地底スタートの幻想郷生活 修正版   作:四国の探索人

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第24話 vs咲夜 パチュリー

紅魔館に到着した魔理沙とユウスケは箒から降り、門へと歩みを進めた。

 

「……誰かいるな。門番のようだが」

 

魔理沙が目を細めて言う。ユウスケは倒れた人物に目を向けた。

 

「……倒れてますね。誰かにやられた跡のような」

 

「くっそ、霊夢の奴……また先を越しやがった!」

 

悔しげに舌打ちをしながら、魔理沙は門番・紅美鈴を横目に館の中へと急ぐ。ユウスケもそれに続いた。

 

館内に入ると、奥から戦闘の音が聞こえてきた。

 

「……おっ、追いついたみたいだな。あれだあれ」

 

魔理沙が指さす先には、博麗霊夢、十六夜咲夜、パチュリー・ノーレッジの三人が、激しい戦闘を繰り広げていた――かと思いきや、実際には咲夜とパチュリーが二人がかりで霊夢を相手にしている状況だった。

 

「博麗の巫女を相手に全力で止めろと、お嬢様から命じられましたが……これではまるでいじめですね。私は退いてもよろしいかしら」

 

咲夜がナイフをひらひらとさせながら言う。霊夢はその挑発に苛立った様子で返した。

 

「なに調子に乗ってんのよ……私はまだ本気を出してないだけよ!」

 

「その“本気”とやら、いつになったら見せてくれるのかしらね」

 

パチュリーが冷静に応じたそのとき、霊夢の背後からユウスケが姿を現す。

 

「……ん?ユウスケ? あんた、なんでここに……てっきり魔理沙かと思ってたわ」

 

「紫に言われまして。魔理沙は“地下にお宝の気配がする”って言って、どっかに行きましたけど」

 

「ふーん。紫の差し金ね。……言っとくけど、私一人でも勝てたんだから!」

 

霊夢は悔しそうに言い放つが、その口調には少しだけ余裕が戻っていた。

 

 

パチュリーが冷ややかな目を向けて言葉を放つ。

 

「人間が一人増えたところで、巫女の足手まといになるだけじゃないかしら?」

 

そう言い放つと、手のひらに魔力を集中させ、呪文を詠唱する。

 

「日符『ロイヤルフレア』」

 

ユウスケもまたそれに応じるように呟く。

 

「日符『ロイヤルフレア』」

 

二人の放った技が空中で激しくぶつかり合い、爆ぜるような音を響かせた。煙の中からパチュリーが一歩後退しつつ驚きを滲ませる。

 

「……私の魔法を?」

 

もう一度、今度は別の魔法を試すように構える。

 

「金符『シルバードラゴン』」

 

ユウスケもまた、まるで鏡写しのように同じ技を繰り出す。

 

「金符『シルバードラゴン』」

 

再び魔法が激突し、館の内部に強い魔力の風が巻き起こる。パチュリーは目を細めてつぶやいた。

 

「なるほど……同じ魔法を習得していたわけじゃない。これは模倣。分野の異なる魔法をここまで正確にコピーできるなんて、普通の人間には不可能よ」

 

咲夜が目を見開く。

 

「人間が、パチュリー様の魔法を真似たですって……?」

 

霊夢が冷やかすように笑みを浮かべる。

 

「得意の魔法を真似されて、ちょっと怖気づいたんじゃない?」

 

パチュリーは鼻で笑い、魔力をさらに高めながら言い返す。

 

「笑わせないで。本物とコピーの差がどれほどあるか、思い知らせてあげるわ」

 

 

パチュリーは冷ややかな眼差しをユウスケに向けながら、つぶやく。

 

「コピーされるなら、他の手を取るまでよ」

 

彼女が詠唱を始めるのと同時に、ユウスケも同じように呪文を唱え始めた。だが、数節進んだところでユウスケは急に言葉を止め、代わりに低く声を発する。

 

「生成『MP5』」

 

詠唱中の隙を突くようにユウスケは銃を生成し、瞬時にパチュリーへと銃口を向けて引き金を引く。しかし次の瞬間、パチュリーの姿はかき消え、銃弾は背後の壁を抉るだけだった。

 

「狙ったはずなのに……」

 

そう呟いたユウスケに、どこからかパチュリーの声が響く。

 

「詠唱の途中なら隙があると思った? 甘いわね。……転送魔法」

 

その言葉と同時にユウスケの足元に魔法陣が浮かび上がり、彼の姿が瞬時に消える。

 

そして、次にユウスケが現れたのは――咲夜の正面だった。

 

彼女はすでに戦闘態勢に入り、刃の煌めきを放っていた。

 

「死になさい」

 

咲夜が手を振ると、無数のナイフが雨のようにユウスケへと降り注ぐ。

 

(ダメだ……避けられない。ガードも間に合わない)

 

心の中でそう思った瞬間、ユウスケは願うように声を発した。

 

「発動してくれ……“境界を操る程度の能力”」

 

すると彼の目の前に大きくスキマが開き、ナイフの雨はその中へと吸い込まれていく。

 

咲夜は驚きの表情を浮かべる。

 

「……別空間に移動させたの?」

 

ユウスケは冷静にその言葉に応じ、即座に行動に移った。

 

「それだけじゃない」

 

彼は再びスキマを展開し、今度はその出口をパチュリーのすぐ横に出現させる。そこから、先ほどのナイフの雨が逆流するように飛び出し、パチュリーへと襲いかかる。

 

「……防御魔法」

 

パチュリーは咄嗟に魔力の障壁を展開し、ナイフの一撃一撃を弾く。しかしその表情には、わずかな驚きと緊張が浮かんでいた。

 

「パチュリー様、申し訳ありません!」と咲夜が詫びる。

 

「いいのよ、咲夜」とパチュリーは静かに答えながらも、視線は鋭くユウスケを見据えていた。

 

 ユウスケは、霊夢の背中に向かって静かに声をかけた。

 

「霊夢、ここは自分一人で大丈夫です。紫から“できるだけ早く異変を解決しろ”と指示されているので、先に進んでください」

 

霊夢は少し驚いたように振り返るが、すぐに薄く笑って頷いた。

 

「ふーん。分かったわ。……でも、あとで泣きつかないようにね」

 

そう言い残して、霊夢は軽やかな足取りで奥の廊下へと消えていった。

 

それを見送った咲夜の表情が険しくなる。

 

「……私とパチュリー様を相手に、一人でやるつもり? いい度胸ね。どこまで舐めてるのやら」

 

彼女の声音には、明らかな怒気がこもっていた。

 

それを受けて、パチュリーも魔導書で口元を隠しながら静かに言葉を重ねる。

 

「本来なら、あの巫女もここで止めるべきだったけど……フランとレミリアの能力を彼に見られるのはまずいわ。ここは二人がかりで確実に片づけましょう」

 

ユウスケは咲夜とパチュリー、二人の殺気を真正面から受け止めながらも、冷静に構え直した。

 

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