Repeat after me 「ラミ☆エル」!! 作:妖怪「キラキラ様」
『
雄英高校所属の教師、『スペースヒーロー13号』が制作した、災害救助の指導用施設である。
そんな『USJ』の正門ゲートを抜けてすぐ、中央に位置するセントラル広場を見下ろせる階段前の小広場で、優雅達A組一同は13号先生からのタメになる『お小言』を三つ四つと聞いていた。
「ところでオールマイト先生は?」
「朝からヒーロー活動中でここへは直接来られると出発前に聞いたが⋯⋯」
『お小言』が終わったところで13号は今回の担当教師が一人、例の大型新人『オールマイト』がいない事に気付くが、相澤に尋ねれば到着が遅れるという。
残念がる生徒達を背に二人の教師は顔を見合わせ、あの
「⋯⋯仕方ありませんね、このまま「私が〜!!」!!」
13号がオールマイト抜きでの授業継続を決めようとしたタイミングで、誰しも耳にした事のある例の声が響く。
「少ーし遅れて来たァーーー!!」
「「「オールマイト!!」」」
天空から飛来した男の、軽い砂ぼこり程度でその巨体に不釣り合いな、振動を微塵も感じさせない見事なヒーロー着地。
みんなのNo.1ヒーロー『オールマイト』の登場である。
「⋯⋯オールマイト」
「いやあ、遅れてゴメ「空から飛んで来ましたけど、まさか天井に穴など⋯」い!?イヤイヤまさか!!ちゃんと裏口から鍵で入りましたとも!!」
これ、根津校長にお借りしたスペアキーです、と慌てて13号に鍵を返して礼を言うオールマイトだが。
「まあ、事情が事情ですから時間厳守については言いませんが。裏口利用と登場演出の為の鍵の拝借、立派な職権乱用ですので以後気をつけて下さいオールマイト」
「ウグゥゥ!?ご迷惑おかけしております。相澤君も遅れてゴメンね」
ジト目の相澤に続けて叱られ、大きな体格を小さく縮めるNo.ヒーローという世にも珍しい光景が見られる事となった。
(オールマイトが叱られてる〜!?レアな光景、目に焼き付けなきゃ!!)
(やっぱり13号カッコええわ〜。)
(さすが雄英、No.1ヒーローにも忖度無し!如何に現代の英雄と言えど一教師としてきちんと指導するその姿勢!見習わなくては!)
(あのヒーロー着地◇僕なら真似出来るかな☆キラメキを高めなきゃ☆)
☆☆☆
「今日は各施設の案内と簡単な体験をして、レポート提出で終わりですよ〜」
13号の優しげな声と共に一同揃っての施設見学が始まった。
最初に訪れるのはセントラル広場から正門に向かって左手に位置する、『暴風、大雨ゾーン』のドームである。
「おお、風が強い!」
「雨も降ってるわね」
「梅雨ちゃん雨得意?」
「雨は好きよ、カエルだから」ケロ
薄暗いドーム内では霧雨が降っている状態だが、これはデモンストレーションで本来は台風並みの雨風を降らせた中での救助訓練、もしくは夜間訓練などを想定した場所だと言う。
「イマナラアイツニカテルゼ!!イクゾフミカ「えい☆」アーヒカリガー⤴!?」
「!?すまん青山。⋯⋯何故いけると思ったダークシャドウ」
「クライカラ⋯⋯」
☆☆☆
一旦正門前に戻り反対の右手側に向かう。
「13号先生、そのまま水難ゾーン行かないんですかあ?」
「あそこは最後です。みんなずぶ濡れになる予定なので」
「「「え!?」」」
そんな衝撃的な予告を聞きつつ二カ所目、『倒壊ゾーン』。
戦闘訓練の際に利用したようなビルが立ち並ぶエリアだが、ほとんどのビルがひび割れ崩れかけ、無事なものが見当たらないのが特徴だ。
「演習場などと違って床のがれきやガラスの破片が散乱したままにしているのは、廃墟や大災害後の現場を想定しているゆえですね」
「うわ、実際は確かにこんなだよね。あたし靴脱げないや」
「葉隠さんはコスチュームが特殊ですものね」
「女子の柔肌に傷がつくだぁ!?オイラが密着して守るべきか「峰田」⋯⋯」
定期的にセメントス先生にメンテナンスをお願いしていると13号に紹介されると、某ヒーローオタクが若干荒ぶりかけたが些細な事である。
☆☆☆
『倒壊ゾーン』を抜けて、時計回りに移動し辿り着くのは『土砂ゾーン』。
「土砂崩れが固まるとこんな感じか?」
「土って改めて触ると掘るの大変そうだよな」
「砂藤、手で掘るの?」
「緊急時ってそういう事だろ?」
土砂崩れを基本とした山間部での災害時の訓練に利用する施設を見学して回る。
「おお、歩きづらい地形に埋まった家屋、重機が欲しいけど入りづらそうな奥地での状況、わたしなら無重力で引っ張り出すのに役立ちそう」
「あ、でも麗日さん、ここらへん色々絡まってるから、下手に持ち上げると二次災害起こりそう」
「ホンマや!あー、こういうんもちゃんと判断出来るようにの訓練かー」
「ただの見学って言うけど、実際歩くと色々分かってくるね」
「ちなみにここはパワーローダー先生がちょくちょく掘り返してます。いいストレス発散になるそうですよ」
「「!?」」
☆☆☆
「え、寒!?」
更に時計回りに四カ所目、高所、山岳地帯での事故等に対応した『山岳ゾーン』、高所の気圧の薄さはさすがに再現出来ないが、地上より高く吹きさらしの岩肌は他エリアよりも体感温度が低めに設定されていた。
「私裸だから寒い〜!?」
「私はギリギリまだだけど、これ以上は眠くなっちゃいそう」ケロ
「!?お客様〜お客様の中に火をお持ちの方、爆豪!!⋯⋯は今センシティブ「ぁあ゛!?」」
「察してンなら口に出すなや!!「ゴメン!」オラ!!」
「おお〜爆破の火花、意外と温かい」
「火力調整すりゃある程度イケんだわ。つか、こういう状況想定して全身タイツ程度は着とけ。個性因子混ぜるとかいう謎技術で今なら透明スーツ出来んだろ」
「そーなの!?サポート科相談案件か」
「爆豪ちゃん温かいわ、ありがとう。ごめんなさいね、私の発言から色々と」
「だから口出すなっつー」
「何か爆豪が捨て猫拾う不良と化してる。軟化フラグか!?」
「ァア゛!?んな安っぽい設定と一緒にすんな黒目ェ「芦戸三奈!!どんなアダ名だ!!」」
(かっちゃんが女子に群がられてる〜!?な、何かドキドキする、有名人のスキャンダルを見ちゃった感じが⋯⋯!!)
「おい、お前ら!!轟の左側温けえ!?」
「え」
「マジか!マジだ!?」
「お」
「うわー助かるー、俺これでも寒いのよ」
「お前まだいいだろ、俺なんてピッチリスーツよ」
「お前ら俺なんて上半身裸だぞ!?」
「う〜、本当は女子に混ざりたい!でも今日の爆豪は女子セラピーで軟化させねばきっと危険、ぅう〜ハーレム絶許!!」
「血涙流すなら混ざってシバかれてこいy「ヤだよ恐えーもん!!」おぅ」
「⋯⋯お前ら」
「「「あ、轟アザーッス!!」」」
「⋯⋯おう」
☆☆☆
『山岳ゾーン』を降りて隔離された区画、常に炎の舞う『火災ゾーン』へ辿り着いた一同。
「一応換気もしっかりしていますが、視界も悪く呼吸もし辛いので皆さん気を付ける様に!」
「「「「「はい!」」」」」
「凄いな、そこら中残り火で思ったより移動し辛い」
「この残り火も見学用に鎮火させてるみたいだね☆」
「そうか、本来もっと視界も炎で塞がれるのか」
「尾白君の尻尾は気を付けないとコゲちゃうね☆」
「ハハッ、確かに。⋯⋯青山、ゴメン」
「ん◇何がだい☆」
「いや、副委員長の件、何か青山の事を思い切り嫌がったみたいになったって後から気付いて」
「んふ☆そんな事かい☆気にもしてなかったよ☆」
「それなら良かったけど、でも、ケジメっていうか、さ」
「律儀☆」
「こういう所はボクの個性は使えないね」
「口田か⋯⋯。動物を操るんだったか」
「ウン。みんなだいたいこうなる前に逃げちゃうから⋯⋯」
「事前避難とか動物を参考に呼び掛けられないのか?」
「!?」
「寒い後の熱いはありがたや〜」
「「「ありがたや〜」」」
「皆さん!本来こういった場はもっと危険なのです、気を引き締めて行動して下さいませ!」
「「「サーセン!!」」」
☆☆☆
「じゃ、予告通り着衣泳体験、行ってみようか。オールマイト」
「了解!そぉいっ!!」
『USJ』最後のエリア『水難ゾーン』。
滝に見立てたウォータースライダーに海での遭難を想定してか船まで浮いた水上エリアで、オールマイトの気の抜けた声と共に船上から生徒達は次々と水中に放り出される。
No.1ヒーローに投げられるという、半ば『ご褒美』的な流れに生徒達は今日イチの盛り上がりを見せた。
「あれ!?浮けねえ!?」
「あ、上鳴君落ち着いて!背中で浮いて、こう」
「お、お、おお !?俺、浮いてる!?」
「良かった〜上手くいって」
「サンキュー委員長!」
上鳴を上手く『背浮き』の体勢に誘導した緑谷は、他のクラスメイト達からも次々と助言を求められる。
大慌ての緑谷を八百万や水中適性の高い蛙吹が手伝い、和気あいあいとした時間が流れていく。
そこから外れた場所では唯一全身鎧のコスチュームに身を包んだ飯田が水中でコスチュームの脱衣を行っていた。
「先生!無事!コスチュームの脱衣完了致しました!!」
「お、上手に出来たじゃないか!じゃ、脱いだ鎧は拾っておくね」
「ありがとうございます、オールマイト先生!我儘に付き合って頂き申し訳ありません!」
「いやいや、水中での行動を想定しての脱衣訓練だからね。生徒の自主性に付き合うのは教師冥利に尽きるってもんさ!」
(その教師まだ新人ダケドね)
(シッ、先輩、聞こえますよ!)
☆☆☆
「さて、皆さん注目!」
奇しくも『背浮き』の実践によって『着衣訓練』の様相を呈している生徒一同に、13号はこちらを見る様船上より促す。
「今日は一通り各ゾーンを見て回り、災害現場の状況をより想像しやすくなった事と思います。次回の災害救助訓練から一カ所ずつ使っての実践を始めますが、次回までに現時点での感想と、自分が実際に必要だと思うレスキュー用の道具をレポート用紙に書いて下さい。使用する道具は勿論こちらで準備しますが、実際の訓練を通じて、今現在の認識と実際必要な救助作業とのギャップを理解する事で、自身の認識度合いへの理解、想定外に対する対処の訓練も兼ねますので、真剣に考えて見て下さい!」
「「「「「ハイ!!!」」」」」
今日の締めとしてのレポートの話を伝え、真剣な、そして元気な生徒達の返事に対し満足気に頷く13号に、一通り授業が終わってホッとした様子の担任と新人教師。
後は生徒達を船上に引き上げ、終了の挨拶だ、という所で。
「!!?」
オールマイトが空気の変化に天井を見上げる。
一歩遅れて相澤が、更に遅れて13号が周囲を見渡し始め、その様子に困惑の広がる生徒達を至急船上へ、と考えた教師達のいる船上の周りに突如何かが落ち、水柱が立ち始めた。
一つ、二つ、三つ。
相澤は油断無く周囲を見渡しつつ水柱の音を数え、最終的にそれが十二で止まった事を理解する事になるが、
「生徒各員、自衛に限り個性の使用を許可する!委員長、生徒を連れて陸地を目指し避難しろ!」
「は、ハイ!」
そうなる前、水柱が立ち始めた瞬間に緑谷に指示を出し、全ての水柱が立った後で船上に黒い霧が出現した事で、狭い船上に生徒達を密集させた場合の危険性を排除出来た事に安堵した。
「(逃げ場の無い狭い船上で
「任せたまえ!!」
姿は確認出来ずとも、既に状況は明確な『
水面下の
「あれ、船の上?オールマイトは?てか、生徒居ないじゃん」
「死柄木弔、オールマイトは脳無の迎撃中です。生徒は既に船外に退避している模様」
「へぇ、判断が早いね。それに引き換え『先生』の『予知』って当てになんないんじゃないの?」
「いえ、あくまで『オールマイト』を辿って直接移動可能なので有用ですよ。年々精度が落ちているようですが」
「ハァ〜、未だ『天使』の呪いは消えず、か。こんな事させないで引きこもってりゃ良いのに」
あ~、ゲームしたい、と、かったるそうに霧の中から現れたのは身体中のあちらこちらにリアルサイズの人間の手を模した飾りを身に着けた、死柄木弔と呼ばれた男と、その彼に寄り添う様に佇む黒い霧に覆われた男。
『
何か書き損じたので。
飯田君の鎧の下は入試の際のスポーツウェアとかジャージ的な衣服を想定してます。