ちょっとやりすぎ283プロ   作:馬鹿とオタク

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プロデューサー「彼女かあ」アイドル「」 黛冬優子編

P「彼女かあ...」

 

小さくだが、口をついて言葉が出てしまった。

近くに居るのは冬優子だけだが、聞かれていただろうか...。

 

冬優子「...何よ急に」

 

P「すまん、聞こえてたか...!」

 

冬優子「そんなくらーい雰囲気出してたら嫌でも気になるわよ。何?彼女?」

 

P「いや、最近友人がやれ彼女だ、やれ結婚だって言ってきて来ててな。あんまり考えたことは無かったんだが、否が応でも気にしてしまうというか...」

 

冬優子「あら、以外。こういう仕事に就いてるんだから、そういう事はてっきり諦めてるのかと思ってたわ」

 

P「いやいや...俺だって人並みにそういう願望はあるさ。それに、こういう仕事でも相手が見つからないとは限らないだろ?」

 

冬優子「さあ?どうかしらね。普通に考えたら自分よりも若い女の子、それも複数人と常日頃から関わってるなんて、よっぽど自分に自信あるか神経図太くないと耐えられなさそうだけど」

 

P「な、なるほど...!」

 

冬優子「耐えられるのなんて...そうね、同じ業界人とかぐらいじゃない?」

 

P「なるほど...。でも、普段仕事で関わる人とそういう関係になるのってあんまり良くないだろうし...」

 

冬優子「そう?よくあることじゃない。芸能人同士の結婚とか、そういう繋がりからなんでしょうし...ほら、ドラマで夫婦役で共演してそのまま...ってやつ」

 

P「あー...確かに」

 

冬優子「...ていうか、ふゆの前でそういう話するわけ?」

 

P「あ、ああ、ついなし崩し的に話しちゃったけど...まずかったか?」

 

冬優子「いや、別にそういうわけじゃないけど...アイドルって恋愛禁止じゃない?」

 

P「いや...確かに結構厳しくしてる事務所もあるかも知れないけど、うちはそういうのは無いぞ?」

 

冬優子「あんたねぇ...いい?アイドルのファンって言うのは、交際相手が居ると表ではどれだけ祝福してても多少なりともがっかりしてるもんなのよ。つまり、マイナスでしかないって訳。それに、過激なのは男の影が一瞬ちらつくだけでほんともうそれは凄いことになんのよ」

 

P「そ、そこまでなのか...」

 

冬優子「だから、他の子は知らないけどふゆはそういうのには気を使ってるわけ、あんた、ふゆの自撮りに業界の人間以外が写ってるの見たことある?」

 

そういわれてみると、確かに一般の人が写ってるのは見たことない...。後ろに写ってるのを加工したりなんてのも一切なかったはずだ。普段の自撮りから結構意識してるんだな。

 

P「さすがだな」

 

冬優子「こういうのは当たり前っていうの」

 

P「そうか...でも、やっぱり冬優子のそういうところ尊敬するよ。冬優子にとっては当たり前でも、俺にとっては努力なんだ」

 

冬優子「...そ、ありがと。って、あんたのペースに飲まれるところだった。恋愛禁止のアイドルにそういう話を振るのはどうなのって話よ」

 

P「確かに...そうだな。すまん、今日のことは忘れてくれ」

 

冬優子「......い~や♡」

 

P「...え」

 

冬優子「ふゆが人の弱み、それもあんたの弱みなんて美味しそうなもの...離すわけないでしょ?」

 

P「か、加減してくれると助かるよ...」

 

冬優子「......そういえば、こういう話も聞くわよね」

 

この話は終わりじゃなかったのか...。

 

冬優子「うっさいわね。せっかく話に乗ってあげてるんだからもうちょっと付き合いなさいよ」

 

P「さりげなく心を読まないでくれ...!」

 

冬優子「声に出さなくても顔に書いてあんのよ。...それで、話の続きなんだけど」

 

冬優子「よく聞くのは、アイドルとプロデューサーが...とか」

 

P「────え」

 

冬優子「だから、よく聞く話の例で出しただけ。ほら、この前も有名事務所のアイドルが卒業とほぼ同時期に結婚発表したでしょ。...って何よその顔は」

 

P「いや......それは...大丈夫だ。安心してほしい」

 

P「アイドルに手を出したりなんてしないよ。年齢も少し離れてる子ばかりだし、それに...」

 

冬優子「それに?」

 

P「普段接してたプロデューサーが急に言い寄ってきたら嫌な思いするだろうし、怖いだろ?事務所とかにも居づらくなるだろうし、何よりアイドルを続けるっていう道を奪うかもしれない。だから誓ってそんなことはしないよ」

 

俺と冬優子との仲だ。そんなことは無いと分かってくれているはずだが、言葉にしないと伝わらないこともある。

 

冬優子「......はあ、誰もそんなこと心配してないわよ。ふゆが心配してんのはその逆」

 

P「逆...?」

 

冬優子「あーもう!なんであんたはそっち方向にいくとこうも察しが悪いのかしら...。いい?アイドル側からあんたにアプローチしてきたときはどうするのって言ってんのよ」

 

P「どうって...そんな状況そもそもありえないし、考えるだけ無駄だと思うけど...」

 

良くて親戚のおじ...お兄さん...いや、俺はプロデューサーだ。危ない、大事なことを見失うところだった。

 

冬優子「......そうね、まあいいわ。じゃ、ふゆもう行くから」

 

冬優子はまるで話が通じないと言わんばかりに大きなため息をつくと、椅子から立ち上がって部屋を出て行った。

 

冬優子「ちょっと!何ぼさーっとしてんのよ!今日はふゆの買い物に付き合ってくれるんでしょ!」

 

P「あ、ああ、すまん!今行く!」

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