ちょっとやりすぎ283プロ   作:馬鹿とオタク

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今日一日『かわいい』しか喋れなくなってしまったプロデューサー

P「おはよう美琴!今日もかわいいな!」

 

美琴「...?ありがとう」

 

────あれ。

俺は今なんて言ったんだ?

 

P「すまん美琴、違うんだ。俺はただ美琴がかわいいってことを伝えたくて...」

 

美琴「うん、伝わってるよ。...それじゃ、私これからレッスンだからもう行くね」

 

P「あ、ああ。行ってらっしゃい」

 

 

 

マズイ。何がマズイのかはよく分かっていないが、思ったように言葉が出てこない。

今のところ美琴を褒める言葉しか出てこなかったが、何か失言でも行ってしまったら大問題だ。

それに、いくら褒める言葉でも四六時中相手を褒めてたら変な奴だと思われてしまうかもしれない。

 

P「(今日はできるだけ人と会わないようにしないと...いや、明日以降も治らなかったらどうするか...)」

 

どうにか治す方法は無いかと考えていると、事務所の固定電話が鳴った。

はづきさんに出てもらおうにも今は居ないし、誰に出てもらうにしてもまずこの事情を説明しなければならない。

 

P「(頼む、どうにかなってくれ...!)」

 

P「はい、283プロです!...あれ?......あ、すみません、はい。いつもお世話になっております────」

 

 

 

P「────それでは、よろしくお願いします!失礼致します!」

 

おかしい、子機を取った瞬間、思った通りの言葉が出てくるようになった。

単に一時的なものなのか?それだったらいいんだが...。

 

 

真乃「おはようございます、プロデューサーさんっ」

 

P「おはよう、真乃。今日も驚くくらい美少女だな」

 

真乃「ほわ...プロデューサーさん...?」

 

これ...仕事に支障がないレベルでおかしくなっているのか?

仕事を終えたら脳外科にかかることも視野にいれるか...。

 

真乃「......プロデューサーさん...?大丈夫ですか...?」

 

かなり心配そうな顔をした真乃が近寄ってくる。

それもそうだ。いきなり雑な咲耶の物まねでもし始めない限り、急に驚かせるようなことを言わない自信がある。

 

P「あ、ああ、いや、真乃がかわいくて面食らってただけだよ」

 

真乃「ほわ...その...さっきから私のことをかわいいって...そんな、私なんて...」

 

P「いや、間違いなく真乃はかわいい、絶対に自信を持って言えるよ」

 

真乃「ほわわ...すみません、あまり言われなれて無くて...ごめんなさい、ちょっと公園でリフレッシュしてきますっ...!」

 

明らかに普段の調子ではない俺と真乃だったが、流石にこの場に耐えれなくなったのか真乃が先にリタイアしてしまった。

ただ、ここに居続けられても俺がこんな調子なので、リタイアしてもらった方が今日限りは嬉しいな...。

 

 

P「どうしたものか...今のところアイドルにしかこの症状は出てないようだけど、社長に相談してみるか...?」

 

いや、こんなこと相談されても社長もどうすればいいかわからないだろうし...。どうしようか。

そんなことをしていると、外から聞き覚えのある大きな声が聞こえてきた。

 

恋鐘「プロデューサー!おるー?」

 

バタバタと恋鐘が事務所に入ってくる。

 

P「こが────」

 

恋鐘「昨日貰ったアンケート事務所に置き忘れとらんかった~!?」

 

P「ちょ────」

 

恋鐘「あ、こればい!これ探しに来ただけやけんうちもう行くけん~!プロデューサーもお仕事頑張って~!!」

 

P「あ、ああ!恋鐘も────行ってしまった...」

 

今回は恋鐘に救われたな...。

ただ、みんながさっきの恋鐘のようにはいかないだろう、どうしても会話が発生することは避けられない...!

 

はづき「プロデューサーさん~?」

 

P「うわっ、絶世の美女!あ、いや、これは違くて────!」

 

考え事をしているときに、後ろから話しかけられて驚いてしまう。

咄嗟に出た言葉にも影響するのかこれ...!

 

はづき「......も~...いきなりどうしたんですか~?」

 

P「は、はは、はづきさんが美しくて緊張してしまっているみたいで...」

 

はづき「え~?そんなに褒めても何もでませんよ~」

 

P「いや、いつも恥ずかしがって言えなかったので...二人きりですし、今ここでたくさん言っておこうかなって...」

 

はづき「......本当に大丈夫です~?熱でもあるんじゃ...」

 

最初は苦笑い程度だったはづきさんの顔が、本当に心配している様子になってきた。

こちらとしても助けて欲しい所だが、どうやって助けてもらおうか...。

 

P「いや、そんなことは無いですよ。はづきさんがかわいすぎるので体温は上がってきているかもしれませんが...」

 

はづき「褒められて悪い気はしませんが...もしかして他のアイドルさんたちにもこういうことしてませんよね~?」

 

P「ははっ、俺は本心のままを言っているだけですから...!」

 

はづき「......?とりあえず社長を呼んできますね~」

 

P「はづきさん、ちょっと待ってください────あっ」

 

はづき「え────きゃっ」

 

ついに体まで勝手に動き出してしまい、はづきさんの腕を掴もうとする。

意思とは別に動き出してしまった体をなんとか気合で踏ん張り、手を止めることに成功する。

しかし、そのせいで体が硬直してしまい、はづきさんに覆いかぶさり押し倒す形になってしまった。

生憎壁際ではなかったため、頭を打つような怪我をすることもなく、背中に手を回せたおかげでたいして衝撃はいっていないと思うが、かなり驚かせてしまっただろう。

 

P「す、すみません、はづきさん......。お怪我は無いですか?」

 

はづき「...プロデューサーさんに支えてもらったおかげで特には~......」

 

はづき「......プロデューサーさん」

 

P「は、はい!」

 

はづき「顔、とても近くないですか~......?」

 

P「す、すみません...!はは...」

 

若干顔が赤く見えるはづきさんと対象に、俺の顔はかなり真っ赤になっていることが鏡を見なくてもわかる。

しかも、これが症状による反応ではなく、素で反応しているということがさらに顔を紅潮させる。

 

はづき「......とりあえず、社長呼んで来ますね~」

 

今度は止めようとする力は働かず、はづきさんは部屋を出て行った。

 

 

 

 

その後、はづきさんが無事社長を呼んできた。

社長はどうやらこの症状に心当たりがあるようで、一日寝れば治るので今日はもう帰れと言われてしまった。

素直に社長の指示にしたがって一日休んだところ、すっかりあの症状は出なくなっていた。

 

 

 

はづき「社長~...ところで、プロデューサーさんのアレ、何だったんですか~?」

 

天井「......ああ、あれは────いや、あまり気にする必要は無い。大丈夫だ」

 

はづき「も~......私なんて押し倒されたんですよ~?」

 

天井「な、何......!?」

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