Repeat after me 「ラミ☆エル」!!   作:妖怪「キラキラ様」

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そんなのただのナルシストじゃないか☆

 

 「凄え個性だった!!」「キャラだけじゃ無くて個性も強えな!!」などと称賛の声を浴び、誰とは言わないが、

 

(飼い主と、飼い犬のじゃれ合い☆)

 

 と、内心で本人に聞かれたら黒焦げにされそうな事をボヤいた戦闘訓練のあった次の日。

 

 雄英高校正門前に集まったマスコミと、その中心に立つご存知青山優雅。

 

「今日は僕の為に集まってくれてメルシー☆」

 

(((((え?)))))

 

 困惑するは言わずもがな、今年度から雄英教師となったオールマイトに関して取材を、と意気込んでいたマスコミ一同である。

登校してくる生徒にマイクを向け、箝口令でも敷かれているのか足早に去っていく生徒が多い中、にこやかに受け答えするヒーロー科だと言う生徒を捕まえたと思えば、これであった。

 

 質問してものらりくらり、たまに答えても自分の事ばかり、キラキラしくて目立って整った顔立ちなので視聴率的には悪くなかろうが、なんだコレ、とインタビューする彼らは困惑する。

 

 結局、大いにインタビューを楽しむ優雅を囮に他の生徒は悠々と登校し、頭痛を抑えるようにやって来た相澤に首根っこ掴まれて連行されて行く優雅を映したのを最後に、マスコミの今日の取材は終わるのだった。

 

「アデューーーーッ☆」

「やめなさい」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ところ変わって朝のホームルーム。

 

 相澤から委員長を決めるように言われ、クラスメイト一同大いに盛り上がった後、暫定的にまとめ役となった飯田の発案による投票の結果が開示された。

 結果は概ね原作通りだったが。

 

 青山優雅 二票

 緑谷出久 四票

 

 もう一度言う。

 

 緑谷出久 四票

 

 原作より一票多く獲得しての、本人的にはまさかの緑谷出久、委員長選出である。

 

「僕に二票も入れてくれるなんて、お礼にウインクあげるね☆」

 

 まさかの結果に動揺する緑谷を尻目に、誰が投票したかわからないのでと、入り口側の自分の席から立ち上がった優雅渾身の、クラス全体を見渡しての、星間飛行ばりにキラッ☆とした完璧なウインクであった。

 

(((((無差別かよ)))))

 

 本人ばかりが大満足の、どう反応すれば良いかわからず無言が教室内を埋めていく中、逆立てた赤髪が特徴的な男子生徒、切島鋭児郎がふと気付く。

 

「青山、お前、自分に入れなかったのか?」

「うん◇僕は緑谷君に投票し「なんで!?」☆」

 

 平然と答える優雅にとんでもない流れ弾をくらった緑谷が慄くが、優雅自身にしてみればそれこそ「なんで☆」である。

 

「僕のこの身の内に潜む、抑えても抑えきれないキラメキが溢れ出てきて止められないのに気付いたからこそ投票してもらえた、寧ろ二票しか得られなかった僕のキラメキ不足を恥じ入るばかりだけど☆僕が僕に投票してしまったら、そんなのただのナルシストじゃないか☆」

 

 お前、(((((ナルシストじゃ無かったんかい)))))、被った。

 

 心底驚いた、心外とばかりに反論する優雅に対し、担任すら含めた教室内の人間の心が、一つになった瞬間であった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「だって面白そうなんだもん、君◇」

「待って、そんな理由なの!?」

 

 昼食時間の食堂、ランチラッシュ作の見事なら食事に舌鼓を打つ中、「我が家自慢のシェフお手製さ☆」とフランスパンを使った豪華なバゲットサンドを上品に食しながらの優雅と緑谷の会話である。

 

 優雅はそもそも緑谷とつるもうとは、というか来る者拒まずの精神で割とフリーダムに過ごしているので基本一人だが、今日は緑谷を筆頭に飯田、それから(『我が家のシェフ』ってなんなん?)と格差社会に衝撃を受ける麗日の、仲良しトリオに捕まっての昼食会となった。

 

「だって君◇あの爆豪君と堂々やりあえるじゃないか☆あとすぐ体壊すし、地味だし☆」

「そ、れ、は⋯、単に幼馴染みで他の人より慣れているというか⋯(地味?)」

「デク君凄かったみたいだもんね!!(地味?)」

「それに洞察力も中々優れている!僕も精進せねばと勉強になったよ!!⋯⋯地味はネガティブな感想ではないか?」

((言った!))

 

 一応、委員長という大役に尻込みするように消極的な風情の緑谷だが、優雅以外の麗日、飯田も彼を肯定的に捉えてくれる。

『地味』の一言に意識が持っていかれなければ、赤面して言葉が出なくなっていただろう。

 

「ノン◇逆に聞くけど飯田君、キラメキ溢れる僕が目立って特別だと思うかい?☆」

「ん、いや、君は何だかいつも賑やかだから、寧ろ静かな方が何かあったかと驚くと思うが」

 

 何か、『地味』話が深掘りされている。

 

「そうだね☆僕も例えば眼鏡で真面目で、誠実そうな君なら委員長にふさわしいと思うよ☆」

 

 優雅の唐突な『委員長向き』の発言に、飯田も思わず言葉に詰まる。

 

「それは、嬉しい評価だが⋯⋯、だが、君は緑谷君に票を入れた」

「だって、その方が面白いだろう☆」

「ん、何故だい?」

 

「だって、緑谷君は地味で大人しそうな見た目なのに、あの爆豪君に負けない意思の強さで、周囲に目を向ける洞察力と冷静さがあって、他人と協力し合える協調性があって、なのに普段何一つ見えないから、何が飛び出るか予想が付かない◇」

 

 まるでびっくり箱だね☆と、優雅は本当に可笑しそうに、しかしながら嬉しそうに笑う。

 

「で、でも、僕に務まるかどうか⋯⋯」

 

 思った以上の高評価に今度こそ赤面しつつ萎縮する緑谷だが、即座の麗日の「務まる!」に驚いて固まる。

 

「そういう頼りなさも君の魅力の一つさ☆それに、最初から何でも出来たらつまらないだろう☆」

 

 僕、サプライズは大好きなんだ☆と締めて、優雅はナプキンで手の汚れを拭き、食べ終わったバゲットサンドの包みを丁寧に片付けていく。

それを見た緑谷達も食事を再開して、少しの間会話が途切れる。

 

 その後、おもむろに誰かが飯田の一人称『僕』に疑問を持った事でヒーロー『インゲニウム』が飯田の兄だと言う事がわかったり、想像通り優雅が裕福なご家庭出身だと判明し麗日が「セレブや!」と悶えたりと会話が弾んでいく中、緑谷はふと、最初は誰かに代わって欲しいと思っていた委員長の仕事を、ちょっと頑張ってみようかと思っている自分がいる事に驚くのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ところで◇」

 

 すっかり食事も終え、まもなく午後の授業だと教室へ帰ろうとする頃、ふと思い出した様に優雅が呟く。

 

「尾白君が副委員長に八百万さんを熱く推したのは、やっぱり僕じゃ不安だったのかな☆」

「「「⋯⋯⋯」」」

 

 残念そうな内容を、微塵も残念に思えない口調と表情で告げる優雅に対し、沈黙で返す三人。

 

 一人は(女子のまとめ役も必要という、合理的な判断ではないのだろうか?)と、その疑問の理由自体に意表を突かれていただけだったが、あとの二人、いや、優雅を含めた三人は理解していた。

 

(((普段の会話について行くのが不安だったんだ))ネ☆)

 

 言ってはなんだが尾白猿夫、普段は地味目の大人しい目立たないキャラである。

そんな彼が相澤の「副クラス委員長は」という言葉を遮っての「八百万さんが良いと思います!!」の発言は、その声量も相まって相澤を含めた全員を驚かせた。

思ったより声が出たのか顔を赤らめた尾白だったが、後には引けじと拍手まで交えて同意をもぎ取り、困惑する八百万本人をよそに副委員長に決定するという流れであった。

 

 ちなみに、某ブドウ頭や某氏曰くのアホ面が尾白から八百万の好意を疑いかけたが、某アホ髪こと切島に「どうした?」と尋ねられた際の一瞬向けた青山への視線と、それを見て大いに挙動不審となった『ダークシャドウ』によって、誤解は解けている事をここに記す。

 

(キャラ、濃いもんなあ)

 

 強さ的にも機転的にも頼りになるのだろうが、振り回される事確定な強烈なキャラの彼がまとめ役⋯⋯?という共通認識を全員が持った、かどうか確かめる術は無いが、彼らA組の総意として、緑谷が委員長、八百万が副委員長と決まったのであった。




この作品内の投票相手

緑谷出久
緑谷、飯田、麗日、青山

青山優雅
常闇(ダークシャドウの暴走)
八百万(一目置いている、が早まったかも)

八百万百

尾白(青山のストッパーとして飯田と二択)
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