次の日、ユウスケが布団にくるまっていると、こいしが元気に布団を没収してきた。
こいしは明るい声で言った。
「お兄さん起きて!旧都行こう!案内するよ!」
ユウスケは目を閉じたままで、
「まだ太陽が出てない、、、zzz」と返した。
こいしは少し不満そうに言った。
「もー。地底なんだから太陽なんて出てこないよ。」
ユウスケは寝ぼけながらも思い出した。
「そういえばそうか。」
しばらくして、ユウスケは身支度を整え、こいしと共に出かけることにした。旧都に着くと、多くの妖怪たちで賑わっていた。しかし、奇妙なことにユウスケには誰も見向きもせず、無事に観光を楽しむことができていた。
ユウスケは首をかしげながら言った。
「昨日は食べられそうだったのに、今日は見向きもされないな。」
こいしはにっこり笑って答えた。
「あー、それね。私の能力!」
ユウスケは驚いて聞いた。
「こいしもあるの?」
こいしは得意げに説明した。
「ちょっと力のある妖怪ならみんな持ってるかなぁ。私は無意識を操る程度の能力と言ってね、私は周りから見えなくなるんだ。お兄さんにも近くにいると能力が適用されてるんだよね。」
ユウスケは頷きながら
「なるほど。」と感心した。
すると、2人がそんな会話をしていると、ユウスケのお腹が鳴り始めた。
「お腹減ったね。」とこいしが言った。
「そこの揚げ物屋さんで何か買ってくるよ。お兄さんは待ってて。」
ユウスケは笑顔で「ありがとう。」と返した。
こいしは揚げ物屋に向かい
「すみませーん。これとこれ、、、、、蝶々?蝶々だ!」と叫び、思わず蝶々に夢中になって追いかけてしまった。
ユウスケは待ちながら、徐々にこいしの能力が解除され、回りの妖怪はユウスケが見え始めた。周りの妖怪たちがどんどんこちらを向く。彼は少し心配になりながらも、こいしの戻りを待った。
周囲の妖怪たちは、ユウスケが旧都の真ん中にいることに信じられない様子で足を止めていた。しかし、その中で一人の鬼が鋭い目を光らせ、ユウスケに近寄ってきた。
「誰かと思えば、昨日俺に負けた人間じゃねえか。捨てられたか?」鬼は低い声で嘲るように言った。
ユウスケは平然とした表情で、冷静に返す。
「あんたこそ、昨日さとりに手も足も出なかった鬼じゃないか。」
鬼の顔が赤らみ、怒りの炎が燃え上がる。
「テメっ!舐めやがって!ここにあの引きこもりはいねえんだ!今度こそ喰らってやるよ!」鬼はその言葉と同時に、鋭利なナイフを一息で投げつけた。
ユウスケは瞬時に判断した。
「生成"金属の盾"!」すぐさま金属の盾が彼の前に現れ、ナイフが当たり、金属音が響き渡る。鈍い衝撃が腕を通り抜け、しかし盾はしっかりと持ちこたえた。
鬼は驚きの表情を浮かべ、
「何?」と呟いたその瞬間、ユウスケはチャンスを逃さなかった。
「生成"弾幕"!」昨日さとりが繰り出した美しい光の弾幕を思い出し、力強く前に突き出す。色とりどりの弾幕が次々と鬼へと向かい、一斉に放たれる。
「人間が弾幕を出したなんて!」鬼は目を大きく見開き、慌て身をかわそうとしたが、弾幕は彼の身体を捕らえ、激しい衝撃が襲いかる。
「ウオォ!」鬼は思わずグラリとよろけ、吹き飛ばされる。その様子を見た周囲の妖怪たちは驚き、噂を囁き合い始めた。
「あの人間、強い…!」
ユウスケは心臓が高鳴るのを感じながら、自分の力を実感した。彼の中に徐々に自信が芽生えるも回りの妖怪達は逃がしてくれそうになかった。