シャニPとアイドルがいちゃいちゃするだけの話 作:馬鹿とオタク
P「おぉ...絶景だな...!」
冬優子「ほんと綺麗ね......寒...」
今日は冬優子の撮影の付き添いで少し遠出して、雪の降る町に来ている。
撮影は明日からで今日一日は自由なので、冬優子の提案で荷物も置く前に、駅近くの見晴らしの良い高台、いわゆる映えスポットにきていた。
冬優子「ごめん、ツイスタ用の写真撮るから、ちょっと荷物持ってもらえる?」
P「ああ」
冬優子「────よし。プロデューサー、一応チェックをお願い」
P「了解だ。────ん、問題ないぞ」
冬優子「どう?ふゆは可愛く写ってる?」
冬優子からスマホを渡され、写真のチェックをする。
特に変なものも写っていないし、写りも綺麗だ。そういえば、最近スマホを変えたって言ってたっけ。
P「ああ、綺麗だよ」
冬優子「...そ。」
少し素っ気ないような態度の冬優子にスマホを返す。もしかしてあまり満足のいく写真を撮れなかったのだろうか。
さすがの向上心だ。俺も見習わないとな。
冬優子「ところであんた」
P「なんだ?」
冬優子「この後時間ある?ちょっと散策したいんだけど」
P「ああ、大丈夫だ」
P「部屋の鍵は持ってきたか?預かるよ」
冬優子「ありがと」
P「日が落ちるのも早くなってきたな...。それで、どこに行く予定なんだ?」
冬優子「そうね。とりあえずその辺り...お土産屋さんとかも見て回りたいわね」
P「了解だ。...冬優子、カイロいるか?」
ピンクの可愛らしい手袋をしては居るが、指先を揉んだりと寒そうにしている冬優子に声を掛ける。
予備は...あ、部屋に忘れてきたな...。さっき自分用に開けたやつだけど、カイロなら特に嫌がられたりとかもないだろう。
冬優子「あら、気が利くじゃない」
P「一つしかないけど...はい」
冬優子「これ...あんたが使ってたやつ?」
渡すなりすぐに冬優子が聞いてくる。さすがに開封済みは嫌だったか。
P「すまん、嫌だったか?」
冬優子「じゃあこれはポケットに入れといて、その代わりに...えいっ」
P「うわっ」
カイロをコートのポケットに突っ込んできた。それもカイロを持っていた手ごとだ。
ただそれだけならまだよかったものの。カイロを渡した直後で熱を求めていた俺の右手もそのポケットの中にあったため、今コートの中は俺の右手とカイロと冬優子の左手が混在している状況になっている。
冬優子「なーにが『うわっ』よ。こーんな可愛いアイドルが手つないであげるんだから、感謝しなさいよ」
しかもカイロを隅においやり、手を繋いできた。
何とか逃げようとする俺の手も、かじかんだ状態に加え、手袋をしていることで鈍くなっており、すぐに冬優子の手にクラッチされてしまう。
P「い、いや。冬優子がこういうことするのって珍しいなって...」
これは本心だ。私生活にすら気を付けている冬優子がこんな行動をとるのは大胆すぎる。
熱でもあるのかと思ったが、見た限りでは元気そうだ。無理をしているような様子は微塵も感じられない。
冬優子「何。なんか文句ある?」
P「その...世間の目と言うか、冬優子が一番気にするだろ?」
冬優子「あんたねぇ...ふゆがちゃんとそういうところ抜かりないのも知ってるでしょ?周り、見てみなさいよ」
そう言われて周りを見る。観光地とはいえ人が多いが...。
P「そういえば...結構人が多いな。日も暮れてきたし、何かイベント...あ」
冬優子「そ、クリスマス...といっても、当日はもう少し先だけど」
冬優子「あんたまさか、アイドルのプロデューサーともあろう人間がクリスマスを忘れてたって言うんじゃないでしょうね」
P「い、いや、意識してなかったってだけでちゃんと覚えてはいたぞ!...ただ、クリスマス関係の仕事って大体もう終わってる頃だしさ」
クリスマスシーズン...いや、当日もイブもまだ先なのに人が多いな...!
P「ところで、それが何の関係があるのかそろそろ教えてくれないか?」
冬優子「...まあいいわ。周りを見てみなさい。この浮足立ち様なら何しててもわかんないわよ」
確かに、男女二人...おそらく恋人同士なんかで歩いている人が多くみられるが、その中に溶け込むということだろうか。
P「うーん...冬優子が言うなら大丈夫...か...?」
冬優子「はいはい。大丈夫だから大人しく付き合いなさい」
そうして、冬優子の左手に引っ張られてホテルを後にした────。
P「事務所のみんなへのお土産......お、これとかいいんじゃないか?」
冬優子「これ、アンテナショップでも売ってるわよ。没」
ホテルを出た時の体勢を維持したまま店に入ってお土産を見ているわけだが...。
なるほど。確かにこの体勢なら左側は俺で見えないし、店に入るまで右側は基本的に壁なので、正面からガッツリ顔を見られなければ冬優子と分からないな。
ただ、デメリットとしては右手が使えないのと、暖房の効いた部屋に入ってもずっとポケットの中で手を繋いでいるせいで周りからの視線がたまに刺さるところだな...!
P「こういうのはどうだ?チョコ系の...」
冬優子「チョコは途中で少しでも溶けるリスクがあるからダメに決まってるでしょ。それに園田智代子が居る手前、チョコは良くないわ」
一体何が良くないのだろうか。溶けるのは確かに良くないが、別に智代子が居てもチョコ買っていいと思うぞ。
冬優子「決めた。これにするわ」
P「いや、これ俺必要だったか...?」
冬優子「必要に決まってるでしょ。ほら、行くわよ」
P「こ、この状態も必要なのか────!?」
冬優子「ひ、つ、よ、う!」
店員さんから不思議なものを見る目で見られながら会計を済ませ、店を後にした。
その後、特にこれといった目的はもう無いようで、手は繋いだまま冬優子のウィンドウショッピングが始まった。
冬優子「そういえば、あんたは特に気になるものとかは無かったの?」
P「え?ああ、そうだな...うーん...特にこれと言って無かったかな」
冬優子「そうね...じゃあふゆがあんたに何か見繕ってあげる。あの必要最低限のもの以外ほとんど置いてない殺風景な部屋見たら心配になるわ」
P「そ、そんなに殺風景か...?」
冬優子「いや、そもそもあんたはほとんど家に帰らないから...そうね。たまに帰った時に癒しになる何かが良いわね」
P「帰っては...いる」
冬優子「あのねぇ...寝るためだけにある場所じゃようなダメなの。わかる?」
P「う...」
冬優子「う、じゃないわよ。あんたの私生活なんて見なくてもわかるんだから」
P「そこまで生活に出てるのか...!?」
冬優子「あのねぇ...いつ連絡しても1時間しないうちには返事が来て、しかもそれを最低でも28人分は常にやってる人間のどこに暇があるのよ」
冬優子「...そういえば、あんた普段ふゆたちにプレゼントする時はどうやって選んでるの?」
P「そうだな...仕事で一緒になった人に聞いてみたりとか...ほら、俺一人の主観だと偏っちゃったりしそうだし」
冬優子「ふーん...例えば?」
プレゼント...この前相談したのは────。
P「そうだな...この前のテレビ収録のときのメイクさんとか...」
瞬間、右手に痛みが走る。
P「い、いてて!」
冬優子「マイナス10ポイント」
P「なんのポイントなんだ...!」
冬優子「覚悟しておきなさい。ふゆが激かわふわふわメルヘンなインテリアを選んであげるから」
P「お手柔らかに頼む...!」