駆け足展開。 続けるか迷いましたが……。
誤りもあると思います。ご注意下さい。
まさかガンダムとペガサス級強襲揚陸艦を手に入れてしまうとは。
とっくに俺のビジョンとは違う道を歩んでいるが、まぁ生き残る筋道が増えるのは良い事だ。
取り敢えず鹵獲した兵器を本格的に解析、改装する為にムサイで牽引し宇宙へ戻ったが、連邦唯一の宇宙拠点ルナツーから発進してきたプロトタイプガンダムと鹵獲ザクと交戦になる。
機密が盗まれてんだ、慌てもする。
だがそこもシャア少佐、あっさり始末した。
鹵獲した白いガンダムを駆り、その機動力と艦に積まれていたビームライフルなる凶悪な武装、それらを扱う類稀なるセンスには頼もしさより恐怖を覚えたね。
ただその後、トリコロールカラーが目立ち過ぎるからと、自身のパーソナルカラーである赤に塗り潰された。
俺からすれば、それも十分目立つんだが。
まぁ連邦からシャアだと1発で分かるから、プレッシャーは相当だろう。
それと、フラナガン博士とかいう奴がシャアの凄さに惹かれたらしく、ニュータイプだなんだと便宜を図り、専用武装の搭載がガンダムに施される。
ビットとかいう、オールレンジ攻撃が出来る兵器で、開発中止になったエルメスとかいうモビルアーマーの武装を転用したものらしかった。
また、ニュータイプの実戦テストにおいて、もう1人のニュータイプであり専用モビルアーマーのブラウ・ブロを駆るシャリア・ブルとタッグを組む。
間も無くして2人で協力し合うマブ戦法を編み出し、多大な戦果を上げるようになると、ザビ家の女、キシリアの目に止まる事となった。
一方俺はといえばニュータイプとは認められず、ドレンの艦でデニムとマブ戦術モドキを模索しながら共に宇宙を漂うばかり。
月面や地球軌道の哨戒や、そのうち地上から上がってくる人員の回収任務とか、ツマラねぇ事をやらされた。
別に不貞腐れるつもりはねぇ。 後方だし。
一応はシャアの部下ってんで、いつからかキシリアの庇護下にあるようなもので、ヤベェ激戦地に送り込まれる事はなかった。 宇宙要塞ソロモンとかな。
ソロモンはビジョン通りになりやがった。
連邦の新兵器ソーラーレイで灼かれて陥落しやがったんだ。
猛将ドズルは戦死。 ジオンは遺憾ながら放棄、残存戦力は後方のア・バオア・クーや本土防衛に回され、連邦はソロモンを支配下におき、コンペイトウと名付けて再利用を始めやがる。
ジオンは地上とソロモンを失い、益々の長期戦となれば負けると思ったようだ。
思い切ってルナツー攻略を開始。 連邦の宇宙拠点を潰し、地球と宇宙を分断する事を試みた。
キシリア派のマ・クベを指揮官に残された戦力がつぎ込まれ、数日に渡り激戦が繰り広げられた。
キシリアに目をかけられているシャアに嫉妬してか、マクベはシャアをルナツー攻略に呼ばなかったのと、他派閥が管轄するビグザムを借りたくなかったのも長期化の原因だったろうな。
俺としてはどうでも良いが。
最終決戦で英雄になりたい訳じゃないんで、そのまま1年戦争終戦、完! となれば御の字なんで。
暫く連邦軍は粘ったが、最終的に量産されたモビルアーマー、ビグザムがやっぱり投入され、ルナツーは終わる事となる。
だがルナツーはオトリだった!
ジオンの戦力を其方へ傾かせる間、核パルスエンジンをソロモンにつけた連邦は、月面都市グラナダにぶつけようとしたんだ、ジオンが地球にコロニー落としをしたように!
月を失えば、地球の監視が緩む。
他にもありそうだが、独立を維持するには失う訳にはいかなかったろう。
連邦もそれを知ってか、戦争に負けるにしても道連れの想いで滅茶苦茶をしたに違いない。
「強襲揚陸艦、本来の役割を果たすしかあるまい」
シャア大佐はいった。
敵の護衛艦隊の抵抗を掻い潜りソロモンに揚陸。 モビルスーツを送り込み、決められたポイントに爆弾を設置、起爆して内側からバラバラにすると。
「ソーラーレイに焼かれた場所だ! そこなら比較的弾幕が薄い!」
ブリッジでドレンが叫ぶ。
舟が沈みながらも突き進む。
皆、必死だった。 頼れるのは僅かな戦友だった。
俺はこの時、内心涙目だったよ。
鹵獲したペガサス、ソドンと僅か数隻のムサイと共に特攻紛いに突っ込み、爆弾抱えて中に転がり込むんだからな。
工兵隊を援護する為、俺はデニムと共にマブを組み、ソロモンの外で戦った。
連邦の軍艦、なけなしのガンキャノン、そんな連中の死に物狂いの弾幕を抜いて弾の限り撃ちまくる。
あの世に弾は持ってけねぇ。 全弾敵にくれてやる勢いでな。
どれくらい生きただろうか。
気が付けばザクは片腕を失い、マブのデニムのはモノアイの光を失いかけていた。
その時だ。
ソロモンに頭を突っ込んでいたソドンは脱出、作戦の成否が問われる中、それを見た。
「シャア大佐! 脱出して下さい! シャア大佐!?」
『何ということだ……刻が視える……!』
ソロモンからきらきらとした、爆発ともいえぬ不思議な光が溢れ出し、その半分くらいを抉り取ると、月面ギリギリを抜けていき、宇宙の彼方へ消えていった。 シャア大佐と共に。
「なにが、なにが起きたんだ……!?」
連邦の悪足掻きは、こうして未遂に終わった。
その後、年明けから数日。 連邦は宇宙の拠点を失い、月への攻撃も失敗したことで戦争継続を断念。 休戦を申し入れ、戦争は一応の終わりを見せた。
俺は確かに生き延びた。
当初の目的を果たしたんだ。 だからこれ以上望む事は無くて良い筈だ。
だが……だというのに。
「あの奇跡は、光はなんだったんだ」
疑問は光のように消えず、けれど宇宙の闇へと吸い込まれ続けるのだった。
ビジョンは中途半端でアテにならない。
それでも答えのヒントがあるなら、もしかしたら、あの赤髪の少女こそがそうじゃねえかとも思った。
だから俺は予備役となった後も探すだろう。
あの光の答えを。 消えた赤いガンダムを。
不思議と記憶に残り続ける、赤髪の少女を。
後書き
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