Repeat after me 「ラミ☆エル」!!   作:妖怪「キラキラ様」

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僕が◇来たよ☆

 

 僕の名前は青山優雅、今日からここ、雄英高校でヒーローを目指し、勉学に、訓練に、励み、勤しみ、切磋琢磨する、ちょっとそこら辺には居やしない、内なるキラメキが止まることを知らない素敵に無敵な高校一年生さ。

 

 

 

 雄英高校の正門を前に腰に手をやり仁王立ちする、艶やかに、優雅にウェーブのかかった、撫でつけられた金髪に、煌めく星の様な青い瞳、にこやかな微笑みを携えた端正な顔立ちの少年、青山優雅をスルーして、登校中の生徒達が群れなし通り過ぎて行く。

仁王立ちのままプルプルと小刻みに震える彼を何も知らない者から見れば、調子が悪いのか緊張しているのかと思う者もいるだろう。

もしくは、誰しも気にも止めずに通り過ぎて行く様に孤独を感じ、哀しみに打ち震えているのやも、と思われるかも知れない*1

 

 残念ながら武者震いである。

 

 これでも彼なりに静かに感動を表現しているのだ。

普段の彼ならキラキラしく賑々しく、喧しいことこの上ない言動行動に星を撒き散らして*2騒ぎ立てて周囲から距離を取られるのが常な*3のだが、一応、入学初日ということで自嘲しているのかも知れない。

 

 内心の独白に!も☆も無かったし*4

 

 ひとしきり正門を堪能した優雅は良しというように頷き、大きく弧を描くにこやかな口元を隠すこともなく、堂々と、優雅に、弾むように校内へと入っていった。

 

 だって僕☆だからね◇*5

 

 

◇◇◇

 

 

「おはよう☆僕が◇来たよ☆」

 

 青山優雅、登校初日に教室のドアを開いての第一声である。

 

 前述の通り、親しい友人の居ない彼にこの教室内に知り合いなど居る筈もなく。

「あ、ああ」「おう」などの微妙な反応の後、お互いに気まずい空間が出来上がって居るように見える。

 

(うん☆朝の挨拶は、大事◇)

 

 気まずいのは周囲だけで優雅本人はやり遂げた感で一杯であるが。

 

「おはよう!」

 

 そんな中、場の空気に呑まれることなく、更には堂々と近寄りながら右手を上げて挨拶を返す男が現れた。

 

「聡明中出身の飯田天哉だ。名前を聞いても?」

 

 眼鏡をかけた黒髪の青年、飯田天哉である。

 

「やあ飯田君☆僕は青山優雅さ☆宜しくね◇」

 

 和やかに握手する飯田と優雅、濃ゆい挨拶と微妙な空気の後とは思えないごくありふれた風景に、固まっていた周囲も自然と落ち着きを取り戻していく。

優雅は飯田と少し会話を続けた後、自身の席*6に優雅に軽やかに着席すると、これから始まる高校生活のめくるめく喜びの日々を想像して、挨拶や談笑を続けるクラスメイトを穏やかな微笑みで眺めるのだった。

 

 

 

 ガララ、と教室のドアが開く音。

優雅が向けた視線の先に、緑色のモジャモジャヘッド。

 

「あ、囮の君だね◇」

「ほぇ?」

 

 緑色の天然パーマにそばかすの少年、緑谷出久は教室に入ると同時にかけられたよくわからない呼び名に素っ頓狂な声が出た。

 

「あー!モジャモジャの人!」

 

 だが、教室に入ってすぐ側の席、机に両肘を立てて開いた両手に顎を乗せ、にこやかに大きく弧を描く口元で微笑む男子生徒、言わずもがな青山優雅に今の会話の意味を聞くより早く、背後からかけられた女子生徒の声に動揺し、それどころではなくなってしまう。

 

 出久に声をかけた女子生徒、麗日お茶子に先程の飯田天哉まで加わって、入試の話題に入りかけた所での、担任、相澤消太の登場で気付けば教室にいた、A組一堂全員は体操服に着替えグラウンドに集合していた。

 

(怒涛の展開☆)

 

 流れる様な展開にウキウキと笑顔のまま話を聞く優雅を尻目に始まる『個性把握テスト』は、なんと成績最下位を除籍にすると言う。

 

「おかしくないかい?◇」

 

 理不尽だ、と騒ぎかけたクラスメイトが沈黙する。

今までただただにこやかに微笑んでいた優雅の、微笑みを絶やさぬまま放たれる言葉に、相澤の眉がピクリと上がる。

 

「かけっこが得意な子も、幅跳びが得意な子も、様々いるのが普通なのに、それで優劣を付けて除籍になるなんて、ナンセンスなのさ☆」

 

 優雅の言葉に、同じ事を考えていた飯田天哉やポニーテールの女子生徒、八百万百は密かに頷く。

 

「これは、警告だよ◇『個性』を使いたいから雄英に入ったのかい?そんな奴がヒーローになれると思っているのかい?ってね☆そんなヌルい考えで『個性』を使うなら、最下位じゃ無くてもきっと除籍さ☆」

 

 踊るように流れる様に、キラキラと小さな星のエフェクトを撒き散らし、身振り手振りを交えて話す優雅の姿にほとんどのクラスメイトが引き気味であったが、冷静に内容を聞き取り、冗談だと思っていた除籍が本気の可能性があると気付いた八百万百は顔色を変える。

 

「そんな!入学したのにすぐ除籍では、本当に、理不尽、では⋯」

「でもそれって、入学金が払えて、入試に受かったら、みんなヒーローになれちゃうって事だよね◇」

「⋯その通りですわね」

 

 入学出来た事の実績より、正しくヒーローにふさわしい精神性を持ち得ているか。

 言外に込められた優雅の思考に、発言している間に思い至ったのだろう。

もとより気を抜くつもりは無かったとは言え、軽率な判断だったと八百万百は優雅と、更には相澤に謝罪した。

 

「⋯いや、いいんだけどね」

 

 相澤はボリボリと後頭部を掻き、困った様に顔を顰める。

 

「弛んだ思考を引き締めるつもりだったから構わないが、ネタバレしちゃあつまらんだろう」

 

 どうすんの、この空気、と、一層緊張感が高まってしまった生徒達を一瞥してから、相澤は優雅を見る。

 

「え◇普通に『個性把握テスト』◇しますよ◇」

 

 何言ってんですかと言わんばかりのキョトンとした優雅の表情に、相澤の眉がまたピクリと上がる。

 

「だって今、僕たちがどれだけ動けるか◇僕たちがどれだけ『個性』を操れるのか◇自分自身の目で確かめるのが『個性把握テスト』だもの◇」

「今と、来年の今頃また『個性把握テスト』をして、どれだけ自分が成長したか確かめる為の指針☆」

 

 それがテスト◇でしょ☆と相変わらず身振り手振りとエフェクトのやかましい優雅の言葉に、クラスメイト達のやる気が戻っていく。

 

(一切動揺しない、完成された精神性)

 

 結局その後、『個性把握テスト』は普通に始まり、危うい所のあった緑谷出久も含め、全員除籍される事無く終了した。

 

(ヒーローに必要とされるキャラクター性も、その裏に冷静な思考力や判断力も兼ね備わっている)

 

 怪我をした緑谷出久は保健室に寄り、それ以外の生徒は教室へと帰っていく。

 

(強力な『個性』を使いこなす、将来有望なヒーローの卵)

 

 とは言え、と生徒達を見送りながら相澤は内心で呟く。

 

(癖、強すぎでしょう)

 

 担任である自分が、あの強烈な子を導くのかと考えて、「どうしたもんかねぇ」とボヤきながら空を見上げる相澤であった。

 

 

 

 

 

「ところで、何してんですかオールマイト」

「ア、イヤ、相澤君とA組、どこに行ったのかなあ、って」

*1
事実、青山優雅に中学卒業まで親しい友人らしき影はない

*2
比喩にあらず、物理的に舞い散り光る

*3
だから友達が出来ない

*4
名残りの読点がかなり喧しいことになっているが

*5
やかましい

*6
出席番号一番!目立っていいよネ☆




この青山君のベースにしているのはヒソカ(HUNTERXHUNTER)のつもりだが、多分パピ☆ヨン(武装錬金)辺りの影響の方が色濃いと思う。
武装錬金あらすじすらミリ知らなんだが。
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