地底スタートの幻想郷生活 修正版   作:四国の探索人

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第8話 引っ越しの挨拶はビンタから

ユウスケは次の日、お燐と共に旧都へ部屋探しに向かう。

お燐が不動産屋の前で立ち止まり、明るく言う。

 

「えーと、不動産不動産。入るよユウスケ。」

 

二人は不動産屋に入るが、店主はユウスケを見るなりすぐに表情を変え、声を荒げた。

 

「申し訳ありませんが、人間ですので入店はお断りします。」

 

お燐は少し肩を落とし、ユウスケに優しく励ます。

 

「まだ1軒目、気を落としちゃダメだよ。」

 

その後も彼らは何軒か回るが、どこに行っても人間であることを理由に断られてしまう。

ユウスケは半ば自暴自棄になり、冗談混じりに言う。

 

「このまま断られ続けて、結局地霊殿のお世話になってさとりと結婚してヒモになって、幸せな家庭を築いて生きていくんだ。」

 

お燐は驚いた様子でユウスケを見つめて、少し笑いながら返す。

 

「おい、幾ら断られるからってそれはやりすぎだニャ。」

 

ユウスケは苦笑いしながら言う。

 

「冗談だよ。」

 

お燐は軽い笑い声を立て、ふと気がつく。

 

「それにしても歩き回ったからか、お腹空いたね。」

 

ユウスケは頷き、ポケットから弁当を取り出し、お燐に手渡す。

 

「食べる?」

 

お燐は弁当を受け取り、嬉しそうに微笑む。

 

「ありがとう。ユウスケ、何処まで物を出せるの?」

 

ユウスケは自信満々に言う。

 

「今のところ、際限はなかった。」

 

お燐は思いついたように言う。

 

「もうそれで家作ればよくね?」

 

その提案にユウスケは驚きを隠せず、思わず手をポンと叩いて言った。

 

「その手があったか!」

 

お燐は元気に頷きながら続ける。

 

「午後からは土地探しだね。私が幾らか建ていい土地を案内してあげるよ。」

 

午後になり、お燐とユウスケは候補地を探しに出かける。

自然の中を歩き回り、いくつかの土地を見回るうちに、ユウスケは気に入った場所を見つける。

 

「いいね、ここ。回りに誰もいないから住みやすそうだ。」

 

お燐は地面を指差し、考え込むように言う。

 

「うーん、いい土地だけど、嫌われ者のお隣さんが1人いるけど、まあ大丈夫かね。」

 

ユウスケは決心し、手をかざして言う。

 

「生成"コンテナハウス"」

 

すると、魔法のようにコンテナハウスがその土地に現れる。

お燐は目を輝かせて言う。

 

「じゃあ、アタイはさとり様に報告してくるから、引っ越し準備とかしておくんだよ〜。」

 

ユウスケは新しい生活への期待を胸に、早速荷物の整理を始めるのだった。

 

 ユウスケが家具を生成していると、玄関のノックが響いた。

少し戸惑いながら、ユウスケは呟く。

 

「誰だろうか。お燐が来るには早い気がするけど。」

 

放置する訳にもいかず、彼は扉を開ける。そこには地獄の橋姫、水橋パルスィが立っていた。

 

「えーと、何か。」

 

パルスィは少しぎこちない表情で言った。

 

「隣の者よ。ここに住む気?」

 

ユウスケは不安を覚えつも頷く。

 

「そうですけど。ダメでした?」

 

パルスィはため息をついて言う。

 

「私はいいけど、とりあえずこれあげる。引っ越し祝い。」

 

ユウスケは驚きながら礼を言った。

 

「こっちが送る側の気もしますけど、ありがとうございます。」

 

パルスィは微かに微笑みながら言葉を続ける。

 

「素直に礼を言う心が妬ま、、、いえ。どういたしまして。」

 

ユウスケは興味を持ち、思い切って聞く。

 

「聞きましたけど、なんで嫌われているんですか?」

 

その瞬間、パルスィの表情が硬直し、震えが走る。

 

「すっ、、、」

 

「す?」

 

「好きで嫌われているんじゃない、生まれつきだ!!」

 

パルスィは感情的になり、思わずユウスケの頬を叩くと、自宅へと走って帰ってしまった。

 

ユウスケは腕を広げ、愕然とする。

 

「聞いてはいけなかったのか、、、」

 

赤くなった頬を押さえながら、ユウスケは扉を閉めた。

 

一方的に叩かれた疑問が頭の中を巡りつ、彼は引っ越し祝いを戸棚に置いたま居間へと戻った。

しばらくすると、お燐とさとりが家にやって来た。

 

「お邪魔するわね。」

 

さとりが玄関を跨ぎ、お燐は周囲を見回す。

 

「見たことない者がいっぱいあるけど。」

 

ユウスケは微笑み、説明する。

 

「外の世界の者を生成したんだ。使い慣れているしね。」

 

さとりは目を輝かせて言った。

 

「あら、そこの袋は何?」

 

彼女がパルスィの置いていった引っ越し祝いの袋を指差す。

ユウスケは苦笑しながら答える。

 

「お隣りの人が引っ越し祝いをくれたんだけど。お礼を言った後、何故嫌われているのか聞いたら叩かれた、、。」

 

お燐は顔をしかめて言った。

 

「あちゃー。本人に聞いたのかい。」

 

さとりは優しく励ましながら説明する。

 

「彼女は水橋パルスィ。嫉妬を操る妖怪であるため、みんなから性格が悪いと言われているの。」

 

お燐も頷き、続ける。

 

「それにあの子は妖怪の中でも人間よりな見た目をしているのに、特徴的な耳をしているから気味悪がられているのさ。」

 

さとりが優しい声で告げる。

 

「悪い子ではないのよ。ほら、その証拠にこれ。」

 

さとりは引っ越し祝いの袋を取り出し、中から花を見せる。

 

「花?」

 

ユウスケは驚き、さとりに目を向ける。

 

「ユウスケさんは外の世界から来たから分からないかもしれないけど、地底では日光がないから緑はないの。」

 

お燐は続けて説明する。

 

「たまーに地上の地割れから漏れ出る日光があるんだけど、そこに咲いた数少ない花。」

 

さとりは微笑みながら言う。

 

「それを地上が恋しい人間に送ってくれたんじゃないかしら。」

 

ユウスケはパルスィの優しさを理解する。

 

 「今夜はちょっと用事が出来たから帰りましょうか。私からも引っ越し祝い置いておくわね。また別の日に来るわ。」

 

さとりは突然として帰ろうとする。

 

「えー!さとり様、外の世界の飯食べましょうよ〜。」

 

お燐はごねたがさとりに引きずられながら外に出ていった。

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