比較的に多いし、アイドルという役柄恋愛系の作品が多いのも確かだ。まあ、この前オファーを受けたスマホアプリの未亡人役はかなり特殊だったが。

 

P「そのくらいだったら俺でよければ全然付き合うよ。...といっても、俺は素人だから、そこは勘弁な。それで、どこを読み合わせするんだ?」

 

恋鐘「そ、そいが...」

 

P「?」

 

恋鐘「ちょっと貸して?......ここ、ここから読んで欲しか!」

 

P「ここか。男が少女に告白するシーンだな」

 

P「ところで、読み合わせするとは言ったけど、どうやってするんだ?恋鐘は台詞を覚えてたりするのか?」

 

恋鐘「ふぇ?」

 

P「いや、2人一緒に台詞を見ていないと読み合わせできないだろ?本をかわりばんこに読むのはテンポが悪くなるだろうし...」

 

 

恋鐘がハッとした顔になる。...この顔は考えてなかったな。

 

恋鐘「う、うちとしたことが...そこまで考えとらんかった~!!」

 

P「ははっ、何か方法を考えようか。コピー機で印刷してもいいし、スマホで撮ってもいいけど...」

 

恋鐘「ああ~っ!!!」

 

急に恋鐘が大きな声を出したので耳がキーンとなる。何か思いついたのか。

 

恋鐘「もっとよか方法ば思いついたばい!!」

 

と、恋鐘が引っ張ってきてソファに俺を座らせると、横に座って本を見せてきた。

確かにこの方法なら一緒に読むことはできるが...。

 

P「ほ、ほんとにこの方法でいいのか?」

 

恋鐘「絶対この方法が一番よかばい!これが一番読みやすいけん!」

 

そ、そうか...?でも、恋鐘の気合が一番高いときにやるのが一番でもあるな。

密着具合といい、少し緊張するが我慢我慢...!

 

 

P「よ、よし。じゃあいくぞ...」

 

恋鐘「準備はばっちりばい!」

 

これ、意外と緊張するな...!いや、緊張する原因にはこの状況も大いに関係しているんだろうけど...!

 

 

 

P「んん、『───さん、あなたのことが好きです。』」

 

恋鐘「『嘘...!』」

 

P「『この前、あなたがあの男に無理やり連れていかれそうになった時、絶対に誰にも渡したくないと思った。その時気づいたんです、俺、あなたのことを好きだったんだって。』」

 

恋鐘「『私も、初めて──さんに助けてもらった時から、あなたのことばかり考えてた!』」

 

恋鐘「『私も、──さんのことが好き!』」

 

P「『そんな...まさか両思いだったなんて。嬉しくてうれしくて、どうにかなってしまいそうだ...!』」

 

恋鐘「『うちも、同じ気持ちです。お願い、抱きしめてくれん...?」

 

P「『......恋鐘、出てるでてる。」

 

恋鐘「ふぇ、なんかおかしかった?」

 

P「方言が出てたよ。それに...って、大丈夫か!顔が真っ赤だぞ!?」

 

いったん中断したので恋鐘の顔を見ると、そこには熟しすぎたトマトのように顔が真っ赤な恋鐘がいた。

 

恋鐘「ぜ、全然大丈夫たい!で、でも今日はもう読み合わせはよか!手伝ってくれてありがとうね!プロデューサー!!」

 

P「こ、恋鐘!?送って行こうかー!」

 

声を掛けたが、恋鐘は振り返らずに大丈夫ばい!と言いながらドアを飛び出していった。

あれで少しでも練習になっていたらいいのだが...。

 

 

 

 

 

 

P「...あれ、本が落ちてる。恋鐘の落とし物か?でも、さっき読んでたやつと違うな」

 

P「よ...いしょっと。何々...『意中の相手と結ばれる100の方法』...?」

 

 

 

 

......恋鐘という確証は無いし、預かっておこう。

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