不幸な少年は伊集院炎山に転生する    作:侍魂

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一話 炎山と悪運少女

「やはりここは現実世界と違うな」

 

「炎山様?」

 

この世界について、つい言葉が出てしまう。そんな俺にブルースは問いかける。

 

「いや、何でもない。それよりもさっきの奴ら相手にならなかったな」

 

「はい。炎山様に敵うオペレーターはこの日本にはいないかと」

 

俺の言葉にブルースが冷静に返答する。

 

俺が転生してから12年の年月が経過した。

この世界ではコンピュータ技術が高度に発展した世界。

ネットワーク技術が様々分野に利用されるようになり、PET(ペット)と呼ばれる携帯端末に人工知能を持った<ネットナビ>に専用知識を持たずして数々の恩恵を受けられるようになった。

ようは、PETが俺たちも知る、スマートフォンでネットナビはしりのような物だ。

まあそれだけ生活が便利になると当然ネット犯罪も起こる。最近はネット犯罪組織WWW(ワールドスリー)が暗躍してるようだ。

 

「炎山様、舟子から着信が入ってます」

 

「ああ。繋げてくれ」

 

俺が所有する赤色の四角いプラグインPETに舟子から電話が入ったことを教えてくれる、赤いボディに銀髪の長い後ろ髪が伸びているネットナビ、ブルース.EXE。俺の専用ナビだ。

電話の内容は次の仕事だろうなと予想を立てる。

一般の人が使うPETを開発する大手企業、IPC(伊集院ペットカンパニー)の会長、伊集院秀石の一人息子として生まれた。次期後継者で今はIPCの副社長として働く。

 

「どうした?」

 

「炎山君、次の仕事の書類をまとめておいたわ」

 

「ありがとう。分かった」

 

「もうすぐ車が着くからね!」

 

舟子の通話を着ると大きな黒色の車が到着して、運転手が道路の端に止めると、水色のブラウスに、青色のスカートをはいた14歳の紫色の髪の中学生の少女、城戸舟子が車の中からドアを開ける。

 

「お疲れ様!炎山君。ネットバトルどうだった?」

 

「相手にならなかったな」

 

「うふふ流石だわ。炎山君に敵うオペレーターなんて中々いないわね」

 

俺の言葉を聞いた舟子は自分の事のように嬉しそうに笑う。

 

「ぶるーにーちゃん。お疲れ様でぴゅ」

 

「ああ。アクアマン、舟子のサポートちゃんと出来たか?」

 

「アクアマン、しゅーねーちゃんのサポート頑張ったぴゅ」

 

「そうか。偉いぞ」

 

ブルースがアクアマンの頭を、アクアマンは撫でると嬉しそうにする。

 

アクアマンは舟子の専用ナビ、頭の小さな穴から噴水が出ている小柄なネットナビ。

ブルースの事を兄のように慕い、ブルースもアクアマンを弟のように可愛がる。

 

「炎山君。今から行く会社の詳細と必要な書類よ」

 

「分かった。確認しておくよ」

 

受け取った書類の確認をしながら舟子を見ていると視線に気づいた舟子が問いかける。

 

「どうしたの炎山君?」

 

「ああ。舟子と出会った時を思い出してた」

 

「うふふ。私と炎山君が出会って一年よね。あの時は本当にありがとう」

 

舟子との出会いを思い出す。

 

一年前……

 

俺は父から指示を受け副社長としての仕事をしていた。

仕事が終わり大きな黒い高級車に乗り込み、運転手が運転する車で自宅に帰ろうとすると、自分より少し上ぐらいの年齢で水色のカッターシャツ、青色のスカートをはいた紫色の髪の少女が何かの袋を持ち嬉しそうに歩いていた。

しかし少女が秋原町の商店街を通り、彼女の姿が見えると商店街のシャッターが次々と閉まっていく。

 

「シャッターが閉まっていく?」

 

「私はこの近くに住んでいるのですが、あの女の子、城戸舟子ちゃんは“超”が付くほどの不幸な女の子、悪運少女としてこの商店街では有名なんです。舟子ちゃん自身は両親が亡くなり弟たちの為に頑張る健気な子なんですけどね」

 

俺の呟きを聞いた運転手が偶然この秋原町に住んでいて城戸舟子について説明する。

あの子も両親が亡くなったのか……

両親が亡くなり必死に生きてきた生前の俺と悲しそうな彼女の後ろ姿が重なって見える。

 

「……!?車を止めてくれ」

 

「ですが」

 

「いいから!!」

 

城戸が落ちていたカンに足で踏み転倒する所を見えたので運転手に車を路肩に止めさせて下りる。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ありがとう」

 

俺が彼女に手を差し伸べると礼を言いながら手を掴み立ち上がる。

 

「私は城戸舟子よ。貴方は?」

 

「俺は伊集院炎山」

 

「伊集院君ね。ありがとう」

 

俺と城戸は自己紹介をする。

 

「ゴミに躓いて転倒するなんて何度目かしら?ああ私は何て不幸な女の子なの……」

 

「そ、そうなのか」

 

自分の今までの不幸を呪っている城戸。生前の自分と似ていると思ってたがここまでネガティブじゃないな。

 

「……怪我してるな」

 

城戸の膝を見ると擦り傷が出来ていたので絆創膏を赤いジャケットのポケットから取り出して貼り付ける

 

「あ、ありがとう」

 

「ああ。乗っていけ」

 

「へっ?私のお家近くだから大丈夫よ」

 

「いいから」

 

俺は遠慮する城戸の手を引いて黒い車に近づくと説明し城戸を乗せて移動する。

 

「ここが城戸の家か」

 

「ええ。良かったら上がっていってね」

 

「お邪魔させてもらおうか」

 

車を城戸の家の駐車場に止めてもらい、城戸の自宅にお邪魔させてもらう。

 

「お姉ちゃん、アクアマン」

 

「お帰り!!」

 

俺より少し下ぐらいの年齢の弟二人が城戸と城戸のネットナビ、アクアマンの帰りを待っていた。

 

「姉ちゃん」

 

「その子は誰なの?」

 

「その子は炎山君よ。困ってた私を助けてくれたの」

 

「姉ちゃんを助けてくれたのか!ありがとう!俺はタイチ!よろしくな!」

 

「お姉ちゃんを助けてくれてありがとう。僕はアツホだよ。よろしくね。炎山君。」

 

「ああ。よろしく。タイチ、アツホ」

 

自己紹介が終わると、嬉しそうに袋を弟たちに見せる城戸。

 

「見てちょうだい二人とも」

 

「高そうなお米」

 

「美味しそう!」

 

「ふふふ。お店のくじ引きで高級N米を手に入れたのよ」

 

「姉ちゃんが!?凄い!!」

 

「おめでとう!!」

 

「分かるわ。これで私は悪運少女から卒業できるわ!」

 

城戸たちは高級お米が手に入り嬉しそうにしていて。

特に城戸は運がよかったので特に幸せそうに笑う。

 

「伊集院君も食べていってね」

 

「いや、俺は」

 

「いいじゃん!姉ちゃんも助けてもらったしさ」

 

「お礼もかねてね」

 

「ああ。分かったごちそうになる」

 

「ふふふ決まりね」

 

タイチとアツホの誘いもあり城戸の好意に甘える事にする。

 

「待っててね今からお米炊くから……きゃあ!?」

 

「どうした!?」

 

悲鳴が聞こえたので慌てて確認すると炊飯器に入れて米を炊こうとするが壊れているのか稼働しない。

 

「普通に使えてたのに……ああやはり私は悪運少女なんだわ」

 

「姉ちゃん元気だそうぜ」

 

「何時もの事なんだし」

 

「しゅーねーちゃん元気出してぴゅ」

 

自分の不幸を責める舟子と姉と大好きなオペレーターを慰める弟たちとアクアマン。

 

「はぁーブルース」

 

「はっ炎山様。運転手に連絡ですね」

 

ブルースに指示を出して運転手に連絡をいれる。

 

「城戸、よければ俺の家でご飯でも食べるか?」

 

「良いの!?」

 

俺の提案に大声で問いかける城戸。頷く。

 

「ありがとう!!伊集院君!!貴方は命の恩人だわ!!」

 

「大袈裟だな。いくぞ」

 

俺は自分の家に城戸姉弟を招待する。

 

炎山の家……

 

秋原町から少し走ると大きな豪邸が建ち車が門から中に入る。

 

 

「大きい……」

 

「炎山お前ってお金もちなんだな!」

 

「失礼だよタイチ。でも凄い」

 

家の大きさと広さに城戸姉弟たちは驚く。

 

「伊集院君、今日は何度もありがとう」

 

「ああ。気にするな。困ったときはお互い様だ」

 

城戸のお礼に返事を返すと伊集院家のコックが問いかける。

 

「坊ちゃん、今日はご友人の分もお作りしたほうがよろしいですか?」

 

「ああ。頼んだ」

 

「かしこまりました」

 

コックが頭を下げて調理場に行こうとすると城戸が小さく遠慮気味に手を上げながら声を掛ける。

 

「あ、あのう……もしよかったら……私が作っても良い?」

 

「お嬢さんがですか?」

 

「は、はい!料理は得意なんです!伊集院君のお口に合うかは分からないけど」

 

コックの問いかけに不安そうに俺を見ながら答える城戸。

 

「姉ちゃんの料理めっちゃくちゃ上手いんだぜ!!」

 

「うん。僕もお姉ちゃんの料理大好き」

 

「タイチ……アツホ……」

 

タイチとアツホの優しい言葉に城戸は目をウルウルとさせる。

 

「……それは楽しみだな。頼めるか?」

 

「え、ええ!!任せて!!」

 

俺の頼みに快く引き受ける城戸。

 

「すまないが頼めるか?」

 

「はい。伊集院家のコックとしてお嬢さんがどれだけ美味しい物を作れるか楽しみです」

 

「ええ!?」

 

俺の言葉を聞いたコックは意地悪そうに城戸見ながら言い放つ。城戸の顔はみるみる青くなっていく。

 

「こら。城戸をからかうんじゃない」

 

「すいません。からかい甲斐があるので。ですが興味があるのは本当ですよ。ではついて来てください」

 

「は・はい!お願いします」

 

俺の言葉にコックが頭を下げるが悪びれる様子もなく笑い、城戸を調理場に案内する。

 

「炎山!家の中案内してくれよ」

 

「僕も気になるよ。案内してもらってもいい?」

 

「分かった。着いてこい」

 

俺はタイチとアツホの二人を案内する

 

「すげえプールがあるぜ!」

 

「いっぱい本がある……」

室内にあるプールや書斎を案内した。

 

訓練所……

 

最後に大きな機械が置いてある場所に案内する。

 

「すげえ大きい」

 

「ここは何する所なの?」

 

「ネットバトルの腕を磨く為の場所だ……そろそろ時間だな……ブルース」

 

「はっ!炎山様。」

 

「プラグイン……ブ」

 

訓練をしようと機械にブルースをトランスミッションさせようとするとコックから異常があったと連絡が入る。俺たちは調理場に急いで行く。

 

調理場……

 

「ああ弟たちと伊集院君に美味しいご飯を食べて貰おうと思ってたのに……私はなんて悪運少女なの……」

 

俺たちが調理場に到着すると膝をつき落ち込む城戸がいた。

 

「何があった?」

 

「い、いえ……お嬢ちゃんが炊飯器でご飯を炊こうとしたところ、炊飯器が壊れてしまって……炊飯器は新しくなってるので……その……壊れるのは可笑しいかと……」

 

普段から料理を作ってくれているコックが言いずらそうに説明する。常に最新機種を揃えてるので壊れる確率は殆どない。それに今までそんな報告もない。

 

「ああなんて悪運少女なの」

 

城戸のネガティブ発言に俺は何度目かの苦笑いしていたが、とある言葉で俺の怒りのトリガーを引いた。

 

「私が不幸だから……私がいたからお母さんもお父さんも……なんて不幸な女の子なの……私は生きていてはいけないんだわ」

 

「お姉ちゃん」

 

「姉さん」

 

「しゅーねーちゃん……」

 

城戸が大泣きしながら生きていることに絶望していた。そんな姉を心配する弟たちとアクアマン。

 

「私がいたから両親が死んだ?……ふざけるな……ふざけるな!!」

 

「炎山様?」

 

珍しく怒りを見せた俺にPETの中にいるブルースが戸惑う。

だが俺の怒りがそう簡単に収まるわけもない。城戸の手を掴み起き上がらせると勢いよく怒鳴りつけた。

 

「お前はただ悲劇のヒロインぶってるだけだ!!」

 

「酷いわ。私だって好きで不幸になってる訳じゃないのに」

 

「お前のその陰気な性格が不幸を呼んでるだけってのがまだ気づかないのか!!」

 

「伊集院君……」

 

俺の言葉を聞いた城戸は目を大きく開く。

 

「姉ちゃんを虐めるな!!」

 

「やめて!!」

 

「タイチ……アツホ」

 

姉を虐めたと俺から庇うタイチとアツホ。

城戸は弟たちの存在に涙を流していた

 

「城戸……お前の両親が死んだのは確かに不幸だ……でもそれはお前の所為じゃない。それどころかお前は両親に弟たちの事を託されたんだ……だから簡単に死にたいなんて……絶対に言うな」

 

「伊集院君……」

 

「だから俺は……弟たちの為に頑張るお前の笑顔を守る……ブルース」

 

「はい。恐らくウイルスの所為かと」

 

「やはりな」

 

可能性を考えていたがブルースも同じ考えのようだ。

 

「頼んだぞ。ブルース」

 

「はい。お任せください。炎山様」

 

「プラグイン!ブルース、トランスミッション!!」

 

俺はPETを手に持ち付属のコードを掴み炊飯器の電子機器にプラグイン(セット)して電脳空間にブルースを送る。

 

炊飯器の電脳・・・

 

「ウイルス……数が多いな。炎山様!やはりウイルスがいました」

 

炊飯器の電脳空間に送られたブルースの目の前には黄色のヘルメットを被った無属性ウイルス、メットール。鷹の姿をした無属性ウイルス、キオルシン。饅頭のような姿をした炎属性のウイルス、ボルケルギア。幽霊の姿をした無属性のウイルス、ゴースラー……多くのウイルスに侵されていた。

 

 

「アクアマン……お願い!プラグイン!アクアマン、トランスミッション!!」

 

すると舟子もウイルスを倒すためにアクアマンをプラグインさせて炊飯器の電脳に送り込む。

 

「伊集院君、私たちも戦うわ。弟たちの為にも負けない!」

 

「しゅーねーちゃんの為にも頑張るピュ」

 

「アクアマン!頼んだわ!バトルチップ、アクアタワー!スロットイン!!」

 

舟子はPETにメモリーカードのようなアイテム、バトルチップをスロットイン(PETに差し込む)させると

アクアマンは手を地面に付けた。

すると地面から水の柱が現れてメットール、ボルケルギアに当たりデリートした。

 

「やるな」

 

「はい。恐らく何度もウイルスと戦ってきたのでしょう」

 

炎山とブルースは二人の実力に感心する。

幽霊のように透明になり姿を表したゴースラーがアクアマンを攻撃しようとした瞬間、ブルースが初期装備のワイドソードで切りつけデリートした。

 

「城戸、アクアマン。後は俺たちに任せてくれ」

 

炎山は舟子の頭にそっと手を乗せるとPETに視線を向ける。

 

「あ、ありがとう//」

 

PETに目線を向けている炎山は気づいてないが舟子は顔を赤らめていた。

 

「いくぞブルース!」

 

「はっ!炎山様」

 

ブルースはアクアマンがデリートしたとはいえ多く残るウイルスに怯む事なく対面する。

 

「バトルチップ、ソードシューター、スロットイン!」

 

PETにバトルチップをスロットインするとブルースの右腕がソードに変化して、ソードの下の部分に銃口がセットされている。

バトルチップの効果でブルースはソードとバスター両方の力を使う事が可能になる。

 

「はぁぁぁ!!!!」

 

近づくメットールをソードで切り裂き、飛行するキオルシンをバスターで銃撃してデリートする。

 

「次だ……バトルチップ、ビーストクロウ、スロットイン!」

 

「いくぞ!!」

 

PETに違うバトルチップをスロットインさせると、ブルースの両手に獣のような鋭い爪に変化しボルケルギアを切りつけデリートした。

しかし透明になり姿を消していたゴースラーが姿を表して背後からブルースに襲いかかる。

 

「伊集院君!!」

 

舟子の心配の声も無駄に終わる。炎山は完全にフィールドの状況を把握し、ブルースは炎山のオペレートを完全に信用していた。

 

「バトルチップ、ペーパーボディ、スロットイン!」

 

炎山はPETにバトルチップをスロットインすると、ブルースの身体が紙のようにペラペラになり攻撃を受け流す。

 

「凄い……」

 

炎山とブルースの戦いの様子をPETから見ている舟子はあまりの凄さに唖然とする。

 

「熱斗より凄いぜ」

 

「熱斗?」

 

「僕たちが通う秋原小学校の友だちなんだけどオペレーション技術が凄いんだ。その子よりもひと味もふた味も違うんだ。でも炎山君の強さはきっと努力の結果なんだと思うよ」

 

舟子が持つPETごしから見ていたタイチとアツホは学校の友だちを思い出すが炎山たちの実力は友だち以上のようだ。

アツホは先程案内された訓練所を思い出し、努力をしてきた事を想像する。

 

「ブルース、一気に終わらせるぞ」

 

「はっ!かしこまりました」

 

「バトルチップ、チャージアップ、スロットイン!」

 

炎山はPETにバトルチップをスロットインした。

バトルチップの効果でブルースの右腕の初期装備ワイドソードに力が集まる。

危険を感じたのか生き残ったウイルスがブルースに一斉に襲いかかるが、紙になっているブルースは全て受け流す。チャージが終わると紙状態を解除させた。

 

「いけ!ブルース!!」

 

「はっ!!これで終わりだ!!」

 

ブルースはチャージされて強化されたワイドソードを勢いよく振り下ろすとビーム上になり全てのウイルスを切り裂いてデリートした。

 

「ご苦労ブルース」

 

「炎山様もお疲れ様でした」

 

炎山はプラグを抜き取りブルースを電脳空間からプラグアウト(PETにナビを戻すこと)させる。

 

次の日……

 

「昨日の姉ちゃんの料理美味しかったな〜」

 

「行儀が悪いよ。でも美味しかったね」

 

「うふふ。ありがとう2人共。伊集院君も美味しそうにしてくれて嬉しかったわ」

 

昨日の食べた姉の手料理を思い出し涎を垂らすタイチに注意しながらも同意するアツホ。

そんな弟たちを微笑みながら見ている舟子。

 

「これからどうしましょう……新しいの購入しないといけないのかしら」

 

壊れた炊飯器と通帳を交互に睨みながら考える舟子。

すると家のチャイムが鳴る。

舟子がドアを開けると配達員が新型の炊飯器、新型の洗濯機、そして城戸姉弟たちが必要そうな色々な生活家電を運んでくる。

 

「あのう……これって?」

 

「伊集院様より届けてほしいと頼まれました。それとこの手紙を」

 

戸惑いながらも配達員に問いかける舟子。配達員は笑顔で答えると手紙を舟子に渡す。手紙を読む舟子。

 

[お前には弟たちが側にいてくれる不幸なんかじゃない。もし何かあれば俺を頼ってきてくれ。

PSご飯美味しかったぞ     伊集院炎山より]

 

「伊集院君……ごめんなさい、タイチ、アツホ……お姉ちゃん少し出かけて来るわ」

 

舟子は弟たちに謝るとそのまま家の外に出る。

 

「舟子ちゃん。乗ってくださいませ」

 

「運転手さん……お願いします」

 

運転手が高級車を止めていて、舟子は好意に甘え乗せてもらい炎山が働いているIPCの本社に着く。

 

「ここが伊集院君が勤めているところ……あのう伊集院炎山君に面会をしたいのですが……」

 

「すいません、副社長と面会をしたいのでしたらアポをとって頂かないと」

 

舟子が受付の人に面会を頼むが断られてしまう。

 

「そう言えば……これをお願いします」

 

「それは……分かりました。どうぞお通りください。係りのものに案内させますのでしばらくお待ちください」

 

運転手から渡された許可証を受付の人に見せると、係りの人が来て舟子を案内してくれる。エレベーターで上がり頂上の部屋に着き扉を開けると炎山が書類を見ながら仕事をしていた。

 

「伊集院君……」

 

「城戸!?何故ここにいる?」

 

炎山は舟子がここにいる事に驚く。

 

「私は伊集院君を……貴方を支えたい……お願い、わ、私をここで働かせて!」

 

驚く炎山とは別に舟子は炎山に近づいていき頭を下げて自身の思いを伝える。

 

「城戸……分かった。今日から俺の秘書として頼むぞ……城戸……いや、舟子」

 

「……!? 炎山君……今日からお願いするわ!」

 

舟子の思いを知った炎山は秘書として雇う。

こうして舟子は炎山の元で秘書として働いているのであった。

物語はその一年後からスタートする。

 

 




アニメを最近見ていますがみんな可愛すぎる。
ヒロインを追加しようと考えてます。誰を追加しようか迷います。ということでアンケートを取りたいと思います。

追加ヒロイン

黒井みゆき

サロマ

緑川ケロ子


バトルチップとスタイルチェンジのアイディア募集
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=322581&uid=110302

追加させるヒロインは誰が良い?

  • サロマ
  • 黒井みゆき
  • 緑川ケロ
  • 三人共
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