地底スタートの幻想郷生活 修正版   作:四国の探索人

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第12話 癒えゆく傷、残る想い

パルスィが旧都の街並みを散策していると、突然、背後から勇儀の声が聞こえてきた。

 

勇儀:「お、パルスィじゃないか。仲直りはうまくいったか?」彼は笑顔で近づいてくる。

 

勇儀の姿が近づくと、パルスィは振り向き、やわらかな笑みを浮かべた。

 

パルスィ:「ありがとう、仲直り以上の結果が出たわ。」笑顔を崩さずに答えた。

 

勇儀:「やけに上機嫌だな。」彼は怪訝そうに眉をひそめる。

 

パルスィは少し頬を赤らめながら、照れくさそうに続けた。

 

パルスィ:「彼、この奇妙と呼ばれるこの目と耳をキレイと言ってくれたの。」

 

勇儀はふと目を細め、興味深そうに答える。

 

勇儀:「偏見がない奴なのかな。」彼は少し驚いた様子で言った。

 

パルスィは自分の頬に手を当て、少し恥ずかしそうに続ける。

 

パルスィ:「私ですら自分のことを嫌いになりかけたのに、彼は目を見てそう言ってくれたのよ。」

 

その時、勇儀の視線がパルスィの顔に留まり、少し目を見開いた。

 

(パルスィの奴、女の顔になってる…)

 

勇儀は照れ隠しにそっぽを向きながら、問いかけた。

 

パルスィ:「ねぇ、勇儀。」

 

勇儀:「な、何だよ。」少し声を震わせながら答える。

 

パルスィは首をかしげて真剣な表情になる。

 

パルスィ:「人間と妖怪って結ばれていいと思う?」

 

勇儀は少し考え込み、目を閉じてから答えた。

 

勇儀:「気が早いな。アイツの気持ちもあるから、少しずつ仲良くなればいいんじゃねえか。」

 

パルスィは静かに微笑みを浮かべながら、頷いた。

 

パルスィ:「そうよね…」

 

 勇儀(果たしてユウスケにとって幸せになるかどうかだな。)

 

 

 

 

 

 

 その後しばらくの療養が続き、ユウスケの傷は少しずつ回復していった。

 

パルスィは心配そうに声をかける。

 

パルスィ:「大丈夫そう?」

 

ユウスケは穏やかな表情で答えた。

 

ユウスケ:「ああ、日常生活はもう問題ないよ。」

 

パルスィはほっとした様子で、少しだけ笑みを浮かべながら言った。

 

パルスィ:「そう、ちょっと傷見せて。」

 

彼女はおもむろにユウスケの服をめくり、傷を確認する。

 

傷は小さくなり、確かに回復の跡が見えるが、パルスィの内心は複雑だった。

 

自分を守ってできた傷が消え、いずれ風化してしまうのではないかと、悲しさと寂しさが込み上げてきた。

 

パルスィがユウスケの服を上げて傷を見つめていると、数秒後にユウスケはその様子に気づき、静かに服を直す。

 

ユウスケ:「傷も消えていってるでしょ?」

 

パルスィは少し黙り込み、答えに詰まる。

 

パルスィ:「そうね……。」

 

ユウスケは心配そうに尋ねる。

 

ユウスケ:「何かあった?」

 

パルスィはため息をつきながら、静かに言った。

 

パルスィ:「この傷が完全に消えたら、ユウスケは私の事を忘れてしまうのかなって…。」

 

ユウスケは驚き、顔をしかめる。

 

ユウスケ:「?」

 

パルスィは少し怖がる様子で続けた。

 

パルスィ:「ユウスケはこれからいろんな人と関わり合うわけでしょ。私なんか、いつか忘れてしまうんじゃないかって。」

 

ユウスケは真剣な表情で応じる。

 

ユウスケ:「そんな訳……」

 

その瞬間、パルスィは急いでユウスケの肩を掴む。

 

パルスィ:「ないって言えるの!君には地霊殿のメンバーもいるけど、私には……」

 

彼女は声を震わせながら続けた。

 

パルスィ:「私には、ユウスケしかいないのよ!嫌われ者の嫉妬の妖怪なんて誰も好き好んで近づきもしない。見たよね、私がのけ者にされてるの。」

 

彼女は掴んだ肩に力を入れる。

 

パルスィ:「忘れないで!捨てないで!私にはユウスケがいるの!君が欲しいの!」

 

言い終えると、パルスィは肩から手を離す。

 

彼女は静かに声をひそめて、最後に言った。

 

パルスィ:「ごめんね、迷惑だったよね。でも毎日考えてしまうのよ。君が地底からもし出ていったらって……。今日はもう帰るね。怪我、回復してよかった。」

 

そう言うと、トボトボと家へと向かうパルスィの後ろ姿が見えた。

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