真乃「お疲れ様です...プロデューサーさん...!」
額にうっすらと汗を滲ませた真乃が事務所に入ってくる。
P「お疲れ、真乃。ごめんな。迎えに行けなくて」
季節は夏真っただ中。まだ朝とはいえ、外を出歩くと否が応でも体力を奪われてしまう。
真乃も麦わら帽子を被って来たようだが、正直それだけでは心もとない。駅まで迎えに行ければよかったんだが、都合が合わなかったのが残念だ。
真乃「い、いえ...!大丈夫です...」
P「外は暑かっただろ?冷たい飲み物を持ってくるからそこに座っててくれ」
真乃「すみません、ありがとうございます...!」
P「お待たせ。お茶菓子もこの前頂いたのがあるから持ってくるな」
真乃「ほわっ、ありがとうございます...んく...んく......ぷは...。...冷たくて美味しい!」
この前先方から頂いたクッキーを棚から取りだし、真乃のところに持っていくと何か真乃に違和感を感じた。
ソファに座っている後ろ姿が、若干ふらついているというか...。
P「大丈夫か?真乃...って顔が赤いぞ...!」
真乃「ほわ...すみません...ちょっと体が...」
P「すぐ横になるんだ。確か社長が冷却シートを買ってきてくれてたはずだから...!」
恐らく軽度の熱中症か。応急処置は...涼しい場所...は大丈夫なはず。後は...水分補給と体を冷やす、か。
冷蔵庫から冷却シートを取り出し、でこに貼り付ける。
P「ちょっと冷たいと思うけど我慢してくれ...!」
真乃「ひゃっ...!冷たいです...けど、気持ちいい...!」
寝やすいように枕...は流石に無いな...。クッション類はそういえばはづきさんが洗濯するって言ってたか...!
P「すまん、真乃。俺で我慢してくれ」
真乃「え...?ひゃっ」
P「ちょっと固いかもしれないが、今クッションが無くてな...」
とはいえ、膝枕はやりすぎたか...?よく考えればタオルを畳んで段差にすれば行けたのでは...。
仕方ない。下手に動かしすぎても良くないし、快方に向かうのを待つしかない...!
真乃「んぅ......。...ほわ......?」
P「.........」
真乃「プロデューサーさん......?...寝てる...?」
P「......真乃......?...っす、すまん!寝てたのか、俺...!」
真乃に膝枕した後にどうやら居眠りをしてしまっていたようで、目を開けるとかなり近い場所に真乃の顔があった。
真乃もほぼ同時に起きたようで、数秒後状況を把握したと思われる真乃の顔には先ほどまでの熱中症からくる赤みとはまた違う赤みをはらんでいた。
P「ま、真乃!どうだ!?調子は...!」
真乃「ほわっ...!は、はい...!だいぶ良くなってきました...!」
P「そ、そうか!なら良かった!は、はは...す、すまん...焦って膝枕なんか...」
真乃「そんな...大丈夫です。プロデューサーさんのお膝...とても気持ち良かったです...!」
それはそれでどうなんだ。いや、真乃も恥ずかしかっただろうし、何とか俺の体裁を保とうとしてくれているんだな...。
P「そ、そうか。ははっ...」
P「来てくれてすぐで悪いんだが、何かあった時のこともあるし、今日はもう帰った方がいい。親御さんは今ご自宅にいるか?」
真乃「い、いえ...今日は多分夕方くらいまで帰ってこないと思います...」
P「そうか...了解だ。さすがに一人で置いておくわけにもいかないし、事務所で涼んでいてくれ」
真乃「すみません...ありがとうございます」
P「いや、いいんだ。もしよかったら俺の話し相手にでもなってくれないか?一人で寂しかったんだ。なんてな、ははっ」
真乃「ふふっ、はい...!」
真乃「すみません、送っていただいて...!今日はありがとうございました...!」
P「いや、大丈夫だ。あの後体調が悪くなるような様子も無くてよかったよ。じゃあ、また明日な」
真乃「はい...!あ、あのっ、プロデューサーさん...!」
P「?なんだ」
真乃「あの...その...」
P「どうかしたのか?」
真乃「あの...また...」
P「また?」
真乃「また今度、プロデューサーさんのお膝をお借りしてもいいでしょうか...!」
P「え......」
P「はははっ、それくらいお安い御用だ」