ちょっとやりすぎ283プロ   作:馬鹿とオタク

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プロデューサー「彼女かあ」アイドル「」 八宮めぐる編

P「彼女かあ...」

 

めぐる「お疲れ様で────?」

 

前回のことを反省して、周りに誰もいないことを確認してから呟くと同時にドアが開いた。

 

P「めぐる、お疲れ様」

 

先ほどの呟きは聞かれていないだろうかと、焦りを悟らせないように挨拶をする。

 

めぐる「プロデューサー、今一人?」

 

P「おう、今は俺しかいないぞ」

 

その言葉を聞いためぐるは、部屋を見渡した後に不思議そうな顔をして首を傾げる。

 

めぐる「あれ?プロデューサーがさっき誰かと喋ってた気がしたんだけど......」

 

P「え?あ、ああ、独り言だよ」

 

まさか聞かれていたとは。呟きレベルの声量だったはずだが、めぐるの耳が良いのだろうか。

しかしこの様子だと内容までは聞かれていないみたいだ。めぐるのことだから無いだろうが、他のアイドルに伝わってセクハラだなんだと言われたらたまったものではない。

 

めぐる「────......それで、その...」

 

完全に誤魔化しきれたはず。

そう思っていたのだが、一瞬会話が途切れたその時から、めぐるの顔が徐々に紅潮していくのが見えた。

ま、マズイ...!

 

P「め、めぐる......」

 

めぐる「プロデューサー......」

 

ごくり、と生唾を飲み込む音が聞こえてくる。果たして、これは自分かめぐるかはわからない。

 

めぐる「彼女さん......いるの?」

 

ばっちり聞こえていたんじゃないか。

自身がぬか喜びしていたという事実に悲しくなりながらも、返事を考える。

 

P「い、いや。いるっていうわけじゃないんだ」

 

P「ただ、俺もそろそろいい歳だし彼女とか作る努力をした方がいいかな、なんて......すまん、忘れてくれ」

 

めぐるの言葉に対して取り繕っている途中で、めぐるは恋愛の話は苦手だったということを思い出した。......どんどん選択肢を失敗しているんじゃないか、これ。

 

めぐる「そ、そうなんだ。えへへ......」

 

言わんこっちゃない。愛想笑いが頬の朱色をどんどん加速させていく。これ以上めぐるに無理をさせるわけにもいかないため、何とか話を変えようと仕事の話で何かないか頭の中を探るが、こういう時に限って何も思い浮かばない。

 

P「す、すまんめぐる。こういう話は苦手だよな。え、えーと...さ、最近レッスンは......」

 

めぐる「う、ううん!大丈夫!周りの子たちもそういう話をしてる時あるから......」

 

まるでお見合いのように挙動不審になり始めてきた俺を尻目に、めぐるはどんどん目を回していく。

すでに俺の話もあまり入っていないようだ。

 

めぐる「ぷ、プロデューサーは年下の女の子が好き...だったりする?」

 

P「い、いや...別にそういうのを考えたことは無いよ」

 

ここでYESなんて答えようものならめぐるにドン引きされる可能性もあるからちゃんと回答を選ばないといけなさそうだ。年齢をあんまり考えたことが無いのは本当だが。

 

めぐる「そうなんだ。周りの子たちは先輩とかの話が多いから...」

 

P「俺がめぐるくらいの時も女の子たちは同じだったよ。3年生の先輩とか、大学生とかの話してたと思う」

 

めぐる「......」

 

P「めぐる?」

 

俯いて固まってしまった。めぐるの話に合わせたものの、これ以上話を続けるのはやっぱり悪手だったか...?

 

めぐる「ねぇ、プロデューサー?プロデューサーは高校生って......どう思う?」

 

いや、俺が手を出したら犯罪だと思うが......。

 

P「......さすがに高校生は離れすぎてるし、そういう対象としては考えられないかな」

 

めぐる「じゃあじゃあ、大学生は?」

 

大学生......も学生だし、とてもそういう目では見れないな。

 

P「大学生も学生だからなぁ...はは」

 

めぐる「大学生はダメって言わないんだ?」

 

P「え......うーん、どうだろうな。大学生くらいだと話が合わないんじゃないかって気もするが...」

 

めぐる「じゃあ話の合う大学生なら大丈夫ってこと?」

 

P「はは......めぐる、喉乾いてないか?何か淹れようか」

 

これ以上はマズいと考え、この空気を何とかしようと席を立つが、ソファの横を通った時にめぐるにスーツの端を掴まれてしまう。意外にもその力は強く、無理に引きはがすわけにもいかないのでそのままめぐるの隣に座る。

 

めぐる「プロデューサーは...もし彼女さんができたらお仕事の話以外もするんだよね」

 

P「え、ああ、そりゃまあ......映画とか、音楽とか...普段めぐるたちと話してる内容も仕事の話ばっかりって訳じゃないだろ?」

 

それらも突き詰めれば仕事の話になってしまうのだが、ここは話がこじれるので黙っておこう。

 

めぐる「そ、そっか...そうだよね。うん!」

 

自身の中で結論付けたのだろうか。顔は赤いままだが、しっかりとこちらを向いて立ち上がる。

俺の顔を見つめた後、照れくさそうに一瞬視線を逸らすがまた目を合わせる。

 

めぐる「プロデューサー!私プロデューサーを応援する!」

 

P「え?」

 

めぐる「プロデューサーにか、彼女さんができますようにって!」

 

どれだけ思い詰めていたと思われていたのだろうか。最近の悩みではあるのだが、悩みの中では全然軽い方なんだよな...。

 

P「い、いや、そこまで本気で悩んでた訳じゃないんだが......」

 

めぐる「だからプロデューサーも、私のことを応援してほしい!」

 

今はどうやら何を言っても無駄なようだ。めぐるの目には闘志が宿っているようにも見える。

 

P「もちろん、めぐるの為なら俺はできることならなんでもするぞ」

 

めぐる「ありがとう!じゃあ私、まずは立派な大学生になるよ!」

 

P「ああ、立派な大学生に───大学生?」

 

てっきりアイドルに、という話だと思っていたが、まさかの言葉が出てきて戸惑う。

進路の話なんて全くと言っていいほどしたことがなかったんだが、めぐるは進学する予定だったのか。

初めて聞いた決意だったが、本人が頑張るというのならもちろん応援させてほしい。

 

P「もちろんだ!応援させてくれ」

 

めぐる「うん!よーし、がんばるよー!」

 

 

 

大学か......まだ学校でも進路の話なんてほとんど出てこないし、まだ学校生活でいっぱいだったから先のことなんて全然考えたことなかったや。

プロデューサーにあんなこと言ったけど、私にできるかな...。

なんて、暗い気持ちになっちゃダメだよね!勉強ができてダメなことなんてないし!

 

めぐる「と、とにかく!勉強ができるようになって悪いことは無いよね!」

 

めぐる「早速始めなきゃ!────もしもし灯織?今日って時間ある?うん、ちょっと勉強で教えて欲しいことがあって────」

 

高校生はダメだけど、大学生なら......。

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