Repeat after me 「ラミ☆エル」!!   作:妖怪「キラキラ様」

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みんなお待たせ☆僕だよ☆

 

「ダァーーー、寝る!」

 

 登校早々、机に突っ伏した爆豪勝己から規則的な寝息が漏れ始める。

困惑したクラスメイトは、何か事情を知っていそうなモジャモジャ頭を後ろ手に掻きながら苦笑する緑谷出久に一斉に視線を向けた。

 

「デクくん、何かあったん?」

「いやぁ〜、アハハ」

 

 代表の様な形で麗日お茶子が尋ねると、緑谷は苦笑しながら「かっちゃんと仲直りして」と答えた。

 

「え、おめでとー?」

「うん、ありがとう!⋯なんで疑問系?」

「え、と、なんか一応、イジメ?ぽい話だったから素直に言うてイイんかなって」

「ハハハ、大丈夫だよ、ありがとう」

 

 ちゃんと色々話したから大丈夫。

そう話す緑谷は本当に嬉しそうで、麗日も思わず嬉しそうに微笑む。

 詳しい事情がわからずとも、何かしら解決し状況が改善したのだろうと、小声でざわめき、おめでとうと祝福する*1クラスメイトだが、ふと、疑問を抱く。

 なんで緑谷も眠そうなんだろう、何か雰囲気も煤けているし。

 

「特訓かい☆」

「うわっ」

「青山くん、ヌルっと来たね」

 

 おもむろに声を掛ける青山優雅に驚く緑谷だが、優雅は気にせず続ける。

 

「緑谷君の個性、爆豪君ならさっさと修正しそうなのにそのままだから、拗れた関係なのかなって思ってたんだ☆」

「そんな所から分析してたんだ」

「青山くん、キャラの割にキチンと見とるね」

「麗日さん」

「んふ☆」

 

 何だかのほほんとした空気に流されそうになるが、煤けた理由は空気を読まずに突撃出来る飯田天哉が解決してくれた。

 

「つまり爆豪君と個性訓練に明け暮れて、そんなに疲れた表情をしていると」

 

 飯田の言葉を肯定し、一昨日の帰宅時から軽い睡眠と食事以外は丸一日特訓に費やしたと告白する緑谷に、一同頬が引きつる。

 

「え、ヴィラン襲撃のすぐ後で特訓開始かよ!」

「極端から極端☆」

「よ〜やるわ」

「デクくん頑張ったんやね!」

「爆豪見るからにスパルタだもんなあ」

「それで、特訓の成果はあったのかい?」

 

 驚きを次々に口にするクラスメイトに苦笑する緑谷は、

 

「うん、おかげでコントロールは身に付いたんだけど」

 

 実は僕も眠くってさ、と目を擦り始め。

朝のホームルームには起きるから、と欠伸をした後、前の席の幼馴染みに続いて机に突っ伏したのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「しかし驚いたよ緑谷少年。爆豪少年に『OFA(ワン・フォー・オール)』の秘密を話したと聞いた時には」

 

 時間が過ぎて昼休み、オールマイトからの昼ごはんのお誘い*2にほいほい付いて来てみれば、先に呼ばれていたのだろう爆豪も交えた報告会を兼ねた昼食会となっていた。

 

「すいませんでしたオールマイト。秘密だって理解してたけど、かっちゃんは幼馴染みだから何も言わなくてもその内気付かれそうだし、それでまた拗れたら嫌だなって」

 

 秘密とか作りたく無かったんです、そう締めくくった緑谷は、改めて勝手に秘密を話した事を謝罪し頭を下げた。

 

 隣で同じ様に頭を下げて秘密の厳守を誓う爆豪と己の弟子を見比べ、トゥルーフォームとなったオールマイト*3、八木俊典は、本当に関係が改善されたんだなあと感慨深げに頷いた後、

 

「事情が事情だったからとやかくは言わないけど、今後は事前に連絡が欲しいかな」

 

 オジサンびっくりしちゃうからね、と茶目っ気を出しつつやんわりと釘を差したのだった。

 

 

 

 その後、緑谷の特訓の成果、『フルカウル』を見せて貰った八木は大いに驚き喜んだのだが。

 

「ご両親の『個性』かい?」

「はい!かっちゃんからお母さんの『簡単な物を動かす個性』と父さんの『火を吹く個性』、これが合わさったら自分の中の『火』つまり『エネルギー(OFA)』を『簡単に動かす』個性になるんじゃないかって!」

 

 そのイメージで『個性』を扱ってみろというアドバイスを受けた緑谷は、驚くほど簡単に『OFA(ワン・フォー・オール)』を全身に巡らせる事が出来る様になったと語る。

 

「まだデコピンとかで『飛ばす』時に全身の『OFA(ワン・フォー・オール)』を指先に集中しちゃうので隙は大きいんですけど」

 

 『フルカウル』なら推定五パーセント、『デコピン(DELAWARE SMASH)』なら推定二十パーセント程度の威力にはなるんじゃないか。

後は両親の『個性』を受け継いだってカモフラージュにもなるし、そもそも『両親の個性』という考えが持てたのが嬉しくて、拗れた関係だった爆豪が考えてくれた事がまた嬉しくて。

 そうした事を満面の笑顔で告げた弟子の姿に八木は。

 

(アレ?爆豪少年の方が私よりしっかり師匠してない!?)

 

 と、内心で衝撃と焦りを覚えるのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 そして、描写されていないが朝のホームルームで五体満足元気な相澤先生の姿に改めてホッと胸を撫で下ろし、『雄英体育祭』の話題で原作通り盛り上がったその日の放課後。

 

「な、何だこりゃあ~!?」

 

 と驚くA組きってのエロブドウ*4、峰田実の眼前に、教室前の廊下を埋め尽くす人、人、人。

 

 こちらを見つめる生徒達の視線に息を呑んだ峰田の襟を掴んで助けたのはまさかの爆豪だった。

 

「え、爆豪!?」

 

 掴まれたまま宙ぶらりんの峰田だけでなく騒然とするA組一同の視線をガン無視した爆豪は、廊下にいる生徒達を端から端まで一瞥した後、おもむろに入り口側の席で両肘を立てて掌で顎を支えて微笑む青山優雅に視線を移した。

 

「出番だぞ、キラキラ様」

「良いのかい☆子犬ちゃ「悪かった!行って来い青山!!」んふ☆」

(((素直に謝った!?)))

 

 自分から振っといてドン引く様に後ずさる爆豪の脇を優雅に通り、教室のドア枠に上品に手を掛け微笑み一言。

 

「みんなお待たせ☆僕だよ☆」

 

(((((誰だよ)))))

 

 青山優雅である。

 

 そんな動揺する廊下の生徒達を楽しそうに眺めた優雅は一歩を踏み出し。

 

 ドア枠から手を離した所で無言の爆豪に教室から閉め出された。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「「「え、エエエエェエエッ!?」」」

 

「かっちゃん!?いいの!?青山君廊下に居るけど!?」

 

 ピシャン!と小気味よい音を立てて閉まる教室のドアに背を向け、峰田から手を離して自分の席に戻っていく爆豪と、衝撃で思わず叫んだクラスメイト達、とついでに閉め切ったドアの向こうでも生徒達が叫んでいる気がする。

優雅の様子が気になったのかドアに耳をつけ盗み聞きの体勢となった峰田を尻目に、緑谷が爆豪を問いただすが。

 

「別に問題ねぇだろ、アイツ立ち位置はシーサーとかガーゴイルとかのアレだし」

 

 アレだ、『厄除け妖怪キラキラ様』だ、と嘯く爆豪は自分の席で立てた肘と拳で頬を支えてすっかりリラックスしている。

 

(((厄除け妖怪『キラキラ様』⋯⋯!!)))

 

 思わず噴き出し掛けた数名が口元を押さえる。

 

「それ、肯定したら真っ先に厄除かれたのかっちゃんになるけど」

「ァア゛ッ!?誰が疫病神だゴラァッ!!」

 

 だが立て直そうとした所での幼馴染みコントに、麗日を筆頭に大半のクラスメイトが噴き出す結果となったのだった。

*1
一応、睡眠中の爆豪に配慮した

*2
麗日「乙女や!!」

*3
初めて見たかっちゃんは目を見開いて驚いていた

*4
どんな紹介だ!男はみんなエロいんだよ!

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