シャニPとアイドルがいちゃいちゃするだけの話 作:馬鹿とオタク
P「よし...!ある程度区切りはついたかな...」
今日は12月31日。大晦日だ。
といってもやることはいつもと対して変わらず、年始からの仕事の準備に追われていた。
はづきさんも社長も帰っていて、もう23時は回っているのでもちろんアイドルも居ない。完全に一人というわけだ。
そのため暖房も切っていて、吐く息が白く...とまではいかないが、スーツでは少し寒い。
何か特別な日に一人でいると、普段はそこまで考えないことまで深く考えてしまう。
アイドルたちは今頃どうしているだろうか。
年末年始を満喫しているだろうか。
地方に帰省した子たちは家族と楽しく過ごせているだろうか。
特に心配なのは...美琴かな。今年も帰省しないだろうし、おそらくレッスン室にいるだろう。年を越す前に顔を出しておいた方がいいだろうな...。
社長から俺もたまには帰省してはどうだ、と言ってくれていたが、まだその時じゃない。
別に連絡を取っていないわけではないし、仲が悪いわけでもない。今はまだ、こっちに全力でいたい。
P「よし!最後にもう一回チェックしておくか...!」
静かな部屋に紙をめくる音が響く。
しかし、そんな事務所内にガチャリ、と音がした。
この音は玄関が開く音だ。鍵はかけていなかったので、そのまま誰かが入ってきたのだと思う...。
が、こんな時間に誰かが来るなんて考えられない。まさか...空き巣...!?
生唾を飲み込む音が嫌に大きく聞こえる。
警戒している俺とは対照的に、パタ、パタ、と余裕そうにこちらに向かう足音が聞こえてきた。
それがおそらくドアの前に来た。
ドアノブが回る。
P「────!なんだ、美琴か...」
美琴「......?プロデューサー、どうしたの?」
ドアを開けて現れたのは美琴だった。
安堵とともに、鼓動が早く鳴っている心臓を落ち着かせる。
P「いや...なんでもないよ。美琴こそ、こんな時間にどうしたんだ?」
美琴「うん、ちょっと事務所に忘れ物しちゃって...」
P「忘れ物?何を忘れたんだ?」
何か様子がおかしい。
具体的には、忘れ物をしたはずなのに探すような仕草をしていない。
そのまま美琴はこちらに歩いてきて、手を掴まれた。
P「え?」
美琴「あった────」
P「え?」
そのままどこかへ引っ張られる。事務所を出るときに何とか美琴を静止させ、戸締りを済ませることはできたがその後は一切止まってくれない。
P「み、美琴?どうしたんだいきなり...!」
美琴「ふふ...!」
P「み、美琴ー...!」
何とか声を掛けてみるも無視。よく見ると頬が少し赤い気がする。酔っているのか?
しばらく連れられて、着いたのは寮だった。
美琴「プロデューサー、着いたよ」
P「ここ、寮...だよな?」
美琴「うん。みんな待ってるから、早く行こう」
P「あ、ああ」
そうして美琴に手を繋いだまま寮に入りダイニングに行くと、そこには数人のアイドルたちがいた。
いつもの寮のメンバーに...夏葉と美琴か?少し珍しい二人に驚いていると、みんなこちらに気づいたようだ。
夏葉「あら、プロデューサーじゃない!」
千雪「プロデューサーさん...!その恰好、もしかして、さっきまでお仕事されていたり...?」
羽那「えーっ!?プロデューサー、今日もお仕事してたの?」
P「あー...はは、まぁ...」
樹里「ったく、ありがたいけど、年末年始くらい休んでくれよな...!」
恋鐘「樹里の言う通りばい!今日はもうお仕事はやめにして、いっぱいご飯食べんね!」
凛世「プロデューサーさま...どうぞこちらへ...」
咲耶「いつもありがとう、プロデューサー。今日はあなたをエスコートさせてほしいな」
P「み、みんな...!帰省してなかったのか...!?」
咲耶「ああ、毎年帰省していたけれど、今年は帰省しないことにしたんだ。あなたが寂しがるだろうと思ってね」
P「お、俺のためってことか?」
凛世「ふふ...!はい...、プロデューサーさまに...少しでも笑顔でいてもらえたらと...」
夏葉「ええ、もともとは寮のみんなで年を越す予定だったらしいのだけれど、千雪が私と美琴、そしてプロデューサーを呼んでくれたのよ」
千雪「学生さんたちに外に出てきてもらうのはよくないなーと思ったので...夏葉ちゃんと美琴さんと...他にはルカさんとはづきにも声を掛けてみたんですけど、どちらにも都合がつかなくって...」
恋鐘「プロデューサーを連れてくるって言ったのは美琴ばい!うちらはもう帰っとると思っとったけん、プロデューサーはもう事務所にはおらんっちゃなかとーって言ったっちゃけど止まらんくて...」
羽那「ほんと、あの時はびっくりしたよねーっ、キメ顔で大丈夫って言って出て行った美琴さん見てみんなでハラハラしてたもん!」
樹里「追いかけてったのにすぐ消えちまって見失うし、電話にもでねーしで...プロデューサーにも電話したんだぞ?」
P「え...そうなのか?......あ、電源切れてるな...」
美琴「プロデューサーなら、まだ仕事してると思ったの。そしたら本当に仕事してて...ふふ、ドアを開けたら、幽霊を見たみたいな顔してて...ふふふ...!」
P「だ、だってな...こんな時間に誰か来るなんて思っても無かったから...!」
こんなに大勢で年を越すことになったのはいつぶりだろうか。
いや、何なら初めての経験かも知れないな...!
P「みんな、ありがとう。まさか今年の大みそかはこんなに楽しくなるなんて思っても無かったな...!」
樹里「なんか...照れくさいな...へへ、でもあんたがそんな顔してくれて「みんな~!年越しそばできたば~い!」...って今良い所だったのによー...!」
咲耶「ふふ、相変わらず、うちのお姫様はお転婆なようだ」
P「はは...!でも、そんなところも恋鐘らしいよ」
年越しそばはみんなで食べたんだけど、最初は全員入りきらなくて、物置からテーブルを持ってきてくっつけたけれど、それでも少し狭かった。
でも、それが嬉しくて、幸せだったんだ。
恋鐘「今年もば~り楽しかったけど...ば~り早かったばい!」
千雪「時間って楽しいと早く過ぎちゃうものね...でも、来年はもっと早いのかも...!」
美琴「うん、来年はもっと、今年よりももっといい年にしよう」
夏葉「ええ、そうね。来年は、今年よりも」
咲耶「もちろん。私たちは、もっと上を目指して」
樹里「そうだな。あたしたちは、もっと前に進んで」
羽那「うん、来年はもっともっと頑張らなくちゃ!」
凛世「はい...日々精進で...ございます」
P「ああ、みんな、来年も頑張ろうな!!」
恋鐘「うん...!あ!もうすぐカウントダウンがはじまるばい!」
『10!』
『9!』
『8!』
『7!』
『6!』
『5!』
『4!』
『3!』
『2!』
『1!』
『あけまして────────!!