シャニPとアイドルがいちゃいちゃするだけの話 作:馬鹿とオタク
P「お疲れ様です...って誰もいないよな」
それもそのはず。まだアイドルたちが来るには早い時間だし、はづきさんが出社するのももう少し後だ。
P「よし...!」
コーヒーを淹れて、デスクにちょうど座ったところでキィと扉が開く音がした。
この時間に誰か来るとしたら...。
凛世「お疲れ様で......ございます...」
P「おはよう凛世!今日も朝早いな」
凛世「...本日は......霧子さんより...任を授かっておりますので.....」
P「任?何か頼まれてるのか?」
凛世「ふふ...はい。それはそれは...とても大切なものを...」
そういうと凛世は窓の方に歩いていき、じょうろを手に取った。
なるほど、花か...。
P「霧子は今日はオフだったはずだが...あぁ!そういえば今日は朝から用事があるって言ってたな」
凛世「はい...。霧子さんがお忙しい日は...こうして凛世が...代わりに...」
P「そうだったのか...」
P「......凛世、俺も一緒に水、あげてもいいか?」
凛世「ふふ...もちろんで...ございます...」
P「...よし!じゃあ俺が水を汲んでこよう。凛世は待っててくれ」
凛世「いえ...ぜひ、ご一緒に...」
事務所に置いてある花に一通り水をあげた後、俺はデスクワークに戻り、メールの整理をしていたところ一通のメールが届いた。
P「ん?......凛世!」
凛世「プロデューサーさま...?どうか、されましたか...?」
P「この前のオーディションに受かってたぞ!やったな!」
凛世「それは...真にございますか...!」
P「ああ!本当だ!このオーディション、絶対受かりたいっていってたもんな...!」
確か、町で助けてもらった男に恋をするお嬢様役...どこかで聞いたような気もするが、とにかく受かってよかった!
P「凛世も分かってると思うが、オーディションに受かったからには、ここからだからな。気を抜かず、一緒に頑張って行こう!」
凛世「はい...ともに邁進して...参りましょう...」
P「もちろんだ!...ただ、オーディションに受かったことも凛世の頑張りあってこそだ。今日はそのお祝いをしよう」
凛世「お祝い...でしょうか...?」
P「ああ、何か欲しいものとか、行きたいところとか無いか?ものは時間かかるかも知れないし、場所は...今日中に帰ってこれるところになってしまうが、できるだけ要望は叶えるよ」
それを聞いた凛世は、悩む様子を微塵も見せることなく口を開いた。
凛世「では...一つ、プロデューサーさまと...行きたいところが...」
凛世に連れられること数分、着いたのは大通りのカフェだった。そういえばこの前、誰かが近くに気になるカフェができるとか言ってたような...。
P「ここか?カフェ...みたいだけど」
凛世「はい...!以前、甘奈さんから教えていただきました...。ここに...特別なお飲み物があるそうで、とても興味深く...」
P「なるほど...どんな飲み物なんだ?」
凛世「それは凛世も...ただ、一人では注文できないとだけ...」
P「そうなのか...。どうして一人で注文できないのか気になるな...とりあえず入ってみよう」
何か条件付き何だろうか、まあ、一人で注文できないのなら力になれそうだ...!
P「ほ、ほんとにこれなのか...?凛世が飲みたかったのって...」
凛世「はい...間違いありません...この、『らぶらぶカップルジュース』...これが大変興味深く...」
『らぶらぶカップルジュース』...中身は普通のフルーツジュースなのだが、普通のフルーツジュースと違う点が一つだけある。
それは名前にあるように、二人で来店している客のみ注文できるという代物...。性別は関係ないようだが、この組み合わせは非常にマズイ...!
P「り、りん「以上でよろしかったでしょうか!」え!?」
凛世「はい...以上でございます...」
P「ま、待っ「らぶらぶカップルジュース注文入りましたー!」って...」
どうやら、どうにかできないものかと思考している間に凛世が注文を終わらせていたようで、呼び止める間もなく店員の女の子は厨房に戻って行ってしまった。
ただ、女の子が注文を大きな声で読み上げてくれたおかげで周りの視線が刺さる。
当の本人はというと、涼しい顔をして...いや、すごくわくわくした顔をしていた。
P「り、凛世...嬉しそうだな...?」
凛世「はい...!とても...楽しみにしておりました...」
P「そ、そうか...」
凛世「プロデューサーさま...?」
P「あ、ああ!いや、何でもないんだ。凛世の役に立てているようで嬉しくてさ...!」
凛世「ふふ...!凛世も、心が躍っております...」
店員A「お待たせいたしました!らぶらぶカップルジュースでございます!それでは、ごゆっくり~」
そうして運ばれてきたのは、おそらく二人分の量であろう大き目のグラスに注がれたフルーツジュースと、その異質さを確実なものとする飲み口が二つあるハート型のストローだった。
P「ほ、ほら!来たみたいだぞ!」
凛世「はい...!...それでは、いただきます...」
礼儀正しく合掌してから、飲み口の一つに口を付けてジュースを飲み始めた凛世だったが、すぐに飲むのをやめ、こちらを見つめてきた。
凛世「...プロデューサーさま...」
P「う...やっぱり...俺も飲まないと駄目...か?」
凛世「いえ...。ですが、本日は...凛世の願いはなんでも聞き入れてくださると...」
P「そ、そうだよな...!よ、よし」
周りの目を気にしていても仕方がない、というより、ここで「飲む」という選択肢を取らないほうが嫌な予感がしてきたので、覚悟を決めてもう片方の飲み口に口を付けて飲み始める。周りがざわついたような気がしたが、気のせいだと自分に言い聞かせた。
俺に合わせて凛世もストローに口を付けなおし、二人で飲むとすぐにジュースを飲み干してしまった。
すぐにジュースが無くなって少し不服そうにしている凛世が、二杯目を注文し始めたところで完全に諦め、今日はとことん付き合うことにした。
そして、流石に三杯目は普通のジュースとスイーツを頼みなおしてしばらく過ごした後、まるでスキップでも始めてしまいそうな凛世とともに帰路についた。